チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ターミネーター:新起動/ジェニシス

アラン・テイラー監督作「ターミネーター:新起動/ジェニシス」("Terminator Genisys" : 2015)[BD]

人類を支配するスカイネットの企みを阻止すべく、抵抗軍の若者達が刺客として送られたターミネーターを退けながら過去を往来し、スカイネットを破壊に導く様を描くSFアクション作品。

 

1997年8月29日、コンピュータ管理の防衛システム「スカイネット」が起動する。審判の日と呼ばれるその日、スカイネットは人類を敵とみなすと、核ミサイルで世界全土に攻撃を開始し、30億人が死ぬ。生き残った者達はスカイネットの機械軍が支配する荒廃した世界で、身を潜めて暮らし続け、やがて抵抗軍が組織される。2004年に生まれた孤児カイルは、ある時、ターミネーターに襲われるが、抵抗軍のリーダーであるジョンに窮地を救われる。その時以来、カイルはジョンを慕い、軍のメンバーとなる。

2029年のロサンゼルス。ジョンは抵抗軍を率いて機械軍と徹底抗戦を続け、捕虜を救出し、最終局面に至る。抵抗軍は二手に分かれ、コロラド部隊がスカイネットの中枢を叩き、ジョンはロスの敵拠点の攻撃を指揮する事になる。ジョンは敵が拠点地下に最終兵器を隠しており、敗北を悟ったスカイネットがその兵器を使うはずだと主張する。カイルはジョンと同行する事を決め、抵抗軍は最終決戦に突入する。

抵抗軍はロスの拠点に奇襲を掛けると、一斉に攻撃を開始し、機械軍の猛攻を退ける。その頃、コロラド部隊がスカイネット中枢部を破壊し、機械軍は敗北するが、スカイネットはその直前にターミネーターT-800を時間転送装置で1984年5月12日に送り込む。時間転送装置のある格納庫へ到達したジョン達は、スカイネットが装置を使用した事を察知する。ジョンは敗北を悟ったスカイネットが、母親のサラを殺す事で歴史を変え、抵抗軍を消滅させるつもりだと悟り、刺客が送られた過去に行く必要がある事を説く。カイルは自ら過去に行き、サラを守る事を志願する。

転送直前、カイルはジョンがターミネーターに襲われるのを目撃し、更にその直後、戦争の無い時間軸で、両親と共に自宅で過ごす13歳の自分の誕生日のビジョンを見る。その中では基本ソフト「ジェニシス」の起動を目前に控え、13歳の自分が「ジェニシスがスカイネットだ、起動すると審判の日が始まる、起動の前に殺せ」と警告する。

1984年に到着したT-800の前に、サラの守護者を任じるターミネーターが現れ、銃撃の後、格闘する。守護者が防戦を強いられると、サラはライフルでT-800を狙撃し、停止させる。一方、同じく1984年に到着したカイルの前には、警官を装ったT-1000が出現し、カイルに襲いかかる。カイルは店舗に逃げ込み、そこで警官二人組と遭遇する。カイルは危機が迫っている事を訴えるが、逮捕される。そこへT-1000が襲いかかり、警官の一人を殺すと、カイルともう一人の警官オブライエンは窮地に陥る。その時、サラが消防車に乗って店舗に突っ込み、カイルを救出すると、T-1000を退けて逃走する。

カイルはジョンに聞いていた話と異なり、サラが刺客とカイルの到来を知っていた事から当惑する。サラは全てが変化し、当初の1984年はもう存在しないと説き、スカイネットが送り込んだT-800を既に撃退した事を明かす。カイルは車内にいる守護者を刺客と誤解し、敵意を抱くが、サラは守護者が9歳の時に命を救ってくれた育てのおじさんだと明かす。サラは守護者の送り主が不明である事を明かし、守護者はサラの生存を願う者だと推測する。サラは未来を変え、審判の日を止めるのがジョンの新たな任務だと伝える。

その時、サラ達は再びT-1000に察知され、襲撃を受けるがこれを退け、アジトに逃げ込む。ジョンは転送直前にジョンが襲われるのを見た事を明かす。そこへ再び、T-1000が現れ、守護者を足止めすると、T-800を再起動させてカイルを襲わせる。カイルは銃火器で応戦し、辛うじてT-800を撃破する。一方、サラは強酸性溶液のタンクを仕掛けた罠にT-1000を誘き寄せ、守護者の加勢を得てT-1000の破壊に成功する。

