チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

素敵な相棒 フランクじいさんとロボットヘルパー

ジェイク・シュライアー監督作「素敵な相棒 フランクじいさんとロボットヘルパー」("Robot & Frank" : 2012)[DVD]

泥棒稼業を引退して久しい独居老人が、息子に与えられた万能介助ロボットを活用し、再び泥棒に乗り出す様を描くSFコメディ・ドラマ作品。

 

近未来のニューヨーク。かつて泥棒稼業で腕を鳴らしたフランクは、30歳で捕まり、長期の服役を経てリタイアした後、妻と離婚し、30年の歳月が経過する。町外れの家で隠居生活を送るフランクは、物忘れが激しくなり、それぞれ別々に暮らす息子ハンターと娘マディソンの記憶すら覚束なくなる。トルクメニスタンで支援活動に従事するマディソンは、フランクの身を案じて、頻繁に連絡を寄越してくる一方、妻子を持つハンターは毎週末に往復10時間をかけてフランクの様子見と世話にやって来る。フランクは散歩がてら町に繰り出し、図書館に赴くのを日課にしており、好意を寄せる同年代の司書ジェニファーと親密になろうと図る。また、フランクは未だに盗み癖が収まらず、馴染みの石鹸屋に寄っては、商品を盗み取ってくる。

ある週末、ハンターがいつもの様にフランクの家にやってくる。フランクは施設入りを頑なに拒むと共に、世話も不要だと主張する。フランクの衰えていく姿を見かねたハンターは、最新の生活支援用人型ロボットを持参し、フランクは不快感を露わにする。ハンターは自分の気苦労を一顧だにしないフランクに呆れ果て、ロボットか施設入りかの選択を突き付けて帰っていく。

ロボットは家事や買い物などを完璧にこなすだけで無く、フランクの生活をつぶさに管理し、健康増進を図ろうとする。ロボットはフランクに規則正しく生活すると共に、趣味を持って認知機能の改善を図る様に促すが、フランクはそれを拒み、我を押し通す。それでもロボットは常にフランクに付き添い、支援する。

図書館の運営主体がNPOに移る事になり、館内はデジタル化して大幅に改装される運びとなる。NPO代表のジェイクは、図書館にやってきたフランクを古臭い人間として軽侮する。ジェニファーは、リサイクルされない稀覯本ドン・キホーテ」の存在をフランクに明かす。

フランクは帰り際に、いつもの様に石鹸を盗み出そうと企てるも、店主に察知されて断念する。その様子を見ていたロボットは、フランクの代わりに、密かに石鹸を盗み取ってきた事を明かす。その一件で、ロボットが盗みについては理解しているものの、法律についてはプログラムされておらず、善悪の判断が付かない事が判明する。

フランクは、趣味を持つ様に促すロボットに、教えるのが趣味だと説く事で、道具を用いた錠前破りを伝授する。フランクは過去の泥棒稼業について明かすと、専門が単価の高い宝石であり、一級品を盗めば誰も損失を被らないという持論を説く。ロボットは錠前破りを即座に会得する。

早速、フランクはロボットを連れて、改装作業で閉館中の図書館へ下見に赴く。ジェニファーは資金集めのパーティが催される事を明かし、フランクを誘う。フランクはそれに応じると、防犯カメラとアラームの位置を確認して帰路に就く。ロボットは、夜間の侵入がフランクの健康管理に支障を来す事に難色を示すが、フランクは刺激的で運動になると説き、相棒として黙って従う様にロボットに命じる。マディソンはフランクをロボット任せにするハンターを非難するが、フランクはロボットに満足している事をハンターに伝える。

その夜、フランクはロボットと共に図書館に侵入すると、ロボットの錠前破りで首尾良く、ジェニファーに贈る為のドン・キホーテを盗み出すも、老眼鏡を置き忘れてくる。フランクはしばしばロボットとハンターを混同する様になる。

翌日、マディソンが連絡を寄越し、フランクがハンターに捨てられたのだと主張する。その夜、フランクはジェニファーと共にパーティに出席する。ジェイクが妻エヴァを連れて挨拶に現れ、再びフランクを軽侮する。ジェイクはフランクが泥棒で服役していた過去を調べた事を明かし、老眼鏡について指摘すると、盗みに入った疑いをかけ、二度と図書館に来ない様に命じる。フランクはジェニファーに本を贈る事を中止し、引き上げる。

フランクはエヴァの身に着けていた高価な宝飾品の数々に目を付け、次の計画の目標に据える。ロボットはフランクをこれ以上、危険に晒せないと告げ、翻意を促すが、フランクは刺激があるからこそ、まともでいられると主張し、完璧を期す事を条件にロボットを説得する。

