チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。

アンディ・ムスキエティ監督作「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」("It: Chapter One" : 2017)[BD]

子供の失踪事件が頻発する小さな町で、冴えない少年グループが想像を絶する恐怖を体験し、結束を固めながら事件の元凶を究明すべく奮闘する様を描くスーパーナチュラル・ホラー作品。

 

1988年10月、メイン州デリー。大雨の日、7歳のジョージーは、風邪を引いて外に出られない兄ビルに作ってもらった紙の舟を、軒先の側溝にできた水溜りへ走らせに行く。舟は水の流れに乗り、やがて排水口に落ちる。ジョージーが中を覗き込むと、ピエロの格好をした男が舟を持って顔を出す。踊るピエロ「ペニーワイズ」と称するその男は、サーカスごと嵐に流されてしまった事を明かすと、サーカスの有様について楽しげに語る事でジョージーを安心させ、舟を受け取るよう促す。ジョージーが右手を差し出すと、ペニーワイズはその手を大口で噛みちぎり、更に逃れようとするジョージーを排水口に引きずり込む。以後、ジョージーは戻らず、行方不明となる。

1989年6月。13歳のビルはジョージーが生きていると確信し、自力での捜索を画策するが、悲しみに打ちひしがれる両親からは諦めるよう促される。吃音症を患うビル、度付きメガネのリッチー、病弱なエディ、ラビの息子スタンら、負け犬を標榜する四人の仲良しグループはルーザーズクラブを自称し、常にヘンリー率いる4人の不良グループに目の敵にされる。転校生のベバリーはグレタ率いる女子グループのいじめに遭いながらも、意に介さず気丈に振る舞う。同じく転校生のベンはオタク気質で友達ができないでいたところ、ベバリーに励まされて好意を抱く。両親を火事で亡くしたマイクは、黒人であるが故に差別的な扱いを受け、学校へは行かずに祖父の牧場で働く。学校では数週間前に行方不明になったベティを始め、子供の失踪事件が相次ぐ。

学校は夏休みを迎える。マイクは町の肉屋に精肉を運びに来た際に、火事で閉じ込められた両親が助けを求めて手を伸ばす幻覚に惑わされる。スタンは父親のオフィスに飾られた絵から具現化された異形の女と遭遇する。ルーザーズクラブの4人は町外れの下水道に出かける。ベンは図書館で町の歴史を調べている最中、赤い風船に倉庫へと誘われ、かつて町で発生した爆発事件で首を失った男に追いかけ回され、外へ飛び出す。その矢先にベンはヘンリーらに捕まり、町外れの川沿いの橋に連行される。ヘンリーがベンの腹をナイフで傷つけようとすると、ベンは咄嗟にヘンリーを蹴り飛ばして橋から転落し、斜面を下って川の方へと逃げ出す。ヘンリーはベンを追う途中で父親のナイフを紛失する。ビル達は川に直結する下水道の入口で、ベティの靴を発見する。そこへベンが血相を変えて逃げてくる。ビル達はベンを手当する為に町に戻る。間もなく、ヘンリーの子分パトリックはベンを捜しに下水道の中に足を踏み入れ、ペニーワイズと遭遇し、行方不明となる。ビル達は薬局へ手当に必要な物を買いに行くが、手持ちが無くて困惑する。そこに偶然居合わせたベバリーは、店主の注意を引きつける事で、ビル達の万引きを手助けする。ビルは明日遊びに行くつもりの採石場へベバリーを誘う。ベバリーはアパートで一緒に暮らす父に隷従を強いられる日々に苦しんでおり、帰宅するなり女らしさを消す為に長い髪を短く切る。

