チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

アナーキー

マイケル・アルメレイダ監督作「アナーキー」("Cymbeline" : 2014)[BD]

麻薬王の娘が独断で結婚した事に端を発し、やがて組織と警察の全面抗争に至るまでの数奇な運命の連鎖を描くクライム・スリラー作品。

ローマの麻薬王シンベリンは、警察に上納金を払う事で、組織と警察との均衡を長年保ってきた。シンベリンの後妻クィーンには、自分の息子クロートンをシンベリンの一人娘イノジェンと結婚させようという野望があった。しかしイノジェンは、シンベリンが引き取って屋敷で共に育ててきたポステュマスと独断で結婚する。それはシンベリンの逆鱗に触れる。イノジェンはシンベリンの目を盗み、ポステュマスと度々密会を繰り返す。ある夜。イノジェンは母の形見のダイヤの指輪をポステュマスに贈り、反対にポステュマスは自分の腕輪をイノジェンに贈る。密会の場に現れたシンベリンは、イノジェンに近づかぬ様に命じ、ポステュマスを追放する。シンベリンはイノジェンを屋敷に連れ戻し、常にクィーンの監視下に置かせる事にする。

ポステュマスは友人宅で居候を始める。そこで同居人のヤーキモーがポステュマスに女に関する議論を持ちかける。ポステュマスはイノジェンが高潔、聡明、貞淑な世界一の女で、誘惑には絶対に応じないと胸を張るが、ヤーキモーはそんな女は今時実在しないと反論する。ヤーキモーはポステュマスの自信を潰してやりたいと考え、イノジェンの貞淑が本当かどうか賭けようと提案し、ヤーキモーが負けたら1万ドルを支払い、ポステュマスが負けたらイノジェンの指輪を差し出すという条件を提示する。ヤーキモーは2回会う機会があれば、イノジェンの純潔をモノにしてみせると宣言し、ポステュマスはその挑戦に応じる。ポステュマスはイノジェンの操を奪えたら、ヤーキモーを自分の友にすると誓い、失敗したらイノジェンを襲おうとした代償を払う事になると告げる。

クィーンはシンベリンと旧知の仲の医師コーネリアスに、動物に試すと称し、猛毒の調合を密かに依頼する。クィーンはその薬をイノジェンの世話人ピザーニオに手渡す。

警察署長ルーシアスがシンベリンを訪ねてくる。ルーシアスがみかじめ料の増額を迫ると、シンベリンは警察の横暴に抵抗の意を示し、自尊心を示さねば麻薬王の名が廃ると突っぱねる。ルーシアスは全面抗争を示唆し、シンベリンの組織に勝ち目が無いと告げ、その場を後にする。

ポステュマスの彫刻画を携えたヤーキモーが、ポステュマスの知人と称して、イノジェンを訪ねて屋敷にやってくる。ヤーキモーはポステュマスが浮気している証拠を見せて欺くと、イノジェンを憐れみ、復讐すべきだと言葉巧みに誘惑する。憤慨したイノジェンは、侮辱された事を父に知らせると告げる。ヤーキモーは証拠が偽りだという種明かしをすると、ポステュマスが誠実で神の様に気高く魅力的な男だと説き、イノジェンが彼に相応しい女か確かめたかったと告げる。イノジェンが理解を示すと、ヤーキモーは帰り際に、ポステュマスら仲間達とある方に贈り物を買ったので、一晩だけ保管させて欲しいと請い、屋敷の中に荷物を搬入させる。

一方その頃、シンベリンの組織と警察の抗争が激化し始める。その夜、搬入された荷物の中に潜んでいたヤーキモーは、寝室で眠っているイノジェンの元へ向かう。ヤーキモーは密かにイノジェンの姿を撮影し、腕輪を奪うと、胸を覗いて特徴的なほくろを確認する。

翌朝、ヤーキモーは再び荷物の中に潜み、ポステュマスの元へ戻る。イノジェンは腕輪が無くなっている事に気付き動転する。ヤーキモーはイノジェンを口説き落とし、関係を持ったと偽り、ポステュマスに指輪を要求する。訝るポステュマスに、ヤーキモーはイノジェンの手紙、寝室で撮った写真、腕輪を差し出し、更に胸元のほくろについて話す。ポステュマスはイノジェンの貞淑の誓いが偽りだったと憤慨し、指輪を差し出す。ポステュマスはイノジェンの裏切りに怒り、殺意を抱く。

ポステュマスは愛の言葉を添えたメールをイノジェンに送り、ミルフォード・ヘイヴンに誘い出す。イノジェンは密かにミルフォード・ヘイヴンに連れ出す様にピザーニオに哀願し、ピザーニオはその要望に応じる。

かつてシンベリンの手下として辣腕を振るったベラリアスは、何者かに警察の手先だと偽証され、組織を追放された。ベラリアスはその腹いせにシンベリンの関知せぬ3歳と2歳の息子を盗み、20年間山奥で誠実に暮らしながら、2人を密かに育ててきたのだった。

ミルフォード・ヘイヴンへの道中、ピザーニオはポステュマスからイノジェンが娼婦に堕し、復讐の決意に値すると伝えられた事を明かす。ポステュマスはかつての手下であるピザーニオに、イノジェンを殺す様に依頼し、殺した証拠を提示できなければイノジェンと同類の裏切り者と解釈するという。イノジェンが当惑すると、ピザーニオはポステュマスが誰かに騙されている可能性を疑う。そこでピザーニオは、復讐は済んだと偽装する事で、時間稼ぎする様に一計を案じる。ピザーニオがイノジェンに暗い運命を受け容れるように覚悟を求めると、イノジェンは自らの腕を切り、血液を付着させた服を提供する。ピザーニオはクィーンから強壮剤として受け取った薬をイノジェンに手渡すと、屋敷に戻る。

