チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ランナーランナー

ブラッド・ファーマン監督作「ランナーランナー」("Runner Runner" : 2013)[BD]

オンラインカジノの胴元に不正を直訴するものの、逆にスカウトされ、部下として働く事になった男が、犯罪に巻き込まれていく様を描くクライム・スリラー作品。

プリンストン大学に通うリッチーは、自他共に認める極めて優秀な男。かつて彼はウォール街で辣腕を振るっていたものの、リーマン・ショックで失職し、以後、不遇に甘んじてきたのだった。彼はその才覚を別の方面で活かし始める。隆盛を極めるオンライン・ギャンブルを、学内の教職員や生徒向けに勧誘・指南していたのである。一方、オンライン・ギャンブルでは詐欺が横行しており、司法当局も目を光らせていた。

ある日、リッチーは校長に呼び出され、オンライン・カジノを運営し、学内の人間を勧誘している廉で追求される。リッチーが実際に行っているのは、客をオンライン・カジノのサイトへ誘導するアフィリエイト行為により、学費の足しにする少額の手数料を得ているだけだった。リッチーは過去の収入が多すぎて奨学金がもらえず、学費が払えないと訴えるが、校長は校則を守るべきだと突っぱね、退学を仄めかす。

リッチーはなんとしても大学で修士号を取る必要があったが、このままでは学費が払えない。金策に困ったリッチーは、意を決して全財産17782ドルを賭けてオンライン・カジノ「ミッドナイト・ブラック」に挑む。ところがリッチーは卒業までの学費を全額賄おうと欲を張り、機を見て降りなかった為に、結局全額失ってしまい、途方に暮れる。サイトが詐欺を働いている事を察したリッチーは、知人に調査を依頼し、通常ではありえない勝率に操作されていると知る。リッチーはミッドナイト・ブラックのオーナーであるアイヴァン・ブロックに不正を直訴する為に、アイヴァンが拠点とするコスタリカに渡る。

コスタリカサンホセに到着したリッチーは、客を誘導しているサイトの1つの運営者ペットとクローニンと出会う。その後、アイヴァンの主催するカジノ・パーティに赴き、アイヴァンと親しいレベッカと出会う。リッチーはパーティへの参加を希望する意思を告げる。翌晩、リッチーは半ば強引にアイヴァンとの面会を果たし、証拠を提示し、不正を直訴する。翌日、リッチーはアイヴァンの船に招かれる。アイヴァンはプログラマーが不正を働いており、会社の意図では無かったと説明し、不正を流布せずに報告してくれた事に謝意を示す。更に、アイヴァンは、リッチーの学費や前職の話を持ち出し、学費を全額振り込んだ事を告げると同時に、高額な年俸を提示し、自分の元で働く様にリッチーを勧誘する。

アイヴァンの側近として働く事になったリッチーは、ペットとクローニンを部下として雇い、アフィリエイト制度や支払処理、海外口座の扱い方について学んでいく。一方、アイヴァンはコスタリカ当局との橋渡し役のエレーラに足元を見られ、賄賂の上乗せを要求され始める。リッチーはレベッカと親しくなっていく。

ある日、リッチーはアイヴァンから、ロンドンの競合サイトと組んでいるシェッキーとの契約を任される。シェッキーを取り込む事ができれば、会社の売上の増大が見込まれ、リッチーにも歩合収入が入るおいしい話だった。その直後、リッチーはFBI捜査官のシェイバースに拉致され、アイヴァンの不正に関する情報を渡す様に強要される。リッチーがFBIの件をアイヴァンに話すと、問題無いと諭される。その後、リッチーはシェッキーと会うが、歩合で折り合えず、美人局を仕掛け、強引に契約に漕ぎ着ける。リッチーはアイヴァンからボーナスを受け取る。その夜、リッチーはレベッカと関係を持ち、彼女がアイヴァンと恋仲だった事を知る。

その後、FBIと接触し、恐れをなしたペットが帰国する。リッチーはアイヴァンからエレーラへの賄賂の引き渡しを任される。しかし、エレーラに金が足りない事を責められ、暴行を受ける。アイヴァンはリッチーを利用して、エレーラがどう出るか確かめたのだった。リッチーもまた帰国を決意し、空港に赴くが、シェイバースと警察の元へ連行される。そこで警察がアイヴァン起訴の決め手を欠き、苛立ちを募らせている事を知る。

クローニンはシステム構築の途上で、客の口座からまた別の客の口座へと金を移す手法で、会社が金を保有せず、詐欺を行っている事実を掴み、リッチーに知らせる。リッチーの不審な行動を察知したアイヴァンは、ギャンブル依存症のリッチーの父親の高額な借金を肩代わりし、コスタリカのホテルに呼び寄せた事をリッチーに伝える。リッチーは父の元を訪れ、一緒に逃げる様に諭す。

リッチーは警官らに賄賂攻勢をかけ、懐柔していくが、アイヴァンに呼び出され、拘束されたエレーラがワニが屯する川に突き落とされ、見せしめにされる現場を目の当たりにする。その後、クローニンが消息を絶つ。リッチーにアイヴァンの手先だと疑いの目を向けられたレベッカは、アイヴァンがリッチーに罪を被せ、アンティグアに高飛びする計画を打ち明ける。レベッカもまたアイヴァンに共犯にされ、彼の元から離れられない様になっていた。リッチーはレベッカに協力を依頼する。

リッチーは賄賂と逃亡用の金をかき集めるが、シェイバースにクローニンの掴んだ証拠を48時間以内に持ってくる様に揺さぶられる。リッチーはクローニンが隠していたUSBを発見し、アイヴァンの使い込みや資金洗浄の実態、更に客の金が全てリッチーの口座に移されていた事を知る。その後、FBIはクローニンの身柄を確保し、会社の強制捜査に着手するが、既にアイヴァンは空港に向かっており、もぬけの殻となっていた。

アイヴァンは電話でリッチーに罪を被せる事を通告した後、レベッカと共にプライベートジェットに乗り込む。しかし、リッチーは先回りしてプロペラ機を手配しており、父と共に出国する。アイヴァンのプライベートジェットも出国するが、到着したのは米国領のプエルトリコだった。リッチーが機長を買収していたのである。アイヴァンの前にリッチーが現れ、更にシェイバースら当局車両も駆けつけ、アイヴァンは逮捕される。リッチーはUSBをシェイバースに渡し、レベッカと共にプライベートジェットでプエルトリコを後にする。

 

イケメソで元エリート金融マンだった男が、リーマン・ショックで辛酸を嘗め、ギャンブルの世界に足を踏み入れたっていう設定なのだが、その高い能力を鼻にかけていながら、どこか間抜けな雰囲気が漂うチグハグな印象が拭えないんだな。ティンバーレイクが原因とは思わないが、リッチーに感情移入できないし、強いフックも無いから、序盤で眠くなってしまった。中盤以降で多少盛り上がるものの、アイヴァンの卑小な小悪党的な面が次第に明らかになり、ランナーランナーという割には頭脳戦は皆無に等しく、小さく纏まったオチで終了してしまうのよね。こういうスリラーはもっと血腥い世界観が必要だと思うわ。ちなみに本作で初めてアンティグアという国を知った。

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