チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

隣人Xの騒音。

僕の部屋の両隣に、2人の隣人XとYがいるというハナシをいつだったか書き留めておいた。いやその時にはA、Bという表現だったかも知れないが、それはどうでもいいとして、相変わらずこのヒト達の素性はよく分かっていない。Xは夜行性のムショクかフリーターで、Yはフルタイム勤めっぽいが普通のリーマソではないと勝手に推察している。このボロアパートはヒトの出入りが激しい様で、夜になっても灯りの点いている部屋が少なく、入居率は低そうだが、その中でX>僕>Yという順に入居年数の長い我々は、もはや古参と言ってもいいだろう。尤も、「我々」と言ってもなんら付き合いも無ければ、面識すら無いし、たまに覗き穴からこっそり出入りする様子を観察する程度。ン年も隣に住んでおいて、僕はXもYも素性どころか顔や年格好さえ分からない。

夜行性のXが、夜な夜なネトゲか何かでどこぞの誰かと会話するのが薄壁を通して聞こえてきて、僕にはそれが煩わしくて仕方なかったのだが、ここ数ヶ月は随分静かになり、安穏と暮らしていた。そこへ最近また、ゲームの音が夜の静寂を裂く様になり、毎晩イライラさせられている。爆発音やら打撃音やらが頻繁に聞こえてくるので、Xはアクションゲームか何かに興じているのだと思うが、深夜という時間帯にしてはとにかくその音量が大きい。僕がナメられているのか、Xがキ印なのか、はたまたその両方か、それは定かではないが、僕は日中でさえ音楽を聴いたり、映画を観たりする時はイヤホンをして、音が漏れない様にと、一応それなりに配慮しているというのに、Xからはそういう気配は全く感じられない。

直接あるいは間接的に苦情を申し入れるのも手だし、更には壁ドンという強行策に打って出る手もあるが、万が一、相手がキ印だった場合を考えると厄介だ。Xは生活音の一つ一つもドタバタと煩いし、その線がないとも言い切れない。僕にはこのボロアパートを出るという選択肢が無いので、厄介事を抱えるワケにもいかず、さてどうしたもんかしらんと。まぁ僕もたまに奇声を発する事があるのだし、底辺はそういうモノだ、お互い様だと割り切って、歯を食いしばって屁をこいて寝ようと思う。

 

映画鑑賞記

エウヘニオ・ミラ監督作「グランドピアノ 狙われた黒鍵」("Grand Piano" : 2013)

天才ピアニストが公演中に脅迫に遭い、翻弄されながらも犯人に挑む様を描くスリラー作品。

若手ピアニストのトム・セルズニック(イライジャ・ウッド)は、天才的な腕前を持ちながらも自信を喪失し、5年間の長きに渡り、表舞台から遠ざかっていた。そんな彼が、若手人気女優の妻エマの後押しを受けて、偉大なるピアニスト・作詞家である恩師パトリック・ゴダールの追悼コンサートで復帰する事になった。5年前、パトリックとトムにしか弾けぬ曲「ラ・シンケッテ」をミスした事が彼のトラウマとなっており、この度の公演はブランクを克服する大きな晴れ舞台として、観客の期待も大きかった。演目に「ラ・シンケッテ」は無かったものの、トムはプレッシャーに押しつぶされそうだった。舞台にはパトリックの遺品で最高級のピアノが用意され、意を決したトムはオーケストラと共に演奏を開始する。ところがトムは楽譜に、何者かによる脅迫文が書き込まれているのを発見する。「一音でも間違えたらお前を殺す」「ラ・シンケッテを弾け」犯人の素性も分からぬまま、銃の照準が自分と、そして愛するエマに向けられている事が分かり、トムは激しく動揺する。トムは演奏を続けながらも、犯罪に巻き込まれている事実を第三者に伝えようと画策するのだが・・・

その天才的な腕前のおかげで、若きピアニストが公演の真っ最中に犯罪に巻き込まれてしまうという、シチュエーション型スリラー。またミスをしてしまうのではないかと、心臓が飛び出る程のプレッシャーに苛まれながらも、演奏を開始するトム。そこへ犯人から、もはやトムにしか弾けぬ超絶難度の曲「ラ・シンケッテ」を一音たりとも間違えること無く弾けという脅迫に晒される。初めはその理由が分からないのだけど、実はトムが演奏に使用しているパトリックのピアノには仕掛けがあり、ラ・シンケッテを正確に弾いた時にのみ、それが作動する様になっている事が明らかにされる。犯人の狙いはそこにあるワケですな。その時点で一気に小物臭がしてしまうのだけど、当然、そんな事情など知らないトムは、犯人から脅されるままに演奏を続けつつ、なんとか気取られぬ様に犯罪を知らせようと試みる。正確に打鍵しながら、携帯のメールを打つという凄技まで駆使するのだけど、そんな事できるのかいな(笑)堅苦しい作品かと思ったけど、意外と痛快な内容だったなぁ。

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黄瀬和哉監督作「攻殻機動隊 ARISE border:3 Ghost Tears」(2014)

攻殻機動隊リブート作品3作目。

草薙少佐はバトー、イシカワ、サイトー、パズ、ボーマを自らのチームに引き入れ、不完全ながらも公安九課をバックアップする形で任務を遂行する事になった。そこへ西ノ内のビルで爆破事件が発生し、草薙らの部隊が急行する。テロの実行犯の電脳には偽の記憶が植え付けられており、首謀者はかつてクザン共和国で独立戦争を指揮し、死んだはずのスクラサスではないかとの疑いが強まる。一方、新浜県警の刑事トグサは、山の手ダムで起きたある刑事の殺人事件を追っていた。遺体の所持品から干瀬という義体技師と、クザン共和国の水企業の関与を疑うのだが、そこへ上層部から横槍が入る。裏ではクザンを相手とした兵器開発に絡む陰謀が蠢いていた。草薙は干瀬と懇意の関係で、ダムでの殺人事件の事情を知る事もなく、義体の換装を受けてしまい、彼女もまた干瀬らの謀略に絡め取られていく。

このシリーズって繋がっていないようで繋がってるから、しっかりフォローしておかないとストーリーを見失ってしまうのよね。矢継ぎ早に登場人物の背景や経緯、事実関係の説明がなされるから、一回観た限りではなかなか頭に入ってこないし。ハナシの流れとしては、クザンへ秘密裏に武器を輸出するプロセスを編み出した干瀬、水企業、兵器開発企業が裏で繋がっており、証拠隠滅の為に爆発テロを起こしたと。しかし、それぞれに思惑があり、決して一枚岩ではないワケですな。クザンではかつて、軍に所属していた頃の草薙が秘密作戦の名の下、ヨゴレ仕事をしており、今ではそれが隠滅したい過去となっていて、干瀬が草薙に近づく真の目的はその辺にあると。んで、死んだはずのスクラサスの行方と干瀬らの関係を巡って、草薙が翻弄されていくというところかしら。イマイチ消化しきれていないのよね。しかし、劇場版にしては相変わらず作画が残念な気がするなぁ。S.A.C.と違って、トグサのコミカルな部分が良い味出してる感じ。

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