チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

フェノミナ

ダリオ・アルジェント監督作「フェノミナ」("Phenomena" : 1985)[DVD]

昆虫と交信ができる不思議な能力を持った少女が、スイスの女子校に転入した直後に少女達の連続殺人事件に巻き込まれ、その背後に潜む謎に迫っていく様を描くサスペンス・ホラー作品。

 

チューリッヒ郊外の高原。一人で観光に訪れたデンマーク人の少女ベラは、バスに乗り遅れて取り残される。ベラは高原を彷徨い歩いた末に一軒の山小屋を見つけ、その中に入る。間もなく、そこに監禁されていた何者かが鎖を引きちぎり、ベラにハサミで襲いかかる。ベラは小屋の近くを流れる川の方へと逃れる。その者はベラを刺殺した後、首を切断し、胴体だけを運び去る。頭部は急流の川の中に落ちる。

数ヶ月後、ベラの頭部は下流の湖の畔で発見される。刑事ガイガーは町外れに暮らす知己の昆虫学者マクレガーに殺人事件の捜査への協力を依頼する。足が不自由で車椅子生活を送るマクレガーは、忠実で記憶力に優れるチンパンジーのインガを看護婦代わりに飼っており、期せずしてインガはどこからか鋭利なメスを持ち帰ってくる。マクレガーは腐敗した頭部に群がるウジの種類と成長具合から、湖に沈んで岸辺に打ち寄せられるまでおよそ八ヶ月半だと判断する。ガイガーはベラが殺されたのが9月上旬だと推定する。その地域では少女が何人も行方不明になっており、死体は上がっていないものの殺人狂がいると考えられており、マクレガーは失踪した優秀な助手グレタも同じ目に遭ったのだと憂う。ガイガーは犯人を逮捕する決意を示す。

世界的に有名な俳優コルビノの娘で、虫を愛し、虫と交信できる特異な能力を持つジェニファーは、コルビノが長期ロケに出かけている間、ロサンゼルスからスイスの名門リヒャルト・ワグナー女子校に預けられる運びとなる。ジェニファーは世話人ブルックナーと共に空港から学校へ向かう。日暮れ前に学校に着くと、ブルックナーは校舎が本館だけであり、古い方の別館は封鎖されている事を伝える。ジェニファーは寄宿舎に入り、ルームメイトのソフィとすぐに仲良くなる。そこへ厳格な校長がやってきて、二人に早く寝るよう命じる。ソフィは近辺に人殺しがおり、同じ年頃の少女が何人も失踪している事を伝える。

夜更け、眠りに就いたジェニファーは、別館に逃げ込んだ少女が何者かに槍で襲われる悪夢にうなされる。ジェニファーは夢遊病に陥り、部屋の外に出ると、屋上から別館の方へ向かう。ジェニファーは窓越しに、少女が槍で突き殺されるのを目の当たりにした矢先に、足場が崩れて茂みに転落する。ジェニファーは学校を離れて町を彷徨い歩く内に、不良青年らが乗った車に撥ねられ、連れ去られる。目を覚ましたジェニファーは逃れようとして暴れた拍子に、車から投げ出され、車道沿いの崖を転げ落ちる。そこにインガがやってくる。ジェニファーはインガに誘われ、マクレガーの家に辿り着く。ジェニファーはマクレガーの介抱を受けると、過去にも夢遊病に陥っていながら、何も覚えていない事を明かす。マクレガーはジェニファーが昆虫好きだと知ると、失踪したグレタにそっくりだと説く。マクレガーはジェニファーに触れた虫が、交尾器特有の反応を示す原因を測りかねる。ジェニファーは帰り際に夢遊病を解く為のまじないを教えてもらう。