翌日、ビル達は採石場に出かけ、遅れてやってきたベバリーと川で無邪気に遊ぶ。ビルとベバリーは互いに意識し合う。ベンは図書館で調べた町の歴史を元に、殺人や失踪者の数が平均の6倍であり、子供の事件は更に多いという町の異常性を明かすと、資料を見せる為に一同を自宅へ招く。ベンは過去に町の住民が一斉に消える事件があり、唯一の痕跡たる血の付いた服があった井戸小屋が町のどこかにあるはずだと説く。エディは帰路で異様な雰囲気が漂う廃屋の前を通り過ぎる際に、浮浪者然とした感染症患者に追いかけ回された末、赤い風船を持ったペニーワイズと遭遇する。夜、ベバリーは帰宅するなり、バッグの中にベンが密かに忍ばせた、恋文の代わりに一片の詩を綴った絵葉書を見つける。その直後、ベバリーは浴室の洗面台の排水口から失踪した子供達の声を聞き、そこから飛び出した髪の毛に巻き付かれる。次の瞬間、排水口から大量の血が噴き出し、浴室を血の海に変える。ベバリーの悲鳴で駆けつけた父は血を認識せず、ベバリーの正気を疑う。一方、ビルは自宅で失踪当時の格好をしたジョージーの幻覚に誘われ、地下室に向かう。雨で浸水した地下室で待ち受けていたペニーワイズはビルに襲いかかるが、ビルは辛うじて逃げ果せる。

翌日、ベバリーは父の不在時にビル達をアパートへ招く。ビル達は血塗れの浴室を掃除して元通りにする。ベンはビルとベバリーが親密になっていく事に複雑な気持ちを抱く。ベバリーは絵葉書を忍ばせたのがビルでは無いと悟って落胆する。ビルはベバリーをルーザーズクラブに迎え入れる。ビルは自らもジョージーを装ったペニーワイズに遭遇した事皆に明かす。リッチー以外の三人も似たような経験をした事を明かす。アパートを出て間もなく、ビル達は町外れの川辺でヘンリー達がマイクを捕まえていじめている現場に遭遇する。ビル達は投石でヘンリー達を追い払い、マイクを助け出すと、ルーザーズクラブに迎え入れる。ベンは過去に町で起きた事件が1908年の鉄工所爆発、1935年のギャング惨殺、1962年の差別主義者による黒酒場放火と27年の間隔になっており、今年がその27年目に当たる事から失踪事件がまだ続くと推測する。一同は“それ”が各々の一番怖がるものを見せているのだと確信し、リッチーは自らがピエロを怖れている事を明かす。

一同はビルの家のガレージに集まると、映写機で旧市街地の地図と下水道の経路を重ね合わせてスクリーンに投映する。その結果、ジャージーの消えた場所、鉄工所、黒酒場の全てが下水道で繋がっており、その中心にエディが“それ”を見た場所で、浮浪者の溜まり場とされる井戸の家が位置している事が判明する。その途端、映写機が独りでに動き出し、ビルの家族写真のスライドの中にペニーワイズが映し出される。驚愕する一同の前に、スクリーンから巨大なペニーワイズが飛び出し、襲いかかる。一同が逃げようとしてガレージを開放すると、ペニーワイズは忽然と姿を消す。ビルは井戸の家にジョージーを捜しに行く意向を示すが、一同は難色を示す。ビルは一人で井戸の家に向かい、一同はその後を追う。

ビルはジョージーの喪失感から見て見ぬふりはもうできないと訴え、皆に同行を求める。一同は家の中に入るのを怖れるが、くじ引きでリッチーとエディがビルに付き添う。三人は助けを求める声に誘われ、二階へ向かうが、“それ”に幻惑されて別々に隔てられる。エディは階下に転落して右腕を骨折する。リッチーはピエロの人形だらけの部屋でペニーワイズと遭遇するが、ビルと合流してエディを捜しに行く。ペニーワイズはエディの前に現れ、餌食にしようとする。そこへビル達と、更に外からベバリー達が駆けつけ、エディを救出する。ペニーワイズは地下の井戸の中に姿を消し、一同は外へ脱出する。エディの過保護な母は溺愛する我が子の怪我に憤怒し、一同に絶交を言い渡してエディを連れ帰る。ビルは準備をしてから再度井戸の家に乗り込む意向を示す。ベバリーもそれに同調する。リッチーらは反対し、諦めるよう促す。ビルとリッチーは反目し、喧嘩を始める。ベバリーは仲違いこそ「それ」の狙いだと説き、心を一つにすべきだと諭す。リッチーらはそれを聞き入れず、離反する。

