チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ビーイング系が染みる。

8月が終わろうとしている。「すわ9月か」と思うと、早くも年末感が漂い始めるのはいかがなものだろうか。ぼやっとしていると、いつのまにか気が早いクリスマスデコレーションが始まり、あれよあれよと新年がやってきてしまう。しかし、年の瀬に向けて僕には転機を迎える公算などなく、今後の人生の見通しも何一つ立っていない。将来などまるですっからかんだ。40代の自分すら想像できない。試みに思いを巡らせてみても、どこまで生きられるのだろう、どこまで生きるべきなのだろう、いやそもそもどこまで生きていていいのだろう、そんなネガチブ要素ばかりがグルグルと去来するのみ。

秋になるとどうしてこうメランコリックになったり、希タヒ念慮が高まったり、時には人肌恋しくなったりするのだろう。といっても人肌なんか経験したことないから、そこは分かり様もないのだが、それでもカラダは正直だから、本能的にナニカを求めてしまうのがツライ。こんな時は懐かしのビーイング系ソングを聴くに限る。「刹那さを消せやしない」「寂しさは秋の色」「もう少し あと少し…」人並みに色恋を経験したかの様な気持ちだけ味わうこの虚しさよ。

さて、今日は久しぶりにヒトと会話をした。しかし案の定、僕はどぎまぎしてしまい、目も合わせられなかった。ただただ鬱である。1人でいる時間が長くなるほど、人間性が失われていくのが分かる。コミュ障のキ印っぷりが加速していく。

 

映画鑑賞記

ロバート・ロレンツ監督作「人生の特等席」("Trouble with the Curve" : 2012)

老練スカウトマンとその娘の親子愛と野球にかける情熱を描いたドラマ作品。

長年の間、アトランタ・ブレーブスの名スカウトマンとして多くのメジャーリーガーを世に送り出してきたガス(クリント・イーストウッド)。男やもめで堅物な人間だが人情味があり、彼の目利きはチームのみならず、業界内でも高く評価される程であった。ときに球界はいままさにドラフトを間近に控え、高校生や大学生の球児から有望な選手を発掘しようと、試合球場にスカウトマンが詰めかけていた。ガスにとっても大事な時期なのだが、彼の視力は齢につれ急速に悪化し、失明も危惧される程の症状に見舞われており、日常生活も覚束ない状態だった。ガスの上司で旧知の仲でもあるピート(ジョン・グッドマン)は、そんなガスの異常を察知し心配するのだが、当の本人は何食わぬ顔。そこでピートはガスの一人娘ミッキー(エイミー・アダムス)に状況を伝え、状態を質してもらうように頼み込む。ミッキーは辣腕弁護士として、所属する法律事務所のパートナーへの昇進がかかった訴訟案件のまっただ中にあり、一方でガスとの間にはかねてから蟠りを抱えているために戸惑うのだが・・・

野球がつなぐ親子愛が主たるテーマの味わい深いスポーツドラマ。クリント・イーストウッド主演ながら、監督は行わないというスタイルは珍しい。野球の知識が皆無で、さほど興味が無い僕が観ても十分楽しめる内容だった。母を6歳の時に喪ったミッキーはある事情で、大人になった今でも父ガスとの関係にしこりを抱えていて、それらを振り払うようにキャリアウーマンとして骨身を惜しまず働いているのだけど、一方でガスに影響を受け、人並み外れた野球の知識とセンスを持ち合わせていると。ガスは仕事一徹で家庭を顧みなかったものの、その実、ミッキーの幸せを何より願ってやまないというちょいと頑固なオヤジ。互いに憎まれ口を叩きながらも、しっかり想い合っているのが微笑ましい限り。そんな2人の心を野球ががっちり繋ぎ、親子の関係を再生させていくワケですな。少し前にブラピ主演の「マネーボール」を観たけど、あちらではセイバーメトリクスなんか使って、これからの時代データ勝負でしょ?ってハナシだったけど、本作はそれとは真逆で、データ厨のライバルをぎゃふんと言わせちゃう(笑)やっぱり野球はわからんね。

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