翌日、ジェニファーは校長の命令で医師による脳波検査を強制される。医師はジェニファーの異常な行動が人格分裂の初期段階の可能性を指摘する。脳波測定器が不可解な反応を示すと、校長はジェニファーに精神障害かドラッグの使用を疑うが、ジェニファーはそれらを否定する。ジェニファーは米国の弁護士シャピロに連絡を図るも不在だと伝えられる。ジェニファーは犯人に顔を見られている事への恐れをソフィに伝えると、見張りを頼み、夢遊病に陥ったら止めて欲しいと請う。ソフィはそれに応じる。その夜、ジェニファーが眠った後で、ソフィの恋人が学校の前にやってくる。ソフィはそれに気付くと、誤ってジェニファーのシャツを羽織って、密かに恋人に会いに行く。ソフィは恋人と談笑した後、茂みに隠れて口づけする。恋人はそそくさと兵舎に帰っていく。その直後、ソフィは何者かに追われて逃げ惑う。ジェニファーは再び悪夢にうなされ、夢遊病に陥るが、部屋を出る直前にまじないを唱えて目を覚ます。ソフィは槍で突き殺される。ジェニファーはソフィがいない事に気付くと、校舎の外へ様子を見に行く。ジェニファーはホタルに導かれ、茂みの奥へ向かい、そこでウジが付着した犯人の物と思しき手袋を見つける。ソフィは失踪扱いとなる。

翌日、ジェニファーは再びマクレガーの家を訪ね、手袋を持ち込む。マクレガーはウジの種について調べる意向を示す。間もなく、マクレガーは飼育している虫達が珍しい騒ぎ方をしているのに気付くと、いまだ謎とされる昆虫と人間の精神の関係について説き、ジェニファーに何か話したい事があるのでは無いかと尋ねる。ジェニファーは手袋の在処をホタルに教えてもらったが、精神障害扱いされるのを恐れて警察には黙っていた事を明かす。その途端、虫達は静まる。マクレガーは昆虫にはESP(超感覚的知覚)があって、テレパシーで遠くの仲間と交信しているのだと説くと、それに関する自著を貸し与える。一方、校長はジェニファーの言動を問題視し、生徒らに監視を命じると共に、ジェニファーがしたためた父宛の手紙を音読する。それには昆虫と交信できる旨が綴られており、それを聞いた生徒らはジェニファーを異常者扱いしていじめる。ジェニファーは夥しいハエの群れを校舎の外に招き寄せる事で、自らの能力を校長らに露呈するが、その直後に気を失う。

翌日、校長はジェニファーが悪魔的なハエの女王だと怖れると、ジェニファーが眠っている内に、精神病院に収容する為の救急車を手配する。ジェニファーは見張り役の女が寝入っている隙に乗じて寄宿舎から脱走し、マクレガーの家に身を寄せる。マクレガーはESPが誰の手にも入らない財産だと説くと、ウジが墓石に棲む虫とされるサルコファガスの幼虫だった事、それは人間の死骸にだけ取り付いて貪欲に人肉を食い尽くし、離れた場所の死体をも嗅ぎつける事を明かし、犯人が被害者の死体を身近で保存している異常者だと推察する。ジェニファーは犯人を捜す意向を示す。マクレガーはサルコファガスの成虫を与えると、ジェニファーにベラが乗った観光バスに乗り、サルコファガスが暴れだしたら放してやってその後を追い、犯人の家を見つけ次第戻ってくるよう促す。ジェニファーはチューリッヒからバスに乗って高原へ向かう。ケースに入れた虫が暴れ始めると、ジェニファーはバスを降り、虫を放ってその後を追う。やがてジェニファーは人気のない山小屋に辿り着き、屋内を探索する。そこへ不動産屋の男がやってきて、ジェニファーが盗みに入ったと疑う。ジェニファーは小屋から逃げ出す。虫は床下に転がる腐敗した手に飛びつく。間もなく、ガイガーがやってくる。不動産屋はそこが八ヶ月前から空き家だと伝える。

その夜、マクレガーの家に何者かが侵入し、インガは外に閉め出される。マクレガーはインガが外で騒いでいる事に気付いて様子を観に行こうとするが、その矢先に侵入者に槍で突き殺される。インガは逃走を図る犯人の車に飛び乗るが振り落とされる。高原から戻ったジェニファーは、救急隊員に運び出されるマクレガーの亡骸を目にして、その場から退く。一方、ガイガーはバーゼルの精神病院を訪ね、聞き込みを行う。職員は、地下の一番奥の地獄と呼ばれる立ち入り禁止区域に収容されている男の元へガイガーを招き、15年前にそこで起きた事件について証言する。

