チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ノー・エスケープ 自由への国境

ホナス・キュアロン監督作「ノー・エスケープ 自由への国境」("Desierto" : 2015)[DVD]

希望を求めてメキシコから米国への密入国を企てるグループが、彼らの殺害を楽しむ一人のハンターから逃れ、決死の国境越えに挑む様を描くスリラー作品。

 

整備工モイセスを始めとする14人の男女は、希望を求めてメキシコから米国へ渡るべく、密入国を手がける業者のトラックに乗り、一路国境を目指す。道中、トラックは砂漠のど真ん中で故障し、停車を余儀なくされる。モイセスは業者に頼まれ、エンジンの様子を見て修理が無理だと判断する。業者は手下のロボとメチャスに一行を率いて砂漠を渡り、国境を超えるよう命じる。モイセス達はトラックを降りると、米国目指して砂漠を出発する。一方、地元のハンターで、密入国者の狩りを生き甲斐の様に楽しむサムは、トラックに愛犬を乗せて砂漠にやってくる。

一行は密入国者に対する殺人が相次ぐ危険地帯に侵入する。程なく、一行はサムがウサギを狩る際に放った銃声を聞き、激しく動揺するが、途中で短い休憩を挟むなどして先を急ぐ。サムは国境警備隊員と遭遇するが、ウサギ狩りをしていると欺き、隊員を退ける。

メチャス率いるモイセス、アデラ、ラミロ、ウリセスのグループは、ロボ率いるグループに遅れを取り、やがて置き去りにされる。メチャスは小高い丘に登り、開けた砂漠を行くロボに待つよう呼びかけるが、ロボは一顧だにせず10名のグループを率いて先を急ぐ。その直後、メチャスらは遠方に一台のトラックを見つけ、姿を隠す。サムは砂漠に遺留品を見つけ、密入国者の存在を察知すると、ライフルを携えて高台に上がる。サムはまずロボを狙撃して殺すと、砂漠を慌てふためいて逃げ惑う10人を次々に狙撃し、皆殺しにする。モイセスらはその様子を為す術なく見守る。メチャスはその場から一目散に逃げ出し、モイセスらもその後を追う。

サムは密入国者を始末した喜びに打ち震えるが、間もなく遠方を走り去るモイセスらに気付くと、トラックで接近し、犬を放つ。アデラの連れの男ラミロは追ってきた犬に咬み殺される。モイセスらは脇目も振らずに丘陵地帯を疾走し、岩場の上に逃れる。サムは周囲を見渡せる高台へ登る。モイセスらは岩から岩へ飛び移って犬から逃れようとする。その際、ウリセスは飛び移るのに失敗し、モイセスが手を貸して引きずり上げようとするが、サムの狙撃を受けてウリセスは転落死する。

モイセスらは岩場の狭間を逃げ続ける内に犬に見つかり、犬が追ってこれない崖に逃れる。その際、メチャスは足を踏み外して転落し、追ってきたサムに射殺される。モイセスとアデラは姿を隠し、サムをやり過ごそうとする。その時、モイセスのバッグの中のぬいぐるみの玩具が誤作動で電子音を発する。サムは二人の居場所を察知するも、夜が近い事から遠くへは行けないと考え、一旦引き上げる。

モイセスとアデラは岩場を離れると、荒野で夜を迎える。アデラは、故郷の町が危険だから安全な米国へ行くよう両親に命じられ、不本意ながら密入国を図るに至った事を明かす。モイセスはオークランドで妻子と暮らし、居住ビザの申請をしていたものの、不運が重なって収容所に入れられ、強制送還の憂き目に遭った事、その直前に息子が面会に来てぬいぐるみをくれ、必ず返すと約束したが、妻には守れない約束はせぬよう言われた事を明かし、息子の元へ帰る決意を新たにする。サムは犬と共にキャンプしながら、砂漠の暑さに辟易する。

翌朝、モイセスらは野宿した場所からほど近い灌木地帯の傍から、低地に停まったトラックを見つける。モイセスらは犬を追い払ってトラックを奪おうと企てる。モイセスらは灌木にぬいぐるみを仕掛けて電子音で犬を引きつけさせ、サムが犬を追ってトラックを離れた隙を見計らってトラックを奪い、走り去る。サムは後方からトラックを狙撃し、アデラが腕に被弾する。モイセスは驚いた拍子に運転を誤り、トラックを横転させる。

モイセスはトラックから救急箱と水タンクを持ち出し、アデラを連れて直ちにその場を離れる。サムは犬を連れて二人の後を追う。間もなく、モイセスはアデラをサボテンの影で休ませ、救急箱で傷を手当する。モイセスは水タンクをアデラに託し、救急箱に入っていた信号銃を携えてその場を離れる。サムはアデラの血痕を辿って追ってくる。モイセスは信号弾を発射し、サムの注意を引く。サムはアデラが放って置いても直に死ぬと察し、モイセスを追う。

モイセスはサボテンの群生地体に逃げ込むと、追ってきた犬目掛けて最後の信号弾を放ち、逃走する。犬は口の中に被弾してその場でのたうち回る。犬の悲鳴を聞いて追ってきたサムは、炎上する犬をライフルで安楽死させ、悲嘆する。モイセスは遠方の車道を通りがかった車に大声で助けを求めるも、気付いてもらえず、サムに居場所を察知される。サムは犬を失った怒りに駆られ、モイセスを執拗に追い回し、狙撃を繰り返す。

モイセスはひたすら逃げ惑い、丘陵地帯の岩場に身を隠す。モイセスは追ってきたサムの背後に回ると、不意を突いて飛びかかり、一緒に岩場から転落する。サムは右脚を骨折し、ライフルを手放す。モイセスはライフルを奪取し、銃口をサムに突きつける。サムは必死に命乞いする。モイセスはサムを威圧すると、「砂漠に殺されろ」と言い放ち、ライフルを持って立ち去る。サムは身動きが取れず、空を仰いで嘆く。

モイセスはアデラの元へ戻ると、意識を失ったアデラを背負って米国を目指す。モイセスはその状態で砂漠を何時間も歩き続け、やがて日が暮れる頃に、遠方にハイウェイを望む地点に達する。

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