チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ギリシャに消えた嘘

ホセイン・アミニ監督作「ギリシャに消えた嘘」("The Two Faces of January" : 2014)[DVD]

ギリシャでツアーガイドを営む男が、殺人を犯した詐欺師の男とその妻の逃避を手助けする事になり、やがてその人間関係を巡って争い合う様を描くスリラー作品。

 

1962年、アテネ。ツアーガイドを営む米国ニュージャージー州出身のライダルは、客から金をちょろまかしながら目的も無く日々を過ごしていた。ある時、ライダルは女学生のガイド中に、神殿を散策する羽振り良さげなカップルに注意を惹かれる。チェスターはニューヨークで投資詐欺を働いて荒稼ぎした後、妻コレットを連れてヨーロッパを旅している最中だったが、ライダルの視線に気付くと、追手では無いかと疑う。コレットは偵察がてらライダルと話をしにいく。ライダルはイェール大卒の米国人という素性を明かすと、二人のガイドを買って出る。

日を改め、ライダルはチェスター達を蚤の市へ案内する。ライダルはイェール大で経済を専攻し、数ヶ国後を話せる事を明かす。チェスターは自らが投資業をしていると偽る。コレットは露天で金の腕輪に惹かれる。ライダルはそれがクレタ島のデザインであり、不死身の象徴としてお守り代わりになると説くと、ギリシャ語を話せない二人に代わって値段交渉を買って出る。チェスターはそれをコレットに買い与える。その夜、チェスターはライダルをレストランでの夕食に誘う。ライダルはガイドでナンパした女を同伴する。チェスターはコレットにローマとベネチアを見せる為に、明日にもアテネを出発する意向を示す。ライダルは進路が決まるまで滞在すると答える。ライダルはチェスターとコレットをホテルに送ると、ハイヤーで帰路に就くが、その矢先に車内にコレットが置き忘れた腕輪を見つけ、ホテルに引き返す。

チェスターとコレットが部屋で寛いでいると、不審な男がやってくる。チェスターはバーで話に応じようとするが、男は部屋に押し入ると、チェスターを浴室へ導く。男はチェスターが騙した投資家の代理で来た事を明かすと、二人がヨーロッパ中を旅して派手に金を使っている事を指摘し、雇い主に金を返せば二人共無事に済むと説く。チェスターは改めてバーで話す事を提案するが、男はそれを拒み、拳銃を突きつけて金を要求する。チェスターはそれに応じると見せかけて男から拳銃を奪い取ろうとするが、男は取っ組み合いの末に転倒し、頭を強打して意識を失う。チェスターは身分証から男が探偵だと知ると、コレットにホテルから出る準備を命じ、探偵を部屋から引きずり出す。その直後、チェスターは探偵が死んでいると気付き、探偵の部屋に死体を運び込もうとする。そこに受付で夫妻の部屋を聞いたライダルがやってくる。チェスターは酔っぱらいがロビーでコレットに触れようとした為に殴ったら気絶したと欺き、ライダルに協力を求める。その様子を通りがかりの老夫妻に見られる。探偵の部屋に入るや、ライダルは探偵が撮った夫妻の写真数枚を見つける。チェスターは金を取り立てに来て銃で脅された事を明かすと、追手から直ちに逃げる意向を示し、ライダルに助けを求める。ライダルはそれに応じ、二人を自らの家に連れて行く。

チェスターとライダルはコレットに探偵が死んだ事実を伏せる。チェスターは投資でしくじって賭博組織を怒らせてしまった事を明かすと、逃亡するにも旅券をホテルに預けており、取りに戻るのも危険だと説く。ライダルはチェスターを旅券の偽造屋を仲介する知人ニコの元へ連れて行く。ライダルは料金を上乗せする事で、追手が来ないクレタ島まで旅券を運ぶ事をニコに依頼すると共に、土地勘が無いチェスターの為にクレタ島まで同行する意向を示す。チェスターはライダルがコレットに気があると悟りながらも、同行を依頼する。

翌日、三人はフェリーでクレタ島に移動するが、港町のホテルでは旅券が無い為に宿泊を拒まれる。ライダルは融通の効く別の田舎町へ向かう事を提案する。三人は明朝一番のバスを待つ事にし、レストランで時間を潰す。ライダルは一ヶ月前に亡くなった父がハーバード大の考古学の教授で、厳しく指導され、数ヶ国語を話せる様になった事を明かす。チェスターは自分の父がトラック運転手だった事を明かす。その後、ライダルとコレットはダンスを楽しむ。チェスターは俄に嫉妬心に駆られ始め、不貞腐れて泥酔する。三人は港で野宿して夜を明かす。

翌朝、チェスターは地元の新聞に探偵死亡の記事を見つける。三人はバスで田舎町を目指す。道中に停車した売店で、ライダルもまた探偵の死亡について知る。ライダルはチェスターに嘘をついた事を詰ると、自首して正当防衛だと訴えるよう促す。チェスターはそれを拒むと、ライダルも既に共犯だと脅し、コレットに黙っているよう命じる。目的地に到着し、夫妻とライダルはそれぞれにホテルに部屋を取る。コレットは苛立ちを募らせ、チェスターと口論する。チェスターはライダルに口を挟まぬよう命じる。チェスターはコレットに、ライダルが嘘を付いており、信用できないと説く。コレットは自分達も同じだと答えると、助けてくれるライダルへの好感を示す。

