チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。4年目。

アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男

ラース・クラウメ監督作「アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男」("Der Staat gegen Fritz Bauer" : 2015)[DVD]

終戦後、逃亡したナチ残党の捜査に励む検事長フリッツ・バウアーが、ブエノス・アイレスに潜伏するアドルフ・アイヒマンを拘束すべく、危険を冒しながらも奮闘する様を描くドラマ作品。

 

1950年代末、ヘッセン州フランクフルト。ドイツの真なる未来を考え、元親衛隊を裁判にかける事を自らの本懐とする、州検事長フリッツ・バウアーは、度重なる妨害や脅迫に遭いながらも、老体に鞭を打って捜査に明け暮れる。一方、元親衛隊にして連邦刑事局長のゲープハルトは、バウアーの部下で上席検事のクライトラーと密通し、予てから目障りなバウアーを失脚させる方法を模索する。

バウアーは妹の誕生日に合わせてコペンハーゲンを訪ねようとするが、その直前にブエノス・アイレスに住むヘルマンから一通の手紙が届く。それによると、ヘルマンは自らの娘がブエノス・アイレスの片田舎に潜伏するアドルフ・アイヒマンの息子と交際している事に気付いたのだが、新聞でバウアーがアイヒマンを捜索していると知って、連絡を寄越したのだという。バウアーはコペンハーゲン行きをキャンセルし、州首相府を訪ねる。アイヒマンは州首相に手紙を見せ、アイヒマンをドイツの法廷で裁く事の必要性を熱心に訴える。バウアーは反応の薄い州首相に対し、インターポールには政治犯が管轄外という理由で協力を拒まれ、またドイツの捜査機関はナチの残党だらけである事から、手を拱いている事を明かすと、情報をモサドに流す意向を示す。州首相は国家反逆罪に問われると警告するが、バウアーは口外しない様に請う。一方、ゲープハルトはバウアーが何者かの捜査に動き出したのを察知すると、バウアーが過去に男娼を買って逮捕された件を利用して失脚させようと企てる。バウアーの部下アンガーマンは、自らが担当する、男娼クラウスが同性愛で罪に問われている案件についてバウアーに相談する。バウアーは過去の判例を挙げ、ヒントを与える。

バウアーはパリを経由してエルサレム入りした後、迎えの車に乗せられ、モサドへ赴く。モサド長官イサーはアイヒマンに関心があり、現地で調査を行ったものの、アイヒマンを特定できなかった事を明かす。バウアーはモサドの調査結果で、アイヒマンらしき人物が住む家の電気が、クレメントとダゴトの二世帯契約になっている事から、そのいずれかがアイヒマンでは無いかと疑い、更なる調査を求めるが、イサーはアイヒマンの居場所は諸説あり、アラブ人への対応で手一杯な為、アイヒマンがアルゼンチンにいるという第二の証拠があれば協力する意向を示す。一方、アンガーマンはバウアーの助言に従い、クラウスに対して異例の罰金刑を求めるが、それは退けられ、クラウスには禁固刑が下る。裁判を傍聴していたクラウスの友人ヴィクトリアは、アンガーマンに謝意を示すと、クラブ「コケット」のカードを手渡して立ち去る。

バウアーは帰国直後にアンガーマンによる物議を醸した求刑について聞くと、日を改めてアンガーマンを自宅に招く。バウアーはアンガーマンにヘルマンの手紙を見せると、モサドと接触し、第二の証拠を求められている事を明かす。バウアーはモサドから提供された、アルゼンチンの極右系機関紙にクラウス・アイヒマン名義で寄稿された記事について、アンガーマンに調査を依頼すると、国家反逆罪を覚悟の上で、アイヒマンを誘拐し、裁判にかける意向を示す。アンガーマンは連邦情報局やCIAがアイヒマンの潜伏先を知りながら匿っているというバウアーの見立てに疑義を呈し、イスラエルとの和解を目標とする首相も戦犯の裁判は歓迎するはずだと説く。バウアーはアイヒマンを裁けば官房長官グロプケを含む仲間の名が芋づる式に挙がる一方で、首相官房も連邦情報局もグロプケの意のままである事から、グロプケが有罪になれば政権が揺らぐ為に首相はグロプケを切れず、その影響の余波を受ける米国も裁判を望まないのだと説く。アンガーマンは決断を保留する。バウアーは憤り、見損なったとアンガーマンを突き放す。アンガーマンはバウアーが復讐心の塊だと詰る。

その夜、バウアーはテレビの討論番組に出演する。一方、アンガーマンは妻と暮らす自宅に親族を招いてパーティを開く。バウアーはドイツ人の誇りについて持論を説き、誇るべきは善行であり、大切なのは憲法だけでは無く、民主主義なのだという旨の熱弁を振るう。アンガーマンはそれを観て感銘を受けると、パーティを中座し、フリージャーナリストのモアラッハに連絡する。翌日、アンガーマンはその件をバウアーに伝える。バウアーはモアラッハがシュタージの手先か或いは連邦情報局の人間の可能性を疑いながらも、それに賭けてみる事を決意する。その直後、バウアーの執務室に銃弾や複数の脅迫文が届く様になる。一方、アンガーマンはモアラッハと接触し、クラウス・アイヒマンについて調査を依頼する。

