アイヴァン・ライトマン監督作「ゴーストバスターズ2」("Ghost Busters II" : 1989)[DVD]
ニューヨークが再び悪霊の脅威に見舞われ、復活したゴーストバスターズが街を救うために奮闘する様を描く、コメディ・ホラー作品。
マシュマロ・マンの惨劇から5年後。街にもたらした被害の責任を問われ、州、群、市から訴えられたゴーストバスターズ(GB)は、活動の中止を余儀なくされる。街から幽霊が消えると、GBの活躍は人々に忘れられ、いつしかペテン師扱いされる様になる。廃業同然の憂き目に遭ったGBは、ピーターは超能力番組の司会、レイモンドはオカルト書店の経営、イゴンは最新理論研究所で研究に没頭と、それぞれが別の道を歩む。一方、ピーターの元妻ディナは再婚し、美術館で絵画の修復作業に従事する。修復部の部長ヤノシュは、ディナの気を引こうと企むが、ディナはヤノシュを嫌悪する。
ある日、ディナの赤子オスカーを乗せたベビーカーが勝手に走り出し、危うくトラックに轢かれそうになる。ディナはイゴンに相談し、調査を依頼するが、その際、ピーターには伝えないように釘を刺す。ピーターはレイモンドからディナの依頼を聞き出すと、3人でディナ宅を訪ねる。オスカーと子供部屋を調査するも異常は見つからず、3人は事件が起きた路上を調査し、異常を見出す。3人は路上を無断で掘削すると、穴は地下鉄の廃線跡のトンネルに通じ、レイモンドがロープで降りる。
一方その頃、美術館では、ウクライナで生を受け、世に悪と災害をもたらした邪悪なビーゴ大公の肖像画が、ヤノシュに語りかけ、再び悪の栄える時が来た事を告げ、幼子を連れてくる様に命じる。レイはトンネル内でピンク色のスライムの川を発見し、サンプルを採取する。しかし、引き上げる時に電線を切断してしまい、ニューヨークの街に大停電が生じる。
無断で道路を掘削し、街に大停電を招いた事で、3人は告訴され、弁護士ルイスを弁護人に立て、審理に臨む。3人は街に異変が起きていると主張するが、裁判長は有罪判決を下し、3人にそれぞれ2万5千ドルの罰金と、18ヶ月の懲役を命じる。その時、証拠品のスライムが動き始め、かつて裁判長が死刑送りにした囚人、スコレーリ兄弟の亡霊が出現する。2体の亡霊は裁判所内を暴れまくり、耐え兼ねた裁判長は、判決を撤回し、幽霊退治の禁止令を解除する。3人はビーム・パックで亡霊の捕獲に成功する。
それ以降、3人の活躍は世に知れ渡り、GBは営業を再開する。街には再び幽霊が蔓延る様になり、GBはあちこちへ駆りだされ、大いに繁盛する。その最中、レイとイゴンは再びスライムを採取し、それが人間の感情や音楽に敏感に反応し、変化する事が判明する。美術館のディナを訪ねたピーターは、大勢を虐殺した狂人として、ディナが忌避しているビーゴの肖像画の存在を知る。ディナは肖像画に見られている様な不快感を訴える。その夜、ディナがオスカーを入浴させようとすると、バスタブに溜まったスライムに襲われかけ、ピーター宅に逃げ込む。
ピーターはレイモンドにディナ宅の調査を要請し、事件が片付くまでディナとオスカーを部屋で保護する事にする。イゴンはビーゴについて調べ、かつてビーゴが魔術師で狂人だった事を知る。更に、ビーゴは最期に毒を盛られ、刺殺された挙句、バラバラにされた際、生首が復活を示唆していた事が判明する。GBはビーゴとスライムが関係していると睨み、美術館に乗り込むと、ビーゴの肖像画の調査を始める。
帰宅したピーターは、オスカーをジャニーンとルイスに預け、ディナをデートに誘う。レイモンドとイゴンは、ビーゴの肖像画の写真を現像し、そこにスライムの川が写っているのを発見する。その直後、写真が全て炎上し、2人は現像室に閉じ込められるが、ウィンストンが駆け付け、2人を救出する。
