チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ウーナ 13歳の欲動

ベネディクト・アンドリューズ監督作「ウーナ 13歳の欲動」("Una" : 2016)[DVD]

13歳の時に中年男と愛し合った末に駆け落ちまで企てた女が、離れ離れになってから15年後にその男と再会し、自らの苦悩に満ちた人生をぶつける様を描くドラマ作品。

 

英国の住宅街で母と二人で暮らすウーナは、長らく忘れがたい過去に囚われ、苦しみながら日々を過ごしていた。ウーナは13歳の時に、近所に住んでいた父親の友人で中年男のレイと一線を越える程に親しくなり、三ヶ月密会を重ねて愛を深めた末に、遂には父娘を装ってフェリーに乗り、ヨーロッパへの駆け落ちを企てた。その直前に泊まった宿でセックスした後、レイはウーナを置き去りにして消えてしまい、ウーナは深い哀しみを味わう事になった。その一件が発覚した事で逮捕されたレイは、裁判の後、服役する事になり、ウーナはそれ以降、レイと会う事は叶わず、レイに対する愛情を引きずったまま、宿に置き去りにされた理由を問い続けてきたのだった。

15年後、ウーナは偶然にもレイが他の土地で働いている事を示す記事を見つける。ウーナは会社をズル休みし、母には内緒でレイの勤め先の物流工場がある場所へ車で向かう。工場に着くと、ウーナは俄に緊張しながらも居合わせた従業員スコットに記事の写真を見せ、レイの所在を尋ねる。スコットはその男が上司ピートだと説き、ウーナをレイの元へ連れて行く。ウーナはレイが改名した事を知る。現場責任者のレイはウーナを一瞥するや、客人の様に装って従業員の休憩場へ連れ込む。

ウーナはレイの消息を記事で知り、レイに会いたくて来た事を明かす。狼狽えるレイは人目を気にし、外へ出て話す事を望むが、ウーナはそれを拒み、その場に居座ると、人生を共にすると誓ったはずだと訴える。レイは過去の話であり、すっかり忘れていたと応える。ウーナは性犯罪者法の成立が半年早ければ、新しい人生など送っていないはずだと詰る。レイは四年間服役したと応える。ウーナは父が判決に憤って別人の様に変わった末に転落死した事、生前に父がレイを殺したいと言っていた事を明かす。レイはウーナが殺しに来たと誤解して動転する。レイはピートの由来について問われ、電話帳から適当に選んで改名した事を明かす。ピートは自らが小児性愛者では無いと主張し、そう喧伝された事で服役中に散々な目に遭った事を明かす。ウーナは自分を弄んだのは事実だと詰る。レイは小児性愛者では無いと重ねて否定する。

レイは重要な会議に出席する為に、ウーナに車で待つよう命じて休憩室を離れる。ウーナはその場に留まり、レイを待つ。程なく、作業を終えた従業員達が休憩室のロッカーに入ってくる。ウーナは無人になったオフィスを見て回る。従業員達は会議室に集められる。レイはマークに命じられて作成した人員整理の対象となった6人の名を矢継ぎ早に読み上げ、激しい非難を浴びる。穏便に事を運ぼうと考えていたマークはレイを制止しようとする。レイはその様子を窓越しに見ているウーナに気付くと、その後を追いかける。マークは憤慨してレイの捜索を始める。スコットは自らもリストに挙がっている事をマークから聞いて憤慨し、レイを探す。

レイはオフィスでウーナを見つける。ウーナはレイが既婚だと知ると、結婚して何年か尋ねる。レイは四年で子供はいない事、妻には過去について打ち明け、それでも愛されている事を明かすと、ウーナとの関係は人生最大の過ちだったと悔いる。間もなく、スコットが探しにやってくると、二人は傍の部屋に隠れる。レイは全てを失い、現在の生活を手に入れる為に苦慮したと説く。ウーナは自分が町で白眼視され、人生を失い、15年間ずっと悩み苦しんできたと訴える。レイは当時のウーナが聡明で意志が強く大人びた子で、子供扱いされる事にウンザリしていたと述懐すると、自らが歯止めをかけるべきだったが、ウーナに夢中でどうにもならなかったと弁解する。ウーナはレイに唾を吐きかけて部屋を飛び出す。