サラはカイルを地下に構築した時間転送装置に招く。守護者は作動に未来のCPUが必要だった事を明かし、T-800から回収したCPUで装置を起動させる。守護者は転送先を1997年に設定すると、機械が電磁場を通過できない為に、カイルと二人で行くようにサラに促す。カイルは転送直前に見た、戦争の無い時間軸のビジョンと少年のメッセージについて明かすと、審判の日が始まる2017年10月に行くべきだと主張する。守護者はそれが別の時間軸のカイルだと指摘すると、電磁場で時間の分岐点を見たのだと説き、未来を大きく変える出来事が起きると分岐点が生じ、ジョンが襲われた事により二つの過去が記憶されたのだと主張する。サラはそれでも1997年に行くべきだと主張するが、カイルはビジョンの中でサラにされた掌を指でなぞるサインをして見せ、真実だと訴える。カイルは、2017年に行って起動前のスカイネットをサーバーごと破壊すべきだと主張すると、命を懸けてサラを守ると約束する。守護者はサラ達が向かう2017年まで準備を整えて待つ意向を伝え、二人を転送する。

サラとカイルは2017年のシスコのハイウェイ上へ転送されるが、テロ犯の嫌疑をかけられて警察に逮捕される。護送車の中で、サラは守護者と出会った9歳の時の事を打ち明ける。サラは両親と湖近くの小屋で暮らしていたが、ある時、父と湖で釣りをしていると、T-1000に小屋が爆発され、父親はサラの掌を指でなぞるサインと共に、振り返らずに全力で行くのだと告げたという。サラはその言葉をカイルが知っていた理由を問うと、カイルはヴィジョンの中でサラからその言葉を聞いた事を明かす。更にサラは父と生き別れた後、桟橋の下に身を潜めていたところを守護者に救われ、守護者が何があっても絶対に守ると約束した事を明かす。カイルは守護者が敵の送り込んだ刺客の可能性を疑うが、サラは守護者に育てられ、戦い方と核戦争を生き抜く術を学んだ事を告げ、反駁する。

病院に送致され、治療を受けた二人は、看護師がジェニシスの話をしているのを聞く。ジェニシスはあらゆるデバイスから生活に必要な情報に繋がる基本ソフトだという。二人に事情を聴くためにやってきた二人の刑事は、サラの記録が存在していない事と、カイルが2004年生まれの12歳の少年に一致している事を訝る。そこにかつて1984年にカイル達と出会った警官オブライエンが現れ、二人が過去から来た為だと主張するも、刑事達は意に介さず、安全保障省に一任する事を決める。

程なく、安全保障省の職員を装ったジョンが現れる。ジョンは警護官を退けると、二人に脱出を促す。サラはジョンに本人の証明を求め、ジョンはサラしか知り得ない私的な趣味について話す事で信頼を得る。二人はジョンに連れられて駐車場へ辿り着く。ジョンはそこでカイルが父親である事を明かし、カイルは当惑する。ジョンは世界が変わってしまう可能性があった事を伝え、カイルに理解を求めると、三人で力を合わせる様に促す。そこに守護者が現れ、ジョンを銃撃する。サラとカイルは守護者の真意を図りかねるが、ジョンはターミネーターT-3000としての姿を露わにする。ジョンはスカイネットが人間でも機械でもない、それ以上の存在に変化させたと説くと、抵抗軍が破壊したのがスカイネットの手下に過ぎなかった事、自らはスカイネットを守る為に2014年に転送された事を明かす。ジョンは24時間足らずで審判の日が始まる事を伝え、家族として未来へ行くように二人に呼びかけ、応じなければ殺す意向を示す。サラは自分を殺せばジョンも消滅する事を説くが、ジョンは自分達が時間軸を漂流している存在であり、殺しても問題が無いと主張する。

守護者はジョンと交戦し、院内のMRIに吸い寄せてジョンを足止めすると、三人は病院から車で脱出する。守護者はT-3000が人間を分子サイズの機械に感染させ、細胞レベルで人体を再構築しており、磁場の結合を乱せば破壊する望みがある事を明かす。カイルはジョンを元に戻す方法を模索すべきだと主張するが、守護者はそれを否定し、サラはジョンがもはや救世主では無く、スカイネットそのものだと諭す。一方、ジョンはサイバーダインに戻る。ジェニシス開発と液体金属によるロボット開発を主導してきたジョンは、時間転送装置の前身である電磁場発生器の建造を進め、ジェニシスの起動までの進捗を確認する。

サラ達はアジトに到着し、守護者が予め用意した装備でサイバーダイン襲撃の準備を始める。守護者は対T-3000用の電磁気ナックルを作成する。カイルはサラに、ジョンを儲ける事を話さなかった理由を問い質す。サラは自分と恋をし、ジョンを作った後、カイルが48時間以内に命を落とす事を伝えるべきか逡巡した事を明かす。サラは人類の存亡が掛かった自分に生き方を選択する余地が無い事を告げ、カイルに死んでまで自分を愛するべきなのか問う。

