チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ローンウルフ 真夜中の死闘

アドリアン・ガルシア・ボグリアーノ監督作「ローンウルフ 真夜中の死闘」("Late Phases" : 2014)[DVD]

郊外の高齢者居住区に移り住んだ全盲の老夫が、満月の夜に姿を現して殺戮を繰り返す狼人間に死闘を挑む様を描くホラー作品。

 

2013年8月。全盲の退役軍人アンブロースは妻の葬儀から程なくして、愛犬シャドウと共にニューヨーク郊外の高齢者居住区クレセント・ベイに移住する事を決める。アンブロースは息子ウィルの運転で区域内の家に到着するや、部屋の壁に付いた引っかき傷の中から動物のものと思しき爪を発見する。アンブロースは隣人デロリスに挨拶し、引っ越し業者は荷物を家に搬入する。間もなく、住民の代表と称してエマ、グロリア、クラリッサの三人が歓迎の挨拶にやってくるが、アンブロースは無愛想に応対し、三人の顰蹙を買う。その夜、デロリスの家に狼人間が押し入る。アンブロースは壁を通して大きな音を聞くと、デロリスに呼びかけて安否を確認しようとする。狼人間はデロリスの腹を割いて惨殺すると、壁に体当りしてアンブロースを弾き飛ばす。シャドウは家に侵入した狼人間に飛びかかる。アンブロースはその間に拳銃に弾を装填し、銃口を狼人間に向けるが、狼人間は退散する。アンブロースは致命傷を負ったシャドウを拳銃で安楽死させる。

翌朝、再訪した引越し業者が、酷く荒らされた屋内で、シャドウの亡骸を抱えて座り込む血まみれのアンブロースを発見する。ウィルとその妻アンが駆け付け、アンブロースはシャドウの亡骸を動物病院に持ち込む。アンブロースは匂いから襲ったのが犬に似た大きな生物だったと医師に説く。医師は月に一度、クレセント・ベイについて警察から相談を受けている事を明かす。アンブロースは処置の済んだシャドウの亡骸を持ち帰る。アンブロースは隣家に駆け付けたデロリスの娘に弔意を示す。捜査にやってきた警官はクレセント・ベイが森に囲まれている事から動物に襲われたのだと推定し、森に近づかず、夜は戸締まりして外出せぬようアンブロースに促す。アンブロースは裏庭にシャドウの亡骸を埋める為の穴を掘り始める。アンブロースはアンの話から昨夜が満月だった事を知り、一ヶ月後に再び何かが起きると予測する。

翌日、アンブロースは郵便配達員に血痕が続いている場所まで案内してもらい、近隣のエマの家を訪ねる。エマはアンブロースを歓迎するが、アンブロースが不用意に人工肺に入って寝たきりの夫ジョンに近づいた為に、気分を害してアンブロースを帰らせる。間もなく、アンブロースの家に警官がやってきて、エマから苦情が入った事と近隣で動物の襲撃による二人の死者が出た事を明かすと、他人の敷地に入らぬよう命じる。アンブロースは郵便受けに入っていたチラシについて尋ねる。警官はそれが聖アンソニー教会のチラシだと答えると、日曜日にバスが出ている事を伝え、行ってみるよう勧める。日曜日、アンブロースは穴掘り用のスコップを杖代わりにしてバスに乗り、神父ロジャーとバスの世話係で森のすぐ傍に住んでいるというグリフィンと会う。教会で他の老人達とロジャーの説法を聞いた後、アンブロースはロジャーからタバコを貰って会話する。アンブロースは長生きするつもりが無い事を明かす。ロジャーは命を粗末にせぬよう諭す。

入居から二週間が経ち、アンブロースはトレーニングに励むと同時に、裏庭の穴を掘り続ける。エマはアンブロースを疎ましく思い、同じバスに乗る事への嫌悪感をグリフィンに示す。アンブロースはウィルと一緒に墓屋を訪ね、高値の墓を購入する。その際、アンブロースは店主にガンショップを紹介してもらう。アンはアンブロースが全財産を持ち歩いている事を心配する。ウィルは金を銀行に預けるよう促すが、アンブロースはそれを拒む。その後、家に黒衣を纏った不審者がやってくる。アンブロースは咄嗟にスコップで殴りつけると、拳銃を取りに行くが、不審者はタバコの匂いのついた黒いスカーフを残して姿を消す。アンブロースは警官を呼ぶが、警官は近隣に疑わしい住人はおらず、犬が数頭殺されただけだと明かす。