8月、ルーザーズクラブはそれぞれ別々の日々を過ごす。警官の父に威圧され、服従を強いられるヘンリーは、ある時、自宅の郵便受けに届いた、赤い風船付きの小包の中に紛失したナイフを見つける。ヘンリーはテレビに映し出された“それ”に唆され、父親を昼寝している隙に乗じてナイフで刺し殺す。エディは薬局に常用薬を受け取りに行った際に、店主の娘グレタから自分が飲み続けているのが偽薬だと知らされる。ベバリーの父親はベバリーを軟禁し、絵葉書について問い質した挙げ句、慰み物にしようとする。ベバリーは父親を蹴り飛ばして浴室に逃れると、追ってきた父親を鈍器で殴り倒す。そこへペニーワイズが現れ、ベバリーを連れ去る。間もなく、ビルはベバリーのアパートを訪ね、浴室で死んでいるベバリーの父親と、更にベバリーの部屋の天井に記された「逆らえば死ぬ」という血文字を見つける。ビルはリッチーと再会し、ベバリーが連れ去られた事を伝えると、エディを呼び出す。エディは病気をでっちあげて自分を洗脳していた母を詰り、家を飛び出す。

ルーザーズクラブは再び集結すると、それぞれ武器を携えて井戸の家に乗り込む。一同は底の見えない井戸をロープを伝う事で、途中に空いた横穴に降り始める。一方、ベバリーは下水道内の吹き抜けで目を覚まし、うず高く積まれたゴミの山の周りを浮いている無数の行方不明の子供達の亡骸を目の当たりにする。ゴミの山に埋もれたステージから出現したペニーワイズは、ベバリーを掴み上げる。ベバリーは怖れないと告げるが、ペニーワイズの顔に開いた大口に幻惑させられ、意識を失う。井戸では、最後のマイクが降りようとした矢先に、一同を追ってきたヘンリーが不意打ちで妨害を図る。ヘンリーはマイクが携行するノッキングガンを奪ってマイクを殺そうとする。マイクはそれを既の所で躱して反撃し、ヘンリーを井戸に突き落とすが、その際にノッキングガンの予備の弾帯をも落としてしまう。

一同は“それ”に幻惑されながらも吹き抜けに辿り着くと、宙に浮いたままのベバリーを引き降ろす。ベンは呼びかけに応えないベバリーに口づけする。目を覚ましたベバリーは、絵葉書の主がベンだった事を知る。ビルの前に姿を現したジョージーは、家に連れ帰って欲しいと哀願する。ビルはそれが偽物だと悟り、マイクのノッキングガンでジョージーの額を撃ち抜く。倒れたジョージーはペニーワイズに変貌し、ビルを捕まえると、全員の恐怖と肉体を貪るか、ビルだけを連れ去って長い眠りに就き、他の面々は大人へと育って幸せに暮らすかの選択を迫る。ビルは自分に構わず逃げるよう皆に促す。一同はそれに応じず、総出でペニーワイズに戦いを挑む。ペニーワイズは各々が恐怖するものに姿を変えながら襲いかかる。一同は怯む事無く、遂にペニーワイズを打ちのめして追い詰める。ペニーワイズは不敵に笑いながら「恐怖」とだけ告げて暗闇に包まれた穴の中に姿を消す。それに伴い、宙に浮いていた子供達の亡骸が降りてくる。ビルはゴミ山の中にジョージーが着ていたレインコートを見つけ、すすり泣く。一同はビルに寄り添い、悲しみを分かち合う。

9月、ルーザーズクラブは川辺に集結する。ベバリーは“それ”によって意識を失っている間に、自分の死を感じると同時に、親の年頃に成長した皆が貯水塔で怯えている光景を見た事を明かす。ビルはもし“それ”が死んでおらず再び現れたら、町に戻ってくる事を皆に提案し、それぞれの掌を切って血の約束を交わす。解散の後、ビルと一緒に残ったベバリーは、明朝おばの住むポートランドへ移り住む意向を示す。ビルは意を決してベバリーに口づけする。ベバリーもそれに応じてビルに口づけして別れる。

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