チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

モグリでもいい。

また少し雪が積もり、方々で除雪車が駆り出されている。日中、少し気温が上がると、上階からドサドサと断続的に雪が落ちてくるのだが、このままのペースだと例年通り、今月中には窓が開かないくらいに積もりそうではある。今朝もアラームではなく、その落雪の音で目が覚めた。というか、寝過ぎた為に、自然に起きた様なものだが、正味8時間以上寝て、起きたら11時前だった。寝具を新調してから、眠りが捗って仕方ない。8時間も寝ると、熟睡感が得られてスッキリするのだが、ベッドがポンコツなせいで、カラダ、特に背中から腰に疲労が溜まってしまうから困る。アラホーにもなって、自分にとっての最適な睡眠時間が把握できていないのだが、以前働いていた頃は4時間睡眠が常態化していたから、良くもまぁそんな生活を送っていたものだと思う。今になって、その頃の分を取り戻している感じだが、それはそれでとても虚しい。しかし、睡眠を削らないで済む底辺職などあるだろうか。社会には睡眠削ってナンボの労働観が蔓延りすぎだと思う。

雪と言えば、こちらでは一般的に、ドカ雪であろうと、傘を差さないのがデフォとなっている様で、大半の人はフード付きのアウターや帽子などで、フルアーマーを装い、雪をガードしている。乾雪は払い落とすのが容易で、衣服が濡れないからである。そんな中で傘を差そうものなら、モグリ或いはビギナーのD民認定されてしまいそうな雰囲気だ。(尤もこれは自意識過剰かも知れないが。)僕も生粋のD民に倣って、移住してからこの方、霙やベチャ雪の時以外は、傘を差さないでやり過ごしてきた。そういうカタチの部分から、D民に溶け込もうと頑張ってみたワケだ。しかし、最近はそんな事はどうでもよくなってしまった。他所者は他所者らしく、潔く傘を差してやろうと決めたのだ。郷に入っては郷に従わないのもアリじゃないかと。そうと決めたら、ビニール傘よりもう少しだけグレードの高い傘が欲しくなってしまったので、近々おそらく傘も新調するだろう。長らくコンビニ売りのビニール傘しか使ってこなかった貧相な僕に、相応しい傘があって欲しい。

 

映画鑑賞記

ポール・ハギス監督作「サード・パーソン」("Third Person" : 2013)

3つの都市で、それぞれ異なる男女関係が同時進行するロマンチック・ドラマ作品。

パリのとある高級ホテルの一室。かつてベストセラー作家として名を馳せたマイケル(リーアム・ニーソン)は、新作の執筆に取り掛かっていたが、その作業は滞りがちだった。彼はある出来事がきっかけとなり、妻エレイン(キム・ベイシンガー)と別居していたのだが、それが今でも禍根となり、彼を苛んで止まなかったのである。彼にはアンナ(オリヴィア・ワイルド)いう若く美しい不倫関係の女がいたが、彼女もまた特殊な事情を抱えており、しかし、そんな2人だからこそ、時に傷つけ合いながらも、激しく互いを求め合うのだった。ニューヨークのとあるホテルで、清掃員として働き始めたジュリア(ミラ・キュニス)。彼女は、別れた元夫でアーティストのリック(ジェームズ・フランコ)との子ジェシーを、危うく殺しかけてしまった事が原因で、親権を奪われてしまう。その上、医師によるカウンセリングを受ける事を余儀なくされ、限られた面会時間だけにしかジェシーに会えなくなってしまう。彼女は生活費にも困窮する程だったが、ジェシーとの面会を増やしたい一心で弁護士を挟んだ協議を始める。しかし、ジュリアを信用できないリックは面会に否定的だった。服飾関係の仕事でローマを訪れていたスコット(エイドリアン・ブロディ)は、立ち寄ったバーで出逢ったロマ族の女モニカ(モラン・アティアス)に一目惚れをする。モニカは娘をギャングに拉致されてしまい、取り戻す為に要求された5000ユーロを工面してきたところだった。スコットはモニカに協力を申し出て、ギャングとの取引にも同伴するのだが、事態は思わぬ方向へ進み始めるのだった。

パリ、ニューヨーク、ローマの3つのパートからなる、一見オムニバスの様な不思議なドラマ作品。それぞれの都市で繰り広げられる、男女関係の複雑なやり取りが、時に互いに交錯し、影響を及ぼし合いながら、ザッピングを繰り返し、同時進行していく。"Third Person"というタイトルと、マイケルが作家である事から、おそらく虚構というか劇中劇の様なハナシだろうと推測はできたけれど、マイケル自身の心理状態が反映されている為に、虚実のラインが曖昧で、観ている者を困惑させられる作りになっている。だから、ボーっと観てると、結局何だったの?って感じで終わってしまう、なかなか難儀な作品ではある。ローマとニューヨークのパートは、マイケルの私生活を織り込んだ創作だとして、パリでのアンナとの華々しい生活も虚構なのだろうか。よくよく考えると、どの演出も非現実的で、退廃的な印象だったとは思うけれど。息子を喪った事で、マイケルが自責の念に苛まれている、というのがストレートで表面的な理解なのだけど、一度観ただけではすんなり腹に落ちてこないな。とまれ、一風変わった大人向けのドラマで見応えはあったかな。

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