チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

アンダーカバー

ダニエル・ラグシス監督作「アンダーカバー」("Imperium" : 2016)[DVD]

米国内での大規模テロに繋がる情報を掴んだFBI捜査官が、白人至上主義グループに潜入し、テロ計画の黒幕に接近すべく奮闘する様を描くスリラー作品。

 

ワシントンDC。FBI捜査官ネイトはその高い能力にも関わらず、内向的な性格が災いし、局内ではインテリなどと揶揄され、重要な事件に関われずに孤立していた。ある時、ネイトは自らが追っていたテログループの一人の青年を逮捕に導き、爆破テロ計画を阻止する。ネイトは自らその青年に対する尋問に臨むと、孤独を感じていた事に同情し、同じ苦しみを無くす為に世界を変えたいのだと諭す。その後の緊急会議にて、深夜に衝突事故を起こしたトラックが積んでいた缶から北アフリカ由来のセシウム137が検出され、追跡の結果、税関で記録された8缶の内、6缶が行方不明になっている事が明かされる。

会議の後、ネイトは国内テロ課のアンジェラに呼ばれる。アンジェラは黒人やユダヤ人を排除する人種戦争計画の存在について明かすと、イスラム教のみを警戒しているのは自分達の価値観で物語を作り、見たいものを見ているに過ぎないと諭す。アンジェラは二万人の視聴者を有するという白人至上主義のネットラジオ番組において、主催者ウルフが人種戦争について説くと同時に、トラックに放射性物質が積まれていた件について喧伝しているのを聞かせると、所在不明で誰にも会った事が無いウルフと、自らの情報提供者が所属するギャングのリーダーが友人である事を明かし、ギャングに潜入してウルフに接触を図るようネイトに求める。ネイトは自らの非力さを根拠に難色を示す。アンジェラは制圧するのでは無く状況をコントロールするのだと説くと、FBIでは異端的なネイトの素質と尋問の様子を高く評価し、絶対にやれると説き伏せる。

ネイトはアンジェラを伴い、上司トムに相談する。トムは潜入がばれたら殺されると説き、再考を命じる。ネイトはアンジェラの強い要請を受け、潜入捜査に応じる事を決意すると、スキンヘッドにして白人至上主義ギャングの風貌に変装する。ネイトは、元海兵隊であり、イラク大量破壊兵器班に所属し、そこで見た事が自分を変え、ギャングの仲間に入って真実を解き明かし、世界を変えたいと考えるに至ったという設定を創作し、専用のIDとアパートを用意する。更にネイトは、ギャングに自分を必要とさせる為に、軍の知り合いの協力を得て開業したという医薬品販売店を用意する。

ネイトはアンジェラの情報提供者を介して、リーダーのヴィンスが率いるギャングを紹介してもらう。手下のロイはネイトを身体検査した上で素性を疑い、経歴を詮索する。ネイトはウルフの番組を聞いている事を明かし、ウルフに会うことを熱望する。ヴィンスはKKKとは異なり、本物の人種戦争を行う意向を示すと、ネイトの様な元軍人が必要だと説く。ネイトは忠実な白人至上主義者として振る舞う。ヴィンスはネイトを気に入り、仲間に加える。ネイトはアパートに戻ると、腕時計に忍ばせたカメラで盗撮した画像をアンジェラに送る。

翌朝、突然ロイと新入りのジョニーがアパートに押しかける。ネイトは咄嗟にラップトップをソファの中に隠し、ネイトの詮索をやり過ごす。その後、ネイトは右腕に白人至上主義を表すタトゥーを入れる。ネイトはロイ達に連れられ、白人至上主義グループが集まるパーティを訪ねると、そこでウルフのラジオを聞き、北米の白人至上主義団体が一堂に会するイベントが近く催される事を知る。ネイトはアーリア人同盟のアンドリューやKKKのメンバーらと挨拶を交わす。ヴィンスは彼らに関わらぬようネイトに命じると、パーティの主催者で邸宅の主ジェリーにネイトを紹介する。妻と二人の子供らと共に一見穏やかに暮らすジェリーは、ネイトが他の野蛮な連中とは違って大人だと指摘すると、アーリア人の若者の現状を嘆き、子孫の為に誇りを受け継ぐべきだと説く。ネイトはロイ、ジョニーと帰路に就く。その途中、ロイはアーリア人と黒人のカップルを見つけるや、ナイフで襲おうとする。ネイトはそれを妨害し、二人を逃がす。ネイトは激昂するロイに、防犯カメラに映って逮捕でもされたら、人種戦争どころではないと説き伏せる。