屋敷での食事中、シンベリンはイノジェンが姿を見せないのを訝る。クィーンはポステュマスと引き離され、部屋に篭っていると告げるが、シンベリンは納得せず、クィーンはクロートンに部屋に呼びに行かせる。クロートンはイノジェンに侮辱されている事を根に持ち、ポステュマスの服を着て犯してやろうと目論む。クロートンは丁度屋敷に戻ったピザーニオを呼びつけると、イノジェンの行方を問い質し、ポステュマスの服を持ってくるように命じる。

イノジェンは髪を短く切り、容姿を変えて、徒歩でミルフォード・ヘイヴンを目指す。その途中、山奥の小屋に忍び込み、休息を取る。そこへベラリアスと2人の息子が戻ってくる。イノジェンは自分を少年と勘違いする3人に、素性を偽り、弁明する。ベラリアスはイノジェンの窮状を慮り、休んでいく様に促す。

ピザーニオはイノジェン失踪への関与を疑われ、組織に監禁される。一方、ミルフォード・ヘイヴンを目指し、山奥を通行するクロートンを、ベラリアスらが発見する。長男がクロートンと対峙し、麻薬王の息子の威厳を感じないと侮辱する。諍いが生じ、クロートンが銃を向けると、咄嗟に長男が反撃に応じ、クロートンを殺害した後、頭部を切断する。小屋で休むイノジェンは、ピザーニオから受け取った薬を飲んで眠りに就く。長男が頭部を川に投げ捨てると、ベラリアスは人目を引かぬ様に死体を処分する事に決める。小屋に戻ったベラリアス達はイノジェンが死んでいるのを発見し、クロートンと一緒に山中に弔う。

シンベリンはピザーニオを拷問にかけ、イノジェンの居場所を吐かせようと試みるが、ピザーニオの忠義を信用し、一度だけ見逃す。その頃、イノジェンは仮死状態から回復する。イノジェンは隣に横たわっている死体が、その着衣からポステュマスだと誤解し、悲嘆する。ルーシアスはポステュマスを拘束し、署に連行すると、イノジェンの失踪を伝え、彼女にはもはや戻る場所が無いと告げる。更にルーシアスはクロートンの頭部が発見された事を明かし、ポステュマスの務めが終わったと告げて解放する。ポステュマスはヤーキモー達と帰路に就き、イノジェンの血が付着した服を受け取る。そこへシンベリンの手下達が襲いかかり、ポステュマス達はシンベリンの元へ連行される。

クロートンの死が報じられると、ベラリアスは抗争の勃発を危惧し、息子達に山奥へと姿を隠す様に命じるが、2人は名を上げぬまま生き続けるのが恥だと主張し、ベラリアスは共に戦う事を許可する。シンベリンの組織が警察の掃討を開始すると、ベラリアス達も猛攻を仕掛け、組織を支援する。その頃、山中でイノジェンが警察に保護される。

拘束されたポステュマスは死んだ父の幻覚を見る。その後、ピザーニオはポステュマスを解放し、シンベリンの元へ向かう。シンベリン一派が警察を退けると、そこへコーネリアスがクィーンの死体を伴って現れ、クィーンがクロートンの死にショックを受け、自殺を図った事を伝える。コーネリアスはクィーンがその最期に、シンベリンに対する愛が無く、権力や財力を欲していただけだと告白した事を伝え、更にクィーンがイノジェンを毒殺しようと計画していた事を打ち明ける。シンベリンは長らく欺かれていた事を嘆くと、ルーシアスやヤーキモー達を纏めて処刑しようとするが、ヤーキモーの指輪がイノジェンの物だと気付き、問い質す。ヤーキモーはポステュマスをペテンにかけて奪った事を白状し、イノジェンの誠実な愛を知ったと弁解する。ポステュマスはヤーキモーに騙され、イノジェンを殺した事を打ち明けると、自分を罰する様にシンベリンに請う。そこへイノジェンが到着し、毒を飲ませたピザーニオを責める。コーネリアスはクィーンの思惑を察し、一時的に仮死状態となり、程なく回復する薬を調合して渡した事を明かす。ポステュマスとイノジェンは再び互いの愛を確かめ合う。そこへベラリアスの長男がクロートン殺害を名乗り出る。ベラリアスは兄弟がシンベリンの実子だと打ち明け、2人を返すと申し出る。シンベリンは息子達の帰還を喜び、ルーシアスに警察への協力を約束すると、自らを誑かしたクィーンの死体を焼き、平和を宣言する。イノジェンとポステュマスはバイクに乗り、走り去る。

 

 

シェイクスピアの戯曲「シンベリン」を現代劇に落とし込んだ作品。登場する人物の名称は原作のままらしく、どうりで聞き慣れない名前ばかり登場するワケだ。ストーリーは原作を無理やり現代風にこじつけたせいか、かなり突拍子も無い出来事に終始し、ちぐはぐな印象は否めない。そもそもヤーキモーの存在がイミフ過ぎて、お前はいったい何者で結局何がしたかったんだと最期まで?マークが拭えなかった。キャストに錚々たるメンバーが名を連ねている為、演技を見ているだけで退屈はしないが、アナーキーというタイトルから類推するイメージに照らすと、やっぱり何か物足りない。原作を知っていれば楽しめるのかも知れない。しかしダコタ・ジョンソンって美人だな。

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