チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ブルー・リベンジ

ジェレミー・ソルニエ監督作「ブルー・リベンジ」("Blue Ruin" : 2013)[DVD]

両親を殺された男が、犯人の出所を知って復讐に乗り出すも、予期せぬ事態に見舞われ、窮地に陥っていく様を描くスリラー作品。

 

ヴァージニア州に暮らすドワイトは、その昔、両親を殺された後に失踪し、廃車同然の車で、長らく世捨て人同然の野宿生活を続ける。ある時、ドワイトは警官に署へと招かれ、ドワイトの両親を殺害した罪で10年間服役していたウェイド・クリーランドが釈放される事を伝えられる。警官はドワイトの身を案じてその事を伝えたのだが、ドワイトはウェイドへの復讐の念に駆られる。

ドワイトは州内の実家に住む姉サムに手紙を書いて投函すると、銃の調達を試みるが不振に終わる。ウェイドの釈放当日、ドワイトはディアフィールドの刑務所の前で張り込み、ウェイドが迎えに来たクリーランド家の身内のリムジンに乗り込むのを確認すると、その後を追う。ウェイド達がダイナーに立ち寄ると、ドワイトはナイフを携え、店の裏口から侵入し、トイレに身を潜める。程なく、ウェイドがトイレに入ってくると、ドワイトは奇襲を仕掛け、抵抗に遭いながらもウェイドを刺殺する。

ドワイトは裏口から脱出した後、リムジンをパンクさせて車で逃げようとするが、ウェイドと揉み合いになった際に、首に提げていた鍵を落としてきた事に気付く。ドワイトはリムジンの車内で鍵を見つけると、リムジンを奪って逃走を図る。やや走ったところで、後部座席に少年が乗っている事が分かり、ドワイトは停車して、両親の仇のウェイドを殺した事を伝える。少年はそれが濡れ衣だと告げ、走り去る。

襲撃の際に右手を負傷したドワイトは、リムジンを乗り捨てると、留守の民家に忍び込んで傷を手当し、服を奪って身なりを整える。ドワイトは夜になってもウェイドの死が報じられていない事を知り、ウェイドの身内が通報していない真意を訝る。

ドワイトはヒッチハイクで、サムが二人の娘と暮らす実家を訪ねる。ドワイトは、失踪して以降、心配していたサムにウェイドを殺してきた事を打ち明ける。ドワイトは、ダイナーに残してきた車が実家の名義で登録されている為に、ウェイドの身内が報復にやって来て、サム達が巻き添えになる事を危惧し、子供を連れてピッツバーグに逃れる様にサムに促す。

ドワイトはサム達を見送ると、ウェイドの身内を迎え撃つ準備を整え、待ち受ける。その夜、ドワイトの車に乗って、ライフルとボウガンで武装したウェイドの兄弟テディとカールがやってくる。ドワイトは屋内に車の合鍵を見つけると、家から脱出して車での逃走を図るが、車の前にテディが立ちはだかり、ドワイトはテディを跳ね飛ばす。ドワイトは自分とサムのどちらが狙いなのか問い質すが、テディが昏倒した為に、已む無く車内に運び込む。その時、カールの放った矢がドワイトの右腿に突き刺さるが、ドワイトは命からがら車で逃走する。

ドワイトは人気の無い場所へ逃れ、テディをトランクに移動させると、器具を購入して、自ら矢を抜こうと試みるが、無理だと分かり、病院に駆け込んだ矢先に意識を失う。

病室で目を覚ましたドワイトは、脱走して車へ戻る。ドワイトはテディが生きている事を確認すると、寄付センターで服を調達し、再び実家へ戻る。ドワイトは実家に残っていた私物を処分するが、その際に開いたアルバムから、旧友ベンが士官候補生になっていた事を知る。ドワイトは、ベンの母からケンタッキー州に暮らすベンの職場の住所を聞き、会いに行く。

夜、ドワイトはベンと再会すると、銃の融通を請う。ベンはドワイトの切迫した状況を察知し、通報するのを控え、扱いやすいミニ14を提供する。ドワイトはベンの所有する空き地を紹介され、そこに車で訪れると、トランクを開け、テディに銃を突き付ける。骨折で動けないテディは、狙いがドワイトで、通報しなかったのが身内で解決する為だと明かす。ドワイトは少年ウィリアムの話した濡れ衣の意味について問い質す。テディはドワイトの父を殺したのがウェイドでは無く、父のビッグ・ウェイドであり、ドワイトの父がビッグ・ウェイドの妻を寝とったのが原因だと明かす。ドワイトは母が巻き添えで死んだ事を知る。テディは更に、ビッグ・ウェイドが癌を患っており、またテディには前科があった為に、司法取引のできるウェイドが代わりに捕まった事、また、ビッグ・ウェイドが既に死んでいる事を明かす。ドワイトはテディに携帯を返すと、話し合って終わりにしたいという意向を伝え、身内に連絡する様に命じる。テディから電話を受け取ろうとした際に、ドワイトは不意を突かれて銃を奪われる。ドワイトはサム達だけは助ける様に請う。テディがドワイトに向けて銃を構えたその瞬間、離れた場所で様子を窺っていたベンが、テディの頭部を狙撃し、射殺する。テディはドワイトの腕を考慮し、ミニ14の代わりに散弾銃を持たせると、ドワイトの抱える事情を理解して見送る。

ドワイトはクリーランド家へ到着すると、銃を携行して屋内へ侵入するが、無人だと分かる。ドワイトは屋内で見つけた銃器を全て集めて、近くの池に投げ捨てる。ドワイトは屋内に身を潜め、身内の帰りを待つが、その夜は戻らずに朝を迎える。ドワイトはテディの死体を家の近くに埋め、墓標を立てる。その夜、カール、ウェイドの姉クリス、いとこのホープが戻ってくる。ドワイトは彼らがピッツバーグに向かおうとしている事を知ると、奇襲を仕掛け、カールを射殺する。ドワイトはサムに手を出さない事を条件に、身を引く事を提案する。その時、後から家に入ってきたウィリアムが猟銃を持って、忍び寄り、ドワイト目掛けて発砲する。ドワイトは腹部に致命傷を負う。次の発砲の直前、ドワイトはウィリアムの銃口を反らし、猟銃は弾切れになる。ドワイトはウィリアムに銃を置いて、自分の車に乗って逃げる様に促す。ウィリアムが外に出ると、ホープが屋内に隠しておいたマシンガンを取り出して、発砲する。ドワイトも咄嗟に反撃し、相打ちとなって、三人は絶命する。

翌日、ヴァージニアの実家にドワイトが投函したサム宛の手紙が届く。

 

犯罪とは無縁そうなホームレス同然の男ドワイトが、両親の仇討ちに駆られるという、シンプルながらノワール感のある復讐譚。ドワイトには当然、殺しのテクも無ければ、武器の扱いさえもままならないワケで、行き当たりばったりな行動が目立ち、見ているこちらがハラハラさせられる。一人で身を賭してケリをつけるつもりが、犯人の身内に素性がバレてしまったが為に、姉をも巻き込んでしまうと。旧友ベンの懐の深さが光ったが、それにしても、米国ってのは銃がいとも簡単に手に入る社会なんだとつくづく感じさせる。銃による犯罪が絶えないから、逆に安全を図るために銃を備えておきたいというジレンマの根深さがハンパない。犯罪一家の男より女の方が形相からして怖かった。

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