チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ランド・オブ・ザ・デッド

ジョージ・A・ロメロ監督作「ランド・オブ・ザ・デッド」("Land of the Dead" : 2005)[BD]

ゾンビが蔓延る世界で、傭兵達が街を支配する権力者に反旗を翻し、生き残る術を模索する様を描くホラー作品。

世界中に原因不明のゾンビが蔓延り、人類の多くがゾンビ化、或いは餌食とされ犠牲になる。かつてフィドラーズ・グリーンと称された米国の都市では、生き残った人々が二辺を川で、一辺を電流フェンスで仕切られた三角地帯に集まり、ゾンビの流入を防ぎながら生活を営む。そこでは中心部にそびえ立つ高層タワーに富裕層が集まり、華美な暮らしを送る一方、タワーの周辺には閉め出された貧困層がスラム街を形成し、困窮を強いられており、人々の不満が募る。タワーを乗っ取り、地域の支配者となったカウフマンは金に物を言わせて、権力を恣にする一方、自ら組織した傭兵部隊を使い、都市をゾンビから防衛させる。

傭兵部隊のリーダーを務めるライリーは、自らが設計した装甲トラック「デッド・レコニング」(デッド号)でゾンビを駆逐しながら、部下のチョロや相棒のチャーリーらと共に地方都市から物資を持ち帰り、タワーの住民に補給する任務に準ずる。デッド号には迫撃砲やマシンガン等が装備されており、更に花火を打ち上げてゾンビの気を逸らす事もでき、物資の調達には欠かせぬ存在となっている。ライリーはゾンビ同士が会話によるコミュニケーションを取っているのを目の当たりにし、ゾンビに学習能力がある事を悟る。

ライリーは街での生活に見切りをつけ、今夜の出動を最後に隊を抜け、チョロを後任に据える意向を伝えるが、チョロもまたカウフマンのゴミ処理に辟易しており、自分も辞める意向を明かす。ライリーとチョロの一行はゾンビを駆逐しつつ、郊外のスーパーマーケットで物資の調達を始める。その最中、マシーンの故障で花火が止まると、ライリーは部隊を危険に晒す事を避けるべく、撤収を命じる。チョロはその命令に従わず、同僚フォクシー、マイクと共に、酒屋へ高級酒を調達に向かう。三人は店内でゾンビと遭遇し、チョロは辛うじて退けるが、マイクが不意を突かれて手を咬まれる。マイクはゾンビ化するのを拒み、自殺を図る。一方、ゾンビの中でもとりわけ知性を帯びたビッグダディは、他のゾンビ達を率いて大群を成すと、都市部へ向けて進行を始める。

街に帰還したライリー達はタワーへの物資の搬送を始める。ライリーはマイクの死の責任をチョロに問う。チョロはこの街に自分の家を持ちたいという願望を明かすが、ライリーはタワーの人間とは身分が違い、許されないという見通しを伝える。チョロはカウフマンの元へ手土産を届けに向かう。

ライリーはタワーへの入構証を返上すると、スラムへ向かう。スラムではライリーのかつての同僚マリガンが、タワーとスラムでの暮らしぶりの違いを住民に説き、決起を呼びかける。マリガンはライリーとチャーリーを仲間に誘う。ライリーはマリガンの活動に理解を示し、フェンスを無くせば、住民が自由になれると指摘する。

ライリーはその足で工場を訪ね、街を脱出する為に購入しておいた車を取りに来るが、車が見当たらない事に不審感を抱き、売り主のチワワが仕切る盛り場を訪ねる。盛り場では、捕獲されたゾンビ同士をフェンス内で戦わせ、来場者達が賭けに興じており、娼婦スラックが餌として放り込まれる。ライリーはチワワに車の所在を問い質すが、その途中でゾンビから逃げ惑うスラックを発見すると、ゾンビを射殺してスラックを救出する。チワワは騒動に乗じて、ライリーを殺そうと企てるが、逆にライリーの反撃を受ける。その直後、チャーリーがチワワを射殺する。ライリー、チャーリー、スラックの三人は駆けつけた警察に逮捕され、牢屋に入れられる。

