チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

アイム・ノット・シリアルキラー

ビリー・オブライエン監督作「アイム・ノット・シリアルキラー」("I Am Not a Serial Killer" : 2016)[DVD]

殺人鬼に惹かれるソシオパスの少年が、近所に住む顔なじみの老人が人間ではない連続殺人犯だと知り、その正体を突き止めるべく奮闘する様を描くサイコ・ホラー・スリラー作品。

 

米国の小さな田舎町クレイトンに住む高校三年生のジョンは、葬儀屋を営む母エイプリルと叔母パトリックと暮らし、防腐措置などの遺体処理を手伝っている。父は離婚後に疎遠となり、姉ローレンはエイプリルと折り合いが悪い為に別居している。殺人鬼に惹かれるジョンはソシオパスと診断され、定期的に医師ネブリンのセラピーを受けている。ジョンはその性格が災いして、クラスメイトのロブに変人扱いされ、嫌がらせを受けている。また、ジョンはしばしば向かいの家に住むクローリー老夫妻の世話を焼いている。ハロウィンが近づく頃、クレイトンで連続して切り裂き殺人事件が発生し、住民を震撼させる。ジョンは修理工の男が犠牲になった現場を訪ね、地面に泡立つ黒い液体を見つける。

ジョンは学校にとある絞殺魔に関するレポートを提出した事で、エイプリルと一緒に校長に呼び出される。校長は思春期で死や殺人に興味を持つのは普通だが、のめり込みすぎていると戒める。放課後、ジョンはネブリンと鳥の観察に行く。ジョンは連続殺人犯の共通点とされるマクドナルドの三兆候「寝小便、火遊び、動物虐待」が自分にも当てはまっている事への懸念を示すと、誰かを傷つけたいと思ったらその者を褒め、笑顔で愛想よく振る舞う事をルールに課している事を明かす。ネブリンは三兆候が当てはまっている事を認めながらも、必ずしも連続殺人犯になるとは限らないと諭す。葬儀屋に殺害された修理工の遺体処理が依頼される。遺体からは腹が抉り取られ、腎臓が欠損している事が判明する。ジョンは犯人が奪ったのでは無いかと疑う。程なく、再び殺人事件が発生し、遺体の傍に石油か泥の様な黒い物質が発見される。ジョンは犯人のプロファイルを始め、その目的に強く興味を抱く。

殺人鬼が警戒される中、町はハロウィンを迎える。夜、ジョンは親友のマックスと仮装して町を練り歩く。その途中、ジョンは徘徊する不審な男を見つける。パーティ会場に訪れたジョンは、ロブに変人と罵られ、帰るよう促される。ジョンはソシオパスと診断された事を明かすと、あたかも自らが殺人鬼であるかの様に振る舞い、ロブへの殺意を仄めかす。ロブは気味悪がってその場から退く。その後、葬儀屋に新たな遺体が持ち込まれる。ジョンは臓器が無くなっているはずだと考え、エイプリルに無断で遺体の傍に置かれた臓物を探る。エイプリルはそれを咎めると、左腕が無くなっている事を明かし、ジョンに処置室への立入禁止を命じる。

ロブがジョンの言動について学校に告げ口した事で、それがネブリンの知るところとなる。ネブリンは処置室での件も踏まえ、何がきっかけなのかジョンに尋ねる。ジョンは田舎町であり得ない様な事が起きており、親近感を覚えるのだと答える。ジョンは鳥の観察中に、再び件の不審な男を見つける。後日、ジョンはその男を尾行し、包丁を持ち歩いている事を確認する。男は釣りに出かけようとするビルの荷物運びを買って出ると、そのままビルと一緒に車で出かけていく。ジョンは自転車で車を尾行し、町外れの凍った川に辿り着く。男はビルの背後から忍び寄り、包丁を振り上げる。ビルは振り向きざまに、人間とはかけ離れた黒い腕を伸ばし、男の体を貫いて殺す。ジョンは離れた場所からそれを見て驚愕し、失禁する。ビルは男の亡骸から肺を抉り取り、自らの体に埋め込むと、うめき声を轟かせる。