アンジェラはネイトがパーティで撮った写真から参加者の身元を調べると、オハイオ州が拠点のアンドリューだけ場違いだと指摘し、ネイトにアンドリューとウルフの繋がりを探るよう命じる。後日、ネイトはヴィンスらと共にウルフの決起集会を訪ねる。ウルフはスピーチにおいて、多様性の名の下で白人の大虐殺が行われていると訴える。ネイトはヴィンスにウルフを紹介してもらうが、ウルフは素っ気なくネイトをあしらう。ネイトは内密の話と称して、ウルフの全米進出の手助けをしたいという資金提供者がいると伝え、懐柔を図る。興味を示したウルフは連絡先を教える。集会の後、ネイトはウルフが先導する行進に参加する。反ファシスト団体は行進に激しく抗議する。ロイが集団を刺激した事で両陣営に小競合いが生じ、やがて闘争に発展する。アンドリューが頭を負傷すると、ネイトは団体の襲撃を退け、アンドリューを車で連れ出し、ジョニーの邸宅に向かう。ジョニーはネイトらを歓迎し、夕食に招く。アンドリューはネイトへの恩義から、DCに新たに設立した事務所に寄るよう促す。ジョニーはネイトとクラシック音楽を愛好する点で意気投合する。ネイトはジョニーに活動に加わったきっかけを尋ね、覚醒をもたらしたという本を借り受ける。その後、ネイトはアンジェラと落ち合い、酒を飲む。アンジェラは家族との生活の為に潜入捜査から離れた事を明かすと、潜入は孤独だが終わりは来るものであり、考えは変えられないが状況は変えられると説く。

翌日、ネイトは森の中に設えられたアンドリューの事務所を訪ねる。アンドリューは射撃場と倉庫を案内する。ネイトはそこで大量の簡易ベッドを目の当たりにする。アンドリューは革命的な活動を行う為に、ネイトの様な知識があり前科の無い元軍人が必要だと説く。ネイトは具体的に何をするつもりなのか尋ねる。アンドリューはDC全体の水道システムを網羅した図面を見せると、ヴィンスらの様な口先だけの奴らとは違うと息巻く。その後、ネイトはウルフの自宅を訪ねる。ネイトはウルフに自らの素性を明かして信頼させると、資金提供者が番組を全国区に展開したいと考えていると説く。ウルフはフロリダ進出の為に7500ドルを募っている事を明かす。ネイトは支援には資金提供者に本気度を示す必要があると説く。ウルフは自らがそれに値すると自負する。ネイトは屋内で放射線検出器を発見すると、それをアンジェラに報せる。アンジェラはトムに7500ドルの工面について掛け合うが、トムは確証が無いとして難色を示す。

程なく、ネイトはアンドリューの事務所に押しかけたヴィンスとロイに出会す。アンドリューは二人を追い返すと、ロイが潜入者の存在を疑っており、国立人事記録センターに問い合わせてネイトの従軍記録が無かったと言っていた事を明かす。ネイトは殺される事を覚悟しながらも、隠密作戦に関わっていたと反駁し、その場を切り抜ける。その後、ネイトはウルフに7500ドルを提供し、しばしば番組で言及する「大きな事」の詳細について尋ねる。ウルフはネイトが誤解していると指摘し、金を突き返す。ネイトはアンドリューと手を組んで、水道へのテロ計画を企てているのでは無いかと問い質す。ウルフはネイトを追い返すと、FBIに押しかけ、応対したアンジェラにネイトに脅されたと訴える。アンジェラはラジオで言及した件や、未登録の場所に住み、放射線検出器を所持している理由を問い質す。ウルフはブログに寄せられた情報を流し、母とのプライベートを守りたいと考え、前立腺がんを患っているからだと答えると、番組は金儲けと娯楽の為にやっているに過ぎず、人種戦争には興味が無く、欲求を満たして尊敬を集めているだけだと説く。それを受け、トムは全て陰謀説に過ぎなかったのだと判断し、アンジェラとネイトを咎める。ネイトはアンジェラが重要な事件に関わりたいと考えている自分を利用し、自己満足を図ったのだと非難する。

