チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

X-ファイル 2016 (1)

クリス・カーター製作「X-ファイル 2016 (1)」("The X-Files season 10" : 2016)[DVD]

14年の年月を経てXファイル課に復帰したモルダーとスカリーが、再び超常現象を示唆する難事件に挑む様を描くSFサスペンス作品。

 

第1話「闘争 Part.1」(1 : My Struggle)

2002年、Xファイル課は閉鎖され、モルダーとスカリーの10年に及ぶ超常現象の探求は終わりを迎えた。それから14年の年月が経つ。モルダーはFBIを離れた後、ワシントンDC郊外の自宅で隠遁生活を送りながらも執念を絶やす事なく、異星人に誘拐された妹に関する手掛かりを追い求め続けていた。一方、医師に復帰したスカリーは、DCの悲しみの聖母病院に勤務し、多忙な日々を送っていた。

ある時、スカリーはFBI副長官スキナーを通じて、タッド・オマリーという男がFBIに接触し、モルダーと会いたがっている事を知る。オマリーは自前のテレビ番組にて、911が第三次世界大戦を見据えた自作自演であり、全てがロズウェル事件に端を発するのだという陰謀論を吹聴する保守派の論客だった。スカリーはモルダーに連絡を取り、DCにて久方ぶりの再会を果たす。そこへオマリーが防弾仕様のリムジンで二人を迎えに現れる。

オマリーはモルダー同様に昔からUFOを信じている事を明かし、Xファイルを運営した生き証人たるモルダーを称える。モルダー達はXファイルが既に閉じられ、良くも悪くも前に進んだのだと説く。モルダーはオマリーの真意を図りかねるが、オマリーにUFO事件に関する相当な知識がある事を悟る。オマリーは情報機関を根底から揺るがすネタを追っており、史上最大の陰謀を暴く覚悟を示すと、証拠の信憑性を確かめる為の協力を二人に請う。

オマリーはヴァージニア州ロー・ムーアの郊外に暮らす、数度に渡る誘拐経験者のスヴェタの家に二人を招く。スヴェタは誘拐された際に腹部に施された傷跡を見せると、隠蔽記憶が植え付けられながらも、異星人の手により何度も妊娠させられ、胎児が生まれる前に奪われる記憶を思い出す事を明かし、更に自分の体に異星人のDNAが混じっていると主張する。

スカリーはスヴェタを病院に招き、組織検査を行う。スヴェタは読心術や念動力が使える事を明かし、スカリーが疑っている事、モルダーとの関係や二人の間に子供がいた事、更にスカリーもまた誘拐された経験を持つ事などを言い当てる。一方、オマリーはモルダーを極秘施設に案内し、同志の研究者ガーナー達が開発したARV(エイリアン複製船)を披露する。ガーナーは機体を浮上させた後、瞬時に消し去って見せると、それがゼロ点エネルギーを動力源にしており、115番元素ウンウンペンチウムを使用している事を明かす。オマリーはそれが70年間、隠されてきた技術だと説く。

モルダーは再びスヴェタの元を訪ねると、最初に訪問し、質問した際に、スヴェタがオマリーに伺いを立てる様な素振りをした事について問い質す。スヴェタはモルダーの質問が間違っていたのだと説くと、宇宙船で誘拐し、胎児を奪ったのが異星人では無く、人間の男達による仕業であり、話した事を政府に知られれば殺されると思い、怖くて言い出せなかったのだと明かす。モルダーは自らが政府寄りの人間では無いと諭す。

モルダーはスカリーに連絡すると、これまで信じてきた事は全て嘘で、異星人による陰謀など存在せず、政府に欺かれていたのであり、スヴェタがそれら全ての答えへの鍵だと説く。モルダーはその足で、14年間、封鎖されていたFBI本部のXファイル課オフィスを訪ねると、全てが未来を支配する為の虚構では無いかと、同行したスキナーに問い質す。スキナーは自分は味方だと主張するが、モルダーは敵に意のままに踊らされていた事への憤りを露わにする。スキナーは911以降、米国がおかしな方向に進んでいると主張し、モルダーは安全と称する監視でかえって危険になったと応じる。一方、スカリーはスヴェタの検査結果に疑いを抱き、再検査を依頼する。

モルダーは掴んだ情報の裏付けを得るべく、ある老いた医師と密かに落ち合う。その医師は10年前、自らの抱える秘密の重さに耐えかね、モルダーに接触を図ってきたのである。1947年、その医師は政府の要人からニューメキシコ北西部ハイ・デザートの、当局の管轄下におかれた宇宙船の墜落現場に招かれた。医師はその宇宙船から這い出てきた異星人が、軍によって射殺され、実験台にされる様子を目の当たりにしたのだった。

モルダーは自分が欺かれていた事、またARVを見た事を明かすと、異星人では無く、人間がその技術を悪用し、ロズウェル事件の頃から大勢を誘拐しては人体実験を行っていたのだと主張し、その理由として軍産複合体による金儲けを挙げる。医師は目的については関知していないと説き、その嘘が想像以上に複雑かつ壮大であり、真実を暴く隙は無く、公表しても笑い物になるだけだと諭すと、ロズウェル事件が煙幕に過ぎない事を明かし、モルダーが核心に近づいていると指摘する。

