チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

寄生獣 完結編

山崎貴監督作「寄生獣 完結編」(2015)[BD]

右腕に寄生生物を宿した青年が、人類の存亡を賭け、都市に蔓延る凶悪な寄生生物との戦いに挑む様を描くSFアクション作品。

 

新一は母を喪った事で寄生生物を根絶やしにする使命に駆られ、街に潜む寄生生物をミギーと共に見つけ出しては始末していく。平間は捜査の途上で、寄生生物を殺して回っている者の存在を察知する。死体の発見場所の多くが新一の生活圏であり、その内の一つが新一の母親、更に新一の通う高校で島田による虐殺が起こった事から、平間は新一と寄生生物との関わりを疑う。

ある時、新一は自らを尾行し、監視する存在に気付く。ミギーは同種殺しの危険を説き、止める様に新一に促すが、新一は犠牲になる人間を一人でも減らし、ゆくゆくは市役所を乗っ取った広川を始め、寄生生物のリーダーを倒す思惑を明かす。

寄生生物のコロニーと化した市役所において、広川は一連の寄生生物の殺害が新一の仕業だと確信し、田宮に意見を求める。出産を終え、赤子の世話を行う田宮は、それが母を喪った怒りによる一時的な現象であり、新一とミギーを生かして観察すべきだと説くと、人間との共存を目指すなら新一達が希望だと主張する。広川の側近の草野は後藤の意見を求める様に進言するが、田宮はそれを否定し、計画的に人間を捕食していけば騒ぎが沈静化し、やがて静音に生息できる様になると説く。

一方、三木がトレーニングと称して暴力団事務所を襲撃し、全滅させる。広川は後藤に三木の身勝手な行為を慎む様に訴えると、仲間内で新一とミギーを殺すべきだという意見が募っている事を伝える。後藤は新一とミギーを殺すように促すが、広川は田宮の観察すべきだという意向を伝え、難色を示す。

田宮は、妻を亡くした後、男手一つで娘を育てるジャーナリストの倉森を言葉巧みに懐柔し、新一の動向を監視させる。一人娘の由美の為にも再婚を希望し、田宮と親しくなりたい倉森は、新一と寄生生物の関係を知り、真実を公表すべきだと田宮に主張する。田宮は倉森との関係継続を仄めかし、公表を留める様に頼む。

校内の閉鎖された虐殺現場を訪ねた里美は、何事も無かった様に皆が生活している事、大人が全て忘れる様に仕向ける事に戸惑いを禁じ得ず、新一が知っている事について問い質し、責め立てる。

下校時、新一は倉森の尾行を察知すると、誘き出して目的を問い質す。秘密を知られた事が分かると、ミギーは倉森を殺すべきだと主張するが、新一はそれを制止する。新一は倉森が撮った写真を確認すると、全て消去する様に要求するが、倉森は社会の為に公表すべきだと主張する。倉森は田宮から相談を受け、新一の監視を始めた事を打ち明ける。

新一は田宮の暮らすマンションへ赴く。ミギーは田宮が宣言通りに出産と育児を実行している事に驚く。田宮は母なるものを知るための実験だと説くが、新一は人間を食う化物が人間の母親になれるはずがないと主張する。田宮は仲間が新一達を殺したがっている事を伝え、自分の心配をすべきだと説くと、人間以外の食料に慣れる様に仲間を教育している途上であり、自分を信じて待ってくれれば、身の安全を保証する事を伝える。

新一は田宮との会話を無線で倉森に聞かせており、倉森は田宮に利用されていた事を知って衝撃を受ける。新一は田宮が寄生生物のリーダー的存在であり、市役所が根城と化している事を伝えると、これ以上関わらず、遠くへ逃げる様に倉森に促す。騙された事に憤慨した倉森は、市役所を訪ねると、取材という名目で広川と会い、その際に部屋に盗聴器を仕掛ける。しかし、草野がそれに気付き、広川は田宮に知らせる事なく、倉森と新一達を殺す様に指示する。

下校時、里美は新一を責めた事を詫び、新一の苦悩を慮る。新一は泣けなくなった事を明かし、人間らしい心を失ってしまった事を懸念するが、里美はそれを否定する。その時、ミギーが敵の接近を感知し、刺客だと判断した為、新一は公園に逃げ込み、刺客を待ち伏せる。そこへ両手両足にそれぞれ寄生生物を宿し、一つの脳で統率する三木が現れ、新一は勝ち目が無いと悟る。しかし、実際には三木は完全に手足を統率しきれておらず、戦闘能力が高くない事が判明し、ミギーは攻勢に出て三木の首を切断する。新一は止めを刺そうとするが、通行人が近づいた為にその場から離脱する。ミギーは身を案じて家に帰らぬ様に新一に促す。その直後、本来の司令塔である後藤が右手から頭に移り、三木を右手に呼び戻して復活を遂げる。一方、その頃、倉森はテレビ局に撮った写真を高値で売り捌こうと画策する。倉森がアパートに由美を残して外出した直後に、刺客の二人が侵入する。程なく帰宅した倉森は自宅が襲撃され、由美が殺された事を知って、悲嘆の余り、狂乱する。平間は倉森を聴取し、重要な秘密を関知していないか問い質す。

