チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ディストピア パンドラの少女

コーム・マッカーシー監督作「ディストピア パンドラの少女」("The Girl with All the Gifts" : 2016)[DVD]

ゾンビ化する感染症の蔓延により滅亡の危機に瀕する人類の一派が、生まれながらに抗体を持つ子供の研究中に襲撃を受け、生き残りを懸けて逃避する様を描くホラー・ドラマ作品。

 

世界中で真菌による感染症が蔓延し、人類は滅亡の危機に瀕する。感染は体液を介して成され、感染者は正気を失って凶暴化し、人間を餌食にする様になる事から「ハングリーズ」と呼ばれる。ロンドン郊外の英国陸軍基地では、生まれながらに感染していながら人間の心を維持し続ける子供達が、ワクチン開発の実験体として集められ、厳重な警備体制の下で監禁生活を強いられている。二十名ほどの子供達は大半を粗末な独房の中で暮らし、決まった時間に教官ジャスティノーによる授業を受ける。子供達もまた人間の匂いに反応して凶暴化する為、移動の際には拘束具を着けられ、また彼らを扱う大人達は皆、匂いをブロックする特殊なジェルを体に塗っている。

子供達に慕われるジャスティノーは、ギリシャ神話に登場する、贈り物をもたらす女と称されるパンドラの物語を子供達に聞かせ、パンドラの好奇心が原因で世界中の人間が不幸に見舞われながらも、箱の底に残った希望が悪に立ち向かわせてくれるのだという訓戒を説く。ジャスティノーは子供達の両手の拘束具を外させて、各々に物語を書かせる。子供達の中でもとりわけ意志が強くて優秀なメラニーは、主人公の少女が怪物と戦い、大切な女を守る物語を書いて発表する。ジャスティノーは感極まり、メラニーの頭に触れて慈しむ。基地を統率するパークス軍曹は、それを目の当たりにするや、ジャスティノーを咎め、子供達に拘束具を着け直させると、自らの皮膚の匂いを一人の子に嗅がせ、その子が凶暴化すると他の子らも連鎖的に凶暴化する様を見せて、その恐ろしさを知らしめる。メラニーはパークスに悪態を付いた廉で拘束具を着けたまま独房に監禁される。その後、ジャスティノーはメラニーの独房を訪ねて、拘束具を外してやるが、メラニーはジャスティノーの匂いに反応して凶暴化しそうになり、ジャスティノーを独房から追い出す。

翌日、ハングリーズが基地の周囲に大挙して押し寄せ、フェンスが破られる。メラニーは授業に呼ばれず、パークスによってコールドウェル博士のラボに連行される。コールドウェルは助手のセルカーク博士と共にメラニーを麻酔で眠らせると、手術台の上で拘束し、解剖の準備を始める。そこへジャスティノーが押し入り、コールドウェルを非難する。コールドウェルはもう少しでワクチンが完成するのだと訴えると、ジャスティノーを催涙スプレーで退け、警備兵に連れ出させる。その直後、ラボにハングリーズが襲来し、セルカークは窓から押し入ったハングリーズに咬まれる。コールドウェルはガラスの破片でハングリーズを撃退するが、手を負傷する。コールドウェルはハングリーズ化したセルカークから逃れ、別室に避難する。メラニーはメスで拘束を断ってラボから逃走する。

兵士達は敷地内に侵入したハングリーズを迎え撃つが劣勢に立たされる。メラニーは連行されるジャスティノーを見つけると、警備兵を咬み殺して解放する。ジャスティノーはメラニーと共に、パークスとその部下ギャラガー、ディロン、更にコールドウェルが乗るトラックに拾われ、基地の外へ脱出する。パークスは基地に残された兵士達が絶望的だと考え、空の貯水タンクを補給次第、本部基地を目指す意向を示す。コールドウェルはメラニーの隔離を求めるが、ジャスティノーはそれに反対する。パークスはメラニーにハングリーズ用のマスクと手錠を着けさせる。一行は森を流れる川で水を補給するが、その最中にハングリーズに見つかる。パークスは戦闘中に咬まれてハングリーズ化したディロンを始末する。

トラックの燃料タンクが故障した為、パークスは食料を入手する為にロンドンを歩いて通り抜ける意向を示す。荒廃した街中の至る所にハングリーズが突っ立ったまま休眠しており、一行は体にジェルを塗り、忍び足で音を立てぬようにして突破を図る。一行は途中でハングリーズに追われながらも、打ち捨てられた病院に逃げ込む。パークス、ギャラガー、ジャスティノーは手分けして院内の偵察に向かう。メラニーはコールドウェルに自分が何者なのか尋ねる。コールドウェルはそれに答え、メラニーら子供達の出生の秘密を明かす。かつて、パークス達が救出活動で街へ出かけた際に、産院で新生児を見つけた。その子達は感染した母親の体を食い破って生まれたが、胎盤を通して感染しているにも関わらず、人間としての思考能力を保っており、病原体に対する抗体が備わっているのだと考えられたのだという。コールドウェルは子供達を解剖してそれを明らかにし、ワクチンを作って人類を救う事が最優先課題だと説く。偵察を終えたジャスティノーはメラニーの為に子供服を持ち帰る。

