チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

彼女はパートタイムトラベラー

コリン・トレボロウ監督作「彼女はパートタイムトラベラー」("Safety Not Guaranteed" : 2012)[DVD]

出版社にインターンとして雇われた女が、過去へのタイムトラベルを企図する男に取材目的で接触し、やがて好意を寄せていく様を描くSFロマンチック・コメディ作品。

 

14歳で母を亡くしたダリアスはそれ以来、心に影を宿すと共に社交性に乏しくなり、父と二人でこれといった目標も無く暮らしている。ダリウスは求職活動の末にシアトルの中堅出版社のインターンとして雇われる。程なくして、社員のジェフが、新聞に掲載されていたタイムトラベルを示唆する奇妙な求人広告の取材を行う事になり、助手としてダリアスと、同じくインターンで大学院生のアーナウを指名する。その広告には「過去への同行者を求む。報酬は戻ってから支給。武器を持参する事。安全は保証しない。」と記載されており、ジェフ達は広告の掲載主がどんな人物か探るべく、付記された私書箱のあるワシントン州の海辺の町オーシャンビューへ、泊まりがけの取材を敢行する。

ホテルに部屋を取った一行は、早速、郵便局の前で張り込み、私書箱の確認に訪れる人物を待つ。しばらくした後、一人の男が私書箱を確認して立ち去る。ダリアスは一人で男の車を追跡する。男はレーザー技術社の様子を離れた場所から確認した後、食料雑貨店で勤務を始める。ダリアスは、同僚に理論物理学のうんちくを語るその奇妙な男の本名がケネスだと知る。一方、ジェフは20年前に恋仲だったリズに会ってよりを戻すという、取材とは別の思惑をダリアス達に明かす。

翌日、ジェフはケネスの自宅をアポ無しで突撃し、現れたケネスに広告を見てやってきた事を明かす。ケネスは過去に戻りたい理由をジェフに尋ね、ジェフは誰だって戻りたいはずだと応える。ケネスは更に、恐怖と危険を直視し、肯定した事があるかと尋ねるが、ジェフの返答と態度に気分を害し、拒絶する。ジェフは一旦退くと、ダリウスに色仕掛けをさせ、ケネスを懐柔する策を企てる。その夜、ダリウスは店で勤務中のケネスと接触し、広告を見てやってきた事を明かす。ケネスはダリアスが信用に足る人物か見極めるべく、身元調査を行う意向を示す。

翌日、ジェフはリズの勤務する美容サロンを訪ね、リズが昔と随分変わった事を知る。その翌日、ダリウスはケネスから連絡を受け、盗聴や尾行の心配が要らない高校のアメフト会場の客席で落ち合う。ケネスは政府のエージェントと思しき謎の人物が、自分の発明を狙っているのだと危惧し、目的は明かせぬものの2001年に戻るつもりでいる事、時空移動を加速する物質を来週入手する予定である事を明かす。ケネスはダリアスに見込みがあると説くと、基礎訓練の段階に移行し、ダリアスはケネスの指導の下、銃の射撃や格闘の訓練に興じる。

ケネスはダリアスの無駄の無さを評価すると、過去に戻る目的を尋ねる。ダリアスは14歳の時、帰路に就く母に電話で買い物を頼み、その直後に母が死んだ事に対する自責の念に苛まれており、その前に戻って母の死を止めたいのだと明かす。ケネスはその話を聞き、ダリアスを信頼する。一方、ジェフはリズの自宅を訪ね、久方ぶりの再会を果たす。ジェフは仕事が順調だと胸を張る。リズは離婚した事を明かすと、手製のパイを振る舞い、マッサージを施した上で、改めてディナーに誘う。

ダリアスはケネスの任務へ掛ける意気込みを録画して記録に残す。その後、ダリアスは偶然、ケネスの左耳が取れかかっている事に気付き、それを指摘する。ケネスは当惑し、任務の中止とダリアスの失格を告げる。ダリアスが理由を尋ねると、ケネスは子供の頃、貧乏で片耳だけ義耳になり、その事で苛められてきた事を明かす。ダリアスは全く気にならないと宥める。ケネスは金輪際、耳の話をせぬ様に求め、ダリアスと和解する。