田宮は市役所に赴き、自分に無断で事を起こした事について広川を咎める。広川は組織に危険が及べば排除しなければならないと主張するが、田宮は殺すなら完遂すべきだと叱責する。田宮は倉森を逃し、娘だけを殺した事が愚か過ぎると説くと、広川達が人間の本質を全く理解できておらず、自分自身より大切な他者を奪われた時の怒りと憎しみが狂気へと導くのだと主張する。更に田宮は、人間の本質が集団で一つの生物の様に組織化されている事だと説き、それに逆らえば寄生生物が敗北すると諭す。

マンションの一室で赤子を育成する田宮は、次第に人間の感情を理解し始め、人間の様に笑う事で赤子をあやす様になる。程なく、田宮は草野が率いる刺客三人を感知し、駐車場へ誘き寄せると、返り討ちにする。その頃、倉森は警察に保護されていたホテルから抜け出し、姿を消す。平間はそれを知ると、部下を率いて捜索に向かう。部屋に戻った田宮は、赤子が倉森にさらわれた事を知る。

山岸はSATを招集すると、自らが指揮を取り、市役所内に潜伏する寄生生物の殲滅作戦に乗り出す。倉森は赤子を連れて動物園に辿り着くと、連絡してきた平間に対し、化物のリーダーとその子供を殺す意向を伝える。田宮は倉森の行き先を掴むべく、新一の自宅を訪ね、そこで里美と遭遇する。田宮は倉森から連絡を受け、動物園にいる事を伝えられると、新一の番号を里美から聞き出し、潜伏中の新一に預けたい物があると告げ、動物園へ呼び出す。

市役所に到着したSATは、庁舎内の人間を全てホールに誘導した後、スキャナーで寄生生物を発見次第、駆除していく。動物園に駆け付けた田宮は、倉森に目的を尋ねる。倉森は田宮に自分と同じ目に遭わせる事だと明かし、赤子を高所から下に落とそうと企てる。田宮はそれが人間らしい不条理な心理行動だと説き、娘を殺したのは自分では無いと訴えるが、倉森は田宮が元凶だと告げる。そこに新一が駆け付け、倉森に翻意を促す。

庁舎内では追い詰められた寄生生物がその姿を露わにし、人間達は騒然とする。広川は仲間と共に庁舎内に逃げ込む。山岸は、寄生生物と人間を見分けられる猟奇殺人犯の浦上を利用する事で、庁舎内に潜む寄生生物を発見し、SATと共に殲滅していく。

新一は田宮にとって出産と育児がただの実験にすぎない事を明かし、赤子を殺しても意味が無い事を伝え、倉森の説得を試みる。倉森は衆人環視の中で力づくで赤子を奪う様に田宮を挑発する。田宮は、強く恐ろしい人間に比べれば、寄生生物が惨めでか弱く、それのみでは生きていけない細胞体だと主張し、いじめない様に願う。更に田宮は人間と寄生生物が併せて一つの家族だという持論を述べ、自分達が人間の子供であり、新一とミギーが両者を結ぶ希望だと説く。その時、平間が部下を率いて駆け付ける。倉森は田宮の正体を暴くために赤子を投げ捨てようとする。その瞬間、田宮は触手で倉森の体を貫き、赤子を奪還する。思惑を果たした倉森は身投げして死ぬ。平間達は田宮に銃を向ける。

庁舎内では山岸率いるSATがホールに突入し、広川を追い詰める。広川は人間の勝利を認めながらも、生物全体のバランスを保つ役割を担う自分達に比べれば、人間こそ地球を蝕む寄生獣だと説く。SATは広川を射殺する。そこに後藤が姿を現し、広川が実は寄生生物に肩入れしていた人間だった事が判明する。SATは後藤に総攻撃を行うが、後藤の圧倒的な力で全滅させられる。浦上はその隙に乗じて逃亡する。

平間は田宮に近づけば撃つと警告を発するが、田宮は新一に赤子を預ける為に歩み寄り、平間達の銃撃を受けて致命傷を追う。田宮は自らを犠牲にして守った赤子を新一に託す。田宮は長らくこの世に生まれてきた理由を探し続けて来た事を明かし、子供と二人だけで生きてみたかったという願望を伝えると絶命する。新一は残された赤子に母親の死を伝え、涙する。そこに里美が駆けつけると、新一は涙が戻ってきた事を伝える。

