チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

宇宙大怪獣ドゴラ

本多猪四郎監督作「宇宙大怪獣ドゴラ」(1964)[DVD]

ダイヤ強盗事件を捜査する刑事が、宇宙から襲来した謎の怪物と事件の関係を突き止め、解決に導くべく奔走する様を描く怪獣作品。

 

電波実験所のテレビ衛星が、地球の周回軌道上で原因不明の事故に見舞われて消滅する。一部始終を観測していた桐野技官は、宇宙空間に何らかの変化が存在する事を示唆する。その夜、銀座の宝石店に国際ダイヤ強盗団の一味が押し入り、金庫破りを企てるが、そこに得体の知れぬ細胞状の怪物が出現し、奇怪な力で一味を店外へ追いやる。一味は計画を中止し、逃走するが、金庫内のダイヤは何者かに奪われる。

翌日、警視庁外事課の刑事・駒井は、ダイヤ強盗の容疑がかかった宝石ブローカーのジャクソンを追って、結晶構造研究の権威、宗方博士の屋敷に辿り着く。宗方は駒井に対応している間に、鑑別中のダイヤが無くなった事に気付く。二人の前にジャクソンが姿を現し、不意を突いて駒井を昏倒させると、屋敷から逃げ去る。そこに強盗団の夏井と真木が乗った車が現れ、ジャクソンを銃で脅して車で連れ去る。

国際ダイヤ強盗団日本支部のボスは、ニューヨーク、ロンドン、パリ、香港、ローマなどで相次ぐダイヤ強盗事件の内、組織が実際に関与したのはパリだけである事から、他の何者かが暗躍している事への憤りを露わにする。銀座で現場を指揮した多田は、店に出現したのが人間では無かったと弁解する。そこに連行されてきたジャクソンは、自らを宝石ブローカーと称し、強盗への関与を否定するが、宗方から盗んだダイヤを収めた袋を奪われる。

駒井は、宝石店の堅牢な金庫の扉が蝋細工の様に溶けた跡を撮った写真を宗方の元へ持参し、見解を求める。宗方はそれだけのエネルギーを発する機器を強盗団が扱う可能性に疑義を呈す。また宗方は、ジャクソンに盗まれたのが、研究材料の人造ダイヤだった事を明かすと、宝石としてのダイヤでは無く、生活を豊かにする安い工業材料としてのダイヤの方に興味があるのだと説く。

ボスは真木にダイヤを鑑別させ、それが偽物だと知ると、ジャクソンを監禁させる。しかし、ジャクソンは不意を突いて脱走する。ボスは本部からダイヤの原石を積んだ船が横浜に入港するとの報せを受けると、山梨県のダイヤ磨き工場に運ぶ途中で強奪する計画を企図する。

駒井は宗方の秘書・昌代を自宅近くの工場地帯まで送り、そこで昌代の兄・桐野と出会す。桐野は上空から響き渡る奇怪な音を指摘し、それが衛星の事故時と同じ音だと説く。たちまち黒雲が空を覆い、石炭工場から大量の石炭を吸い上げた後、火花を散らす。

桐野は観測された火花の発生源について、宗方に見解を求める。宗方はそれが炭素物質だと推測する。一方、駒井はジョンソンが銀座のホテルに宿泊しているとの報せを受け、現場に急行する。駒井は部屋に侵入すると、ジョンソンに出頭を求めるが、ジョンソンは不意を突いて逃走する。帰庁した駒井は課長に叱責されると同時に、相次ぐ強盗事件を阻止する様に発破をかけられる。

その夜、港でダイヤの原石を積んだトラックが甲州街道に差し掛かる。待ち伏せしていた強盗団は、罠を仕掛けてトラックを停めると、原石を収めたケースを強奪し、逃走用の車に積み替える。そこにジャクソンが車で駆け付ける。両者が銃撃でせめぎ合う最中、石炭トラックが通り掛かる。強盗団は石炭トラックを奪うと、ジャクソン目掛けて暴走させる。その時、上空に黒雲が立ち込め、トラックから石炭を吸い上げて消える。強盗団はその隙に乗じて逃走する。