その夜、ケネスはレーザー技術社への侵入を企て、ダリアスは逃走の支援を命じられる。ケネスはタイムマシンの完成に必要な機材を盗み出し、逃走を図るが、社内で打ち上げをしていた社員達に目撃されてしまう。ケネスは政府エージェントの追跡をしきりに心配する。その段になり、ケネスは戻りたい理由が、かつて同じ食堂で働き、初めての彼女だった愛しいベリンダを救う為だと明かす。ベリンダは酔っぱらいの車が自宅に突っ込んだ事で死んだのだという。ダリアスはその理由に賛同する。

翌日、ジェフはダリアスから一連の経緯を聞くと、三人でケネスの家を密かに訪ね、小屋の中で何かを作っている痕跡を確認する。その時、ケネスが自宅から何かを車で持ち出すと、そこから程近い場所で監視していた二人組のスーツ姿の男達がケネスの追跡を始める。ダリアス達はケネスの主張する、何者かによる尾行が本当だと確信を強める。程なく、ダリウスはケネスとビーチで落ち合う約束をする。ジェフはケネスの異常性を指摘するが、ダリアスがそれを否定すると、ジェフはダリアスがケネスに好意を抱いていると疑う。

ケネスはダリウスに会うと、計画の実行を早める意向を示す。一方、ジェフはリズと肉体関係を持つと、自分と一緒にシアトルで暮らす様に提案する。リズはそれが今だけの感情だと疑い、難色を示す。ジェフは気分を害して、その場でリズと決別する。

その夜、ジェフは童貞のアーナウを男にすべく、町に繰り出すと、若い女達をナンパして憂さを晴らす。アーナウはジェフに唆され、同じ年頃の女と一夜を共にする。一方、ケネスはダリアスを馴染みのキャンプ場に招き、親交を深める。ケネスはダリアスに請われ、持参したツィターの弾き語りを披露する。ダリアスはそれに感銘を受け、ケネスとキスをする。

翌朝、ジェフの上司ブリジットは、電話で取材の進捗を確認すると、調査の末にベリンダがオーシャンビュー近郊に存命だと判明した事を伝える。ジェフはホテルに朝帰りしたダリウスにそれを伝え、ケネスがかなりの変人だと主張する。ダリアスはベリンダの家を訪ね、直接取材を行う。ベリンダは大学時代に同じ食堂でバイトしていただけであり、ケネスの優しさに同じ様に応対しただけで、ケネスが誤解したのだと主張する。ベリンダは更に、ケネスが簡単に付き合えるタイプでは無い変わり者であり、自分の交際相手の家に車で突っ込んだ後は関知していない事を明かす。

ダリアスがベリンダの家を出るや否や、二人組の男達が現れる。男達は、ケネスが政府の科学者と接触し、粒子加速器について質問しており、また、原子物理学研究所への侵入や医療研究所での強奪の前歴がある事から、ケネスをスパイだと疑っている事を明かす。男達はケネスが丸一日帰宅していない事を明かし、所在が分かり次第連絡する様に命じる。

ダリアスはケネスの自宅を訪ねる。ケネスは準備が完了し、午後5時に出発する意向を伝える。ダリアスは二人組の男達と話した事を明かし、スパイなのかと問い質す。ケネスはそう思わせた方が都合が良いと応える。ダリアスは更に、ベリンダが存命であり、会って話した事を明かす。ケネスは俄に困惑するが、タイムスリップが成功し、ベリンダを救って戻ってきたのだと悟って歓喜する。ダリアスは自分には正直に話す様に請うと、タイムスリップが本当は不可能であり、全て嘘では無いのかと問い質す。そこに二人組の男達が接近し、待機していたジェフがダリアスに知らせに行く。ケネスは全てが取材だった事を知って当惑し、家から逃げ出す。

ダリアス達は小屋の中の様子を確認し、そこに夥しい研究の痕跡を発見すると、タイムマシンの開発が本当だと確信する。ダリアスはケネスの後を追って森を抜けると、川岸に停めた小船の上に組み上げたタイムマシンで、出発の準備を行うケネスを見つける。ダリアスは嘘も付いたが、それ以外は全て本心だと明かし、理解を求める。ケネスはダリアスを船に招き入れると、任務をダリウスの為に過去に戻る事に更新する意向を示す。ケネスはマシンを起動すると、ダリアスと手を取り合い、キスを交わす。そこに駆け付けたジェフとアーナウ、二人組の男達の目の前で、マシンは眩い閃光を放ち、時空の彼方に姿を消す。

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