平間達はSATが全滅したとの連絡を受け、市役所へ急行する。ミギーは後藤の圧倒的な戦闘能力を察知して慄き、新一に逃げる様に促す。平間は後藤に発砲するが、弾き返された銃弾で殺される。新一はミギーの運転する車で逃走を図ると、後藤はバイクで追跡を始める。山道に差し掛かったところで新一達の車は後藤の襲撃を受け、転落させられる。辛うじて脱出した新一は森の中に逃げ込む。ミギーは後藤が感知できるのが自分だけだと説き、新一と分離する事で奇襲を企てる。しかし、後藤に計画が阻まれ、奇襲が失敗すると、ミギーは新一に自分を置いて逃げる様に命じる。ミギーは後藤に力及ばす敗れる。

その夜、新一は廃棄物処理場内の物置に逃げ込む。そこへ里美から連絡があり、新一は居場所を伝える。程なく駆け付けた里美は、負傷した新一を介抱する。里美は全てを失ったと嘆く新一に、自分がいる事を伝えて慰め、二人は愛し合う。

朝を迎えると、新一は失った右手にミギーの細胞片を見つけ、後藤が感知し得る事を悟る。後藤が処理場へ到達すると、新一は里美の制止を振り切って後藤の前に姿を現し、焼却炉内に誘い込む。新一は後藤の力に圧倒され、窮地に陥るが、隙を突いて、拾った鉄棒を後藤の脇腹に突き刺す。後藤は人間を食い殺せと自分の中で声が鳴り響いている事を明かすと、それが人間自身の発する声だと説く。後藤は人間が増えて困るのは人間自身であり、自分達が人間を救っているのだと主張すると、触手で新一を殺そうとする。その時、後藤の体に吸収され潜んでいたミギーが新一と再び融合する。新一が後藤に刺した鉄棒に大量の放射性物質が付着していた為に、後藤の両手両足の寄生生物が逃げ出そうとして統率を失い、その形状を維持できなくなる。ミギーは弱体化した後藤に引導を渡し、後藤は胴体を残してバラバラに四散する。しかし、後藤はその驚異的な生命力で復活を試み始める。新一は心臓に止めを刺そうとするが、田宮の言葉を想起して思い留まり、その場を去ろうとする。しかし、新一は再び翻意し、守りたいものの存在を明かすと、人間が利己的である事を認め、後藤の胴体を炎の中に投げ込む。

その後、寄生生物の活動は目立たくなり、新一は穏やかな日常を取り戻す。ミギーは寄生生物が変化する事で人間社会に溶け込み、共存が現実になりつつあると主張すると共に、自らに生じた変化を打ち明ける。新一が焼却炉の放射性物質で過剰に被爆した為に、ミギーは細胞の修復に大量の健康な細胞を使った事で、形を維持するのが難しくなったという。ミギーは無期限の休眠状態に入る事を明かすと、別れを惜しむ新一に感謝を告げ、元の右手に戻る。

ある日、新一は里美と共に、保育園に預けられた田宮の子たいきと面会し、その成長ぶりを見守る。その後、二人はデートに興じるが、新一が目を離した隙に里美が浦上に連れ去られる。新一は浦上を追ってビルの屋上へ辿り着く。浦上は里美にナイフを突き付けて脅すと、人間の自分が殺人を行う理由について、人間では無い新一に問いかける。浦上はその答えが自分がまともな人間だからと説き、人間が元々互いを殺したがっている生き物だと主張すると、自分こそが本当の人間だと認める様に新一に迫る。新一は自分が化物だと認めようとするが、里美はそれを否定し、新一が人間であり、浦上こそ化物だと指摘する。浦上が里美を屋上から突き落とすと、新一は咄嗟に浦上を殴り飛ばし、里美を救おうとするが、手を掴み損ねて里美は転落する。悲嘆する新一にミギーの声が語りかけ、違う種の苦しみを感じ取る事ができ、寄り添い合って生きていけるのは、人間の愛おしい特性だと説く。その瞬間、転落が錯覚で、新一は里美の手を掴んでいた事に気付く。新一は里美を救い上げ、右手に呼びかけるもミギーは現れず、里美はその右手に感謝を伝える。新一はかつて子犬の亡骸をゴミ箱に無慈悲に捨てた件について、その後に樹の根本に埋め直した事を明かし、里美を抱き寄せる。

 

 

前編を観た時にも書いた覚えがあるのだが、数年前に遅ればせながら原作を一気読みしたばかりだというのに、ほとんどストーリーが抜けてしまっていたから、いちいち比較する事無く楽しむ事はできた。邦画SFとしては演出面でなかなか頑張っていると思うが、脚本はもう少し深みが欲しかったかなと。いろいろ詰め込もうとして無理が祟った様な気が抜けた炭酸の様な感じ。それでも焼却炉での後藤との戦闘はなかなか見応えがあった。かなり被爆したはずなのになんでピンピンしてんだろうってモヤモヤしていたところに、ミギーがしっかりフォローしてくれてスッキリしたのは良かった。セックスシーンはなんだかハリウッドを意識して取ってつけた様に突拍子の無さだけが際立って、別に無くても良かったが、日本の若手女優はどれも似たような清純派ばかりで飽和状態だから、橋本愛がこういう役を演じるのは好感が持てる。

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