チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

サンドラの週末

ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督作「サンドラの週末」("Two Days, One Night" : 2014)[DVD]

病気による休職期間を経て復職を目前に控えた女が、従業員に対するボーナスを図りにかけた投票で解雇された事を知り、再投票の申し入れと従業員の説得に奔走する様を描くドラマ作品。

 

ベルギーのセラン。うつ病を患い、会社を休職中のサンドラは、レストラン勤務の夫マニュと共に、二人の幼い子供エステルとマクシムを育てながら、家計をやり繰りしていた。しばしの療養の末にサンドラは回復を果たし、復職の目処を立てる。七月のある金曜日、サンドラは親しい同僚ジュリエットから連絡を受け、自らの解雇が内定したとの報せを受ける。会社が従業員にボーナス1000ユーロの支払いか、サンドラを復職させるかの選択を迫り、投票の末にボーナスの支払いが決まったのだという。サンドラは激しいショックを受けるが、マニュはジュリエットから現場主任が従業員を一人ずつ脅したらしい事を聞くと、社長に再投票を要求すべきだと主張する。サンドラは結果を諦観し、悲嘆する。マニュは自らの稼ぎだけでは家賃が捻出できず、サンドラの復職が必要だと諭し、諦めずに戦うよう促す。サンドラはジュリエットに伴われ、社長の元へ直談判に行く。ジュリエットは主任がサンドラの復職と引き換えに他の誰かが解雇されると従業員を脅し、投票に介入した事を伝えると、月曜日に改めて再投票を実施するよう願い出る。社長は16人中14人がボーナスを選んだ事を明かし、望みが薄いと説きながらも、主任の介入を排した無記名投票に応じる意向を示す。

未だに心に不安定さを抱え、薬に頼りがちなサンドラは、俄に戦意を喪失する。マニュは弱音を吐くサンドラを奮起させ、週末に一人ずつ訪ねて回り、窮状を訴える事で説得するよう促す。サンドラはそれが物乞いの様だと説き、難色を示すが、家族の為に説得に乗り出す事を決意する。サンドラは賛成を投じてくれたジュリエットとロベールから、知りうる限りの同僚の連絡先と住所を教えてもらうと、まずカデールに連絡し、賛意を取り付ける。サンドラは不安に陥る度に薬を飲みながらも、近場の同僚の家から訪ね回り、各々に事情を伝え、説得を試みる。ウィリー、ミレイユはそれぞれサンドラの窮状に理解を示しながらも、ボーナスが必要だと説き、反意を示す。サンドラは、かつて親しくしていたナディーヌが露骨に居留守を使った事にショックを受ける。

マニュは泣き濡れるサンドラを励まし、次の同僚ティムールの家まで送る。ティムールはサンドラに会うや泣き出すと、ボーナスを選んで後悔していた事を明かし、許しを請う。ティムールは自らの賛成と、同僚ミゲルにも電話で話を付けておく事を約束する。次にサンドラはイシャムの元を訪ね、妻から留守だと聞くと、電話を取り次いでもらうが、イシャムには反意を示される。その直後、サンドラは近所の売店で週末だけ働いているというイシャムと遭遇する。イシャムは生活苦で金が必要だと説くと、主任から電話があって、病み上がりのサンドラは使えないと言われ、それには反論した事を明かす。

サンドラは勝機を見出だせない再投票に諦観し、駄目な女だと卑下する。マニュは復職すれば自信を取り戻せるはずだと励ます。次にサンドラは、親子で勤めているイヴォンとその息子ジェロームの家を訪ねる。サンドラはイヴォンに賛成への投票を請うが、ジェロームはボーナスが失われる事に憤慨し、サンドラに詰め寄る。イヴォンが止めに入ると、ジェロームはイヴォンを殴り飛ばし、恋人と車で走り去る。サンドラはマニュと共に、気絶したイヴォンを介抱する。イヴォンは賛成への投票を約束する。サンドラは自分のせいで父子を争わせてしまった事に責任を感じると同時に、復職できたとして会社に居辛くなる事を懸念する。そこへミゲルが賛成するとの報せが入り、賛成票が6人となった事で、マニュは勝てる見込みを示してサンドラを励ます。

翌日、サンドラはアンヌの家を訪ねる。アンヌはナディーヌから報せを受け、金が要ると言っていた事を伝えると、自らも夫と相談の上、金が必要だとの結論に達した事を明かすが、賛成票を投じる為に改めて夫と相談する意向を示す。次にサンドラはジュリアンの元を訪ねる。ジュリアンはボーナスを当てにしているとの理由で反意を示すと共に、16人で充足している職場にサンドラを雇う必要は無く、更に16人なら残業ができてその分稼げるのだと説く。サンドラは打ち拉がれ、それ以上訪ね回って説得する気力を失う。マニュは会社が残業代の確約などするはずは無く、サンドラの戦意を挫く為の方便だと諭す。サンドラは再びアンヌの家を訪ねるが、憤慨したアンヌの夫に面倒を持ち込まぬよう恫喝される。サンドラは意気消沈して帰宅すると、マニュが外出している間に薬を大量に飲み干し、横になる。その矢先に、アンヌがマニュと共にやってきて、賛成に投票する意向を示す。サンドラは薬を大量に飲んだ事を明かすと、直ちに病院へ救急搬送され、処置を受ける。日暮れに退院したサンドラに、アンヌは夫と離婚する意向を示し、夫の言いなりにはなりたくないのだと説く。サンドラは自らの家に身を寄せるようアンヌに勧める。

サンドラはその足で、ドミニクの家を訪ねる。ドミニクはサンドラの復職を望みながらも、家計が苦しい為に賛成できない事への理解を求める。次にサンドラはアルフォンスの元を訪ねる。アルフォンスもサンドラの復職に賛意を示すが、勤め始めの身で立場が弱い為に、ボーナスに賛成しないと同僚と揉めると主任から脅され、それに従った事を明かす。サンドラは無記名だから安心だと説き、アルフォンスを含めれば8人が賛成派である事を明かす。アルフォンスは賛成票を投じる事を約束するが、臨時雇いの身で近々契約更新があり、主任から意趣返しで契約を打ち切られる事を危惧する。サンドラはアルフォンスの立場を憂う。

翌朝、サンドラはマニュに会社まで送ってもらい、投票に臨む。主任が投票に立ち会う意向を示すと、復職賛成派はそれが圧力になりかねないと説く。反対派はサンドラが立ち会っても影響を及ぼすと反論する。主任とサンドラは互いに投票に立ち会わない事で同意する。サンドラは主任に従業員を脅した事を問い詰めるが、主任はしらを切る。サンドラは主任を人でなしと非難する。程なくして投票が終わり、8対8でサンドラの復職は否決される。サンドラは賛成票を投じてくれた面々に謝意を示し、最後の挨拶をすると、ロッカーから私物を持ち出すや、社長室に呼ばれる。社長はサンドラが半数を説得した事を評価すると、従業員同士の分断を嫌い、ボーナスを出した上でサンドラを復職させると同時に、16人で稼働できると分かった事から、代わりに臨時雇いを切る意向を示す。サンドラは誰かを解雇してまでの復職を拒む。サンドラはマニュに電話で善戦した事を報せると、晴れやかな面持ちで会社を後にする。

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