スラックはマリガンに協力している事をカウフマンに知られた為に、殺されるところだったと明かす。ライリーは人のいない場所、北のカナダへ脱出したいという意向を伝えると、スラックも同行を求める。程なくして、マリガンも収監される。ビッグダディ率いるゾンビの大群は、進行の途中で人間に捕らえられたゾンビ達が射撃の的にされている事を知り、憤怒する。

チョロはカウフマンに酒と葉巻を土産に献上すると、見返りに街に家を買いたいという希望を伝える。カウフマンは理事会と資格委員会の許可が要ると告げ、暗に却下すると、チョロは憤慨し、ゴミに死体を混ぜて捨てている事を暴露すると脅す。カウフマンは、用済みとなったチョロを警備を使って殺そうと企てるが、チョロは警備を撃退し、謀反を決意する。

チョロはフォクシーに仲間を集める用に指示すると、駐留地で傭兵部隊がゾンビの襲撃への対応に追われている隙に乗じて、デッド号を盗み出し、都市部からの脱走を図る。ビッグダディ達は傭兵の拠点を壊滅させると、タワーを目指して進行を続ける。

デッド号が都市部から離れると、チョロはカウフマンに無線で連絡し、500万ドルを要求する。チョロは、金を支払わなければデッド号の迫撃砲でタワーを爆破すると、カウフマンを脅す。カウフマンはチョロをテロリストに指定すると、ライリーを牢から呼び寄せる。カウフマンはライリーにデッド号の奪還と、チョロの拘束または射殺を命じる。ライリーは脱出用に買った車が消えたのは、自分を利用する為のカウフマンによる引き止め工作だったと悟る。ライリーは報酬として車と武器の支給を要求し、指定時間の0時までのデッド号奪還に向かう。チョロは部下のマウスを金の受け渡し場所の川岸の小屋へ見張りに送る。

ライリーは街の皆を守るためだと告げ、スラックを説得し、チャーリーと共に出動の装備を整える。カウフマンは応援と称して、監視役の三人、マノレッティ、モニカ、ピルズベリーを付ける。ライリーは五人を率いて、ゾンビの襲撃に遭った傭兵部隊の駐留地を訪ね、ワゴンを調達し、弾薬を補給する。一行は残っていたゾンビを排除して準備を整えるが、出発間際にマノレッティがゾンビに咬まれ、ゾンビ化を危惧したスラックがマノレッティを射殺する。

カウフマンは街を作った者としての自らに課せられた責任を側近に説き、タワーに危険が迫り次第、必要な者達だけで脱出する意向を伝える。0時まで残り30分余りとなり、ライリー達はレーダーを元にデッド号の行方を追う。道中、ライリーは街がいずれ全滅すると説くと、モニカとピルズベリーにデッド号を奪取する意向を明かし、自分達とカウフマンのどちら側に付くかの決断を迫り、両者はライリーに従う。一方、ビッグダディの率いるゾンビの大群は川岸に到達すると、マウスを食い殺し、川を渡って都市部に向かい始める。

0時が目前に迫ると、チョロは迫撃砲の弾薬を部下に装填させる。ライリー達はデッド号が見晴らしの良い山頂に来ると察知し、先回りする。カウフマンは船での脱出を企てると、金庫から大金を持ち出し、身支度を始める。川を超えたゾンビ達は都市部への侵入を始める。

ライリーはチャーリーと共にデッド号の待ち伏せに向かう。ピルズベリーはモニカの裏切りを察知し、昏倒させると、スラックと共にライリー達の援護に回る。チョロはライリーとチャーリーに気付き、デッド号に二人を招き入れると、銃を突き付ける。ライリーはチョロの追求に対し、カウフマンの命令だと認める。0時になり、チョロは迫撃砲の発射ボタンを押すが、ライリーは携行していたリモコンでロックすると、リモコンを破壊し、発射できない様にする。そこへ意識を取り戻したモニカが現れ、チョロを銃撃して負傷させるが、モニカは不意を突かれてゾンビに襲われる。ライリーとチャーリーはその隙に乗じて、デッド号を制圧する。