バウアーに対する脅迫の報せを受け、調査に訪れたゲープハルトは、バウアーによる自作自演を疑う。ゲープハルトは確かな筋からの情報と称して、アイヒマンクウェートに潜伏している事を明かし、身柄の引き渡し申請をするよう勧める。バウアーはゲープハルトが突然アイヒマンの名前を出した事で、情報がモアラッハから漏れている可能性を疑うと、アイヒマンの捜索を断念する。

その夜、アンガーマンはコケットを訪ね、楽屋で歌手ヴィクトリアと再会する。ヴィクトリアはアンガーマンを誘惑する。アンガーマンは狼狽えてその場を後にする。夜遅く、アンガーマンはモアラッハから自宅で連絡を受け、外で落ち合う。モアラッハは調査で判明した、クラウス・アイヒマンの名字は単なる偶然であった事、その一方で、歴史上の評価を高めたいアイヒマンが、オランダ系の従軍記者ザッセンに、インタビューに応じる形で自らの過去を何年も前から記録させている事を報せると、数百本の音声テープの中からザッセンが売りに出した一本を証拠としてアンガーマンに提供する。

アンガーマンはそれをバウアーの元へ持ち込み、アイヒマンの肉声を確認する。アイヒマンユダヤ人抹殺の正当性とそれを完遂できなかった贖罪意識を説く。バウアーはゲープハルトが突然アイヒマンの話をした真意を測りかねながらも、アイヒマンが生活費を得る為に何らかの仕事をしていると考え、元親衛隊シュナイダーが人事部として勤務するメルセデス・ベンツ本部を訪ねる。バウアーはシュナイダーを捜査対象から外すのと引き換えに、リカルド・クレメントなる人物がアルゼンチンのメルセデス・ベンツに勤務している事を聞き出す。その夜、アンガーマンは再びコケットを訪ねると、ヴィクトリアが男だと知って肉体関係を持つ。アンガーマンは帰宅するや、妻から妊娠を伝えられる。

バウアーはナチ犯罪追求センターの会長と会い、クウェートに潜伏中のアイヒマンを泳がせていると敢えて嘘を付く事で陽動を図る。クライトラーはそれを知ると、ゲープハルトに報告する。ゲープハルトは連邦情報局の職員にバウアーの動向を監視させ、バウアーが再びエルサレムに行く事を察知する。バウアーがパリへ発つ直前、アンガーマンはバウアーが同性愛者だと悟って、妻が妊娠した事と、クラブで男と関係を持った事を打ち明け、父親失格だと嘆く。バウアーは一度だけなら弁解可能だと説き、自らが妻と別居しながらも幸せな結婚の形を維持できている事を明かすと、アンガーマンなら良い父親になれると励まし、二度とクラブの男と会わぬよう釘を刺す。

バウアーは再びエルサレムに赴き、法務省で法律家のコーン、イサーと面会すると、クレメントがアイヒマンの偽名であり、それが二つ目の証拠だと説く。コーン達はその情報の確度に疑義を呈すが、バウアーはモサドが動かねばドイツ当局に行くと牽制し、モサドによるアイヒマン拘束の約束を取り付ける。バウアーは過去と向き合う為にドイツで裁く必要性を説き、アイヒマンの身柄引き渡しを申請する。コーンはそれに協力する意向を示す。バウアーは帰国直後に記者会見を開き、クウェートに潜伏中のアイヒマンの引き渡し申請を行った事を発表する。それから間もなく、アイヒマンは自宅への帰り道でモサドに拉致される。その報せは直ちにバウアーの元へ届く。

バウアーはアンガーマンと祝杯を上げる。アンガーマンはその帰りにコケットへヴィクトリアに会いに行く。そこへクラウスを出所させる事でヴィクトリアを買収したゲープハルトが現れ、アンガーマンがヴィクトリアと関係を持った際に盗撮された写真の数々を提示する。ゲープハルトはバウアーを国家反逆罪で告発するか、刑務所に行くかの選択を迫り、一週間の猶予を与える。アンガーマンは茫然自失する。

一週間後、バウアーはアンガーマンと共に、アイヒマンの身柄引き渡しの交渉の件で州首相府を訪ねる。州首相はイスラエルがドイツの武器を購入する代わりに、アイヒマンイスラエルで裁くという事で、両国首相の間で政治決着が図られた事を明かすと、アイヒマンの身柄を確保したバウアーの勝利だと労をねぎらう。バウアーは、ナチでありながら政府の要職に就く悪人達を挙げられないのなら自分の負けだと反駁すると、意気消沈して帰路に就く。道中、バウアーはアンガーマンにナチ残党の捜査の諦念と共に、職を辞す意向を示す。アンガーマンは警察署の傍で車を止めさせると、バウアーに封筒を手渡し、諦めないよう励まして、署に入っていく。バウアーは封筒の中に収められた写真の数々を見て、事情を察すると、アンガーマンの後を追う。バウアーはアンガーマンが署員に連行される姿を見て立ち尽くす。

翌日、バウアーはアンガーマンの件を担当する事で意気込むクライトラーを呼びつけると、自首した事を考慮するよう厳命する。バウアーは誰にも捜査を邪魔させないという決意を新たにする。その後、アイヒマンは1962年にエルサレムで絞首刑に処された。バウアーがアイヒマンの拘束に関わった事は、バウアーの死後10年経ってから明らかになった。

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