チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。4年目。

午後8時の訪問者

ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督作「午後8時の訪問者」("La Fille inconnue" : 2016)[DVD]

小さな診療所に勤める医師の女が、診療時間を過ぎた後にやってきた女の応対をせず、その直後に女が不審死した事に責任を感じ、女の身元を調べる為に奔走する様を描くドラマ作品。

 

医師ジェニーはリエージュ郊外の小さな診療所で、病気療養中の老医アブランの代診を務め、診察の傍ら、試験を控える研修医ジュリアンの指導をも同時に担っていた。勤勉で患者にも慕われるジェニーだったが、街の医療センターへの転勤が決まり、診療所での最後の週末を迎えようとしていた。

木曜日、発作を起こして意識を失った少年イリアスが母親に担ぎ込まれる。ジェニーの介抱により、イリアスは事なきを得るが、ジュリアンは為す術無く立ち尽くす。その日の診療時間後、ジェニーはジュリアンに対し、患者の痛みに反応し過ぎであり、感情を抑えるよう叱るが、ジュリアンは露骨に反抗的な態度を示す。その時、ドアのブザーが鳴る。ジュリアンは応対しようとするが、ジェニーは午後八時を回り、診察時間を一時間過ぎているとの理由でジュリアンを止める。ジュリアンは急患の可能性を指摘するが、ジェニーは患者に振り回されてないいけないと窘める。憤ったジュリアンは理由を告げる事なく帰る。その後、ジェニーは翌週から勤務する医療センターの歓迎パーティに訪れる。

翌朝、診療所に刑事マムッドとベルカロが訪れ、川岸の工事現場で女の遺体が見つかった事件の捜査に絡み、防犯カメラの映像提供をジェニーに求める。診療を始める時間になってもジュリアンが出勤しない為、ジェニーは心配してジュリアンに連絡し、メッセージを残す。その日の午後、再びマムッド達が訪れ、昨夜8時過ぎに診療所を訪ねた後、頭蓋骨を骨折した状態で見つかった身元不明の女の遺体について、ジェニーに聴取を行う。ジェニーはその時に画面を確認する事なく、研修医を止めた事を明かす。ジェニーは提示された防犯カメラの映像を見て、アフリカ系の若い女が診療所に駆け寄ってきて、ブザーを押して走り去る様子を確認し、面識が無い人物だと答えるが、自責の念を感じて落涙する。マムッドはアブランとジュリアンにも面識の有無を確認する意向を示す。

程なく、ジェニーは病院から連絡を受け、イリアスが検査の結果、脳に異常が無かった事を知る。ジェニーは女の遺体が発見された川岸の工事現場を訪ね、作業員から発見時の状況を聞く。ジェニーはその足でジュリアンのアパートを訪ね、女の画像を見せて面識の有無を尋ねるが、ジュリアンは否定する。ジェニーは高圧な態度で接した事を詫びる。ジュリアンはジェニーの批判とは関係なく、医者を諦めて田舎へ帰る意向を示す。ジェニーはイリアスが腫瘍でも癲癇でも無かった事を伝える。

翌日、ジェニーは療養中のアブランを訪ね、画像を見せて面識の有無を尋ねるが、アブランも否定する。アブランはジェニーに診療所の後継探しの協力を請う。ジェニーはマムッドに連絡し、二人が女と面識が無かった事を伝えると共に、女の両手首に争った痕跡が見つかるも、性交渉の痕跡は認められなかった事を知る。ジェニーは女が身元不明のまま埋葬される事を憂い、マムッドに葬儀が決まり次第連絡するよう請う。ジェニーは自分が応対していたら女が助かったはずだと悔み、診療所を自らが継ぐ決意をアブランに伝える。

ジェニーは往診に出かけた際に、患者達に女の画像を見せて手掛かりを探し始める。その最中、ジェニーはマムッドから葬儀の連絡を失念してしまい、既に終わった事を知らされる。ジェニーは懇意にする夫妻の息子ブライアンの往診時に、画像を見せた直後に脈拍が増加した事に気付き、面識の有無を尋ねるが、ブライアンは口を噤む。ジェニーは守秘義務について説き、非難の意図は無く、名前を知りたいだけだと訴えるが、ブライアンは知らぬ存ぜずを貫く。ジェニーは診療所に泊まり込みの生活を始める。

翌日、ジェニーは市営墓地を訪ねると、女の身元と遺族が判明するまでの墓を自腹で購入し、遺体を無縁塚から移す手筈を整える。その日の診察中、ブライアンは胃痛を理由に教師の引率でやってくる。ジェニーはブライアンに話をしに来たのでは無いかと問う。ブライアンは沈黙の末に嘔吐する。ジェニーは緊張感が原因であり、話せば楽になると諭す。ブライアンは女が高速道路下のトレーラーハウスの中で、知らない老人にフェラをしているのを、友達と一緒に窓から覗き、女が出て来る前にスクーターで逃げた事を打ち明ける。ジェニーはそのトレーラーハウスを訪ね、亡き母親の主治医がジェニーであり、世話になったという所有者のランベールに事情を伝え、画像を見せる。ジェニーは非難の意図は無く、女の身元を知りたいだけだと説くが、ランベールは不快感を露わにしてジェニーを追い返す。

