チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

放たれる。

今日こそ降るぞ降るぞと言われている雪だが、正午の時点でその気配は全くない。予報では明日の午後までずっと雪マークが付いているが、この分だと本州の方が余程降るのではないかと思う。降らないなら降らないで、転倒の心配をせずに済むからそれでも良いのだが、一気にドカッと降っては暖かくなって融けるの繰り返しは厄介だから、それは止めて欲しいと誰に向けてでもなくお願いしてみる。

インフルエンザが例年より3週ほど早く流行期に入ったとかで、虚弱体質な僕は心配である。基本的に引きこもりだし、ヒトの集まる場所とは縁がない生活を送っているのだが、偶に出向くと良からぬモノを貰ってきてしまうから困る。予防接種みたいなモノはブルジョワ御用達だと思っているから、これまで一度も受けた事が無いのだが、別に虚勢を張っているワケではなく本心では受けたい。というのは、過去に一度だけインフルエンザでタヒぬ程しんどい思いをした経験がある為で、40度以上の高熱が出て、血便まで出た時には本気でタヒぬかと絶望したもんだが、今にして思えば、仮にあの時タヒんでいても何も問題は無いほど、現状の方が絶望的であるから笑えない。

後にも先にもインフルエンザに掛かったのはその一度だけ、というか底辺暮らし故に病院に掛かる事をケチってきたので、実際にはインフルエンザに罹っていたのかも知れないが、それを診断する術はなかったし、それっぽい症状に襲われた時も、「コレは風邪なんだ。そうに違いない。」と自分に言い聞かせてなんとかやり過ごしてきた。とりあえず予防するには手洗いとうがいくらいしか取りうる手段が無いワケだが、いつだったかうがいには効果が無いという言説が、実しやかに流布されたのを覚えており、結局のところ、事実関係がどうだったのか気になって仕方がない。トンデモ科学やオカルトが蔓延する世の中で、事実を選別するのは難しい。

 

映画鑑賞記

劇団ひとり監督作「青天の霹靂」(2014)

過去にタイムスリップした男が、若き父母と巡り逢い、自分の出生に纏わる真実を知る事で、人生観を変えていく様子を描くコメディ・ドラマ作品。

売れないマジシャンの晴夫(大泉洋)は場末のバーでアルバイトをして日銭を稼ぎながら、古びたアパートで一人寂しく生活をしていた。晴夫がまだ幼い頃、父親の浮気が原因で母親が家を出てしまい、晴夫もまた高校卒業と同時に家を出たため、それ以来、両親とは音信不通であった。夢も希望も潰え、しがない中年世代となった晴夫は、自らの窮乏の理由を出来損ないの両親に求めては、ただ失意の日を送るばかりだった。ある夜、晴夫の元に警察より父親が亡くなったという連絡が入る。晴夫は骨壷を受け取った後、ホームレス状態だった父親が生前住んでいたとされる、高架下の住処に趣く。父の遺品から晴夫がその晩年に思いを馳せていると、突然、一筋の雷が晴夫に直撃し、そのまま意識を失ってしまう。ふと目覚めた晴夫は、自分が40年前にタイムスリップしている事に気付き困惑するが、現代での生活に意義を見い出せなかったが為に、戻る事は早々に諦め、浅草の雷門ホールで雇われのマジシャンの職を得る。しかし、そこで晴夫の前に現れたのが、同じく雇われのマジシャンで若き日の父親、正太郎(劇団ひとり)であった。

劇団ひとりが原作の著書を自らメガホンを取って映画化した、タイムスリップ物のSF風コメディ作品。マジシャンとして大成するどころか、普通の家庭すら築けなかった晴夫は、失意のどん底で絶望の日々を送っていたところへ、生き別れとなっていた父親の訃報が届く。いつの間にかホームレスとなっていた父の住処で、遺品を探っていると、ズドーンと青天の霹靂が直撃。40年前、すなわち晴夫が誕生するおよそ半年前にタイムスリップしてしまうワケですな。まさかのSF物だったのかとこの時点で初めて知る(笑)それからあれよあれよと事が運び、雷門ホールでインド人マジシャンとして舞台に立つ様になるのだけど、そこで出遭うのが若き日の父・正太郎とその妻・悦子(柴咲コウ)だった。晴夫は当然、2人が将来どうなるか知っている・・・はずだった。デキの悪い父親に、子供を棄てて逃げる母親だろと。しかし、実は晴夫の誕生には、彼自身が聞かされていなかった重大な秘密があったのだと知ってしまう。自分がダメ人間になってしまったのは、少なからず両親にも原因があると、そう心の内で両親を責め続け生きてきた晴夫は、人生観を大きく揺さぶられる事になる。序盤、絶望した晴夫が「なんで俺なんか生まれてきたんだよ」みたいに口走るシーンがあって、身につまされちゃったよ。王道な展開に卒のない作りだけど、ちょっと手堅すぎて無難な感じがするかなぁ。良い作品なのにどこか物足りないというか・・・。劇団ひとりは舞台では中国人マジシャン役なのだけど、それ完全に自分の持ちネタじゃないか(笑)そうでなくとも芸人としての彼の印象が強すぎて、シリアスなシーンでも笑ってしまうのに。

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