チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

マッド・ガンズ

ジェイク・パルトロー監督作「マッド・ガンズ」("Young Ones" : 2014)[DVD]

旱魃に見舞われ、水不足に苛まれる地域に暮らす一家に起きた事件の顛末を描くSFドラマ作品。

近未来の米国。長らく大旱魃に見舞われたその地方では、水を巡って州、町、人々が対立し、争いが頻発した為、多くの者がその土地を後にする。配給食品による生活は10年続き、やがて耐え兼ねた民衆による暴動が危惧される様になる。 水の枯渇により耕作の放棄を余儀なくされたアーネストは、食料や物資等の配給品運搬を生業としながら、長女メアリー、長男ジェロームと3人で荒野の一軒家で暮らす。アーネストは酒を完全に絶つ事で、アルコール中毒から脱し、家族の為に懸命に働く。メアリーは土地の有力者サミュエルの息子フレムと密かに交際を続けるが、アーネストはそれを認めず、父娘の関係は不仲が続く。

アーネストはジェロームを連れ、運搬用のロバを引き、水の採掘場で働く従業員の元へ物資を運ぶ。従業員のリーダー、ケイレブは州境で配給品の酒を横流しし、ひと儲けしようとアーネストに提案する。アーネストは水を自分の土地にも引いてもらえないかと請うが、商業ベースが優先されるとの理由で突っぱねられる。

険しい峠道を運搬途中、ロバが転倒して骨折する。アーネストはやむを得ずロバを安楽死させる。新たに運搬手段の確保を迫られたアーネストは、サミュエルが開催するマシン競売に参加し、借金をしてカルヴィン・ホイマン社製の運搬マシン「シミュリット・シャドー」を購入する。その足でアーネストはジェロームと共に、事故で重篤な後遺症を負った妻キャサリンが入院する病院へ見舞いに行く。その帰り道、アーネストは顔馴染みの若い夫妻ロビー、スーズとその赤子を気遣い、困ったら自分を頼るように世話を焼く。

屋敷にフレムが訪れ、マシンを借りたいとアーネストに頼み込む。アーネストはサミュエルが保証人になるなら許可すると提案する。フレムは自分ならケイレブを説得して、アーネストの土地に水を引けると主張すると、アーネストを詰って立ち去る。

アーネストとジェロームはマシンで運搬を再開する。アーネストは自分の畑に水を引く条件で、ケイレブに取引を持ちかけるが拒絶される。アーネストは雨を期待し、井戸を掘る。ジェロームはアーネストの働きぶりを尊敬するが、アーネストは女っけの無いジェロームの将来を心配し、州境で会った少女の話を聞かせる。アーネストはこの不毛な土地で何かを待つのでは無く、頭で考え、体を動かす様に説いて聞かせる。

アーネストはフレムと密会を重ねるメアリーを咎め、もう会わないように告げる。メアリーはいつでも出ていけると反発し、アーネストを憎む一方で、フレムを愛している事を伝える。ジェロームは、家を出ると金を請うメアリーに、アーネストから貰った金を手渡すが、アーネストはメアリーの部屋の窓を打ち付け、出ていけないようにする。

翌日、ガレージからマシンが忽然と姿を消す。アーネストはサミュエルの元を訪ね、フレムがアーネストの土地に執着しており、配給品を運ぶ為に採掘場に向かった事を知る。アーネストはサミュエルの振る舞った酒を口にすると、フレムを探す為に峠に趣き、そこで何者かに襲われ、昏倒する。

夜、採掘場で目覚めたアーネストは、ケイレブ達に取り囲まれ、配給品から盗んだ酒を州境で売って独り占めをする嫌疑をかけられる。アーネストは誤解だと告げて説得を試みるが、聞き入れられず、ケイレブ達を退けて逃走する。峠にたどり着いたアーネストは、そこで眠りこけるフレムとマシンを発見する。アーネストがフレムを拘束して事情を問い質すと、フレムはケイレブから保険金狙いで盗むように頼まれたと弁解する。アーネストはフレムを採掘場に連行する事にする。

その途中、フレムは喉の渇きを訴え、酒でも良いから口に含みたいと請い、アーネストにも酒を勧める。アーネストは深酒のタガが外れる。フレムは州がサミュエルから土地を取り上げ、その一部をアーネストに分け与えた事に納得がいかないと告げ、そのせいで畑が台無しになったと嘆く。フレムは金が入ったら州を出る計画を明かし、ケイレブ達との約束を果たさないと只では済まないと告げると、貰った金を山分けしようと提案するが、アーネストはそれを拒否する。フレムは酔いが回り始めたアーネストに石を投げつけ、頭部に致命傷を負わせると、酒を大量に飲ませ、事故が生じた様に偽装工作を図る。