ライリーはチョロを殺したとカウフマンに報告するが、カウフマンは意に介さず、側近を殺して逃亡の準備を始める。程なく、ゾンビ達の襲撃により、都市部に火の手が上がると、ライリーはデッド号で住民の救出に向かう意向を一同に伝える。チョロは同行を拒否し、ワゴンでクリーヴランドを目指すと告げ、フォクシーと共に一行と別れる。

スラムにゾンビの大群が押し寄せると、フェンスで出られない住民達は立ち往生する。ライリー達はゾンビが集う橋を迂回し、外側から回り込むルートにデッド号を向ける。チョロはワゴンに向かう途中で、ゾンビに咬まれてしまう。フォクシーは銃を突き付け、チョロに自発的な決断を迫るが、チョロはゾンビになる方を選択する。チョロは自分を街の近くまで運ばせると、フォクシーにワゴンを譲って別れ、地下トンネルからタワーを目指す。

ライリー達は上がったままの跳ね橋に向かう。タワーに到達したビッグダディ達は、エントランスを破って内部に押し寄せ、取り残された住民達に襲いかかる。ライリーは跳ね橋を下げる為に操作室へ向かうが、その一方でデッド号をゾンビの群れが取り囲む。ライリーは首尾良く橋を下ろすと、ゾンビから逃れながら、デッド号の屋根に上がる。デッド号はゾンビを駆逐しながら、橋を渡り、街のフェンスに向かう。ライリーはデッド号の花火を打ち上げる事で、フェンスの前に集まるゾンビ達の気を逸らそうと試みるが、学習したゾンビにはもう通用しない事を知る。

カウフマンは使用人と共に地下駐車場に逃げ込む。カウフマンに銃撃を受けたビッグダディは憤怒し、カウフマンの後を追う。カウフマンが車に乗り込むと、そこにビッグダディが現れ、使用人は逃げ出す。ビッグダディは傍の給油機のノズルを車の窓に突き刺すと、車内にガソリンを流し込んで立ち去る。カウフマンが車を降りると、そこにゾンビ化したチョロが現れ、襲いかかる。二人を目掛けてビッグダディが火を投げ込むと、ガソリンに引火し、二人は爆死する。

ライリーは迫撃砲のロックを手動で解除するが、デッド号がフェンスの前に到着すると、住民達がゾンビに襲われた後の惨状を目の当たりにし、住民の全滅を危惧する。デッド号は迫撃砲を発射し、そこに集ったゾンビ諸共フェンスを破壊する。程なく、難を逃れた住民達が集まり始め、ライリー達は安堵する。

マリガンは理想の街の再建への協力をライリーに求めるが、ライリーは仲間達と共にデッド号でカナダを目指す決意を固める。出発間際、ビッグダディ率いるゾンビ達が彷徨う様を目撃するが、ライリーは彼らもまた行き場を探しているのだと説き、見逃す事にする。デッド号は景気付けに残った花火を打ち上げながら、北を目指して出発する。

 

 

つい先日、「ゾンビ」を初めて観たところだが、それから27年後に公開された本作を時代をひとっ飛びして鑑賞。世界観はゾンビと似通っているものの、当然の事ながら、ゾンビ自体のクオリティは飛躍的に向上しており、正当に進化した様な印象を受けた。ゾンビが人間を無残に食い殺す様子は前作と同等かそれ以上で、これがロメロらしさなんだと実感。本作ではゾンビが知性を宿しており、組織化し、徐々に学習する事でより人間と同じ事ができる様になっていく。それだけに留まらず、感情の発露まで行うのだから、末恐ろしい存在である。しかし、ゾンビが蔓延した理由は結局分からず仕舞いなんだな。アーシア・アルジェントダリオ・アルジェントの娘だが、見たのは本作が初めてかもしれない。なまら美人で甚く気に入った。

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