ジェニーはその足でランベールの父親が暮らす老人ホームに面会に訪れる。ジェニーは父親の素っ気ない態度からランベールが口止めしているのだと悟るが、守秘義務を説き、女について尋ねる。父親はランベールが時々娼婦を連れてきてくれる事、トレーラーハウスの場所の無断使用が警察に知られる事を恐れて口止めされている事、その女はリエージュ郊外で拾った事、事件の夜はランベールが女を送り返すはずだったが事故を起こして送れなかった事、女はネットカフェで待機していた事を打ち明ける。そこへランベールが現れるや、憤慨してジェニーを追い出す。ジェニーは郊外のネットカフェを訪ね、受付のアフリカ系の女に画像を見せて面識の有無を尋ねるが、女は否定する。ジェニーは店内にいた二人組の男にも同様に尋ねるが、彼らもまた否定する。

翌朝未明、診療所にブライアンの父親がやってくる。父親はブライアンがトレーラーハウスを覗いた時に友達が一緒にいたというのは、罪悪感が薄まると考えたが故の嘘であり、その友達を探す必要は無いと説く。その後、ジェニーはジュリアンの郷里の村を訪ね、土木作業に従事するジュリアンと再会する。ジェニーはジュリアンに医師を諦める件について翻意を促す。ジュリアンは発作で痙攣していたイリアスに父から暴力を受けていた自分を投影し、近所の医者は暴力を見抜けなかった為、そんな子を救いたいと考えて医者を志していた事を明かすと、ジェニーに叱責され、自分には能力も医者になる気も無いのだと悟ったのだと説く。

程なくして、ジェニーは往診の帰りにネットカフェで会った二人組の男に車を強引に止められ、女の画像を持ってうろつかぬよう恫喝される。その直後、ジェニーはブライアンとその友達が乗ったスクーターが通り過ぎるのに気付き、スクーターを尾行して廃墟に辿り着く。ジェニーはブライアンに対し、友達に画像を見せるよう求めるが、ブライアンは友達はいなかったと言い放って逃走する。その夜、ジェニーはジュリアンから連絡を受け、再び医師を目指す意向を伝えられて歓ぶ。その直後、ブライアンの両親が診療所にやってきて、友達は無関係だと説くと、ブライアンに近づいて苦しめるような事はせぬよう厳命する。ところがその夜更け、ジェニーはブライアンの父親から連絡を受け、彼が妻子と別居するアパートを訪ねる。ジェニーは父親の激しい腰痛を介抱すると、話をする為に呼んだのでは無いかと問うが、父親は口を噤む。

翌日、警察署を訪ねたジェニーは、マムッドから画像を見せて尋ね回っている事を咎められると共に、女の身元が1995年にガボンリーブルヴィルで生まれたセレナと判明した事を知る。その夜、ブライアンの父親が診療所に訪れ、事件当夜に起きた出来事を打ち明ける。父親は高速道路の脇で女を見つけて娼婦と悟り、車を降りて誘おうとしたが逃げられた。それを偶然ブライアンとその友達に見られてしまい、証言を恐れて一人だったように装わせた。父親は女を車で追いかけ、診療所の傍で見失うも、バス停に向かう女を見つけて改めて誘った。女は車内での行為を拒んで川沿いの道へ逃げた為、父親が追っていくと、女が工事現場で躓いて川岸へ落ちたのだという。ジェニーは手首の抵抗の痕跡について尋ねる。父親はそれが女が逃げる前に、要求を断られて掴んだ際に生じたものだと弁解する。ジェニーは解剖所見により、女の死因が意識喪失中の失血死だった事を指摘する。父親は自分が殺したと非難されていると考えて憤慨すると、女の顔が頭から離れないのだと嘆く。ジェニーは自分も同じだと応えると、自首するよう促す。父親は全てを失ってしまう事を怖れ、自首に難色を示す。父親はトイレに入り、ベルトで首吊り自殺を図るが失敗する。父親は自首の意向を示す。ジェニーは自分で警察に連絡するよう促し、電話を渡す。

後日、ネットカフェの受付の女が診療所にやってくる。その女は警察に行く前にジェニーに礼を言う為に来たのだと説くと、遺体の女が未成年の妹フェリシである事、自分と同棲している男がフェリシを偽造書類で娼婦として働かせていた事を明かす。ジェニーはフェリシを市営墓地に埋葬した事を伝える。女は妹に売春させぬよう男に頼む事ができたのにそうしなかった事を悔やむと、三人で暮らす内に男の気持ちが妹に移った事を嫉妬する余り、妹が失踪してホッとしていた事を明かし、悲嘆する。ジェニーは女を抱きしめて送り出す。

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