ネイトはジェリーに借りた本を返しに行くと、西海岸で起業する為にDCを離れる事になったと伝える。ネイトは不正と闘い、世界を変えられると思っていたのに、それが叶わなかった事への苦悩を吐露する。ジェリーはそれに理解を示すと、集会やスピーチや政治では何も変えられず、「指導者なしの抵抗」こそ変化を生むのだと諭すと、人々を覚醒させ、シオニスト政権の手の内を暴き、黒幕の正体を明かす為に何年も温めてきた計画の存在を明かす。ネイトはそれに賛同してみせ、協力する意向を示す。ジェリーはアフリカにツテがあり、既に準備ができている事を明かすと、ネイトに死への覚悟を問う。ネイトはそれに応じると、直ちにアンジェラに報せる。

程なく、ジェリーは仲間のモーガンとデヴィッドをネイトに紹介する。ネイトはジェリーらが硝酸アンモニウムの入手に難航している事を知り、より少量で威力が大きい過酸化アセトンと、更にセシウム粉末の取り扱いに必要な防護服を入手できると説く。ネイトは早速アンジェラと共に偽の過酸化アセトンを用意すると、三人を店に招いてそれを確認させる。モーガンはそれを燃焼して真偽を確かめようとするが、ネイトは偽物だとバレるのを怖れて危険だと説き伏せる。ジェリーはネイトを信用する。

決行日前日の朝、ネイトはアンジェラから、デヴィッドが硝酸アンモニウムを購入したとの報せを受ける。アンジェラは監視班と合流し、現場に向かう意向を示す。ネイトはセシウムがあって奇襲は危険だと訴えると、ジェリーの邸宅に急行する。ジェリーは突然やってきたネイトを捕まえて尋問する。ネイトは電話に出ない為に心配したのだと答える。ジェリーは夜中にネイトの店に行って電気業者が入るの見た事を明かし、監視されている事への危惧を示すと、デヴィッドの硝酸アンモニウム購入からすぐに足が付く事から、その前に決行する必要性を説く。ネイトは密かにアンジェラに連絡し、ジェリーらが銃を所持し、爆弾を製造中だと警告し、突入を待つよう求める。トムはそれを拒み、60秒で対処するよう命じる。ネイトは三人の手伝いを始めるや、セシウム粉末を装って洗剤をこぼし、三人のパニックを誘発する。ジェリーは企みを見抜き、ネイトを殺そうとする。そこにFBIが突入し、ジェリーらを逮捕する。

後日、ネイトは職場の同僚らからサプライズパーティーで功績を労われる。その後、ネイトはヒューストンに転勤が決まった事をアンジェラに伝える。アンジェラはネイトを潜入捜査官に選んだ理由について、ネイトなら彼らを理解し、彼らもまたネイトを理解し、互いに関係を築けると思った事を明かすと、ファシズムを生む要素は被害者意識だと説く。ネイトは更生を図るジョニーの元へ労いに行く。ジョニーはネイトに感謝する。

f:id:horohhoo:20171230123557j:plain

f:id:horohhoo:20171230123602j:plain

f:id:horohhoo:20171230123606j:plain

f:id:horohhoo:20171230123610j:plain

f:id:horohhoo:20171230123615j:plain

f:id:horohhoo:20171230123619j:plain

f:id:horohhoo:20171230123624j:plain

f:id:horohhoo:20171230123628j:plain

f:id:horohhoo:20171230123633j:plain

f:id:horohhoo:20171230123643j:plain

f:id:horohhoo:20171230123647j:plain

f:id:horohhoo:20171230123653j:plain

f:id:horohhoo:20171230123657j:plain

f:id:horohhoo:20171230123701j:plain

f:id:horohhoo:20171230123705j:plain