チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

5時から7時の恋人カンケイ

ビクター・レビン監督作「5時から7時の恋人カンケイ」("5 to 7" : 2014)[DVD]

作家志望の青年が既婚子持ちの魅力的な女と運命的な出会いを果たし、午後五時から七時までという時間限定で始まった不倫関係の帰趨を描くロマンチック・コメディ作品。

 

ニューヨークに住む24歳のブライアンは、作家を志望しており、自著小説を世界中の雑誌社に応募するも、不採用が続く。ブライアンは自らの才能の乏しさを嘆きながらも、友達や恋人を作らず、執筆と読書に明け暮れる日々を過ごす。三月のある金曜日の昼下がり。ブライアンは通い慣れた通りに建つホテルの前で、煙草を吸う魅力的な女に一目惚れする。ブライアンは自らも煙草を吸う事で女と接触を図ると、女の吸う煙草がフランス産だと察し、学校で体得したフランス語で話しかける。その女アリエルはブライアンに好意的な反応を示す。ブライアンはアリエルという名が、幼い頃に観たディズニー映画に登場する人魚の名前だと指摘する。アリエルは毎週金曜日の同じ時間にそこで煙草を吸う事を明かし、ブライアンは再会を約束する。

翌週の金曜日、雨降りの中、ブライアンはそのホテルの前でアリエルと再会する。ブライアンは作家志望でありながら、未だ出版に至っていない事を明かす。アリエルは33歳で八年前にモデルを辞めた事を明かす。ブライアンが再会を希望すると、アリエルは平日の午後五時から七時までなら会える事を明かし、月曜日にグッゲンハイム美術館に行く約束を交わす。

月曜日、美術館でブライアンは勢いに任せてアリエルにキスをする。その後、アリエルは自らが既婚者であり、夫はフランス領事館に勤める外交官である事を明かす。ブライアンはアリエルが結婚指輪をしていない事を指摘し、戸惑いを露わにする。アリエルはフランス語では午後五時から七時の関係が不倫を表す隠語であり、夫にもジェーンという愛人がいる事を明かすと、そういう人生を自ら選んだ為に気不味い雰囲気になる事は無いのだと説く。アリエルは更に七歳の息子と六歳の娘がいる事を明かす。ブライアンは困惑を隠せず、如何にアリエルが魅力的でも不倫は非道徳的で無理だと説く。アリエルはブライアンとの再会を望むと、信頼の始まりに至らなかったのを残念がって別れる。

ブライアンはアリエルの事が頭から離れない為に執筆が捗らず、悶々としながら日々を過ごすが、思い悩んだ末に、三週間後の金曜日に再びアリエルに会いに行く。アリエルはホテルに借りている部屋のカードキーをブライアンに手渡し、五時に会う約束を交わす。その後、ブライアンは五時に部屋を訪ね、アリエルとシャンパンで乾杯を交わした後、肉体関係を持つ。七時が近づくと、アリエルは小学校の募金活動へ行く為に準備を始める。ブライアンはアリエルに家族がいる事が耐えられなくなったと訴えると、先だってアリエルが語った「信頼」の意味について尋ねる。アリエルはそれには答えず、次の月曜日の五時に再び部屋で会う約束を交わして出ていく。

ブライアンは幸せに浸り、執筆活動は停滞する。それ以降、ブライアンは午後五時から七時を利用して、アリエルと逢瀬を重ね、デートやセックスに興じる。ある日、ブライアンはアリエルの夫ヴァレリーに呼び止められ、車に乗る様に促される。ヴァレリーはブライアンの人となりについてアリエルから好意的に聞いており、アリエルがブライアンと会う様になって今までになく目が輝いている事を明かし、謝意を示すと、土曜日の夕食に招待する。ブライアンはその真意を計り兼ねるも応諾する。その後、ブライアンはその件をアリエルに伝える。アリエルは自分からブライアンの事をヴァレリーに話した事を明かすと、ヴァレリーの気持ちを理解して関係を築くべきだと主張する。 ブライアンは気不味さを訴え、理解に苦しむ。アリエルは人に対する固定概念を捨てれば、世界の美しさに気付くはずだと諭す。

ブライアンは約束通り、ヴァレリーの家を訪ね、二人の子供と対面する。ヴァレリーは、彼の愛人にしてファラー・ストラウス&ジルの編集者ジェーンを含む友人達を紹介する。ブライアンは彼らと挨拶を交わし、食事と和やかな歓談を楽しむ。ブライアンはジェーンと同じタクシーで帰路に着く。ジェーンはヴァレリーとは一年の仲だと明かす。ブライアンは将来について考えないのか尋ねる。ジェーンは25歳である事から、時間は豊富にあり、楽しく過ごせれば良いのだと説くと、ブライアンが良い作家になりたければ平凡な暮らしでは駄目だと諭す。

