ロニー・ユー監督作「チャイルド・プレイ／チャッキーの花嫁」（"Bride of Chucky" : 1998）[DVD]
恋人の助けで復活を果たしたチャッキーが、魂を人間の体に移すべく、恋人と共に奔走する様を描くコメディ・ホラー作品。
チャールズ・リー・レイの恋人ティファニーは、10年の時を経て、レイの魂が乗り移ったチャッキーの消息を掴む。ティファニーは、警察官ベイリーを買収し、証拠品保管所からチャッキーの残骸を持ち出させると、ベイリーを殺害する。ティファニーはトレーラーハウスに持ち帰ったチャッキーを縫い合わせ、修復すると、人形用ブードゥーのまじないに則り、復活の儀式を行う。
チャッキーが見事に復活を果たすと、ティファニーは10年越しの愛を伝え、結婚を迫るが、チャッキーには当初からその気が全く無かった事を知る。憤慨したティファニーはチャッキーを幼児用ベッドの中に監禁し、意趣返しとして、花嫁人形を買い与える。チャッキーはティファニーの目を盗んで監禁から逃れると、入浴中のティファニーの隙を突いて感電死させる。チャッキーはまじないをかけ、ティファニーの魂を花嫁人形に移す。チャッキーは、レイが射殺された時に首から下げていたお守り「ダンバラの心臓」で、魂を人体へ移す事ができると明かし、ニュージャージー州ハッケンサックの墓地に埋まったレイの死体と共に、お守りが眠っているはずだと告げ、２人で取りに行く事にする。
ティファニーはトレーラーハウス仲間のジェシーに連絡し、1000ドルと引き換えに人形を運ぶと称して、ハッケンサックまで車で送ってもらおうと企てる。その頃、ジェシーは、交際中のジェイドと共に暮らす叔父で警察署長ウォーレンから、ジェイドと別れる様に強要されており、親友のデヴィッドから駆け落ちを勧められる。ジェシーはティファニーのトレーラーから前金を添えた人形２体を持ち出すと、バンに乗り、ジェイドの家を訪ね、駆け落ちを切り出す。しかし、ウォーレンは２人の思惑を察知し、バンに大麻を忍ばせ、でっちあげでジェシーを逮捕しようと画策する。チャッキーとティファニーは、邪魔者を排除すべく、２人でウォーレンを殺害すると、遺体をバンのケースの中に隠す。
ジェイドを説得し、バンに乗せると、ジェシーはニュージャージーに向け出発する。その矢先に、ウォーレンの部下ノートンが現れ、計画通りにバンを停止させ、取り調べを行う。ノートンは車内で大麻を発見し、署に報告すべく、パトカーに戻ると、チャッキーがパトカーを爆発、炎上させ、ノートンを殺害する。２人は騒ぎに乗じてバンで逃走するが、互いを殺人犯だと疑う。デヴィッドから連絡が入り、２人はベイリー、ノートン殺害の容疑者として報じられており、更にウォーレンも消息を絶っている事を知らされる。
２人はナイアガラに着くと、チャペルに立ち寄り、神父立会の元で、結婚する。チャッキーとティファニーが２人を車内で待っている間、絶命していなかったウォーレンが息を吹き返すが、チャッキーが止めを刺す。ジェシーとジェイドは、チャペルに併設されたモーテルに宿泊する。夜、チャッキーとティファニーは、ジェシー達の隣室に泊まる小悪党カップルを惨殺すると、指輪を奪い取り、結婚の契を交わした後、解剖学的に正しい人形の姿のままセックスする。
翌朝、清掃の女がカップルの死体を発見すると、ジェシー達は慌ててモーテルから逃げ出す。２人は互いを殺人犯だと思い込むが、そこへデヴィッドが駆け付け、２人に同行する。デヴィッドは互いに誤解が生じているのだと諭すが、その直後、車内でウォーレンの死体を発見する。２人が殺人犯だと確信したデヴィッドは、ウォーレンの銃をジェシーに突きつけ、車を停止させると、警察に助けを呼ぶ。チャッキーとティファニーが本性を現し、デヴィッドに銃を向けると、怯んで後退りしたデヴィッドは、走行中のトラックに轢かれて即死する。
チャッキーはバンを発車させると、２人に企みを話す。バンがニュージャージー入りすると、２件の殺人で採取された指紋が、レイの物と一致した事が判明し、警察がレイの墓を掘り起こす予定だと報じられる。チャッキーは先を急ぐべく、老夫婦を殺害してRVを奪うと、バンから乗り換えて、墓地を目指す。
RVがハッケンサック入りした頃、ジェシーとジェイドはチャッキーとティファニーを仲違いする様に仕向ける。目論見通り、チャッキー達が喧嘩を始めると、その隙を見計らって、ジェイドはティファニーをオーブンに押し込み、丸焦げにし、ジェシーはチャッキーを車外に放り出す。しかし、ジェシーは運転を誤り、RVは墓地近くで道を外れ、事故を起こす。ジェイドとジェシーがRVから脱出すると、ガソリンに引火しRVは爆発する。
チャッキーはジェイドを脅し、墓まで運ばせると、棺を開けさせ、お守りを受け取る。そこへジェシーが駆け付け、ティファニーと引き換えに、ジェイドを解放する様に要求する。チャッキーは要求に応じるが、ジェイドと抱き合うジェシーの背にナイフを投げつけ、負傷させる。チャッキーは２人を縛り付けると、お守りを天に掲げ、まじないを始める。まじないが終わると、ティファニーはチャッキーにキスを求める。チャッキーが応じると、ティファニーは不意を突いて、チャッキーの背にナイフを突き刺す。チャッキーは反撃し、死闘を繰り広げた後、ナイフでティファニーに止めを刺す。ジェシーとジェイドは束縛を解くと、チャッキーを墓穴に叩き落とし、ジェイドが銃を向ける。そこへプレストン警部が駆け付け、真実を目撃する。ジェイドはチャッキーの心臓を撃ち抜く。
プレストンは連続殺人事件の真実を証明すべく、検死医の派遣を要請すると、ジェシーとジェイドを帰宅させる。その後、プレストンがティファニーの死を確認しようとした矢先に、突然ティファニーが産気づき、誕生した赤子がプレストンに襲いかかる。
４作目からはチャッキーの恋人が主役格で登場し、コメディ要素が強まり、アンディの事なんかもうどこ吹く風と言わんばかりの展開に。やや強引な設定変更があり、お守りさえあれば自由に人間に魂を映せる事になっている。それならわざわざアンディを付け狙わなくても、最初からお守り一択にすれば良かったのに。前作で木っ端微塵となったチャッキーは、さすがにもう復活できないだろうと思っていたが、かつての恋人ティファニーが探し出して、修繕し、復活させるというなかなかの荒業。そのティファニーまで人形に移されてしまい、人形同士のカップルでゴキゲンな関係となると、こういうハナシ。しかし、まさかセックスするとは思わなかった（笑）駆け落ちカップルを利用して、お守りの眠る墓まで辿り着いたものの、愛を巡って二人は決裂し、壮絶な死闘を演じる。丸焦げのティファニーの迫力が凄い。そして、最後にティファニーの出産。それでセックスシーンをぶち込んだのかと、驚きながらも、妙に納得し、そして大いに笑った。B級ホラーなのだが、チャッキーもティファニーも愛くるしいし、このテイストは痛快だよなぁ。