その後、3人は廃線の地下鉄トンネルに潜入し、スライムの川の調査に乗り出す。しかし、測定を始めるや否や、ウィンストンが川に引きずり込まれ、レイとイゴンはウィンストンを救うために後を追って川に入る。スライムの川から脱出した3人は、スライムが憎しみを増幅させる事を知り、ディナに復縁を迫ろうとデートに興じるピーターの元に赴く。3人は、スライムが人間の行動を左右する物体で、今にも美術館から街中に流れ出そうとしている事を伝えると、ピーターと共に、市長に危機が迫っている事を直訴しに向かう。
GBは人間の負の感情がスライムと化し、超常現象を誘発していると主張するが、市長は意に介さない。GBが新聞社に連絡しようとすると、市長補佐は独断で4人を精神科病院に送致し、監禁させる。その頃、ビーゴは新年の訪れと共に、悪の季節がやってくると告げ、ヤノシュに幼子を連れてくる様に命じる。ヤノシュはディナを妻にする許可を得る。その直後、ピーター宅にヤノシュの霊体が現れ、オスカーを攫う。
ディナはヤノシュからオスカーを取り戻すべく、美術館へ向かう。ディナが館内に入ると、溢れ出したスライムが美術館を覆う。ディナはビーゴがオスカーに霊を宿す企みを知り、オスカーを救い出そうとするが、ビーゴに退けられる。地下から街中にスライムが溢れ出すと同時に、多数の幽霊が出現すると、市民はパニックを起こし逃げ惑う。見かねた市長は、補佐をクビにし、GBに出動を命じる。
街の上空を禍々しい雲が覆い始める。美術館に到着したGBは、建物を覆うスライムにビームを浴びせるが、歯が立たず、悪に対する善の力が必要だと悟る。GBは今一度、市民の善の心を呼び戻すべく、市民を先導するシンボル、自由の女神像に向かう。GBは像の内部に侵入し、スライムを撒き散らすと、午前0時に合わせて陽気な音楽でスライムを善に転化させる。女神像がスライムの作用で動き始めると、GBは女神像を操作し、美術館へ向かわせる。
ビーゴがオスカーの体に霊を移そうとすると、女神像が到着し、隙を突いてディナはオスカーを救出する。女神像が天窓を叩き割ると、GBは内部へ突入し、ヤノシュにスライムを浴びせて善化する。画から飛び出したビーゴは、GBの攻撃を退けると、オスカーを奪い、再び霊を移そうとする。その時、館外に集った市民がオールド・ラング・サインの合唱を始め、その影響でビーゴと館を覆うスライムの霊力が弱まる。GBはオスカーを救出すると、ビーゴをビームで退治し、それに伴いスライムも消滅する。GBは市民に大歓声で讃えられる。
前作も割と最近観たばかりだから、当然続編の本作も今更ながらの初鑑賞。しかし、前作がどんなストーリーだったか、もう忘れてしまい、終盤のマシュマロ・マンのシーンくらいしか覚えてない・・・。我ながら記憶力の乏しさには泣けてくる。まぁ、こうして鑑賞記を付けておけば、いつでも振り返られるだろうと、そんな風に淡々と続けているワケだが。前作と比べると、ややスケールダウンした感があるかなぁ。ビーゴってのは魔術師であり狂気の虐殺者でもあるのだが、どうにも小物臭いし、ラスボス感に欠ける。自由の女神像を動かしたのは、前作のマシュマロ・マンに匹敵するスケール感を演出しようとしたんだろうか。どうせ動かすなら、もっと暴れさせたり、巨大なスライムと戦わせたりしたら、画としては面白くなったろうに、天窓破っただけってどうもスカッとしない。続編の計画があったそうだが、最近になって立ち消えとなり、女性版GBとしてリブートするらしい。主演はクリステン・ウィグとメリッサ・マッカーシーの2人らしいから、これは相当アツい作品になるだろうなぁ。期待大。