ブライアンはジェーンの言葉に触発され、アリエルをバーで両親サムとアーリーンに紹介する。堅物のサムはアリエルが既婚者且つ子持ちと知ると、ブライアンに交際を思い留まる様に諭す。一方、アーリーンはアリエルと意気投合し、ブライアンを好いてくれる人なら温かく迎えるべきだと主張する。後日、ブライアンはアリエルから急病のシッターの代役を依頼される。ブライアンは子供達と公園で遊び、慕われる。

程なく、ブライアンの執筆した小説がニューヨーカー誌のフィクション新人賞を受賞し、賞金6000ドルの獲得と本の出版が決まる。アリエルはそれを知って歓喜する。ブライアンは午後五時から七時のルールを破って授賞式へ出席して欲しいとアリエルに請う。アリエルはそれを拒み、ヴァレリーと共に授賞式に出席する。アーリーンと共に式に出席したサムは、ヴァレリーの姿を見て不快感を示す。ジェーンは上司の編集長がブライアンの小説を気に入っている事を明かし、早速ブライアンを引き合わせる事で新作の出版の約束を取り付ける。その夜、ブライアンはジェーンに連絡し、アリエルの好きなジュエリーについて聞き出すと、賞金を全額投じてディオールの指輪を買う。

後日、ブライアンはアリエルに会うと、作家になって人々に感動を与える以上に叶えたい夢があるのだと説く。ブライアンは午後五時から七時だけでは満足できなくなった事を明かすと、婚約指輪と称して指輪を差し出し、プロポーズする。アリエルはそれが信頼を破る事だと指摘する。ブライアンは添い遂げたい人を見つけたのだと訴える。アリエルは出会った時からブライアンと同じ気持ちだった事を明かすと、ブライアンの熱意を受け入れ、指輪を右手の薬指に付ける。アリエルは夜にもヴァレリーに話して、当面は二人でホテルで暮らす意向を示すと、ブライアンとキスを交わす。その夜、自室で身支度をするブライアンの元へヴァレリーがやってくる。ヴァレリーは部屋に入るなり、ブライアンを殴り、互いに尊重し合う暗黙の了解を破った事を咎めると、25万ドルの小切手を手渡し、アリエルの事を任せると告げて帰る。

翌日、ブライアンはホテルのドアマンからアリエルに言付かった封筒を受け取る。ブライアンはアリエルの部屋が既に空いているのを目の当たりにすると、封を開封し、手紙とブライアンの送った婚約指輪を確認する。手紙の中でアリエルは、11歳でモデルを始め、25歳で限界を感じ、人生に恐れを抱いていた時に、恋愛経験の無い自分が堅実で仕事ができるヴァレリーに出会い、惹かれて、結婚した事、そういう愛しか知らなかったのに、それ以上の愛を見つけた事、ブライアンに抱かれて初めて生きている心地がした事を明かし、衝動的にブライアンの求婚に応じたものの、ヴァレリーと結婚した時の約束を守らねばならず、また子供達を失い、また子供達を傷つけるわけにもいかない為、悲しくとも一切の連絡を断ち、別れを決意する旨を綴る。ブライアンは指輪を封に戻すと、それをアリエルに返す様にドアマンに依頼する。

ブライアンはアリエルと連絡を断ち、ホテルにも近寄らず、努めて会わない様に心掛ける。ブライアンは別れを引きずり、傷心してアパートに引きこもりがちになる。ブライアンの別れに伴って、ヴァレリーと別れたジェーンは、甲斐甲斐しくブライアンの世話を焼き、ブライアンには未来があると励ます。ブライアンはしばらく中断していた執筆活動を再開し、行き場の無い感情を作品にぶつける。そうして著した「マーメイド」はベストセラーとなる。ブライアンはアリエルのおかげで作家になれ、男になれたのだと振り返り、二人の絆が永遠のものだと確信すると、思い出に価値を見出して先へ進む事を決意する。

数年後、ブライアンは妻キヴァと二歳の息子チャーリーを連れて、グッゲンハイム美術館に訪れる。ブライアンは入り口で偶然、同じく家族連れで来たアリエルと遭遇する。両者は互いに挨拶を交わす。ブライアンはジェーンもまた結婚して幸せに暮らしている事を伝える。アリエルはさりげなく手袋を外し、右手に付けたブライアンの指輪を見せる。ブライアンとアリエルは互いに見つめ合った後、別れる。

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