翌日、病院の前にハングリーズが群がったまま留まり、パークスは脱出が困難だと判断する。メラニーは自らが外に出て、動物を捕まえてきてハングリーズを誘き寄せる意向を示す。コールドウェルはメラニーに逃げられる事を心配するが、メラニーは必ず戻ってくると約束し、一人で外へ出る。メラニーは野良猫を捕まえて貪り食い、空腹を満たすと、民家に忍び込んで未知の世界に触れる。メラニーはそこで生き残りの飼い犬を見つけて連れ帰ると、病院の前で犬を放してハングリーズに追わせる。病院を出た一行は、メラニーに偵察を担わせ、安全なルートを模索する。道中、一行は至る場所で朽ち果てた遺体から成長した、病原体のライフサイクルを示唆する植物群を見つける。やがて一行は植物群に覆われた高層タワーに辿り着く。コールドウェルはそれが子孫を残す為の次の段階に入っており、無数に生じている胞子嚢が開いたら世界の終わりだと説くと、胞子嚢を一つ持ち出す。

程なく、一行は装甲車両を見つける。コールドウェルはそれが自分達の作った太陽電池式の移動研究室だと明かす。一行はその内部が無事で安全だと確認する。パークスは本部に無線連絡が付かない事から、動かないエンジンの修理を始める。ギャラガーは車内に食料が無い事を知ると、単身外へ探しに出かける。メラニーは皆の匂いに刺激を受けて食欲が抑えきれなくなり、外へ出してもらう。メラニーは鳩を獲って食べた後、建物の一室に集まって遊ぶハングリーズの野生児達を見つける。そこへ外でギャラガーを見つけた子が戻ってきて、皆と一緒に出かけていく。メラニーは直ちに装甲車へ戻る。一方、コールドウェルは手の傷の悪化に苦悶し、敗血症で既に手遅れだとジャスティノーに明かすと、この設備があればワクチンを完成でき、その為にはメラニーの脳と脊髄が必要だと説き、解剖への理解を求める。ジャスティノーは反発する。そこへメラニーが戻り、ギャラガーの危機を報せる。その頃、ギャラガーはシャッターが降りたスーパーマーケットに装備を外して忍び込み、パークスの無線での呼びかけを聞き逃す。メラニーは自分なら匂いで見つけられると訴える。そこへ本部から連絡が入り、壊滅に瀕している為に避難を始めると伝えられる。パークスとジャスティノーはメラニーの案内でギャラガーの捜索に向かう。

ギャラガーは店内で大量の食料を見つけるが、野生児達の待ち伏せに遭い、餌食にされる。間もなく、パークス達は店に辿り着き、店内で食い荒らされたギャラガーの亡骸を見つける。メラニーはそれ自体が罠だと悟る。店を出た三人は野生児達の待ち伏せに遭う。メラニーは攻撃しようとするパークスを制止すると、野生児達を威圧し、リーダー格の少年を決闘の末にバットで殴り殺す。メラニーは野生児達に自分が格上だと知らしめると、パークスとジャスティノーを自らの獲物の様に扱って連れ去る。

夜、装甲車に戻った三人は、コールドウェルによって充満された催眠ガスで昏睡する。コールドウェルはメラニーの解剖を始めようとするが、菌と共生関係にあるメラニーはすぐに目を覚ます。コールドウェルはメラニーが慕うジャスティノーを怪物にするか否かはメラニー次第であり、胞子嚢は熱や湿気に反応して開く事から、洪水や火事が起きたら最後だと説く事で懐柔を図ると、ワクチンを作らせて欲しいと請う。メラニーはそれに応じず、コールドウェルに車内に留まるよう促して外へ出ていく。コールドウェルはメラニーの後を追うが、野生児達に包囲され、餌食にされる。メラニーは高層タワーの植物群にマッチで火をつける。植物群は一斉に燃え上がると同時に胞子嚢が開き、空気中に胞子を飛散させる。メラニーは探しに来たパークスと出会すと、もう人間の世界では無くなったと説く。自らの感染を悟ったパークスは、メラニーに拳銃を手渡し、それで殺すよう頼む。メラニーはそれに応じ、パークスを撃ち殺すと、装甲車へ向かう。意識を取り戻したジャスティノーは、密閉したドアの向こうに立つメラニーと対面し、状況を把握する。その後、メラニーは基地にいた子供達と野生児達を装甲車の前に集める。ジャスティノーは装甲車の中で暮らしながら、ドア越しに子供達に授業を行う。

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