チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女

アナ・リリ・アミリプール監督作「ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女」("A Girl Walks Home Alone at Night" : 2014)[DVD]

小さな町の青年が、獲物を求めて夜な夜な現れるヴァンパイアの女と出会い、やがて惹かれていく様を描くホラー作品。

 

イランのとある小さな町バッドシティ。何でも屋として日銭を稼ぐアラシュは、アパートで居候の父ホセインと猫と共に暮らしている。ホセインはそのギャンブルと女好きが災いし、母に愛想を尽かされて捨てられた挙句、ヘロイン中毒を患っている。アラシュは6年に及ぶ仕事の稼ぎで一台のクラシックカーを購入する。

ある夜、ホセインをヘロイン漬けにしたドラッグの密売人でポン引きのサイードが、ホセインに貸した金の取り立てにやって来る。サイードはホセインから回収できない事を悟ると、代わりとしてアラシュの車を奪い取る。憤慨したアラシュは、怒りにまかせて壁を殴りつけ、怪我をする。

翌日、アラシュは仕事の依頼を受け、金持ちの娘シャエダフが住む屋敷に訪れる。アラシュは作業中に、密かにシャエダフのピアスを盗み取る。その夜、サイードはアラシュの車を乗り回し、娼婦アッティを拾うと、稼ぎを受け取った後、オーラルをさせる。その最中、サイードはミラー越しに、車の後方に立つチャドルを纏った若い女に気付いて振り返る。しかし、そこに女の姿は無く、訝しく思ったサイードは、アッティに取り分を与えもせず、車外へ追い出す。

女は自室でメイクを施した後、再びチャドルを纏って、人通りのない夜道を歩き、サイードとすれ違う。サイードはこちらをじっと見つめる女に興味を抱き、自宅に連れ込む。サイードはドラッグに興じた後、女にも勧めるが、女はそれに反応せず、サイードが指で女の口元に触れると、女は二本の牙を露わにする。女はサイードの指をしゃぶった後、本性を剥き出しにして指を噛み千切る。サイードが驚き、たじろぐと、女はサイードの首元に咬み付き、殺した後、サイードの所持する時計や宝飾品を奪い取る。

サイードのアパートの前に自転車で通りがかったアラシュは、車を見てサイードの在宅を知ると、車の返却の交渉を持ちかけるべく、電話をかける。その時、口元を血で染めた女が中から現れ、アラシュは女とすれ違い、サイードの部屋に向かう。アラシュは室内でサイードの死体を発見すると、車の鍵を取り戻し、更にドラッグや現金、銃が詰まったケースを奪って帰路に就く。

ある夜、ホセインはアッティに会いに行くが、金が無い為に袖にされる。その直後、ホセインは女と遭遇するが、その挙動に不気味さを感じて逃げ帰る。その後、女はスケボーを抱えた浮浪児の前に立ちはだかる。女は慄く浮浪児に、良い子なのかと何度となく問い質す。浮浪児がそれを肯定すると、女は本性を露わにし、正直に答えなければ、頭蓋骨から目玉を繰り抜いて犬の餌にすると脅す。女は良い子でいるように浮浪児に命じ、命が尽きるまで見ていると告げる。浮浪児がスケボーを置いて逃げ去ると、女はそれを奪う。

一方、アラシュはホセインの介抱をした後、自作したドラキュラの衣装を纏って、クラブで行われる仮装パーティに参加する。アラシュは偶然を装ってシャエダフと再会し、持参したドラッグを譲るが、アラシュもまたシャエダフに促され、ドラッグを飲む。酩酊したアラシュはシャエダフと共に踊りに興じ、やがてシャエダフに魅せられ、キスをしようとするが拒絶される。アラシュは前後不覚の状態で店を抜け出すと、住宅街に迷い込み、そこでスケボーに乗った女と遭遇する。アラシュは道に迷った事を明かすと、女がここにいる理由を尋ねる。女はそれに答えず、アラシュは女の体が冷たい事を知り、抱き締める。アラシュがその場に座り込むと、女は自分の家が近くにある事を明かし、アラシュを招く。女が部屋で音楽をかけると、アラシュは背後から女に近づく。振り向いた女はアラシュの首元を睨みつけると、顔をアラシュの胸元に寄せる。

翌朝、帰宅したアラシュはホセインに異変を察知され、名前も素性も知らない女の家に行った事を明かす。その夜、アッティはサイードへの意趣返しとして、アラシュの車を傷つける。そこに女が現れ、アッティの後をつける。アッティがその理由を女に問い質すと、女はサイードから奪った宝飾品を見せる。アッティは女を自宅へ連れ込み、どこで手に入れたのかを尋ねる。女はそれを無視し、アッティが仕事を嫌っていると指摘すると、何が欲しいのか分からず、欲しがる事もとうの昔に忘れた悲しい人だと説く。アッティは、物事が変わると思っているのは馬鹿と金持ちだけであり、何も変わらないのだと主張する。女はアッティに貯金をしている理由を尋ねる。アッティは女を泥棒だと疑うが、女はそれを否定する。女はアッティと別れた後、ホームレスの男を襲って、帰路に就く。女は部屋のドアに貼られた、明晩10時に発電所へ来て欲しいという、アラシュの書き置きを見つける。

翌番、アラシュは女と発電所前で落ち合う。女はアラシュの差し入れたハンバーガーを口にせず、また名前を尋ねられても口を閉ざすが、好きな曲はライオネル・リッチーの「ハロー」だと明かす。アラシュは女に自分の事を何も知らないと告げられ、ピアスの穴が開いていない事を指摘すると、シャエダフから盗み取ったピアスを贈る。女は安全ピンを取り出し、穴を開ける様に促す。アラシュはそれに応じ、女の両耳に穴を開けると、女はピアスを着ける。アラシュは女にキスをしようとするが、女は自分が罪深く、悪い子だと明かし、アラシュが何も知らないと告げる。アラシュは、今、山の向こうから大きな嵐が襲ってきたら気持ちが変わるかと尋ねるが、女はそれに答えず、その場から立ち去る。

ある日、ホセインはヘロインの影響で錯乱し、自分を捨てて去った妻に悪態を付いて暴れ出す。我慢の限界に達したアラシュは、ホセインに大金と薬を投げ渡すと、猫を連れて出て行くように命じる。その夜、ホセインはアッティの部屋に身を寄せると、アッティを金で買い、ヘロインの注射を無理強いする。ホセインは自らにも注射をし、倒錯していく。それを察知した女は、部屋に駆けつけると、ホセインを投げ倒し、噛み殺す。女はアッティと共にホセインの死体を路上に遺棄する。その様子を浮浪児が目撃する。女はアッティに促されるままに、ホセインの猫を抱えて立ち去る。

翌日、アラシュは浮浪児にホセインの死体が遺棄された場所へ誘われ、茫然自失する。アラシュは浮浪児に見た事を教えるように問い質すが、浮浪児は誰も見ていないと口を噤む。アラシュは自宅の荷物を纏めて持ち出す。その夜、アラシュは車で女の部屋を訪ねると、女に一緒に町を出る様に促す。女はアラシュに独りぼっちは嫌だと請われ、身支度を始める。そこにホセインの猫が現れ、アラシュは真実を悟る。

アラシュは女と猫を車に乗せると、町を離れる。道中、怒りが抑えられなくなったアラシュは、突然、車を停めて外に出る。程なく、アラシュは落ち着きを取り戻すと、車内に戻り、音楽をかける。アラシュと女は徐ろに見つめ合う。二人を乗せた車はそのまま走り去る。

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