レイはトイレに隠れたウーナを見つける。ウーナはフェリーに乗る直前に泊まった宿のベッドでレイとセックスした事と、その後の顛末について詳細に描写する。レイはセックスの後、ウーナを宿に残して煙草を買いに行った。ウーナは幸せに浸っていたが、レイが夜になっても戻らない事を心配し、売店やパブなど町中を探し回った。結局、ウーナはレイを見つけられず、捨てられたのだと悟って悲嘆した。間もなく、警察に保護されたウーナは強引に陰部から精液を検出され、それがレイの犯行を裏付ける証拠となったのだった。ウーナは人生を憎んでいるという事を知って欲しかったのだと説く。それに対し、レイは置き去りを否定し、その夜の事実について描写する。レイは売店で煙草を買った後、駆け落ちの勇気を欲して酒の力を借りるべくパブに寄り、町を歩いてしばし思索した後、宿へ戻った。レイは既にウーナが出ていったと知って動転し、町中を探し回った。結局、逮捕されたレイは、弁護士の助言に従い、自己嫌悪に陥って逃げたと供述したのだった。

間もなく、終業時刻を迎え、フロアが消灯される。レイはウーナを連れて無人の休憩室に戻ると、帰る意向を示す。ウーナは置き去りでは無いという事実を妻に話したのか問い質す。レイは言えるはずが無いと答える。ウーナは知るべきだと訴え、妻に会う事を望む。レイはそれを拒む。ウーナは年増の女の方が良いのかと迫る。レイはウーナが病気だと指摘し、抱きしめて落ち着かせると、ウーナの仕事を尋ねる。ウーナは理想とはかけ離れた冴えない事務をしており、恋人もいない事を明かす。レイは大人になったウーナを想像したり、記憶の中のウーナを抱き締めたりして過ごしてきた事を明かす。ウーナはロッカーの後ろにレイを誘い込む。二人はそこで裸になってセックスしようとするが、レイは直ちに違和感を示して中止する。ウーナは大人になった自分ではレイの相手にならないと知って落涙する。

レイは一人で休憩室を出て行くが、その矢先にスコットと遭遇する。レイはスコットの解雇がマークの嘘だと弁解すると、ウーナを連れ出して施錠するよう頼んで帰路に就く。ウーナはレイが帰ったと知ると、スコットを飲みに誘い、アパートに同行する。帰宅したレイはパーティの準備を始める。間もなく、妻イヴォンヌが帰宅すると、レイはセックスに誘う。その様子からレイがイヴォンヌとのセックスに問題を抱えている事が示唆される。一方、ウーナはスコットと酒を飲んだ後でセックスするが、途中で不調を訴えて中止する。ウーナはレイが実は父親であり、家に泊まっていると欺き、送って欲しいとスコットに請う。スコットはレイがパーティを開く予定だと指摘する。ウーナは忘れていたとしらを切る。ウーナは母に連絡すると、母が自分の事を何も分かっていないと詰り、事件を無理やり揉み消した事を責める。

ウーナはスコットの元カノの服に着替えると、スコットにパーティへの同伴を求める。レイとイヴォンヌは大勢の客人を邸宅に招く。間もなく、そこにウーナとスコットも加わる。レイはウーナに気付くと激しく動揺し、スコットにウーナを連れ出すよう命じる。ウーナはイヴォンヌにレイとの馴れ初めなどを尋ねる。スコットは急用ができて帰る事になったと申し出て、ウーナを連れ出そうとする。ウーナはそれを拒むと、トイレに行くと告げて離席する。ウーナはレイの義理の娘に当たるエイミーの部屋に入り、ベッドで横になる。ウーナはかつてレイと遊園地で観覧車に乗り、愛を誓いあった思い出に浸る。そこへエイミーが入ってきて誰何する。ウーナはレイの友達だと答える。そこへレイが駆け付けると、ウーナは屋外へ飛び出す。ウーナを追ってきたレイは、エイミーとはウーナが考えるような仲では無いと否定し、過去について黙っていて欲しいと請う。レイは父親代わりとして面倒を見ているだけであり、かつてのウーナ以外で同じ年頃の子を求めた事は無いと弁解すると、ウーナの頬にキスをする。ウーナは無言でその場から立ち去り、夜道を歩いていく。レイは重苦しい空気に包まれた家に戻る。

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