フレムは何事も無かった様にメアリーの元を訪ね、連れ出す。ジェロームはアーネストのジャケットに酒の瓶を発見して心配になり、峠に探しに向かう。その足で採掘場に向かい、マシンを発見すると、ケイレブに事情を訪ねる。ケイレブは酔い潰れたアーネストをマシンが引きずって殺し、採掘場に運んできた事を伝える。

アーネストの葬儀が行われ、ジェロームはその様子を病院のキャサリンに知らせに行く。フレムは、マシンに怒りを募らせるジェロームを宥めると、配給品の運搬を継ぎ、ケイレブと水を引くように交渉する意向を示す。フレムは家族の力になりたいと告げ、メアリーの妊娠を打ち明けると、水があれば豊かになり幸せになれると誓う。

フレムはケイレブに対し、盗みを画策してアーネストを殺したという嫌疑をかけて脅し、水を引くように迫る。程なくして、アーネストの土地に給水設備が造られ、畑と屋敷に水が届く。水で潤った畑は緑におおわれ、麦が実る。ジェロームはフレムの功績を認め、フレムとメアリーは結婚する。

しばらくした後、フレムはアーネストの土地が銀行により借金のカタになっており、これまで見向きもされなかった土地が、水が引かれて価値が出た為に差し押さえられる事を知る。土地を取り戻す為の資金確保に迫られたフレムは、マシンを持ち出すと、ロビーを欺いて赤子を連れ出し、人身売買組織に売り渡す。組織が口封じの為にロビーを殺すと、フレムは辛うじて逃走する。銃撃を受け、取り残されたマシンは、帰巣プログラムを実行する。

フレムはマシンをロビーに売ったとジェローム達に偽り、手に入れた金で土地を買い戻す。ロビーの失踪が判明すると、フレムはマシンが不幸を呼ぶと嘯く。程なくして、ジェロームはホイマン社の社長ホイマンから、マシンが本社に戻ってきたという無線連絡を受ける。ジェロームは連絡があった事をフレムに隠し、州境を超え、ホイマン社を直接訪ねる決意をする。

ジェロームは検問で出会ったアナの手引で州境を無事超え、ホイマン社に辿り着く。ジェロームはアナがかつてアーネストが話していた少女だと悟る。ジェロームはマシンがレーザーで感知した物を全て記録している事を知り、記録を遡って、アーネストの身に起きた真実を知る。ジェロームが屋敷に戻った夜、地域一帯に大雨が降る。ロビーに売ったマシンが戻ってきている事をジェロームが伝えると、フレムは動揺する。

翌日、ジェロームはキャサリンを見舞う。その後、ジェロームはロビーから無線連絡があり、フレムと話したいと伝えてきた事をフレムに伝える。当惑したフレムは、その話が嘘だと否定する。その後、ロビーからフレム宛の手紙が届く。ロビーは話をしたいと希望し、峠に食料と酒を持ってくる様にフレムに要求する。

フレムはメアリーを欺き、マシンに物資を乗せて峠に赴くが、ロビーを探す内に落とし穴に嵌り、重傷を負う。そこにジェロームが現れると、フレムは救いを請うが、ジェロームが全てを悟った事を知り、命乞いをする。ジェロームはフレムを射殺すると、マシンと共に屋敷に戻る。

フレムが自分を捨てて出て行ったと嘆くメアリーに、ジェロームは真実を伏せ、待つしか無いと宥める。ジェロームはマシンのメモリーを消去する。

 

 

近未来世界が舞台となっており、登場するロボットやガジェットの類がもうすぐ実現化しそうなレベルで、なかなかリアリティがあるのが良い。運搬用の四足歩行のロボットなんか有名なボストン・ダイナミクス製と見紛う程のデザインで、それがあたかも生き物らしく悠々自適に闊歩する様には目を見張るものがある。絶妙なチープさ加減が逆にリアルで、どこまで実物で、どこからVFXなのか、見分けがつかなかった。これらのSF要素はあくまで物語を彩る為のモノに過ぎず、主たる内容は人間の業の深さを描いたドラマである。コディ・スミット=マクフィーの真に迫る演技が見どころ。エル・ファニングもそうだが、子役はどんどん成長して大人びていくんだよね。

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