次の日曜日、アンブロースの家の前にバスが止まらず、代わりにグリフィンが車で迎えに来る。グリフィンは教会に25年通っており、ロジャーが自分を良く理解してくれ、永遠の魂をくれた事を明かすと、ロジャーがアンブロースを心配している事を伝える。アンブロースは教会でロジャーと再びタバコを吸いながら会話する。アンブロースはロジャーに神父になった理由を尋ねる。ロジャーは元々不良だったが、神学校に行って生まれ変わった事を明かす。アンブロースは命を救いたくてベトナム戦争に行ったものの、敵が手榴弾を巻いて送ってきた子供を撃ち殺した瞬間が忘れられず、それが自分の転機となって神を拒絶した事を明かす。帰路でアンブロースは、ロジャーが過去に暴力を振るった事が無いかグリフィンに尋ねる。グリフィンはロジャーに対する悪口に憤慨する。

程なく、配送業者が墓石を届けに来る。アンブロースはそれを裏庭に運ばせると、町までトラックで送ってもらう。アンブロースはガンショップを訪ね、拳銃とライフル用の銀の弾丸を所望する。店主は一年ほど前にも似た注文があった事を明かす。グリフィンはビラ配りの最中に、弾丸を購入して帰宅したアンブロースを目撃する。その夜、アンブロースはシャドウの亡骸を穴の中に入れる。その後、アンブロースの様子見にやってきたウィルは、様変わりした家の様子と、クローゼットの中で拳銃を携えて身を潜めるアンブロースを見て困惑し、その理由を問い質す。アンブロースは一ヶ月を迎える明日に備えた作戦だと答える。ウィルはアンの妊娠に伴い、アンの実家の近くに引っ越す意向を示すと、母の棺に入れたと聞いたはずの結婚指輪を掃除の際に見つけた事を明かし、嘘をついた理由を問い質す。アンブロースはウィルには無関係だと素っ気なく答える。ウィルは憤り、二度と連絡せぬよう言い残して出ていく。

翌夕、ロジャーがアンブロースの元にやってくる。ロジャーは住人の一人に会いに来たついでに寄った事を明かすと、アンブロースが経験豊富で思慮深く、大局的に物事を見られる人間だと説く。アンブロースはこれが自分への報いだと答える。ロジャーは人は一人では生きられず、今からでも自分は救えると諭す。ロジャーはその足でグリフィンの家を訪ね、酷く自傷するグリフィンと対峙する。グリフィンは罪を償う為に体を捧げたのに、ロザリオも祈りも気休めに過ぎないと憤り、神の許しを求める。ロジャーは悪魔を払い、元の姿に戻す為の必要な物は与えたと弁解する。グリフィンは越してきた当初は森の動物を狩りながら色々と試してきたものの万策尽き、死を迎えるまで一人で狩りを続けねばならない事を嘆くと、愛するロジャーを慈悲により殺す意向を示す。間もなく、夜空に満月が昇ると、グリフィンは狼人間に変身し、車で逃走を図るロジャーを襲い殺す。

アンブロースは不穏な気配を察知してエマの家を訪ね、首をもぎ取られたジョンの死骸に気付く。そこにグリフィンに咬まれて狼人間にされたエマが現れ、アンブロースの腹を爪で切り裂く。アンブロースは家に逃げ帰り、応急処置を施す。アンブロースはウィルに電話で伝言を残すと、軍服を纏って、銃に銀の弾丸を装填し、庭に血痕のついた布切れを仕掛ける。そこにエマを含む四体の狼人間がやってくる。アンブロースは四体を次々に射殺すると、裏庭にやってきたグリフィンを、死闘の末に射殺する。致命傷を負ったアンブロースは庭の椅子に座り込む。程なく、アンブロースを心配して駆け付けたウィルは、狼人間の死骸と、座ったまま事切れたアンブロースを見つける。ウィルは結婚指輪を嵌めたアンブロースの手を握りしめる。

その後、ウィルはアンブロースが残した伝言を聞く。その中でアンブロースは、理想の父にも夫にもなれなかった事を詫び、ウィルが誕生してから人生で最も幸せな日々が続いたものの、失明すると知って家族を苦しめるのを厭い、出て行く事を決めたのだと明かすと、過去を振り返らず前に進み、良い夫になるようウィルに促す。ウィルはアンと二人で墓地にアンブロースを葬ると、アンブロースのライフルで弔銃を行う。

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