チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ウィッチ

ロバート・エガース監督作「ウィッチ」("The Witch" : 2015)[DVD]

入植地から追放され、人里離れた土地で暮らし始めた一家が、森に隠れ住む魔女の呪いに惑わされ、悲劇に見舞われていく様を描くスーパーナチュラル・ホラー作品。

 

17世紀初頭の米国、ニューイングランド。敬虔なキリスト教徒ウィリアムは、法と教会を侮辱した罪で裁判にかけられ、入植地からの追放を命じられる。ウィリアムは妻キャサリンと五人の子供達トマシン、ケイレブ、双子のマーシーとジョナス、赤子サミュエルを連れて、馬車で村を離れる。一家は人里離れた森の傍に辿り着くと、そこに粗末な家とヤギ小屋、小さな農場を作って暮らし始める。

ある日、トマシンはキャサリンからサミュエルのお守りを任される。トマシンがいないいないばあであやしていると、サミュエルは忽然と姿を消す。サミュエルは森に潜む魔女に連れ去られ、儀式に供される。ウィリアムはサミュエルが狼に襲われたと考え、捜索を断念する。キャサリンはサミュエルを失った事で酷く傷心し、家に篭って泣きながら一心不乱に神に祈り続ける。ウィリアムは穀物の実りが悪く、冬の前に蓄えが尽きる事を危惧すると、ケイレブと犬ファウラーを連れて森へ狩りに出かける。ケイレブは自らも原罪を背負っており、サミュエルの様に地獄へ落ちるのではないかという怖れを訴える。ウィリアムは善悪は神のみぞ知るものであり、サミュエルが主の御下で眠っていると諭す。ウィリアムはキャサリンの銀の盃を無断で持ち出し、インディアンと狩猟用の罠に交換した事を明かすと、それをキャサリンの悲しみが癒えるまで黙っているよう命じる。間もなく、ファウラーは野兎を発見する。ウィリアムはその不気味な野兎に向けて猟銃を構えるが、暴発を招いて好機をふいにする。

一方、マーシーとジョナスは黒ヤギのフィリップを追いかけ回して誂う。そこへ戻ってきたウィリアムは、双子を叱りつけると、フィリップを押さえつけて小屋に入れる。キャサリンはトマシンに双子から目を離さぬよう叱りつけると、ウィリアムが黙って家を離れた事を非難する。ケイレブは谷にあるというリンゴを探して、キャサリンを喜ばせたかったのだと嘘をつく。トマシンはキャサリンに洗濯を命じられ、川へ向かう。トマシンがケイレブとじゃれ合っているとマーシーがやってきて、トマシンを森の魔女だと詰る。トマシンは常日頃キャサリンが自分だけをこき使い、双子に甘い事への不満を吐露する。マーシーはトマシンがキャサリンに嫌われており、サミュエルを魔女に渡したのだと詰る。憤慨したトマシンは、自らが本物の魔女であり、悪魔と契約して洗礼前のサミュエルを渡したのだと威圧すると、両親に正体をバラしたら呪ってやると脅かす。ケイレブはトマシンを非難する。

その日の夕食時、キャサリンは銀の盃が無くなった責任をトマシンに問う。トマシンは関与を否定する。キャサリンは不毛な土地へ来た事への不満を訴える。ウィリアムは心に光が必要だと説き、翌日に断食をして罪を贖う意向を示す。キャサリンはトマシンにヤギを寝かしつけてくるよう命じる。トマシンは小屋で不気味な野兎と遭遇する。夜更け、ウィリアムはキャサリンに嘆き過ぎるのは良くなく、思いは神のみに向けられるべきだと諭すと、自分達は神から元気な子供達を授かり、祝福されていたのに感謝を忘れてしまい、神が戒める為に苦難を与えたのであり、これも愛なのだと説く。キャサリンは村を出た事への悔悟を示すと、銀の盃について売るつもりだった事を明かす。キャサリンはトマシンが初潮を迎え、奉公に行く年頃にも関わらず、この地では何もできない事についてウィリアムを責める。ウィリアムはこの地は神の地だと反駁するが、キャサリンは子供達がまるで野生児だと嘆き、サミュエルに加えてケイレブまで失い、更に不毛の地で家族が餓死する事を危惧する。ウィリアムは明日トマシンを連れて村へ行き、奉公先を決める意向を示す。トマシン達は寝室で両親の会話の一部始終を聞く。

翌日早朝、ケイレブは一人で馬を連れて狩りに出かけようとする。それを見つけたトマシンは行き先を問い質す。トマシンを慕うケイレブは、奉公に行かせたくないのだと訴え、理解を求める。トマシンは同行させる事を求める。二人はファウラーを連れて、両親に黙って森へ出かける。間もなく、二人は不気味な野兎と遭遇する。その途端、トマシンが乗る馬が酷く怯え始める。ファウラーが野兎を追っていくと、ケイレブもその後を追いかけるが、トマシンは落馬してケイレブと逸れる。ケイレブは森を彷徨う内に惨殺されたファウラーを見つけるが、野兎を追って更に森の奥へ向かい、やがて小屋に辿り着く。小屋から現れた見目麗しい魔女はケイレブに口づけし、呪いをかける。ウィリアムは逃げ戻ってきたトマシンを見つけ、家に連れ帰る。

