チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

宇宙人ポール

グレッグ・モットーラ監督作「宇宙人ポール」("Paul" : 2011)[BD]

SFオタク2人組が、UFOスポット巡りの途中でエイリアンに遭遇し、協力して無事に宇宙へ帰還させるまでの珍道中を描くSFコメディ作品。

1947年、ワイオミング州ムーアクロフトのある民家の近くに、一隻の宇宙船が墜落する。それから60年あまりが経ち、現代。英国在住で親友同士のコミック作家クライヴとイラストレーターのグレアムは、海を渡り、はるばるカリフォルニアで催されるコミコンを訪れる。念願のコミコンを堪能し、著名なコミック作家シャドーチャイルドと対面を果たした2人は、RV車をレンタルすると、エリア51、ブラックメールボックス、キャンプ・ヴェルデ、アパッチ・ジャンクションそして最終目的地ロズウェルへと、UFOスポット巡りの大陸横断ツアーに出発する。

エリア51、そしてブラックメールボックスに立ち寄り、更に東へと人気の無い夜道をひた走る彼らだったが、その途中、追い抜いていった車が突如横転事故を起こす。運転していたのは英語を話し、自らをポールと称するエイリアンだった。ポールに助けを請われた2人は、困惑しながらも彼をRVに乗せ、出発する。ポールはビッグ・ガイから逃れる為に、北へ向かう様に指示する。一方その頃、シークレット・サービスの捜査官ゾイルが、ビッグ・ガイの命令を受け、ポールの追跡を開始していた。更にビッグ・ガイは、新人捜査官のハガードとオライリーを応援に向かわせる。任務の詳細な事情を聞かされていないハガードとオライリーは、RVの向かう先で検問を敷いていたが、ポールは透明化の能力を使う事ですり抜ける。道中、ポールは更にヒーリング能力をグレアムらに披露して見せる。ゾイルはハガード達と合流し、検問が失敗した事を告げるが、ハガードはゾイルの通信を盗み聞きし、極秘の任務を察知する。

グレアムらはキャンプ場で一泊する事に決め、オーナーの娘のルースと知り合う。ルースは父譲りの敬虔なクリスチャンで、左目を病で失明していた。その晩、ポールはグレアムらに60年前の墜落以降、基地に囚えられ、政府に数々の助言をしてきた事や、大衆文化に様々な影響を与えてきた事を打ち明ける。翌朝、ポールはルースの前で姿を現してしまう。ルースは厳格な教義に基づき、進化論を否定し、万物を神の創造だと考えており、ポールを悪魔だと思い込む。ルースが大騒ぎした為に、グレアム達は已む無くルースを連れていく事にするが、ルースの父モーゼにポールの姿が見られ、誘拐したと思われる。ポールはルースにテレパシーで知識と経験の伝達を施し、説得を試みる。RVが去った後、ゾイル達はモーゼの元を訪ね、ポール達に関する情報を得る。ゾイルの無線を傍受したモーゼは、ルースの身が危険だと察し、猟銃片手に自らも救いに向かう。

動揺の収まらないルースをグレアムは尚も説得し、ようやく理解を得る。その後、ポールはルースの左目を治癒する。夜、グレアムらはバーに立ち寄り休憩する。ルースは父に安全を伝えようと連絡するが、ゾイルに逆探知される。バーに訪れたモーゼと鉢合わせとなり、一行はバーを逃げ出し、RVパークで一泊する。ポールは自らが政府にとってはもう用済みで、軍による能力研究の為に解剖される事を避けるべく、政府内の友人の協力で宇宙へSOSを発し、仲間が迎えに来るのを待つつもりだったが、軍の予定が早まった為に逃走を図った事を打ち明ける。翌朝、パーク傍の町にゾイル達が到着する。ハガードはゾイルの任務がUFO調査だと気付く。グレアム達はゾイル達に悟られずにこっそり町を抜けようとするも、ポールがオライリーに気付かれ、一目散にRVで逃走する。ゾイルは真実を知ったハガードとオライリーを任務から外す。

町を出たグレアム達一行を、ゾイルと更にモーゼが追跡する。ハガード達も手柄を得るべくゾイルに背き、ポール捕獲に躍起になる。ポールの頼みで、一行はポールがかつて墜落したムーアクロフトの民家を訪ねる。ポールは当時助けてもらった恩人タラと60年ぶりの再会を果たす。タラはエイリアンを見たと証言した事で、長らく変人扱いされてきたのだった。タラの家がハガードとオライリーの襲撃に遭い、クライヴとグレアムで撃退する。そこへゾイルとモーゼも到着するが、不運にも家がガスで爆発してしまう。一行はタラを連れ、RVで逃走する。

デビルスタワーに到着すると、ポールに頼まれて道中で調達した打ち上げ花火を上げ、一行はポールの仲間に居場所を知らせる。しかし、そこに機動隊を率いたビッグ・ガイのヘリが現れる。更にそこにゾイルが到着し、ビッグ・ガイと交戦を始める。ゾイルこそポールの友人であり協力者だった。ビッグ・ガイはポールを奪還しようとするが、グレアム達は総出になって妨害する。そこへ一行を追ってきたモーゼが現れ、グレアムが撃たれ、致命傷を負う。ポールは決死の覚悟で治癒を行い、グレアムは蘇生する。そこへ宇宙船が到着し、ビッグ・ガイを押し潰す。ポールはタラの人生を償うべく、共に宇宙へ連れて行く事にし、グレアム、クライヴ、ルースに別れを告げ、地球を去る。それから2年後、漫画「ポール」で大成功を収めたグレアムとクライヴは、再びコミコンを訪れ、ネビュロン賞を受賞する。

 

その昔、地球に不時着したのがコテコテのグレイ系エイリアンのポールで、彼が大衆に浸透しているエイリアンのイメージを作ったという設定になっている。軍に協力という名目で、事実上の軟禁状態にあったが、いよいよ解剖待ったなしの状況となり、友人の協力を得て、施設から逃走を試みたと。その最中、SFオタクのグレアムとクレイグに救われる。2人を演じるのはサイモン・ペッグニック・フロストのいつものコンビで、劇中でも何度と無くゲイだと誤解されているのが笑える。ポールの造形はグレイのイメージを逆手に取り、コミカルそのものだが、その一方でCGと思えぬほどリアルでもある。終盤に登場するのは「未知との遭遇」のクライマックスの舞台にもなったデビルス・タワーで、僕は「未知との遭遇」を割りと最近に観たから、これまた洒落が効いてるなぁと思った。シガニー・ウィーバーがラスボス然として登場したのが意外で、愉快だった。確か「キャビン」でもラスボスだったし、女優としてそういうポジションなのかも知らん。

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