チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

エブリシング

ステラ・メギー監督作「エブリシング」("Everything, Everything" : 2017)[BD]

幼い頃に難病のSCIDを患い、自宅から外に出られない少女が、隣に越してきた少年と恋に落ち、決死の覚悟で切望していた海へ一緒に出かける様を描くロマンティック・ドラマ作品。

 

ロサンゼルス。17歳のマデリンは生まれて間もなくSCID(重症複合型免疫不全症)を患い、それ以来一度も外に出る事なく、医師の母ポリーンが監督する家の中で暮らしている。マデリンはあらゆる物にアレルギー反応を起こす為、常に殺菌された服を着用し、玄関の内側には菌やウィルスの侵入を防ぐ為の気密室が設けられている。父と兄はマデリンのSCID発症直前に事故死しており、家に出入りするのはポリーン、15年の付き合いの看護師カーラとその娘ローザのみである。マデリンは外にいる気分を味わえる様にとポリーンが設計した、採光が良く、ガラス越しの庭に植物を配置したサンルームで日中を過ごし、ネット、運動、読書に興じると共に、建築学をネットで受講している事から模型作りにも励んでいる。

マデリンは18歳の誕生日を迎える。期せずして隣の家に四人家族が新たに越してくる。マデリンは窓越しに同じ年頃の少年オリーを眺め、好感を抱く。ポリーンはマデリンの誕生日を祝い、一緒に一日を過ごす。その夜、オリーとその妹カイラがバントケーキを持参し、引っ越しの挨拶に訪ねてくる。応対したポリーンはマデリンの存在を隠し、ケーキの受け取りを丁重に断る。その後、マデリンは寝室が真向かいに位置する事から、オリーと窓越しに対面する。翌晩、オリーはマデリンの寝室の窓に小石をぶつけて、マデリンの気を引くと、受け取ってもらえなかったケーキを使って小芝居を演じた後、窓に自らの携帯の番号を書いて知らせる。それを以って、二人はメールでやり取りを始め、互いに自己紹介する。マデリンは特殊な病気で治療法が無く、家から出られずにいる事、ネットで授業を受けている事などを明かし、オリーはニューヨークから越してきたが戻りたいと考えている事などを明かし、二人は言葉遊びのゲームなどをして意気投合する。オリーはマデリンに瞳の色を尋ね、マデリンが綺麗だと伝える。

カーラはマデリンがオリーに惹かれている事を察知する。マデリンはオリーを家に呼ぶ事を望み、殺菌してもらい、離れて会うという条件を課してカーラに理解を求める。カーラはポリーンが許さないと答える。マデリンはミシガンの大学への進学を控えるローザに、オリーについて伝える。その夜、マデリンはサンルームの前までやってきたオリーとガラス一枚を隔てて対面する。

マデリンはおしゃれ着をローザから譲ってもらう。その直後、カーラはマデリンの心情を慮り、ポリーンに無断でオリーを家に招き入れると、離れて会うよう釘を差した上で二人を対面させる。二人は緊張しながらサンルームで対面し、会話する。オリーは外に出られるとしたらどこに行きたいか尋ねる。マデリンはすぐそばにあるのに見たことも無い、海に行きたいと答える。その後も二人は電話やメールで親交を深めていく。マデリンはカーラが休みで、ポリーンも仕事でいない独立記念日の夜に、サンルームで一緒に花火を観る約束をオリーと交わす。当日の夜、マデリンは密かにオリーを招いてサンルームで一緒に過ごす。夜空を花火が照らす中、二人は抱き合い口づけを交わす。

マデリンは体調に異変を感じず、しばし最高の気分に酔い痴れる。そんな折、オリーが家の前で父親と口論を始め、先に父親に殴り掛かるが逆に殴り飛ばされる。マデリンはそれを見るや居ても立っても居られず、家を飛び出してオリーの元へ向かう。オリーはマデリンの身を案じて戻るよう命じる。駆け付けたポリーンは慌ててマデリンを連れ戻すと、命取りになると叱り、マデリンがオリーと面識がある事を聞き出す。マデリンは心配させたくなくて黙っていたと弁解する。ポリーンはマデリンの心情に理解を示しながらも、オリーともう会わないよう命じる。マデリンは会っている事を否定するが、ポリーンはサンルームで見つけた、オリーが落としていったリストバンドをマデリンに手渡す。

翌日、ポリーンはカーラを厳しく叱責し、クビにする。その矢先にマデリンは高熱と嘔吐に襲われる。マデリンはしばしの静養の末に回復するが、携帯とネットを取り上げられる。オリーは寝室のマデリンに、窓越しに手書きの文字を記し、心配と謝意を伝える。間もなく、カーラに代わる看護師ジャネットがやってきて、マデリンに厳しいルールを課す。ポリーンは尚もオリーを想い続けるマデリンに諦めるよう促し、今回無事だったのは運が良かっただけだと諭す。それを受け、マデリンはオリーに重荷になるのは本意では無く、付き合うだけ無駄だと説き、冷たくあしらう。