ウィリアムはすぐにもケイレブを探しに行く意向を示す。キャサリンは猟銃も犬も無く、一人で捜すのは無謀だと説くと、トマシンに怒りをぶつける。トマシンは自分にだけ厳しくしないで欲しいと訴える。見かねたウィリアムは銀の盃を売った事、ケイレブと森へ行きながらも驚かせたくて黙っていた事を明かし、許しを求める。キャサリンはウィリアムが偽証の罪を犯した為に再び子供を失ったのであり、ウィリアムまでいなくなったら家族は全滅だと詰ると、怒りに任せてウィリアムを殴る。夜、トマシンはヤギを寝かしつけに行く。トマシンは小屋の前で、雨に濡れて衰弱した裸のケイレブを見つける。キャサリンは直ちにケイレブを部屋で看病し、神に祈りを捧げる。

翌日、マーシーは小屋で作業をするトマシンの傍でフィリップと会話し、トマシンがケイレブに呪いをかけたのだと詰ると、川で脅した件を両親にバラすと脅す。その直後、トマシンがヤギのフローラから乳を絞ると血が噴き出す。一方、ケイレブの傍で祈りを祈り続けるキャサリンは、それが神意では無く、魔女の仕業だとウィリアムに訴える。ウィリアムは戯言だと一蹴すると、明日の朝に村へ出発し、トマシンの奉公先とケイレブの医者を探す意向を示す。キャサリンは故郷のイングランドに戻る事を切望する。キャサリンはトマシンと同じ年頃にイエスに罪が赦される夢を見て、喜びの余り涙を流し、その愛に恍惚感を得た事を述懐すると、サミュエルを失ってから悲しみで信仰が弱まり、イエスの救いを感じなくなった事を嘆く。

一家は僅かに残った作物を、村に持っていく為に収集する。その最中、眠っていたケイレブが突然喚き始め、口から血塗れのリンゴを吐き出す。双子はトマシンが悪魔と取引し、ケイレブを魔女に渡し、フローラの乳を血に変えたと両親に訴える。ウィリアムはトマシンを跪かせ、神への愛を問い質すと、皆でケイレブを取り囲んで祈りを捧げるよう命じる。双子は祈りの言葉を忘れて喚き始める。ケイレブは悪魔による呪いだと訴え、神に救いを求める。ウィリアムはキャサリンとトマシンに祈りの再開を促す。間もなく、ケイレブは神による抱擁を体現し、恍惚感に浸りながら息絶える。キャサリンは慟哭し、ケイレブに触れようとしたトマシンを怒声を浴びせて追い払う。ウィリアムは泣きながら飛び出したトマシンを慰め、今後の暮らしの展望を語ると、真実を話せば神が呪いを解いてくれると諭す。トマシンは双子の話を否定すると、ウィリアムとキャサリンが自分を家から追い出すと話していた事、銀の盃の件で自分がキャサリンに責められているのに黙っていた事を論い、ウィリアムが偽善者だと罵る。更にトマシンは、ケイレブが森に行ったのはウィリアムのせいだと詰り、ウィリアムが妻に頭が上がらず、作物の栽培も狩りも満足にできず、娘の話も信じられない無能だと罵ると、双子がフィリップをヤギに姿を変えて言葉を囁くというルシファーだと思っており、日頃から会話している事を明かし、双子こそ魔女だと訴える。ウィリアムは眠り続ける双子に真実を問い質すが、埒が明かないと判断し、トマシンと双子をヤギ小屋に閉じ込め、罪を悔いるよう命じる。

ウィリアムとキャサリンはケイレブの遺体を埋葬する。その夜、ウィリアムは家の外で自らの傲慢さと背信を懺悔し、神に子供達への赦しを求める。一方、家の中にサミュエルを抱いたケイレブが現れる。キャサリンはケイレブを抱きしめる。ケイレブはこれからは何度も会えると説くと、本を一緒に見るよう勧める。キャサリンはサミュエルに乳を与える。しかし、それは幻覚で、キャサリンはカラスに乳を啄まれながら恍惚感に浸る。トマシン達はヤギ小屋に現れた裸の老女がフローラを貪り食う様を目の当たりにする。

翌朝、ウィリアムは破壊されたヤギ小屋と食い荒らされたヤギ達を目の当たりにする。その直後、ウィリアムはフィリップに頭突きを食らい、角で腹に致命傷を負って死ぬ。ヤギ小屋で目を覚ましたトマシンはウィリアムの傍に近寄る。そこにキャサリンが現れ、双子の所在を問い質す。トマシンは魔女に攫われたのだと答えるが、キャサリンは聞く耳を持たず、トマシンが魔女であり、悪魔に魂を売って双子を殺し、ケイレブを誘惑し、更にウィリアムまで誘惑したのだと詰ると、トマシンを押し倒して殴りつける。トマシンは傍にあったナタでキャサリンを殴りつけ、退けようとする。逆上したキャサリンはトマシンの首を絞めて殺そうとする。トマシンはキャサリンをナタで殴り殺す。トマシンは血塗れの上着を脱ぎ捨てると、家のテーブルに突っ伏したまま寝入る。

その夜、目覚めたトマシンはフィリップに導かれて小屋に入ると、自分にも話して欲しいと請う。フィリップはトマシンに囁きかけ、望みを言うよう促すと、バター、ドレス、魅惑的な暮らしを与え、世界を見せてやると唆し、服を脱いで目の前の本に署名するよう命じる。その後、トマシンは裸のままフィリップに伴われて森の奥へ入っていき、焚き火を取り巻いて儀式を行う魔女達の元へ辿り着く。トマシンは魔女達に続いて宙に浮き、高揚感に酔いしれる。その様子からトマシンが魔女と化した事が示唆される。

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