チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

寄生獣

山崎貴監督作「寄生獣」(2014)[BD]

人間の頭部に寄生し、人間社会を侵食する寄生生物と、意図せず寄生生物を右手に取り込んでしまった青年との戦いの行方を描くSFアクション作品。

高校2年の泉新一は、早くに父を亡くし、母・信子と2人で穏やかに暮らしていた。ある夜、海を漂う謎の小型生物が大量に港から上陸し、人間を襲い、頭部を奪って寄生し始める。新一の元にもその生物が現れ、頭部への侵入を図るが、咄嗟に新一が抵抗した為に、生物は已む無く右腕に寄生する。一方、市民に寄生した生物は、その人物に成りすまし、他の人間を襲って食らい始める。

翌朝、新一は痺れと共に不可解な挙動を見せる右手に戸惑う。突然、右手が悍ましい形状のモンスターに変化し、呆然とする新一に、右手は脳への寄生に失敗した事を告げる。新一と一体化した右手は自らをミギーと称し、以後、新一の動揺を意に介さず、情報収集と猛勉強を重ね、知識と戦闘スキルを獲得していく。その一方で、メディアでは謎の連続惨殺事件が俄に報じられ始める。

ミギーが同種を感知し、新一はミギーに誘われるまま寂れた中華料理店を訪ね、店内で寄生された店主が客を食っている現場に遭遇する。店主は新一に襲いかかるが、ミギーが応戦し、店主を殺す。信子は新一の苦悩を察知し気遣う。中華料理店の現場検証に訪れた刑事・平間は、店主の胃から人体の一部が発見されたとの報告を受け、人を食べていた可能性を疑う。

高校に田宮良子が化学の新任教師としてやってくる。寄生していながら、人類との共存を志向する田宮は、ミギーの存在を感知し、新一と接触を図る。田宮は人間と体を共有しているミギーに興味を抱くと共に、人間社会で穏便に暮らしたい願望を告げる。新一は田宮に呼び出され、寄生された島田秀雄と警官Aを紹介される。田宮は寄生生物のネットワークの存在を明かし、仲間同士で助け合う必要性を説く。田宮はまた、Aとセックスをし、妊娠した事を明かし、生まれてくる子供が人間なら、繁殖能力の無い寄生生物の意義がどこにあるのかと疑問を呈す。田宮は生徒を人質に取り、ミギーと新一に組織との連携を強要する。

翌朝、新一は自身を心配する母を気遣う余り、口論をしてしまう。新一は4歳の時、母が身を挺して命を守ってくれた事に深く感謝しており、心配をかけたくなかった。その夜、帰宅途中の新一は魚市場でAと遭遇する。Aはミギーの存在が組織に危険を及ぼすとし、田宮の思惑とは別に、ミギーを消そうと目論んでいた。ミギーがAと応戦している間に、新一は隙を突いてAの体に致命傷を与え、逃走する。瀕死のAは頭部を切断し、寄生先を変えようとしていたところへ、偶然、信子が通りがかる。自宅で母の帰りを待つ新一に、ミギーがA接近の感知を伝える。新一は、帰宅した母の体にAが寄生している事を信じられず、当惑している間に、Aにより心臓を貫かれ、息絶える。Aが立ち去った後、ミギーは自身の細胞を使い、新一の心臓を修復する。翌朝、蘇生した新一は、母の死を自覚し慟哭する。新一は、心配してやってきた里美を振り切り、田宮の元へ向かう。新一がAに殺されかけた事を伝えると、田宮は好戦的で危険なAに引きあわせたのも実験だと言い放つ。田宮は新一の体にミギーの細胞が混じっている事を感知し、更に興味を抱く。一方、平間は寄生生物の存在を確信し始める。