スカリーはモルダーを心配して自宅へ駆けつけると、真実で世界を救えると勇んでいた昔と同じだと指摘する。モルダーは今度こそ真実であり、オマリーの主張どおり、人類による陰謀だと主張する。スカリーはそれがでたらめであり、身を滅ぼすと諭すが、屋内にスヴェタがいる事を知ると、その場から立ち去ろうとする。そこにオマリーが駆け付け、スカリーを引き止める。

モルダーはスカリー達の前で自らの見立てを語る。組織の起源は20世紀前半だが、実際に計画が遂行されたのは大戦後の冷戦時代に突入してからだった。アメリカの空に宇宙船を招き寄せたのは水爆であり、人類の絶滅を危惧した異星人は人類に警告すべく、命懸けでワームホールを通って地球にやってきた。世界のトップが密約を交わし、エリア51を始めとする施設で異星人の極秘研究が行われた。異星人による誘拐を装って被験者が集められ、異星人の細胞を人類に移植する実験や異種交配も行われた。モルダーは金儲け以外の目的について図りかねる。オマリーは敵が国を乗っ取り、世界征服を目論んでいるのだという推察とその論拠の数々を示すと、それが今にも始まろうとしており、明日にも番組で公表する意向を示す。スカリーは妄想に取り憑かれた戯れ言で大衆の恐怖を煽ろうとする無責任な蛮行だと詰るが、モルダーは真実なら告発しない方が無責任だと反論する。そこでスカリーは、スヴェタの検査の結果が陰性だった事を明かす。

翌日、オマリーはスヴェタを証言者に招き、真実を告発しようと企てる。ところが、その直前にスヴェタはオマリーに金で嘘を強要されたと発表する。オマリーは政府の隠蔽工作と主張する。その後、スヴェタは失踪し、オマリーのサイトは閉鎖に追い込まれる。一方、極秘施設に特殊部隊が突入し、研究者を巻き添えにしてAVPを爆破する。

スカリーは再検査の結果を受け取ると、最初の結果が信じられなかった為に、スヴェタと自分の全ゲノム解析を行った事をモルダーに明かし、敵の企てを阻止する必要性を説く。そこへスキナーから緊急の連絡が入る。一方、車で人気の無い夜道を疾駆するスヴェタは、宇宙船の襲撃を受け、爆殺される。また、気管孔を開けながらも生きながらえてきた煙草男は、Xファイル再開の報せを受け、それを問題視する。

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第2話「変異」(2 : Founder's Mutation)

ニュージェニクス・テクノロジーの研究者サンジェイ博士は、突き刺す様な聴覚野への痛みに苛まれる。ある日、サンジェイはミーティング中に再び激しい痛みに襲われる。錯乱したサンジェイはサーバールームに立てこもり、データを引き出し始めるが、間もなく左掌に文字を書き殴った後、レターオープナーを耳から突き刺して自殺を図る。

Xファイル課の再開に伴い、FBI捜査官に復帰したモルダーとスカリーは現場に赴く。会社の幹部はHDDが国防総省に帰属すると主張し、押収を拒む。モルダーは会社に姿を見せない創始者オーガスタス・ゴールドマンへの聴取を求めるが、幹部は所在を明かす事をも拒む。スカリーは監視カメラの映像を見せる様に要請する。他殺を疑うモルダーはサンジェイの携帯を密かに持ち出すと、サンジェイと交際していたグプタと会い、サンジェイの死を伝える。グプタはサンジェイがこの数週間余所余所しく振る舞い、また独身なのに子供達が心配だと話していた事を明かす。モルダーはサンジェイの家が蛻の殻の様だった事を指摘する。グプタはサンジェイが二重生活を送っており、別宅がある事を明かす。

一方、スカリーはサンジェイの検死を済ませると、モルダーを呼び出し、左掌に記された言葉「創始者の変異」について知らせると共に、脳には異常が無く、サンジェイが何かを探す様にレターオープナーを刺し、聴覚野に達した事を明かす。自殺直前にサンジェイが「聞こえないのか?」と話していた事から、モルダーは何者かが鼓膜を振動させずに神経に刺激を与えた可能性を疑う。

二人は手掛かりを探すべく、サンジェイの別宅に侵入する。そこで二人は、医療施設で撮影されたと思しき、遺伝的形態異常を有する子供達の写真やカルテの数々を発見する。その直後に、モルダーは聴覚に鋭い刺激を受け、「彼女を探せ」「助けてくれ」という声を聞く。そこへ侵入時の警報で警察が駆け付け、二人は捜索を中断する。

