チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール

スチュアート・マードック監督作「ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール」("God Help the Girl" : 2014)[DVD]

拒食症で療養中の音楽を愛する女が、病院を抜け出した先で出会った、冴えないミュージシャンの男と共にバンドを作り、音楽に費やすひと夏の行方を描くミュージカル・ドラマ作品。

 

家出をした後、拒食症を患ったイブは、治療の為にグラスゴー郊外の心療病院に入院する。読書と音楽をこよなく愛するイブは、愛聴するラジオ番組のホスト、フィンドンとドノヴァンが「ウォブリーレッグ・ラット」というバンドと親しい事を知る。ある夜、イヴは無断で病院を抜け出すと、列車に乗って市街部へ繰り出し、ウォブリーレッグ・ラットのライブを観に行く。彼らの後に出演した、イブと同じ年頃の冴えないミュージシャンのジェームズは、本番中にバンドのメンバーに侮辱され、乱闘騒ぎを起こす。ライブの後、イブはジェームズと知り合うも、遠出が災いし、不調を来して倒れる。ジェームズは自宅のアパートにイブを連れ帰り、介抱する。翌朝、目覚めたイブに、ジェームズは大学のプールで監視員として働きながら、音楽活動をしている事を明かす。イブはジェームズと別れた後、病院に戻るが、迷惑と心配をかけた罰として個室入りを命じられ、面会禁止、電話と本の没収、看護師による監視を科される。

主治医のブラウニングは、順を追って着実に治療に臨む様にイブに説諭する。イブはやる事が無く、暗鬱な気分で療養の日々を過ごす。ブラウニングはイブの食欲が少しずつ戻っている事を評価し、前進していると励ますと、自分の思いを歌にする様に勧める。イブは美容師に髪を切ってもらい、雰囲気を一新する。

季節が冬から夏の始まりへと進む。徐々に快方に向かい始めたイブは、院内のピアノで自作の曲を収録した「ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール」と称したデモテープを作成する。ブラウニングはイブに音楽学校への進学を提案すると、違う環境に身を置き、薬を少しずつ減らす事で、徐々に新しい自分になる様に説く。

程なく、イブは再び病院を無断で抜け出すと、大学のプールを訪ね、ジェームズと再会する。ジェームズはアパートに空き部屋がある事を明かし、イブはジェームズの伝手でその部屋に身を寄せる。その後、イブはウォブリーレッグ・ラットがレコーディングを行うというスタジオを訪ね、ボーカルのアントンに出会すと、デモテープを託し、フィンドレーかドノヴァンに必ず渡す様に請う。

レコード製作の夢を抱くジェームズは、イブに作曲の才能がある事を知ると、自らがギターを教えている大学生キャシーを紹介し、作曲の指導を依頼する。イブはキャシーと共に今日の出来事を題材にした作曲に興じ、二人は即座に意気投合する。

イブはカフェでウェイトレスの仕事を見つける。その後、イブはアントンと再会し、約束通りにテープを渡した事を確認する。その際、イブはアントンと肉体関係を持つ。その一方で、イブは不安定な心の拠り所を親友としてのジェームズに求める。ジェームズはイブに好意を募らせていく。

イブはフィンドレー達から何の音沙汰も無い事を訝る。ジェームズは彼らが送り付けられた歌を聴きはしないと指摘する。イブは歌に説得力を持たせたいと望み、ジェームズは自分の経験を歌にすれば良いのだと説く。ジェームズは大学の倉庫からカヤックを持ち出すと、イブ、キャシーと共に川下りに興じ、親交を深め、3人でバンドを組む事が決まる。イブはジェームズに謝意を込めてキスをする。

三人はバンドの方向性について話し合う。イヴは3人以上は手に余る為、新たにメンバーを加える事に難色を示すが、ジェームズはポップスの演奏にはドラムとベースが不可欠だと説き、募集時にイブの意向に従う事を、条件に課す様に提案する。三人は早速ビラを作り、メンバーの募集を始める。程なく、多くのメンバーが集まると、イブは心情をストレートに表現した曲を作り、バンドは大学の設備を借りて音合せを行う。

バンドのライブ開催の目処が立つ。その一方で、イブは薬を切らし、再び落ち込み始める。ジェームズはバンドのメンバー達とバーでダンスパーティーを開催し、イブを元気付ける。そこにアントンが現れ、イブを連れ出す。イブはアントンと再び関係を持った後、テープの行方について尋ねる。アントンは今時カセットが恥ずかしくて渡せなかった事を明かすと、まともなギタリストと録音機材が必要だと説き、イブの歌詞が暗く、自分本位で、子供じみていると批判する。イブは憤慨し、アントンと決別する。

その後、キャシーは家族と共に一週間の旅行に出かける。一方、ジェームズは一人で自分を振り返りたいと説き、イブを残して教会へ行く。その日、ジェームズはアパートに戻らず、またキャシーとは連絡が付かず、心の拠り所を失ったイブは再び食欲を失い、心労で倒れる。帰宅したジェームズはイブを心療病院に運ぶ。

イブは再び入院する。ブラウニングは改めてイブに大学への進学を勧める。その後、イブはキャシーの為に曲を書き下ろし、バンドの音合せに参加する。キャシーはジェームズにイブと交際に至らない理由を問う。ジェームズは、イブにとって歌が世界であり、唯一の救いだと説く。

イブはジェームズの部屋を訪ね、ロンドンの音大へ行く意向を伝える。ジェームズはイブが既に誰より優れており、行く必要が無いと説く。イブは自分には規律と導き手が必要だと主張すると、ジェームズが社会に不満を抱き続け、レコードを出すと言いながら、その金を作ろうとしない事を責め、出したところで誰も聴かないと非難する。ジェームズは他人の為では無く、誰も聴かなくても、レコードを出せれば良いのだと反論する。イブはそれを拒絶すると、長い間、自分の殻に閉じこもっていた過去を改め、愛するジェームズとキャシーと別れてでも前に進み、新しい出会いを得て、歌って踊りたいのだと希望する。ジェームズはイブにキスをする。イブはなぜもっと前にキスをしなかったのかと尋ねる。イブは病院を抜け出した後、調子が悪かった頃に美容師の家を訪ね、クリスチャンヒーリングを受けた事を明かすと、その時の経験が不思議なもので、浄化された様だと説く。イブはキャシーに音大の件を伏せる様にジェームズに請う。

イブはラジオを通じて、フィンドレーとドノヴァンの元にテープが届いた事を知る。二人はライブには行けないが、頑張って欲しいと励ましのメッセージを伝える。バンド「ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール」は新曲の練習を重ねる。イブは髪を染め、雰囲気を一新すると、バンドによる最初で最後のライブに臨み、盛況を博す。

後日、イブは旅立ちの日を迎える。ジェームズは駅まで見送りに付き添う。その道すがら、ジェームズは、自分が安定を望む男だと主張し、レコードを出してポップス史に小さな旗を立てるという夢を、イブに会うまで現実的に考えた事が無かったと打ち明ける。ジェームズはイブを救世主と称し、これから輝かしい世界に向かうイブに対して、自らにとってはこの夏こそが最高傑作であり、イブとの出会いが奇跡的で、その可能性が無限だったと述懐する。イブの乗った列車が出発して間もなく、キャシーが予感に衝き動かされ、自転車で駅へ駆けつける。二人は列車を見送ると、一緒に帰路に就く。

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