チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

グッド・ドクター 禁断のカルテ

ランス・デイリー監督作「グッド・ドクター 禁断のカルテ」("The Good Doctor" : 2011)[BD]

新人医師が患者の少女に好意を寄せる余り、次々と不正を重ねていく様を描くスリラー作品。

新人内科医マーティンは、研修医として南カリフォルニアの病院に就任する。海岸に面した瀟洒なマンションの一室で新生活を始めたマーティンは、一見して人柄や能力に優れ、同僚や上司の覚えも良かったが、その実、多分に野心家で、傲慢かつ独善的なところがあった。マーティンは不慣れな実技や、カルテの書き方の不備を、ベテラン看護師テレサに度々責められた事で、就任早々ソリが合わなくなる。更に担当患者への指示ミスを、上司に報告されてしまい、マーティンは苛立ちを募らせていく。マーティンは将来、感染症のフェローを目指しており、査定に響く様なミスは命取りだった。

同じ頃、マーティンは腎盂腎炎で入院している女子高生ダイアンを担当する事になり、本人や家族と対面する。ダイアンには交際中の恋人リッチがいたが、その関係は良好では無かった。その話を聞いたマーティンはダイアンに好意を抱き、密かに関係を望む様になる。程なくして症状が改善したダイアンは退院し、自宅での投薬治療となる。マーティンはダイアンの両親に気に入られ、食事に招待されるが、ダイアンは外出中だった。マーティンはダイアンの部屋に忍び入り、彼女の写真を盗む。マーティンはダイアンへの好意を深めていく。後日、再びダイアンの家を訪れたマーティンは、彼女の薬の中身を砂糖とすり替える。症状が再発したダイアンは、マーティン担当の下、再び入院する事になる。

人の往来が無くなる深夜、マーティンはダイアンの眠っている隙に点滴の内容物をすり替え、病気の治療が進まないように画策する。更に彼女の病理検査のサンプルにも細工を加え、病気の進行を既成事実に変えていく。マーティンの思惑通り、ダイアンの症状は快方に向かうどころか、悪化するばかりで、入院は長引いていく。ダイアンはマーティンの献身ぶりを錯覚し、次第に2人の距離が近づき始める。上司はダイアンの症状を怪訝に思い、ベテランの専門医を呼び、対応を協議するものの、まさかマーティンの犯行とは思いもよらず、逆に研修医が難題に直面している事を同情する。その後、ダイアンの症状は外科処置を必要とするまでに至る。マーティンは、ダイアンが昏睡している間に、悟られぬ様に口づけをする。

翌日、アラームで叩き起こされたマーティンが目にしたのは、ダイアンの絶命の瞬間だった。救命の甲斐なく、ダイアンは息を引き取り、マーティンは途方に暮れる。しかし、上司や同僚、そしてテレサまでも、マーティンの献身ぶりを労い、彼を励ます。その後、研修期間を終えたマーティンは正式に医師として勤務を開始する。

程なくして、マーティンは用務員のジミーに呼び出される。ジミーはダイアンの日記をベッドで発見し、そこに記載されている内容から、マーティンとの不適切なやり取りを知ったのだった。薬物常用者のジミーは、日記と引き換えに、薬物を調達する様にマーティンに要求する。キャリアにいかなる傷をも付けたくないマーティンは、処方箋を細工するなどして得た薬物をジミーに手渡すが、要求はエスカレートしていく。マーティンは自宅で独自に薬品を調合し、特製の品と称してジミーに手渡すと、ジミーはその場でそれを試す。その薬物は青酸カリを含んでおり、まさか目の前で飲むとは思わなかったマーティンは当惑する。マーティンは即死したジミーから鍵を盗み、彼のロッカーからダイアンの日記を回収する。

ジミーの死は警察沙汰となり、マーティンにも捜査の目が向けられる。自宅を訪れた刑事に事情を話す内に、日記の存在を危うく感じたマーティンは、トイレで処分しようと試みるが失敗する。動転したマーティンは我を失いかけるが、すぐに冷静さを取り戻し、刑事に首尾よく対応し、その場を切り抜ける。その後、マーティンは何事も無かったかの様に、良い医者として勤務を続けるのだった。

 

傲慢なイケメソドクターによる、身勝手且つ大胆不敵な犯行の一部始終を描く作品。マーティンは上昇志向が強く、また差別主義的でもある割には、犯行の手口がどれも行き当たりばったりの稚拙なモノだから、そういう意味でハラハラさせられるシーンは多い。やれやれ、異性に好意を抱くと、ここまで見境が無くなってしまうのかと。そう思わずにはいられないほど、微塵も計画性の無い犯行が繰り返される。盗んで使用した点滴や注射器を、ペーパータオルに包んで、普通にゴミ箱に捨ててバレないものなのだろうか?それ以前に、薬品や備品の管理体制ってそんなにザルで良いのか?その辺りにご都合主義を感じてしまった。それにしても、マーティン役のオーランド・ブルームが超絶イケメソだけに、逆にその理不尽さから生ずる気持ち悪さに辟易し、到底感情移入はできないだろう。でも、巷に溢れる諸々の犯罪というのは、こういう馬鹿馬鹿しい動機を端に発するのかも知れない。

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