翌日からフランクとロボットはジェイクの邸宅の監視を始め、夫妻の行動パターンの把握に務める。そんな折、フランクはジェニファーとの夕食の約束を忘れてしまい、詫びとして本を届けに行くが、直前になって翻意する。フランクはジェイク達の行動パターンを完全に把握すると、留守中に侵入する計画を立てる。ロボットはフランクが熱中する様子を評価する。

その最中、フランクの身を案じて帰国したマディソンが家にやって来る。マディソンはハンターから聞いたパスワードをロボットに吹き込み、停止させると、自分が代わりに世話を務めると主張し、家事の一切合切を担おうとする。フランクは計画が頓挫する事を危惧し、ロボットを動かす様に命じるが、マディソンはそれを拒む。痺れを切らしたフランクは、マディソンの手に負えぬ程の迷惑をかけ、帰らせようと企てる。

計画決行の日の朝、フランクは、マディソンが根負けして密かにロボットを起動した事を察知し、問い詰める。マディソンはそれを認める。フランクは、自分にはロボットが友達であり、必要な存在だと説くと、起動する様に懇願し、マディソンはそれに応じる。フランクはかつての勘を取り戻し、夫妻の行動パターンや、邸宅の見取り図を調べ尽くす事で、侵入の準備に万全を期す。その夜、フランクはロボットと共に邸宅へ侵入し、金庫から宝石の数々を盗み出す事に成功する。ところが、どれも余りに高級品過ぎて、売り捌くと足が付きかねない事が分かり、フランクはほとぼりが冷めるのを待つ決断を下す。

翌日、ジェイクが保安官ローリングズを連れてやってくる。ジェイクはフランクの窃盗を確信するも、ローリングズはフランクの老体では犯行が重荷過ぎると判断し、逆に捜査への協力をフランクに打診する。しかし、ローリングズは帰り際にロボットの俊敏な挙動を目の当たりにし、その考えを改める。

マディソンはフランクの身を案じて留まろうとするが、フランクはそれを拒み、仕事に戻る様に促す。マディソンが去った後、フランクは自宅の前で張り込みを続けるバンを確認すると、家宅捜索を想定し、犯行の計画書等の証拠の隠滅に取り掛かる。ロボットはメモリが不利な証拠になる事を危惧し、消去して再設定する様に勧めるが、フランクはそれを拒む。ロボットはフランクが弱っている事を指摘し、ハンターを呼ぶ様に促す。フランクは刑務所入りを免れるべく、一計を案じ、ハンターに病床に臥せっている様に偽り、呼び寄せる。

程なく、ハンターがフランクの元へ駆け付ける。フランクは不調を演じ、塩らしい様子でこれまでの父親らしからぬ行動を詫びると、身奇麗な状態で死にたいと希望し、予め用意しておいたバッグを、今すぐに安全な場所に隠す様に請う。ハンターは困惑しながらも、バッグをトランクに入れ、車を出そうとする。そこへローリングズが部下を率いて現れ、ハンターを包囲し、バッグの中身を確認する。ところが、中にはフランクが盗んだ数個の石鹸しか入っておらず、ローリングズはジェイクの強い要請を受け、家宅捜索を決行する。

ハンターはフランクが自分を利用する為に騙した事に憤慨し、傲慢で最低な人間だと詰ると、これまで面倒を見ていたのが愛情に依る為では無い事を明かす。ジェイクはロボットのメモリーが証拠になり得る事に気付き、取り出す方法を模索する。ロボットは、かつてフランクに教わった通りに、自爆装置のカウントを始める。フランクはそれがあたかも本当の様に振る舞い、家から抜け出すと、ローリングズ達もそれに倣って退避する。フランクはその隙にハンターの車を奪取すると、ロボットを乗せ、その場から走り去る。ロボットはメモリの再設定のみが助かる方法だと説くが、フランクはそれを拒み、しばらく身を隠した後に宝石を持ち出し、旅に出る意向を明かす。

フランクは閉館中の図書館に赴き、オフィスにジェニファーを訪ねると、ドン・キホーテを盗んだ事を認める。フランクはオフィスの壁に掛かった家族写真の数々を見て、ジェニファーが妻だった事を思い出す。2人は口づけを交わす。

フランクはロボットと共に歩いて帰宅する。そこに張り込んでいたローリングズ達が駆け寄ると、フランク達は家の中に逃げ込む。ロボットは自分が人間では無く、模倣装置に過ぎないと説くと、次の計画に繋げる為にもメモリを再設定すべきだと諭し、リセットボタンの位置を教える。フランクはそれに従い、ロボットの電源を落とす。

その後、フランクは老人ホームに入所する。ロボットと別れ、物忘れが進行したフランクを家族3人が見舞い、散歩に連れ出し、皆で食事を楽しむ。家族の帰り際、フランクは、庭に植えたトマトの下を掘り、幸せに暮らす様に、とのメッセージをハンターに手渡す。フランクは、施設内の他の住人の介助を担う、同じ型のロボットに、既視感を抱く。

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