チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ヒトラーの忘れもの

マーチン・サントフリート監督作「ヒトラーの忘れもの」("Under sandet" : 2015)[DVD]

ドイツ軍捕虜の少年兵達が、デンマークの海岸にナチスが埋設した大量の地雷を除去する命懸けの作業に駆り出され、苦渋を強いられる様を描く戦争ドラマ作品。

 

1945年5月、ドイツによる5年間の占領が終わったデンマークから、ドイツ軍捕虜達が一斉に送還させられる。しかし、その内の一部は、ナチス連合国軍の上陸を阻止する為に西海岸に埋めた、220万に上る地雷処理の為に駆り出される運びとなる。その多くは少年兵であり、地雷除去の経験が無い事から、地雷除去を指揮する工兵部隊イェンスン大尉は、捕虜達に通り一遍の厳しい訓練と実習を課す。

軍曹ラスムスンが担当する任地には、セバスチャン、ヘルムート、ヴィルヘルム、ルートヴィヒ、双子の兄弟ヴェルナーとエルンスト、ヘルマン、ロドルフ、フリードリヒ、ヨハン、アウグストら11人の少年兵達が送られる。ラスムスンは少年兵達に敵意を剥き出しにし、高圧的な態度を示すと、浜辺の区画に埋設された4万5千の地雷を全て除去するのが任務であり、一時間に6個を除去する事で三ヶ月後には帰国できる見通しを説く。少年兵達は早速浜辺に移動し、作業を開始する。少年兵達は浜辺の傍の小屋に寝泊まりし、早朝から夕方まで黙々と作業に従事する。ラスムスンは小屋からほど近い場所の農家に住み込んで、作業を監督し、夕方には小屋に閂をかけて少年兵達が夜中に出られない様にする。少年兵達は作業を終えて寝るまでの僅かな時間を余暇に充てる。少年兵達は帰国後の展望を語り合う。ヘルムートは将来を悲観し、セバスチャンと口論する。

少年兵達はまる二日間食事を与えられずに作業を強いられる。セバスチャンはラスムスンに食料の配給を願い出るが、ラスムスンはドイツ人は後回しと説き、餓死すれば良いと突き放す。その夜、ヘルムートは小屋を抜け出し、食料を探しに行く。翌日、エルンストは体調を崩し、作業を休ませて欲しいとラスムスンに懇願するが、ラスムスンは意に介さず、却下する。その後、ヴィルヘルムは作業中に嘔吐した拍子に処理を誤り、両手を吹き飛ばされる。近くにいたセバスチャンはヴィルヘルムを浜辺から運び出すと、ラスムスンに助けを求める。ラスムスンはヴィルヘルムにモルヒネを投与すると、直ちに基地に搬送させる。間もなく、他の少年兵達も体調を崩し始める。ヘルムートは家畜の餌を盗んで分け与えた事をラスムスンに告白する。その餌は極めて不衛生だった為に食中毒を引き起こした事が判明する。唯一セバスチャンだけはヘルムートから分けてもらえなかった為に難を逃れる。ラスムスンは少年兵達に海水を飲ませて吐かせるなどして解毒を施す。その後、セバスチャンは自らが考案した作業を効率化する為の木枠の使用をラスムスンに進言するが、ラスムスンは聞く耳を持たずに却下する。

程なく、ラスムスンは基地の病院にヴィルヘルムを見舞いに行くが、既に死んだ事を知る。帰り際、ラスムスンは基地から密かに食料を持ち出す。イェンスンはその様子を目撃する。 ラスムスンは持ち帰った食料を少年兵達に与える。その後、ラスムスンはヴィルヘルムが回復しており、そのまま故郷へ帰すつもりだと嘘を付くと、計画が遅れている事から一時間に8個処理するよう命じる。少年兵達はセバスチャンの作った木枠を使って作業を始める。その夜、イェンスンと共に基地からやってきたデンマーク軍の兵士達が、小屋から少年兵達を出して虐待する。そこへ駆け付けたラスムスンは少年兵達を庇い、士気が下がってしまうとイェンスンを諌める。イェンスンはラスムスンが食料を持ち出した事を咎めると、情が移ったのでは無いかと問い質し、ナチスの罪を忘れぬよう釘を刺す。

ある日の作業中、ヴェルナーが不手際で爆死する。ラスムスンは当惑するエルンストにモルヒネを投与し、宥め賺して眠らせる。ラスムスンはヴィルヘルムが死んだ事をセバスチャンに打ち明ける。セバスチャンは冗談を介してラスムスンと心を通わせる。少年兵達を信頼し始めたラスムスンは小屋の閂を外し、更に基地から食料を調達してくる。また、ラスムスンは休日を設け、少年兵達とスポーツを楽しむまでに打ち解ける。そこへ新たに二人の少年兵グスタフとアルベルトが補充される。エルンストはヴェルナーの死から立ち直れず、小屋に篭もる。その矢先に、ラスムスンの愛犬が除去漏れの地雷で爆死する。ラスムスンは憤怒し、除去した地雷の数を管理するルートヴィヒの責任を苛烈に問う。

信頼したのが間違いだったと考えたラスムスンは、除去漏れを確認する為に、全員を横一列に並ばせて作業済みの浜辺を歩かせる。ヘルムートはラスムスンの前で銃殺刑にしてくれと呟いて悪態をつく。ラスムスンはヘルムートを何度も殴りつける。作業後、ヘルムートは死ぬ前に逃げる意向を示す。セバスチャンは翻意を促すが、ヘルムートはラスムスンが自分達を憎んでいるのだと説き、逃げる準備を始める。セバスチャンは皆にヘルムートをベッドに縛り付けさせる。

翌日、農家の女が血相を変えて小屋にやってきて、浜辺で遊んでいる娘イリザベトを助けて欲しいと哀願する。一同は直ちに浜辺へ向かい、未作業の場所で人形遊びしているイリザベトを見つける。セバスチャンは地雷を捜しながらイリザベトの元へ向かう。間もなく、基地から戻ったラスムスンが駆け付け、様子を見守る。そこへ小屋に篭っていたエルンストが現れ、浜辺に侵入してイリザベトの傍に座って相手を始める。セバスチャンはその間に地雷の除去を済ませ、イリザベトの方へ歩み寄る。エルンストはイリザベトをセバスチャンに引き渡すと、未処理の地雷原の方へ歩いていき、爆死する。ラスムスンは悲しみに打ち拉がれるセバスチャンを励まし、奮起させる。

作業が終盤に入った頃、除去した地雷をトラックに積み込む作業を行っていた8人が、地雷を粗雑に扱ったせいで暴発を招き、爆死する。難を逃れたセバスチャン、ヘルムート、ルートヴィヒ、ロドルフは作業を完了させた後、その任地を離れる。ところがイェンスンは4人を帰国させず、更に条件の悪い次の任地に送る。ラスムスンは帰らせると約束したのだとイェンスンに直訴するが、イェンスンは全ての処理が終わるまで帰すわけにはいかないのだと説く。ラスムスンは彼らがまだ子供であり、帰してやってほしいと懇願するが、イェンスンはそれが命令であり、彼らはドイツ兵だと冷徹に言い放つ。その後、ラスムスンは4人をトラックで連れ出すと、国境の近くまで移送した後、逃してやる。4人は国境へ一目散に駆けていく。

2000名を超えるドイツ軍捕虜が除去した地雷は150万を上回った。彼らの半数近くが死亡、または重傷を負った。その多くは少年兵だった。

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