翌日、ジェニファーはシャピロに連絡すると、殺される危険を訴え、ロサンゼルスへ帰る為のチケットを買う金を送るよう請う。ジェニファーは銀行で口座へ入金されるのを待ち続ける。そこへブルックナーが現れ、シャピロにチケットの購入を頼まれた事を明かすと、翌日の便になる事から自宅に泊まるよう促す。ブルックナーはジェニファーを家に招くと、小さな息子がいて心を病んでいる為に鏡を全て覆っている事を明かすと、部屋に篭りっきりの息子に会わないよう求める。ブルックナーはジェニファーが発熱していると説き、熱冷ましの錠剤を飲むよう強要する。ジェニファーは手洗いに入り、渋々それを飲むが、手洗いのそこかしこにウジが湧いている事に気付く。ジェニファーはその矢先に腹痛に襲われ、毒を飲まされたのだと悟って慌てて吐き出す。ジェニファーは手洗いから出るなり、シャピロに電話をかけようとする。ブルックナーはジェニファーが薬を吐き出した事に気付くと、ジェニファーを殴り飛ばし、電話を施錠された別室に隠す。その時、ガイガーが訪ねてくる。ブルックナーはジェニファーを気絶させ、窓に鉄のシャッターを下ろすと、ガイガーの応対に向かう。ガイガーはブルックナーが15年前に働いていた精神病院でのレイプ事件について尋ねる。ブルックナーは異常者に格子の間から引き込まれた際に胸に負った大きな傷痕を見せる。ブルックナーはその家に八ヶ月前に越してきた事を明かすと、別の部屋に招き入れる。間もなく、目を覚ましたジェニファーはガイガーの悲鳴を聞き、床下から湧き出たウジに気付く。ジェニファーはシャッターで外に出られないと知ると、別室の小窓から電話を手繰り寄せようと試みるが、誤って床に空いた洞穴に電話を落としてしまう。その頃、シャピロは空港に到着する。

ブルックナーが戻ってくると、ジェニファーは小窓から別室に入り、洞穴の中に逃げ込む。ジェニファーは電話を見つけ、シャピロにかけようとするが、その矢先に傍に空いた穴から、壁に鎖で繋がれた血塗れのガイガーに引きずり込まれる。ガイガーは自らが刑事だと訴えるが、動転したジェニファーは無数の腐乱死体で埋められた傍のプールに転落する。そこへブルックナーが現れ、泣き喚くジェニファーを見て嘲笑う。ガイガーは自らの手の骨を折って枷を外すと、ブルックナーを取り押さえて絞殺しようとする。ジェニファーはその場から逃げ出すが、途中の部屋で、背を向けて泣く子供を見つけると、その子を助けようとして歩み寄る。その途端、子供はウジまみれの醜い顔を露わにしてジェニファーに襲いかかる。ジェニファーは家から脱出すると、湖の桟橋に停まるボートに乗って逃走を図る。子供は槍を持ってボートに飛び乗り、ジェニファーを突き殺そうとするが、ジェニファーはそれを退け、槍は燃料タンクに突き刺さる。ジェニファーが悲鳴を上げると、夜空から夥しいハエの群れが飛来し、子供に襲いかかる。肉を蝕まれた子供は水中に転落し、ハエの群れは飛び去る。ジェニファーがボートのエンジンをかけた途端、爆発が起きる。ジェニファーは水中に飛び込むと、瀕死の子供に足を掴まれる。ジェニファーは子供を退け、火の手から逃れると、泳いで対岸へ辿り着く。そこへ学校で行き先を聞いてきたシャピロが駆け付けるが、その矢先にブルックナーが鋼板でシャピロの首を跳ねる。息子を殺された怒りに駆られるブルックナーは、ジェニファーの首に鋼板を突きつけると、子供を守る為にマクレガーとガイガーを殺した事を明かし、ジェニファーに復讐を遂げようとする。その時、インガが現れ、カミソリでブルックナーを滅多刺しにして殺す。ジェニファーはインガと抱き合う。

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