翌朝、マデリンはサンルームの窓に無数の海の写真と共に、「全ての海がマデリンを待っている」と記したメモが貼られているのを目の当たりにする。マデリンは、オリーと出会って大胆になれる自分に気付き、小さな世界で死を選ぶのでは無く、束の間でも生きている事を感じていたいという旨を記した手紙を残し、ポリーンが寝ている内に身支度をして家を出る。マデリンはオリーを呼び出すと、遺伝子治療の治験中で通常のSCIDになり、どこに行っても大丈夫だと確かめる為に、一緒にハワイに行く事を提案し、取得したばかりのクレカで既にチケットを買った事を明かす。オリーは困惑しながらも荷造りすると、カイラに対処を任せ、マデリンと車で空港へ向かう。間もなく、ポリーンはマデリンの置き手紙に気付く。

マデリンとオリーは飛行機でマウイの空港に降り立つと、レンタカーでビーチに面したリゾートホテルに到着する。ポリーンは警察に捜索を依頼した後、カイラにオリーの所在を尋ねるが、カイラはしらを切る。マデリンらは水着を買って海へ出かける。マデリンは初めての海を存分に満喫し、二人は夜まで浜辺で過ごす。ホテルに戻ると、マデリンはマウイが病気になる前に家族揃って来た場所だと明かし、オリーにニューヨークへ引っ越す理由を尋ねる。オリーは父が仕事を長く続けられない性分であり、母に別れない理由を尋ねたところ、愛は人を惑わすものだと大人になれば分かると諭された事を明かす。マデリンはオリーがいたから外に出る勇気が持てたのだと説く。二人は好意を伝えあった後、愛し合う。

翌朝、マデリンは高熱を出して倒れ、病院に救急搬送される。検査と治療を受けた後、マデリンは帰国し、自宅で目を覚ます。ポリーンの看病により、マデリンは間もなく回復を果たす。オリーはメールで心配を伝え、マデリンが必要だと訴えるが、マデリンは断腸の思いで連絡を断つ。その直後、オリーはマデリンから勇気を貰ったとの最後のメールを送って、母、カイラと共にロサンゼルスを去る。

失意に暮れるマデリンに、マウイで担当した医師フランシスが連絡を寄越し、検査の結果、マデリンが免疫システムが弱い為にウィルス感染による心筋炎に罹ったのだと説き、SCIDを否定する見解を示す。マデリンはポリーンのデスクを漁ってSCIDの記録を探す。そこに現れたポリーンは、フランシスが期待を持たせたに過ぎず、医師として無責任な態度だと詰ると共に、SCIDは専門医が少なく、患者によって反応が異なり、フランシスがマデリンの病歴も知らず、断片を見たに過ぎないと説く。ポリーンはSCIDの記録だけがどこにも無いと訴える。ポリーンは狼狽し、全て保管しているはずだと反駁する。マデリンは家から飛び出す。ポリーンは連れ戻そうとするが、マデリンはそれを拒む。ポリーンはマデリンまで失いたくないのだと訴えるが、マデリンは走り去る。

マデリンはカーラの家に身を寄せた後、病院で改めて検査を受ける。その結果、マデリンの免疫システムはウィルスや細菌に曝露していない為に新生児の様に未発達なだけで、マデリンはSCIDでは無い事が判明する。カーラの家に着替えを持参したポリーンは、マデリンの父と兄が死んだ矢先にマデリンが病名の分からないアレルギー性の重症を患い、SCIDだと思い込むに至った経緯を明かして心から詫びる。その後、マデリンはポリーンと距離を置きながらも、人生の全てたる自分を失いたくなかったポリーンの心情を理解しようと努める。マデリンは飛行機でニューヨークに訪れ、メールでオリーに書店で会う意向を伝える。マデリンは書店で待っていたオリーと再会し、口づけを交わす。二人は意気揚々と街へ駆け出す。

f:id:horohhoo:20180211120035j:plain

f:id:horohhoo:20180211120040j:plain

f:id:horohhoo:20180211120048j:plain

f:id:horohhoo:20180211120057j:plain

f:id:horohhoo:20180211120101j:plain

f:id:horohhoo:20180211120106j:plain

f:id:horohhoo:20180211120113j:plain

f:id:horohhoo:20180211120118j:plain

f:id:horohhoo:20180211120131j:plain

f:id:horohhoo:20180211120137j:plain

f:id:horohhoo:20180211120142j:plain

f:id:horohhoo:20180211120146j:plain

f:id:horohhoo:20180211120153j:plain

f:id:horohhoo:20180211120158j:plain