FBIに国防総省の男がやってきて、サンジェイのファイルが国防総省の極秘資料だと主張し、開示を禁じる。スキナーは二人に捜査の打ち切りを命じる。モルダーは子供達が国防総省の行っている人体実験の失敗例だという見立てを説き、サンジェイの自殺との関連を調査する為の時間を求める。スキナーは正式な打ち切り命令が出るまでの数日を猶予として与える。モルダー達はニュージェニクスの監視カメラの映像を遡り、サンジェイの自殺時の様子を確認する。モルダーは社屋の前に無数の鳥が集まってきていた事に気付き、それが不可聴音に拠るのだと推測する。二人は鳥、自殺、遺伝子異常の子供達の関連を探るべく、ゴールドマンに聴取する意向を固める。

スカリーのつてで、二人は悲しみの聖母病院産婦人科のシスターを訪ね、ゴールドマンが隠遁生活をしており、恵まれない妊婦の為に多額の資金援助をしている事を知る。スカリーはゴールドマンが捜査の対象になっている事を明かして、内密に会う事を要請し、シスターは電話での連絡を図る。その間、入院しているアグネスという若い妊婦が唐突に二人に助けを求める。アグネスは当惑した様子で、胎児に異常があると検査で分かった事、ここの妊婦の全員がそうである事を明かす。告げ口が発覚する事に怯えるアグネスに、モルダーは密かに連絡先を手渡す。

モルダーは女性達がゴールドマンによって保育器として利用されていると主張する。スカリーは敵から隠す為に養子に出したウィリアムが、今頃15才を迎えており、遺伝子異常の子供達の様に苦しんでいるかも知れない事への不安と、手放した事への罪悪感を吐露する。モルダーはウィリアムの為にも今できるのは、手掛かりを追う事だと諭す。

二人はシスターの紹介を通じてゴールドマン・テクノロジーを訪ね、遺伝子操作を専門に扱うゴールドマンに「創始者の変異」について尋ねる。ゴールドマンはそれに意味は無いと説くと、研究の目的が子供達を救う事だと明かし、プロメテウス症候群を始めとする各種の遺伝子異常や悪性腫瘍を患い、無料で最先端の治療を施されている子供達を紹介する。スカリーはゴールドマンが探っているというあらゆる遺伝子異常に共通の要因について、それが異星人のDNAであり、それ故に国防総省が研究費を拠出しているのでは無いかと指摘する。その時、二人の傍で施設に入院している少女モリーが暴れ出し、職員達が取り押さえる。その際、二人は念動力の様に物が跳ね上がるのを目の当たりにする。

同じ頃、アグネスがひき逃げで不可解な死を遂げる。現場に駆け付けた二人は、胎児が既に摘出されている事を知り、証拠となる胎児が奪われたのだと推測する。モルダーは胎児が異星人との交配種であり、まだ生きている可能性を主張する。

二人は警察の記録を元に、ゴールドマンの妻ジャッキーが17年前に自分の赤子を殺し、遺体は発見されなかったものの、精神障害犯罪者として病院に収容されている事を知り、聖エリザベス病院にジャッキーを訪ねる。ジャッキーは当時の経緯について二人に明かす。ジャッキーは娘のモリーが生まれた時から普通ではないと感じていたが、二歳の時に水中で呼吸しているのを目の当たりにした事で、ゴールドマンがモリーを実験台にしたと確信するに至った。当時妊娠9ヶ月だったジャッキーはゴールドマンと、雇い主である政府からの逃避を図ったが、車で走行中に横転事故を起こした。辛うじて致命傷を免れたジャッキーは、聴覚への突き刺す様な痛みに襲われたが、胎内の赤子が話しかけているのだと悟ると、自ら腹を割いて赤子を取り出した。しかし、ジャッキーはそこで失神し、病院で目覚めると赤子は消えていたのだという。

モルダーはその子が送る信号が、音として聞こえるのでは無いかと推測する。その後、聖エリザベス病院とニュージェニクスの双方に出入りする清掃員カイルが、サンジェイの自殺時にサーバールームの真上の部屋で、サンジェイに連動する反応を示していた事が判明する。

モルダー達はカイルの養母の元を訪ねるが、養母はカイルへの尋問を拒否し、更にモルダーが特別な力について指摘すると激昂する。その時、家の前に無数の鳥が集まり始め、モルダーは再び聴覚への痛みに襲われる。スカリーは納屋で力を発動するカイルを発見し、身柄を確保する。カイルはサンジェイが協力者であり、殺すつもりは無く、姉を探したかったのだと主張する。

モルダー達はカイルをゴールドマンの元へ連れて行く。ゴールドマンはカイルから採血を行う。カイルはゴールドマンにモリーの所在を尋ねる。ゴールドマンはカイルをモリーに引き合わせるが、カイルはそれが別人だと悟り、間もなく別室に隔離されているモリーを発見する。カイルはテレパシーでモリーと交信し、念動力でドアを破る。モリーはスカリーとモルダーを念動力で退け、カイルはゴールドマンを念動力で圧殺する。

モルダーとスカリーが気絶している内に、モリーとカイルは失踪する。国防総省は施設を封鎖し、機密扱いに処すが、モルダーは密かにカイルの血液を持ち出してきた事をスカリーに明かす。

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