チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出

ジュリアン・ジャロルド監督作「ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出」("A Royal Night Out" : 2015)[BD]

若き英国王女が、ドイツに対する戦勝を記念する夜にお忍びで外出し、街で出会った航空兵と逸れた妹を捜し回る内に、親交を深めていく様を描くロマンティック・コメディ・ドラマ作品。

 

1945年5月8日、ヨーロッパ戦勝記念日。ドイツとの戦いが遂に終結し、ロンドン市民は街の至る所で英国の勝利を祝い、歓呼の声を上げる。バッキンガム宮殿では、各国首脳を招く行事を控える中、国王は国民に対して行う演説の練習に努める。生まれてからずっと宮殿暮らしで一度も一人で外出した事のない、王女エリザベス二世ことリリベットと妹の王女マーガレットは、この日の夜こそ二人きりで外出する絶好の機会と考え、憧れのクラブ「カーゾン」やお祭り騒ぎのチェルシー兵舎へ遊びに行く計画を企てる。二人は国王と王妃に対し、宮殿の外で国民と一緒に勝利を祝うべく、お忍びで出かけさせて欲しいと直訴するが、母は王族には自由はないと説き、素気無くそれを却下する。二人はそれでも諦めず、外出の許可を懇願する。国王は二人の熱意に理解を示すと共に、演説に対する国民の反応を知る好機と考え、外出を了承する。二人は歓喜し、早速身支度を始める。

夜、リリベットらはドレスを身に纏い、意気揚々と街へ繰り出そうとする。王妃は近衛兵のプライス大尉とバリッジ中尉をお守役に付け、リリベットらにリッツホテルでパーティを楽しむよう促し、更に夜0時を門限に課す。リリベットらは落胆する。国王は門限を夜1時まで伸ばすと、宮殿の外で見た国民の様子を帰り次第聞かせるよう求める。リリベットはドレスの上に軍服を纏い、女子国防軍ウィンザー准大尉の装いでマーガレットと共に車に乗り込み、近衛兵らとお祭り騒ぎの群衆でごった返す市内を進む。

リッツホテルに到着した二人は、ホールで踊りを楽しめると思いきや、王妃の手配した賓客らとの会見を余儀なくされて意気消沈する。バリッジは護衛の任務そっちのけで、客の女と遊び始め、プライスはそれを窘めに向かう。マーガレットはその隙に乗じてホールを抜け出す。リリベットは会見を切り上げ、賑わうフロアへマーガレットを捜しに行く。マーガレットは途中で出会った海軍将校ジェファーズに誘われ、ホテルを出てバスに乗る。リリベットもまたマーガレットを追って、後続のバスに初めて乗る。プライスとバリッジは二人がいなくなった事に気付かず、女らと遊び呆ける。

リリベットは混み合う車内で、若い航空兵ジャックの隣に着席する。マーガレットはバスが並走した際に、当初の予定通りにトラファルガー広場へ向かう意向をリリベットに伝える。リリベットは乗員に料金の支払いを求められるが、現金を所持しておらず、見かねた隣のジャックが代わりに支払う。マーガレットの乗るバスが別の道に向かうと、リリベットは慌ててバスから降りようとする。ジャックはリリベットが座席に忘れたバッグを届けに行く。二人はバスが揺れた弾みで路上へ転落し、リリベットは手に擦り傷を負い、靴のヒールが壊れる。ジャックは傷を洗う為にリリベットを最寄りのパブへ連れて行く。一方、女との情事に耽るバリッジは、国王からの連絡に対し、問題なしと報告する。

勝利の美酒に酔い痴れる客達で大賑わいのパブで、ジャックはリリベットに酒を勧める。リリベットはそれを飲み干すと、直ちにトラファルガー広場に向かおうとする。その時、国王による演説の時間を迎える。客達は演説が始まるや、ラジオに耳を傾けて静聴する。リリベットはその様子を観察する。ジャックは演説に対して戯言などと悪態をつき、客達の顰蹙を買ってつまみ出される。リリベットは当然の報いだと詰る。ジャックは戦争が美辞麗句で飾られた演説の様なものではなく、下劣で苦しいものだと説き、何もしていない者達が上品に戦争を語っている事への不快感を示す。リリベットは自分の家は戦争に奉仕しており、自らも女子国防軍機甲輸送分隊の准大尉だと主張するが、ジャックは真に受けずに聞き流す。ジャックはリリベットのヒールを直してやる。