Aの行方を追い、街を探索する新一は、東福山市の市長選に立候補し、街宣活動を行う広川と遭遇する。ミギーは広川が寄生生物だと感知し、政治活動にまで乗り出した同種の進化ぶりに、感慨に浸る。その夜、新一を訪ねて平間と部下の辻がやってくる。平間は信子の失踪を心配し、魚市場での一件について聴取するが、新一は隠し通す。

翌日、2日ぶりに登校した新一は、同じクラスに転校してきた島田と再会する。島田は新一の監視役であり、新一の変化を察知する。ミギーは細胞が体中に散らばった事で、肉体に変化をもたらしている事を新一に明かし、その上で、1日に4時間ほど、突然機能停止してしまう事を告げる。その頃、巷で寄生の有無を毛髪で見分けられるという噂が広がる。広川は人間を安定供給するシステムを構築すると、田宮に約束する。

里美は新一を気遣い、親身に接するが、人間の感情を失い始めた新一の異変を察知し、心が離れる。田宮は妊娠を理由に教職を解かれる。その夜、学校から連絡を受け、心配して訪れた両親を殺害する。田宮は妊娠により自身に生じた変化を自覚し始める。

翌日、田宮は島田と共に人間を食べずに生存できるか実験中であり、共存の可能性を模索している事を、新一に打ち明ける。その頃、島田は美術部でモデルをしていたが、部員が噂を確かめる為に髪の毛を抜き、寄生生物だと発覚した事で、部員達に襲いかかる。里美が島田の頭部に剥離剤をかけ、ダメージを受けた島田は激昂しパニックに陥る。騒動を聞きつけた新一は美術室に向かう途中、死体で血の海と化した廊下に錯乱するが、ミギーが落ち着かせる。新一は間一髪で里美を窮地から救い、島田と対峙するが、そこへ田宮が現れると、島田に見切りを付け爆薬で殺そうとする。新一は里美を抱え、脱出し、校舎は爆発する。学校に警官隊が駆けつけ、爆発を生き延びた島田に発砲するが返り討ちに遭う。ミギーが島田の生存を感知すると、新一は校舎の屋上に現れた島田を、離れのビルから弓矢と化したミギーで射抜く。新一の元に田宮が現れ、出産もまた実験だと告げると、Aの居場所を伝えて消える。

新一は田宮から伝えられた民家を訪ね、そこに現れたAに、人気のない鉄道橋下に誘われる。ところが、ミギーが睡魔を訴え、武器に姿を変え機能を停止する。戦闘能力を飛躍的に向上させた新一は、Aと互角の戦いを繰り広げる。母の意思がAに作用し、新一の窮地を救い、新一はAの頭部を切断する。新一は涙が出ない事で、心まで寄生生物と同質化してしまった事を知る。

広川は市長選に当選を果たす。平間と辻は捜査本部に呼ばれ、特殊部隊で秘匿作戦を指揮する山岸と会う。組織では中核的人物の後藤が、寄生時に人類を食い殺す命令を受けた事を明らかにする。一方、新一は寄生生物を根絶やしにするという自らの使命を自覚する。


原作開始が1988年らしいから、26年の時を経ての実写版の公開となったワケだが、コアなファンも多い作品だけに、賛否両論の様子。僕は原作を読了したのが今から3年ほど前という、漫画に対してさしたる思い入れも無いただの映画ファンだけに、実写版は予想以上に楽しめたというのが正直な感想。と言っても、この手のVFXを駆使した作品の場合、どうしても「邦画の割には」というエクスキューズが付いてしまうのだが。それでも、必要な要素を過不足無く詰め込んで、テンポ良く纏めあげているとは思うし、SF作品として普通にイイ線いってるんじゃないかなと。アクションシーンはもう少し派手派手な展開を期待していたが、グロさは程々で、観たい画を観せてくれているし、とりわけ、深津絵里の演じる田宮が原作の雰囲気を再現していて、良い意味で気持ち悪くて好感が持てた。これなら後篇の完結編にも期待できそう。それにしても染谷将太は映画に出ずっぱりだな。

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