町は感謝祭を迎える。42年前に当時30歳で失踪し、自宅に争った形跡がありながら遺体は未発見となっている男について、現場に黒い油が残っていた事がニュースで取り沙汰される。ジョンはクローリー夫妻の家に雪かきの手伝いに行き、ビルの様子を窺う。ある夜、クローリー夫妻が車で出かけると、ジョンはその後を追って、バーで開かれる社交ダンス教室を覗き見する。ニュースでは件の失踪した男のDNAが発見されたと報じられる。体が不自由なビルは、快活な老夫オルソンがケイと楽しげにダンスに興じている様を苦々しく見守る。その後、クローリー夫妻は中国料理屋に行く。追ってきたジョンは店で偶然会食していたエイプリルとネブリンに遭遇し、連れ戻される。

後日の夕刻、ジョンはビルの車を追ってオルソンが営む理髪店に辿り着く。客として訪れたビルは、オルソンの不意を突いて襲撃する。ジョンは店の傍の非常サイレンを鳴らす。間もなく、パトカーが駆け付ける。ビルは店に入ってきた二人の警官を返り討ちにする。その後、ビルはオルソンの遺体を車で運び出す。ジョンは店の中に忍び込み、警官の遺体の傍に大量の黒い液体を見つける。

ジョンは足繁くクローリー夫妻の家を訪ね、ビルの様子を窺う。ある夜、ジョンはビルの車のフロントガラスに「正体を知っている」と記したメモを置いていく。翌朝、ビルはそれを見つけるや、動揺して家から出なくなる。程なく、町の住民達は夜に集会を開き、相次ぐ殺人事件から身を守る為の一致団結を図る。ケイはビルが酷く落ち込んで外出しなくなった事を明かし、ジョンに元気づけに行って欲しいと請う。それを受け、ジョンはビルに会いに行く。暖炉の前で佇むビルは、ウィリアム・ブレイクの「虎」と「子羊」に関する詩を引用し、自らの心情を吐露する。その後もジョンは、殺人鬼の研究に没頭すると共に、正体を知っているとはおくびにも出さずに、次第に体の不自由さが増すビルの介助を手伝う。弱りゆくビルは、ケイを独りにするのが耐えられないとの苦悩を漏らす。

町はクリスマスを迎える。マーガレットの説得に応じてローレンが帰ってくる。夜、ジョンは父から届いた愛情を感じないプレゼントに気分を害し、ローレンから貰ったパンダのマスクを被って外出する。ジョンは町中の公衆電話からビルに電話をかけ、手紙を置いた者だと自称する。ビルは捜し出して始末すると脅す。ジョンは自分の体と殺した者の部位を交換して痛くないのかと尋ねる。ビルは地獄の様な苦しみを味わうと答える。ジョンは42年前に失踪した男からは何を奪ったのかと尋ねる。ジョンは人生を奪ってやったと答えると、知られている以上に殺している事を明かす。ジョンはビルが車ですぐ傍まで接近している事に気付いて慌てて逃げ出す。ジョンはマックスの家に逃げ込む。間もなく、ビルが傍まで追ってくる。マックスはクリスマスの夜に会いに来た理由を問い質す。ジョンは自らに課すルールについて明かし、普通でいる為にマックスと友達でいるのだと説く。マックスは気分を害してジョンを追い出す。ジョンはそこから程近い場所で、ビルがマックスの父親の腹を切り裂いている現場に遭遇すると、マスクをしたまま阻止しようとする。ビルはうめき声を発してジョンを威圧し、遺体から臓器を引き出す。ジョンはその場から退く。