間もなく、二人は群衆でごった返すトラファルガー広場に辿り着く。リリベットはジャックと逸れ、マーガレットをを捜し始める。マーガレットはすぐ傍にリリベットがいる事に気付かず、ジェファーズとカーゾンに向かう。リリベットは二人の女を連れたジャックを見つける。ジャックはリリベットを置いて宮殿に向かう。リリベットは右も左も分からない為にその後を追う。リリベットは人混みをかき分けて正門の前に辿り着き、ジャックを見つける。その時、国王と王妃が歓呼の声に応じてベランダに姿を表す。間もなく、終戦の時刻を迎えると、集まった市民らは思い思いに喜びを分かち合う。リリベットはその姿を観察する。リリベットはジャックにカーゾンへ連れて行くよう請う。ジャックはリリベットの熱意に根負けして応じる。一方、プライスとバリッジは遊び尽くした後で我に返り、ホールにリリベットらがいない事を知るや、慌てて外へ捜しに行く。

マーガレットはカーゾンへの入店を拒まれ、気落ちする。ジェファーズは代わりと称してスタン卿が営む店に連れて行く。マーガレットはそこが娼館だと知らず、ジェファーズに薬を盛ったカクテルを飲まされる。程なく、リリベットらはカーゾンに辿り着く。リリベットはジャックに借りた金をドアマンに払い、マーガレットが向かった店について教えてもらう。その矢先に、ジャックは突然姿を消す。リリベットは伝え聞いた方角へ向かうが、道に迷う。そこに戻ってきたジャックは、憲兵が近づいてきたから逃げたのだと弁解する。リリベットは自分を置いて逃げたジャックに愛想を尽かして一人で店に向かおうとする。ジャックは店がある地区は犯罪の温床だと説き、リリベットは已む無くジャックに付き添いを求める。ジャックは自らが追われている身である事を明かす。

マーガレットは薬で前後不覚に陥り、店を彷徨う内にオーナーのスタンの事務所に立ち入ると、自らの身分を明かし、スタンはマーガレットに敬服する。そこへジェファーズが追ってくると、マーガレットは嫌悪感を示し、スタンは用心棒に命じてジェファーズを追い出す。マーガレットはお忍びの外出が期待外れになっている事から、チェルシー兵舎には行きたいと願う。スタンは兵舎のパーティに将校が集まっていると聞くや絶好の商機と捉え、マーガレットに加えて娼婦らを車に乗せ、兵舎に向かう。リリベットらはマーガレットと入れ違いで娼館に辿り着く。入店を拒まれたジャックは、二階から侵入してリリベットと合流する。リリベットは自らをマーガレットと勘違いする事務所の娼婦から、マーガレットが兵舎に向かった事を聞き出す。その矢先にジャックは用心棒に見つかり、取り押さえられる。リリベットは背後から用心棒を殴ってジャックを救うと、二人は客の中に紛れ込む。リリベットはジャックに憲兵に追われる理由を尋ねる。ジャックは外出許可証を所持しておらず、捕まれば処罰されると答える。リリベットはジャックを脱走兵だと詰る。その声を聞きつけた用心棒に居場所を知られ、二人は店から逃げ出す。ジャックは無許可離隊しており、朝8時の点呼にいなければ脱走兵と見做され、軍法会議にかけられて処罰される事を明かすと、パリかカナダなどの外国へ逃げる前に行商を営む母に会いに行く意向を示す。二人はタグボートに乗ってチェルシー兵舎を目指す。兵舎に着いたマーガレットは、予め伝え聞いていた合言葉でスタンら共々入場を認められる。