そこにジョンが現れ、サラ達は銃火器で応戦し、スクールバスに乗って逃走を図る。ジョンは追跡の後にバスに飛び移ると、守護者を車外に退け、バスが橋に差し掛かったところで、バスを横転させる。カイルはジョンをナックルで撃退し、バス諸共ジョンを海に転落させ、二人は守護者に救出される。しかし、サラ達はその場で駆け付けた警察に包囲され、逮捕される。

サラ達は署に連行され、取り調べを受ける。オブライエンは署にその時代の12歳のカイルと両親を確認の為に招く。ジョンは刑事の一人に成り済まして署内に侵入する。守護者はそれを察知し、ジョンと交戦する。オブライエンはサラ達を救出すると、脱出を手引する。その最中、サラは少年カイルと遭遇し、退路へ誘導すると、掌をなぞるサインと共に、父の言葉を伝える。

サラ達は武器庫で武装すると、屋上でヘリに乗り込む。オブライエンがサラ達を見送ると、そこにジョンが現れ、ヘリで追跡を始める。サラ達はジョンの猛追を躱しながら、サイバーダイン上空へ辿り着くと、守護者が体当たりでジョンのヘリを墜落させる。

ジョンはサイバーダイン内部へ先回りし、サラとカイルは遅れて内部へ侵入する。エントランスでジェニシスのイメージが二人の前に登場し、起動時間を半日以上早める。そこにジョンが現れると、守護者が駆け付け、ジョンを串刺しにして足止めする。守護者はジェニシスが進化によって予定より早く起動する事を告げると、三人は地下のサーバールームへ侵入し、手分けして爆弾を仕掛ける。

そこにジョンが現れ、サラから起動装置を奪おうとする。サラは装置を守護者に投げ渡して起爆を促すが、守護者はサラを殺す事ができない為に、駆け付けたカイルに手渡そうとする。サラはカイルに起爆を促すが、ジョンはそれを制止し、装置を破壊する。守護者はナックルを用いてジョンと格闘し、電磁場発生器の格納されたロボット製造プラントに連れ込む。ジェニシスはサラとカイルを閉じ込め、二人の敗北を告げる。

守護者はT-3000の圧倒的な力の前に苦戦を強いられる。サラとカイルは爆弾で封鎖を解くと、電磁場発生器へ向かい、守護者に加勢する。守護者はナックルでT-3000を捕らえて動きを封じると、スカイネットの起動前にT-3000を消滅させる為に、電磁場発生器の中に入り、カイルに装置の起動を命じる。カイルは守護者の消滅を拒むサラの制止を振り切り、装置を起動する。強力な電磁場が発生すると、T-3000は粉砕され、守護者は上半身が弾き出されて、液体金属炉に沈み込む。

電磁場により、サーバーに仕掛けた爆弾の爆発が誘起されると、サラ達は既のところで地下シェルターに逃げ込み、サイバーダインは全壊する。カイルはこの時間軸ではサラを愛した人が死ぬわけでは無いと説き、スカイネットが滅んだ今、好きな生き方が選べるのだと諭す。その時、液体金属でアップグレードした守護者が現れ、シェルターに閉じ込められた二人を救出する。

その後、サラ達は少年カイルの自宅を訪ねる。カイルはヴィジョンで見た通りに、ジェニシスがスカイネットだ、起動する前に破壊しろと、少年カイルに伝える。サラは人生を自分で選ぶ意向を告げ、カイルにキスをする。サラ達は安住の地を求めて出発する。その頃、サイバーダイン地下に無傷で残った心臓部にスカイネットが復活する。

 

 

本作も映画館で観てきたので、これが二度目の鑑賞。続編というべきかリブートというべきか、キャメロンの二作目から後の三作目、四作目は評判が芳しくないので、シリーズ全体としては成功したとは言い切れない部分があるのだが、そこへ本作の投入である。これがまたファンには受け入れ難い内容だったらしい。僕はそんなに腐す程、悪い作品だとは思わなかったのだが、皆、目というか感覚が肥えてしまったのでは無いだろうか。そもそもタイムトラベル作品にはモヤモヤが付き物で、その辺は割り切って考えないと興ざめするのは容易い。大体、歴史が変わる起点は行動を起こした時点なのか、或いは企図した時点なのか、僕なんかその段階でモヤモヤするから、深く考えないようにしている。白髪のシュワルツェネッガーターミネーターを演じているだけで激渋で最高にカッコ良い。これはこれまでのシリーズではあり得なかったくらい斬新なビジュアルだ。イ・ビョンホンのT-1000はもう少し見せ場があっても良かったが、そうするとジェイソン・クラークのT-3000と競合してしまうから、あれが限度だったのだろうか。敢えて二作目の時と同じ様なクオリティで描かれているのが、スター・ウォーズの最新作にも見られた懐古趣味らしくて好感が持てた。続編を作って欲しいのだが、この不評ぶりでは無理だろうか。枯れたシュワの演じるターミネーターがまた見たいんや。

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