程なく、住民によって追悼の集会が催される。ジョンはビルがケイと参列するのを目の当たりにする。帰宅後、エイプリルはジョンの異変を察知し、話し合いに応じて、気持ちを打ち明けて欲しいと請う。ジョンは激昂し、衝動的にエイプリルに包丁を突きつけて怒鳴り散らす。翌日、エイプリルは遺体処理を止めさせたのがジョンに不安定さをもたらしているのだと考え、再び手伝いを認める意向を示す。ジョンはネブリンの家に助言を求めに行く。ネブリンはそれに応じ、何かあれば電話するよう命じる。

ジョンは質屋でGPS追跡装置を購入すると、ビルの車のトランクに発信機を忍ばせ、自宅からビルの行動を監視する。夜明け前、ビルが車で出かけると、ジョンはマスクを付けてビルの家に侵入する。ジョンは寝室で眠っているケイの写真を、ケイのスマホで撮ってビルに送りつけようと企て、カバーでケイの頭を覆おうとする。その矢先にケイが目覚めて暴れ始めると、ジョンは受話器でケイを殴って気絶させる。取り乱したジョンは携帯でネブリンに電話をかけると、取り返しのつかない事をしてしまったと打ち明ける。ネブリンはまだやり直せると諭すと、どこにいるか尋ねるが、ジョンはそれに答えずに電話を切る。ジョンはケイの写真をスマホで撮ると、「自分の番だ」とメッセージを記してビルに送信する。間もなく、ビルは血相を変えて戻ってくる。家を脱出したジョンは、ビルの車の中にネブリンの遺体を見つける。ジョンはビルに心臓が奪われると考え、遺体を引きずり出し、程近い場所にある林の中に隠す。明け方に帰宅したジョンは、車内の死体が無くなっている事に気付いたビルと目が合う。

その日、葬儀屋の広間でマックスの父の葬儀が営まれる。ジョンは後方の席でその様子を見守る。そこへビルが現れ、ジョンの隣に座る。ジョンはネブリンが路上を駆け回ってジョンを捜していた事を明かすと、遺体の所在を問い質す。ジョンはビルにいつ死ぬのか問い返す。ビルは死ぬ前に次を見つけると答えると、ジョンを睨みつけて殺意を露わにするが、激しく咳き込んでうずくまる。葬儀後、ジョンは参列者を見送ると、決着を付けるべく、うずくまったままのビルを広間に閉じ込める。しかし、ジョンはエイプリルがまだ残っているはずだとローレンに伝えられ、慌てて捜しに向かう。

ジョンは処置室で気絶しているエイプリルを見つける。傍らにいるビルはネブリンの遺体の所在を問い質すと、心臓がどうしても必要だと訴える。ジョンはケイを愛しているのかと尋ねる。ビルは人間の姿でいるのはケイに対する愛ゆえだと答えると、エイプリルをネブリンの代わりに殺す意向を示す。ジョンは遺体が冷凍庫の中にあると欺き、不意を突いてビルを殴り飛ばして気絶させる。ビルの腕は漆黒の異形の姿に変わる。目を覚ましたエイプリルは当惑し、警察に通報しようとする。ジョンはそれを止めると、ビルが殺人鬼だと明かす。二人はビルを処置台に拘束すると、ビルの血液を抜いて防腐剤を注入する。目を覚ましたビルは激痛に悶え苦しむ。間もなく、朽ち始めたビルの体からグロテスクな漆黒のモンスターが這い出て立ち上がる。ジョンはモンスターに吸入器を突きつける。モンスターは自分の代わりにケイを頼むと告げると、自ら吸引器を体に挿して崩れ落ちる。ビルとモンスターの体は共に漆黒の液体となって溶け落ちる。

その後、警察はネブリンの遺体を発見し、ビルは失踪扱いとなる。ジョンはケイの見舞いに行く。ケイは30代当時のビルとの馴れ初めから、ビルがいかに自分を愛してくれていたかを述懐する。ジョンはエイプリルと和解し、運び込まれたネブリンの遺体処理に臨む。

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