リリベットは川沿いに立つ、戦禍で廃墟と化した家に暮らす人々の姿に目を見張る。ジャックは戦争の手柄は上流階級が占め、自分を含めた苦しい思いをした者には何も残らないのだと憂う。リリベットはジャックの軍服の記章の理由を問う。ジャックはベルリンの爆撃を遂行して帰投する際に、機体が砲撃で大破し、寮友を失った事について司令官に報告し、一時休暇を願い出ると、意欲低下の印を軍隊手帳に押され、日本との戦いの前線に送り出された事を物憂げに語る。一方、プライスとバリッジはチェルシー兵舎の連隊長に失態を報告しに訪れるが、直前になって末期の水と称し、やけくそになって酒を飲み始める。宮殿では王妃がリリベットらの帰りが遅い事を心配する。国王は責任感の強いリリベットなら大丈夫だと諭す。スタンはマーガレットに宮殿に戻るよう促すが、マーガレットはそれを拒む。スタンは憲兵に不審人物と見做され、捕まる。

リリベットらは兵舎に辿り着く。ジャックは憲兵に見つかるのを恐れてトイレから忍び込み、舎内でリリベットと合流する。二人は宴もたけなわのホールに入る。間もなくリリベットは将校らに絡まれているマーガレットを見つける、ジャックは将校らを殴り飛ばしてマーガレットを助ける。リリベットはマーガレットと、次にジャックと念願のリンディホップを楽しむ。その最中、憲兵らがジャックを見つけて取り押さえる。リリベットは身分を明かして憲兵らにジャックを解放するよう命じる。プライスとバリッジは直ちにその場に駆け付ける。リリベットはジャックに宮殿への同行を請うが、ジャックはそれに応じず、無言のまま兵舎を出て行く。リリベットは寝入ったマーガレットを、傍で見つけた一輪車に乗せてジャックに付いていく。ジャックはリリベットがずっと嘘をついていた事を非難する。リリベットは付き添いなしで外出した事が無かった自分が、こうして普通の娘として街を出歩く事ができ、人生で一番素敵な夜を過ごせたのだと訴える。ジャックはそれに理解を示し、リリベットを母の家に連れて行く。プライスらはタクシーと一緒に、リリベットらの後を付いていく。

早朝、リリベットらはテムズ川を超え、ジャックの母ジョーンの家に着く。ジャックは車を借りに出かける。リリベットは室内に飾られた王室の写真を眺める。ジョーンは国王が頑張っていると評価すると、リリベットの品の良さを指摘する。リリベットはジャックが自分の様なタイプを好かないようだと答える。ジョーンはそれが戦争のせいだと説くと、ジャックが早朝に帰ってきた事を心配する。マーガレットはジョーンの介抱によって回復する。リリベットはマーガレットをタクシーで先に帰らせ、プライスらもそれに同行する。ジャックは母に別れを告げ、リリベットと家を後にする。

国王は宮殿に戻ったマーガレットを叱りつけ、リリベットの所在を問い質す。マーガレットはリリベットが空軍の兵士とどこかに消え、リリベットが兵士に好意を寄せているようだったと答える。ジャックはリリベットを車に乗せ、昨夜の喧騒が嘘のように人気の無くなった市内を回る。リリベットはどうするつもりなのかジャックに尋ねる。ジャックはリリベットを送ってから考えると答える。リリベットはもったいなくてマーガレットと一緒に帰らなかった事を明かすと、王女を辞めてパリで自由気ままに暮らす人生への憧れを語る。ジャックは宮殿の前で車を止めると、それが夢物語だと説き、リリベットはそれを認める。

マーガレットが宮殿を出てからの出来事を一つ一つ国王に報告していると、リリベットがジャックを連れて戻ってくる。リリベットはジャックを国王と王妃に紹介し、朝食へ同席する許可を得る。ジャックはパブで演説を聞き、皆が喜んでいた事を伝える。リリベットは運良く親切なジャックと出会えたおかげで楽しい夜になり、またジャックが爆撃で戦果を上げている事を伝える。国王は食事を終えると、ジャックにリリベットが無事に戻った事への謝意を示し、握手を交わす。リリベットは将来平等な社会が来る事への期待を示す。ジャックは30分後の点呼に間に合うよう隊へ戻る意向を示す。リリベットは准大尉の装いで自ら車を運転し、ジャックを基地へ送り届ける。ジャックは車を降りると、傍の花を一輪摘んでリリベットに贈る。二人は共に過ごした一晩を二人だけの生涯の秘密として共有する。ジャックはリリベットに口づけを交わし、点呼に向かう。リリベットは晴れやかな笑顔で宮殿へ戻っていく。

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