チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

映画「トゥモローランド」を観てきたけど、優等生的な寓意とステロタイプな未来像を描いただけで、ワクワク感に乏しかった。

ん?どしたん、ディズニー?って感じ。以後普通にネタバレするかも知れないが、ネタバレするほどのネタも無い凡作だというのが正直なところ。「ディズニー最大の謎にして最高のプロジェクト」とか煽るから、この世はでっかい宝島的な摩訶不思議アドベンチャーで、さぞかしワクワクさせてくれるんだろうなぁなんて思っていたのに、なかなかどうして小ぢんまりした世界観で、一応の悪役は登場するものの、全体を通して観れば勧善懲悪な要素は薄く、掴み所の無いハナシという印象。

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主人公の少女ケイシーが、ひょんなことからあるバッジを手に入れて、それに触れると、はるか遠い未来都市(の様な場所)に瞬間移動するワケだが、それは劇中の言葉を借りればCMの様なモノなのである。あのシーンがツボって、僕は本作を映画館で観ようと決めたのに、結果的に釣られた(笑)。未来に希望を抱かせる為に、精緻に作りこまれたその体験型CMに没入したケイシーは、再びそこへ訪れたいと願う。んで、ケイシーの元に未来都市(の様な場所)から来た、アテナという萌え要素の高いアンドロイドが登場して、フランクという頑固オヤジに引き合わせられるのだが、そんなこんなありつつ、あれよあれよと言う間に、人類があと2ヶ月弱で滅亡するって真実が判り、ケイシーらはそれを食い止めるべく、一縷の望みを残して未来と思しき世界に向かうと。でもその未来のイメージってのが、制作側が狙ってやってるのかも知れないが、どれもステロタイプなモノばかりで、逆にレトロフューチャーになってしまっているのよね。だから目新しさに乏しく、既視感ばかりが募ってしまう。しかも、その未来都市は衰退しきったハリボテの様な世界だから、そっち側でド派手な冒険活劇なんかあろうはずもなく。トレーラーに登場するアクションシーンが盛り上がりのMAXだと心得た方が吉でせう。

何を期待して観に行くかで、評価は分かれるとは思うのだが、もう少しバカになれる痛快な作品を期待していたから、個人的にはコレジャナイ感がハンパなかったなぁ。まぁ、天下のディズニーだから夢とか希望を、角度を変えて描きたかったのだろうが、それが明後日の方向なんだよね。とまれ、ブリット・ロバートソンとラフィー・キャシディという、2人の新進気鋭の若手女優を知る事ができたのは良かった。でも、もう少し待ってマッドマックスの新作を観るべきだったかな。余談だが、久しぶりにIMAXで観たらいつのまにか導入部変わってたのね。