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チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。4年目。

ドゥニ・ヴィルヌーヴの新作「メッセージ」は崇高かつ深遠なメッセージ性を秘めた◯◯との遭遇だった。

昨日はドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の新作「メッセージ」を映画館で鑑賞してきた。本作の概要を知った時点で興味津々で公開を待ち詫びていたし、そうでなくともこの手のSF作品は大きなスクリーンで観るに限るから、迷いはなかった。世界各地に合計12隻の巨大な宇宙船というか正体不明の構造物、いわばUFOが出現するも、そのまま沈黙を維持する。米国当局は本土に降りた一隻と接触し、彼らが地球に来た真意を探る必要に迫られる。そこで交渉役として白羽の矢が立ったのが主演のエイミー・アダムス演じる言語学者ルイーズ。宇宙船は既存のメカニカルなデザインとは一線を画し、見るからに荘厳で人智を超越した構造でできている。内部に入っていくシーンはワクワク感がハンパなかったが、待ち受けていたのは、七脚に七指を有するタコの様な巨躯のエイリアン二体で、そのナリには度肝を抜かれてしまった。彼らはその脚からタコよろしく墨状の物体を放出して、奇妙な円状の図形を描くのだが、ルイーズはそれがいわゆる表意文字だと悟り、コミュニケーションの足掛かりを得る。見るからに派手な演出は無く、ヴィルヌーブ監督らしい、静謐というか陰鬱な調子で、淡々と物語は進行するのだが、彼らが地球にやってきた真の理由と、ルイーズの抱える苦悩が、同時に解き明かされていく過程が丁寧に描かれていて、見応えは十分にあった。終盤の展開こそやや強引な嫌いを感じなくも無かったが、地球外生命体に対する自分の固定観点を覆すだけのインパクトはあったし、切なくも優しい鑑賞後感が素晴らしかった。しかし、タコとの遭遇をここまで正面切って描けるとは恐れ入った。

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