翌朝、コレットはチェスターが寝ている内にライダルを散歩に誘い出す。程なく目覚めたチェスターは、コレットを探してライダルの部屋に忍び込み、その様子から二人が寝たのでは無いかと疑念を抱く。チェスターはコレットを探しに町に出かけ、バーで泥酔した末に人が集う広場に訪れると、男から難癖をつけて殴られる。そこにライダルとコレットが駆け付け、チェスターを広場から連れ出す。チェスターはコレットにライダルと寝たのか問い質すと、ライダルが二人の仲を引き裂こうとしており、探偵が死んだのはコレットを守ろうとしたからだと訴える。そこで初めて探偵の死を知ったコレットは動転する。コレットはチェスターを部屋で休ませると、ライダルに探偵の死を隠していた事を責め、チェスターを庇う理由を問い質す。ライダルはチェスターの為では無いと答えると、二人が追われている理由を問い返す。コレットはチェスターと一緒に架空の石油関連株を数百人に売る詐欺を働いた為だと答えると、一刻も早く帰国する事を望む。チェスターは二人の会話を盗み聞きする。

明朝、ライダルはニコに連絡し、明朝偽造旅券を港町で受け取る段取りを整える。その頃、チェスターとコレットは殺人容疑で指名手配される。三人はバスで港町に向かう。道中、コレットは乗客に顔を見られた事で動転し、バスが一時停止した途端に外へ飛び出す。コレットは連れ戻しに来たチェスターに責任を問い、拒絶する。三人はバスに戻らず、歩いて町を目指す。三人は途中の遺跡で夜を迎え、野宿するが、夜更けに大雨に見舞われ、遺跡の中に身を寄せる。チェスターは休める場所を探しに奥へ向かう。ライダルはチェスターの様子を見に行き、暗闇でチェスターに不意討ちを受けて気絶する。チェスターはコレットが待つ入り口へ戻ると、ライダルを置いて二人で遺跡を出るよう促すが、コレットはそれを拒む。チェスターは自らの非を認め、やり直す事を求めるが、コレットはチェスターと揉み合いになった末に階段から転落して死ぬ。チェスターはコレットの亡骸を抱えて慟哭する。

翌朝、チェスターは町でニコと落ち合うと、ライダルがコレットと逃げたと欺き、偽造旅券を買い取る。一方、遺跡の中で目覚めたライダルは、コレットの亡骸を見つけ、動転して遺跡から出ようとした矢先に、見学に来ていた集団と遭遇する。その後、ライダルはアテネに戻るフェリーの食堂でチェスターを見つけると、デッキに誘い出す。チェスターはどちらかが捕まれば道連れになる運命共同体だと説くと、ライダルが追ってきた目的が金だと指摘し、望む金額を問う。ライダルは目的が金では無く、コレットだと答える。チェスターは憤慨し、ライダルを海に突き落とそうとする。

港に着くと、二人は別々に船を降りる。ライダルは検査で止められ、一人旅かと問われると、チェスターを差して父親だと答える。チェスターは話を合わせてライダルと共に検査をやり過ごす。二人はタクシーで空港に向かう。ライダルはラジオのニュースで、コレット殺害容疑で若い男が手配されている事を知る。空港に着くと、チェスターはライダルから旅券を預かり、カウンターでフランクフルト行きの便を手配する。その後、チェスターはこれまで肌身離さず持っていたスーツケースを置いたままトイレに行く。ライダルは不審に感じてケースを確認し、チェスターが逃走を図ったと確信する。ライダルはケースから腕輪を回収し、チェスターを追いかけようとするが、間もなく空港で逮捕される。チェスターはイスタンブール行きの便に乗って逃亡する。

10日後、ライダルは警察にチェスターから自白を引き出す為の囮を強要され、ホテルに泊まっているチェスターに連絡すると、全財産を渡さねばFBIに通報すると脅し、カフェに誘い出す。ライダルはチェスターに全財産とコレットの写真を要求する。ライダルは自分を騙し討した事を詰ると、コレットに誘われて寝た事を明かす。チェスターはライダルが利用されただけであり、コレットにとって遊びに過ぎなかったと答える。チェスターはいつかライダルも夢や希望が指の間をすり抜けていく気持ちが理解できる時が来ると説くと、唯一心の支えになる存在のコレットをライダルが奪ったのだと詰る。ライダルはコレットを殺したのはチェスターだと反駁する。チェスターは周囲に控えている複数の刑事の存在に気付くと、場所を変える意向を示して逃走を図る。ライダルもまたそれに乗じて逃げ出す。チェスターは市場を駆けずり回った挙句、広場に逃れたところを警察に見つかり、銃撃される。そこに居合わせたライダルもまた取り押さえられる。ライダルは倒れたチェスターの傍に寄る。チェスターはライダルが盗聴器を仕込んでいると知ると、自らの罪状を全て告白し、ライダルに詫びた後、息絶える。

程なく、ライダルは無罪放免となる。ライダルは帰国前に墓地を訪ね、チェスターの粗末な墓の前にコレットの腕輪を埋めてその場を後にする。

f:id:horohhoo:20171105124011j:plain

f:id:horohhoo:20171105124015j:plain

f:id:horohhoo:20171105124020j:plain

f:id:horohhoo:20171105124028j:plain

f:id:horohhoo:20171105124034j:plain

f:id:horohhoo:20171105124040j:plain

f:id:horohhoo:20171105124045j:plain

f:id:horohhoo:20171105124052j:plain

f:id:horohhoo:20171105124057j:plain

f:id:horohhoo:20171105124102j:plain

f:id:horohhoo:20171105124113j:plain

f:id:horohhoo:20171105124118j:plain

f:id:horohhoo:20171105124132j:plain