チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ブラック・ハッカー

ナチョ・ビガロンド監督作「ブラック・ハッカー」("Open Windows" : 2014)[BD]

女優のファンサイトを運営する男が、関係者を騙る謎の人物により脅迫され、犯罪に巻き込まれていく様を描くスリラー作品。

人気セクシー女優ジル・ゴダードの新作主演映画の公開に先駆けて、記者会見がテキサスで開催される。監督はジルのスキャンダルをネットで拡散し、話題作りを仕掛けるが、ジルはそれに露骨に嫌悪感を示す。ジルの熱烈なファンで、追っかけサイトを運営しているニック(イライジャ・ウッド)は、映画のキャンペーンの一環で行われたブロガー・コンテストで優勝し、ジルとディナーを共にする権利を獲得する。ニックは住まいのあるLAからテキサスを訪れ、指定されたホテルの一室で会見をネット中継で視聴し、素材を自分のサイトにアップしていく。そこへ関係者からメールで指示が届き、ニックは回答をする。

程なくして、映画公式HPスタッフを称するコードという人物が連絡をしてきて、ディナーはジルの都合で、キャンセルになった事が伝えられる。当惑するニックに、コードは会見場のカメラや、ジルの携帯をハッキングし、それらの映像をニックのPC上にオンラインでリンクして見せ、ジルのお宝素材を収集して、サイトにアップする様に促す。

会見が終わると、ジルはその足でエージェントのトニーと密会する為に、ホテルの一室に向かう。そこはニックの宿泊しているホテルと同じ場所だった。コードはホテルのシステムを巧みに操り、ニックの部屋から見下ろせる部屋にトニーとジルを誘導すると、ニックに受付で手渡されたカメラで盗撮する様に指示する。

ニックのPCに見慣れぬアイコンが表示され、クリックするとトリオップスという謎の3人組がアクセスしてくる。ハッカー集団の彼らはニックをネバダと呼び、凄腕のハッカーと誤解して敬意を示すが、ニックには何の事か分からず、コードに気づかれない様に通信をオフにする。

トニーが盗撮を疑い、ニックの部屋にやってくる。コードはニックに予め用意しておいたスタンガンでトニーを気絶させ、逃走する様に指示する。トニーを気絶させ拘束すると、ニックはコードの誘導でホテルを脱出し、自分の車に乗り込む。ここでもコードは予め車内にピンポンボールカメラを用意しており、ニックは指示に従ってそれを取り付ける。コードはカメラの映像でニックを誘導し、車を指定の場所に向かわせる。

ニックが住宅街の一角に停車すると、ジルの借家のPCをハッキングし、撮影したリアルタイム映像が、ニックのPCに表示される。ジルは当然、その事に気づかず、プライベートな姿が映し出される。その時、コードと思しき覆面姿の男が、ナイフを携え、借家に侵入する様子を中継してくる。コードはジルを人質にニックを脅迫し、ハッキングしたジルのPCから彼女に卑猥なポーズをする様に命令させる。ジルのPCには、ホテルで拘束されているトニーが電気ショックを与えられている映像が表示され、ジルはトニーを救いたい一心で命令に従い、肌を露わにする。ジルは警察に連絡しようと試みるが、コードに遮断される。

コードはニックとの通信を切り、ジルを誘拐し、逃走する。その直後、ジルの借家に警察が到着するが、コードが仕掛けた爆薬で借家が爆発する。ニックはトリオップスに協力を要請し、コードが所持しているカメラからコードの現在地を特定し、後を追うが、警察はニックを容疑者と誤解して追跡を始める。その過程で、トリオップスはコードのメインサーバを突き止める。それはまさにネバダのサーバで、サーバに保存されている動画から、コードがネバダである事が分かり、ニックに協力していた事を悔やむ。ネバダは自由自在にいろんな人物に成りすます名うての犯罪者で、トリオップスはネバダの仲間につもりだった。しかし、ネバダは人に危害を加える事は無い事で知られており、トリオップスはコードが本当にネバダなのか疑い始める。

ニックはトリオップスを説得し、ジルの状況をカメラで解析させる。コードの車のトランクに閉じ込められているジルは、電話によるニックの指示でナイフを発見し、コードを襲うが揉み合いになり、2人とも自動車から転落する。警察の追跡を振り切る過程でニックは運転を誤り、衝突事故を起こす。

トリオップスはサーバの動画を見直し、コードがネバダの背後から発砲し、殺害する一部始終を確認する。コードはニックを銃で殺害すると、辿り着いた倉庫でジルを監禁し、ネット中継で爆破によるジルの死を演出する。倉庫の地下にはコードの隠し部屋があり、コードは工場を爆破し、ジルと共に地下に逃げ込もうと企む。ジルは逃走を図るが、コードに捕まる。その時、死んだはずのネバダから通信が入る。実はネバダは生きており、最初からニックに成りすまし、コードの持ち去ったサーバの奪還を目論んでいたのだった。

ネバダはコードを欺き、ジルを救出すると、地下室に入る。その直後、工場は爆破し、コードは巻き込まれて死ぬ。地下室にはコードがジルのストーカーだった事を示す品々が溢れていた。テレビではジルの死と共に、新作映画の売上が急上昇している様子が伝えられる。ジルはそれを見て、映画界から姿を消す事を決め、ネバダに協力を求める。

 

WEBカメラや監視カメラなどの中継映像が、PC上でリアルタイムに再生され、ストーリーが進行していくという、かなり斬新な手法を取り入れた本格スリラー。女優のファンでオタク気質な青年が、それを上回るストーカーレベルのオタクに翻弄され、犯罪に加担させられていく。ストーリーも奇抜な演出に負けず劣らず面白く、ネット越しカメラのリアルタイム中継がシームレスに進行する事で、緊迫感を増している。そして、終盤には大どんでん返しが待っている。まさかニックがネバダだとは思いも寄らなかったな。

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