チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

NY心霊捜査官

スコット・デリクソン監督作「NY心霊捜査官」("Deliver Us from Evil" : 2014)[BD]

霊感を備えた警察官が、捜査途上で出会った神父と共に、戦地で悪魔に取り憑かれた帰還兵と対峙する姿を描くオカルト・ホラー作品。

ニューヨーク市ブロンクス。NY市警の巡査部長サーキ(エリック・バナ)は、相棒のバトラーと共に、夜の市街を巡回パトロールしていた。暴行の通報があり、2人は現場である民家に急行する。部屋には妻に暴行し、負傷させたDV夫がいた。2人は反抗する男ジミーを取り押さえ、逮捕するが、サーキは右腕を負傷する。程なくして、2人は動物園からの通報を受け、急行する。母親が我が娘をライオンの放飼場の濠に投げ、負傷させた後、行方を眩ましたという。2人はなぜか照明が付かなくなった園内を手分けして捜索し、サーキが母親を発見する。しかし、女の言動は常軌を逸しており、サーキは薬物中毒を疑う。サーキは園内で不審なペンキ塗りの男を発見し、追跡するが、男が逃げ込んだ放飼場で危うくライオンに襲われそうになり、取り逃す。

翌日、逮捕した女ジェーンは後見人の神父メンドーサ(エドガー・ラミレス)の立会の元、医療刑務所に送致される。夜、サーキらはある民家の住人から通報を受ける。地下室を塗装した直後から、不可解な現象が立て続けに起こるようになったという。現場を訪れた2人は、地下室に案内される。そこでも照明はおろか蝋燭の火まで付かなくなっていた。サーキは暗闇の地下室の一角で、腐敗した死体を発見する。遺体の男はグリッグスといい、ペンキ塗りに訪れた2人の塗装工の内の1人だと判明する。住人の証言から、もう1人の男は動物園で逃したペンキ塗りと同一である疑いが強まる。グリッグスの部屋を捜索に訪れた2人は、室内でグリッグスの海兵隊当時の写真を発見する。写真にはジミーとサンティノという男が並んで写っており、サーキはこの男が探している容疑者と確信する。

翌日、帰宅したサーキは妻ジェンから妊娠を告げられる。サーキは仕事人間で、家庭を顧みる機会が少ない事をジェンに詫びる。サーキは署に赴いたメンドーサから、ジェーンが悪魔に憑かれていると告げられ、信教から離れたサーキは笑い飛ばす。国防総省から情報で、サンティノら3人がイラクに派遣された当時、従軍牧師を惨殺した罪で、海兵隊を不名誉除隊していた事が判る。動物園の監視カメラの映像が署に届き、サーキとバトラーが分析を始めるが、そこに存在し得ない映像と音声をサーキだけが感知し、サーキは当惑する。心労が募ったサーキは自宅で娘クリスティーナに当たってしまう。

再びジミー宅を訪ねたサーキは、妻からサンティノとグリッグスが塗装会社を立ち上げ、ジミーの部屋の塗装をしていた事を聞く。妻は戦地から戻ったジミーが別人の様に変わってしまった事、暴力を振るったり、地面を引っ掻く様になった事などを打ち明ける。サーキは壁の塗装を剥がし、壁画の様な禍々しい文字が描かれているのを発見する。その時、突然ジミーが現れ、サーキに襲いかかるが、ジミーはすぐに逃げ去っていく。サーキはジミーが戦地の遺跡で記録した映像を確認し、その中に壁の文字と同様の壁画が収録されているのを発見する。それは動物園でサンティノが塗装していた物とも同じだった。サーキはその足で、最初に不可解な現象で通報を受けた民家の地下室を再度訪れ、塗装を剥がし、そこにも壁画と同じ文字が描かれているのを発見する。

サーキはメンドーサと共に、医療刑務所のジェーンと面会する。意味不明な言動を繰り返すジェーンに、サーキは壁に描かれていた文字を見せる。ジェーンは激しく反応し、サーキの右腕を負傷させた後、「マーヴィン」とだけ言い放つ。その後、サーキはバーでメンドーサと初めて腹を割って話をする。その中で、サーキは壁の文字が悪霊の扉である事を知る。サーキは神や悪霊の類を信じなくなった経緯、メンドーサは薬物中毒者から神父になり、悪霊研究に励む様になった経緯を、互いに語り合う。メンドーサはサーキが幻視や幻聴の類を感知するのは、神の授けた霊感に因るのだと指摘する。帰宅したサーキは、クリスティーナが部屋で引っ掻く様な音を聞いた事をジェンから聞く。その夜、ジェーンは医療刑務所を脱獄する。

サンティノの住所が判明し、サーキとバトラー、そしてメンドーサがアパートで待ち伏せする。その頃、クリスティーナは再び、異常な現象に見舞われる。サンティノが建物内に入ったのを確認したサーキとバトラーは、急襲をかける。サーキは霊感で感知した幻聴に苛まれる。建物内でジェンの姿を発見した2人は、二手に別れて追いかける。サーキはジミーの、バトラーはサンティノの襲撃を受け、バトラーはサンティノに殺される。メンドーサがジミーに憑いた悪霊を祓い、サーキは危ういところで助かる。

サーキは神に平伏さないと悪霊には勝てないと、メンドーサに諭される。サーキは過去に、連続少女暴行殺人事件の容疑者を捕らえたものの、義憤に駆られ、殴り殺してしまった事を告解する。サーキの感知する映像や音はその時のもので、ジェンの放ったマーヴィンとはその時の容疑者の名前だった。サーキは長い間、その時の蟠りを抱えていたのだった。メンドーサは神の名の下にサーキの罪を赦す。

サーキが帰路に着く途中、ジェンが飛び降り、車に衝突する。その直後、サーキはサンティノが自宅を襲撃している事を知り、急行する。サーキはサンティノを取り押さえたが、ジェンとクリスティーナの姿は無かった。署に拘束したサンティノに対し、メンドーサはサーキを同伴させ、悪魔祓いを始める。存在・偽装・転換・声・衝突・追放の6段階で儀式は進んでいくが、サンティノに憑いた悪魔は、言葉巧みにメンドーサを翻弄する。サーキは霊感で悪魔の名前がジャングラーだと聞く。悪魔の名が判明した事で、メンドーサはサンティノの体から悪魔を追放する事に成功する。その後、ジェンとクリスティーナは、サンティノの塗装会社倉庫から無事発見される。

月日が経ち、ジェンの産んだ子の洗礼を済ませたサーキは、警察を辞め、メンドーサと共に「務め」を果たす道を選ぶ。

 

正義感が強く、霊感を備えた刑事と、薬物中毒を乗り越え、悪魔祓いの道に進んだ神父が、タッグを組むという一風変わったエクソシスト系ホラー作品。戦地で悪霊に憑かれ帰還した兵士達が、悪霊の仲間をこの世界に導こうと、扉の役割を果たす文字列を壁に塗装し始める。一見、個別の事件が、残された手掛かりを元に、点と点を線で結ぶ様に繋がっていき、やがて主たる悪の介在が判明していく。信教から距離を置いていたサーキは、悪霊のもたらす異常な現象の数々を目の当たりにし、再び神に平伏すと。この辺はちょっとお手軽に過ぎる宗教観だと思ったかな。事実を元に~云々という導入だったが、まぁ完全にフィクションだろう。クライマックスの悪魔祓いのシーンは、それなりに時間を割いているだけあって見応えはある。多くのエクソシスト系作品で悪魔祓いのシーンがあるが、違いを出すのはなかなか難しいと思うのよね。

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