チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

部屋が臭い。

眠い。眠くて仕方ない。泥のように眠っても、尚、この有り様。少し外出する日が続くと、反動疲れで寝こむみたいな、およそ30代にあるまじき虚弱ぶりである。昨日は一歩も外に出ず、ベッドの上で過ごした。しかし、後頭部から脳を鷲掴みされている様な、この感覚はなんだろう。そのせいで、眠りスイッチのON-OFFがバカになってしまっている、そんな感覚。睡魔くんと反りが合わない。

気温が上がるに連れ、湿度も上がるワケで、放っておくと60%超がデフォな状態。当然、不快指数も上がるのだけど、それ以上に、湿気を含んだ空気に対して、嗅覚が鋭敏に反応し、部屋の臭いに我慢できなくなる。生活臭やら体臭やら、洗濯物の柔軟剤の香りやらが綯い交ぜになった、饐えた臭い。その多くが、部屋に篭もりっきりのおっさん由来のモノのはず。とにかく臭い。自分が臭い。

空気清浄機を常時稼働させているのだけど、プラズマクラスターの効果なんて、良く分かったもんじゃない。とにかく、臭いに対しては効果があるとは思えない。結局、気休めに消臭剤を置き、除湿機で湿度を下げるコトに終始する。引き篭もっていると、非生産的なコトにばかり腐心してしまってダメだわ。

 

映画鑑賞記

是枝裕和監督作「そして父になる」(2013)

子供の取り違えが発覚した夫婦が、現実と向き合い、家族のあり方を今一度見つめ直す過程を描いた、人生再生の物語。

野々宮良多(福山雅治)と妻みどり(尾野真千子)は六歳の息子慶多と共に、何不自由ない生活を送っていた。ところが慶多の幼稚園受験で多忙の最中、突然、出産した病院で子供の取り違えが起きていた事実を知らされる。DNA検査の後、取り違えは確定。病院を挟んで、もう片方の斎木雄大(リリー・フランキー)、ゆかり(真木よう子)夫妻との話し合いの場が設けられる事に。両夫妻とも、複雑な胸中でありながらも、子供の将来を第一に考え、早期交換の流れで合意。慶多と、斎木夫妻の息子琉晴が、本格的な交換へ向けた週末お泊りの段階に進むと。当然、6年という年月は容易に超えられるものではなく、途端に無理が生じ始め、親子間のみならず、夫婦間もギクシャクしだすワケです。はたして、本当の子供を迎え、家族としてやり直す事ができるのかと、そんな感じのおハナシ。

野々宮良多は大手ゼネコン勤務のエリート社員で、それ故に野々宮家はそりゃもうハイソな暮らしをしておるワケです。見るからに瀟洒な高級マンションで、慶多はお受験の真っ只中。これから英才教育を施さんとする良多のは鼻息も荒い。それに対して、斎木家は雄大が個人電器店を営む傍ら、妻はパートに出るという、共稼ぎ世帯。琉晴の下に、長女と次男がおり、お世辞にも裕福とはいえないものの、笑いの絶えない賑やかな一家。こんなまるで対照的な家庭で暮らしてきた子供が、6年も経ってから取り違えでしたっていうのは、設定としてはちょっとデキすぎではないかしらん、とは思うわねぇ。

野々宮良多は見るからにエリート然とした、いわば下々のモノを小馬鹿にするかの様な、鼻に付く男で、そんな彼が、この取り違えの一件を機に、父親らしさに目覚めるっていうのが大筋なんだけどね。取り違えが起きたきっかけってのが、まさにこのエリートぶりに由来していたっていう、かなりドラマチックな展開が用意されているワケですよ。この辺はなかなか意外で面白いポイントではあったかなと。全般的に淡々としていながらも、テンポよく進行する、これが是枝節って奴ですかね。

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