一方、ニューヨークで新たに宝石店が襲われ、同時刻にニューヨーク港で石炭竜巻の怪現象が発生する。駒井は強盗時に決まって怪物が現れる理由を測りかねる。課長は怪物がダイヤを盗むという俄に信じがたい話を一蹴する。そこへ昌代から、ジョンソンが宗方の屋敷に現れたとの報せが入る。ジョンソンは世界各地で襲撃された金庫の写真を宗方に提示すると、これほどの強い熱と圧力を出す機械は宗方をおいて造れないと主張する。駒井は課長と共に宗方の屋敷を訪ねると、改めてジョンソンに出頭を求める。ジョンソンは自らが世界ダイヤ保険協会の調査官、通称ダイヤGメンだと明かし、駒井達が誤解していると説く。ジョンソンは一連の強盗事件が強盗団の仕業では無いとの確証を得た事を明かし、真犯人を追う為に警察に協力する意向を示す。

ケースを支部に持ち帰った強盗団は、その中身が氷砂糖とすり替えられている事に気付く。程なく、宗方の屋敷に桐野がやってきて、国連宇宙対策委員会が、怪物の正体を放射能で突然転位した宇宙細胞と結論付けた事を知らせる。過去数回の人工衛星の消滅箇所がいずれも日本列島上空である事から、放射能の吹き溜まりと化した日本上空に生息していた細胞の一種が、放射性物質の影響を受けて異状転位したのだという。宗方は宇宙細胞が強盗事件の犯人であり、石炭とダイヤを同じ炭素物質として隔てなくエネルギー源として食べているのだと推測すると、それが際限なく繁殖し、地球上のあらゆる炭素を含有する物質を食い荒らす事態を危惧する。その時、屋敷に宇宙細胞が侵入し、一同の目の前で金庫の扉を溶かす。

その後、正式にドゴラと命名された宇宙細胞は世界各地で大被害をもたらす。日本の当局は緊急警備令を発し、襲撃が予想される石炭の産地である北九州地方には特別防衛体制を敷く。宗方はダイヤをエネルギーに変えるドゴラを研究すべく、昌代と共に列車で東京から九州へと向かう。ジャクソンもまた九州へ向かうべく、宗方と同じ列車に乗り合わせる。夏井はジョンソンがダイヤの原石を隠し持っているはずだと確信し、車内でジョンソンと密かに接触すると、二人で手を組む事を提案する。ジョンソンは原石の所持を否定し、提案を拒む。一方、駒井は甲州街道で石炭トラックが襲われながらも、原石を積んだ強盗団の車が襲われなかった事から、原石が偽物だったと推測し、突然東京を離れて九州へ向かったジョンソンの行動を訝る。

九州に到着した宗方は、現地で展開する部隊を指揮する北九州防衛隊司令の知己・岩佐と出会う。間もなく、対空レーダーが異状浮遊物反応を感知し、宗方は岩佐と共に司令部へ同行する。集音レーダーが虫の大群の様な音を捉えた為、その原因を探るべく派遣された偵察機は、現場空域で蜜蜂の大群が渦を巻いて飛んでいるのを確認する。程なく、同空域から夥しい結晶体が地上へ落下する。

夏井はジョンソンがチェックインしたホテルで、強盗団と合流する。駒井は先回りして部屋でジョンソンを待ち伏せると、ダイヤの原石の行方と九州に来た理由について問い質すが、ジョンソンは明言を避け、駒井を部屋から追い出す。駒井は偶然にも階下の部屋で宗方達と遭遇する。その矢先に、洞海湾上空にドゴラが巨大なクラゲ状の姿を現し、市民は一斉に避難を開始する。自衛隊はドゴラに集中砲撃を浴びせるが、ドゴラはそれを物ともせず、石炭を吸い上げた後、触手で若戸大橋を破壊する。自衛隊は砲撃に続いて、ミサイルによる攻撃を開始し、成果を上げ始める。ドゴラは消滅したかの様に思われたが、間もなく夥しい数の細胞へと分裂し、空を漂ったまま発光する。その後、繁殖した細胞による被害が世界中に拡大し、水爆攻撃が検討され始める。

翌日、宗方の依頼を受けた駒井は、昌代と共に筑豊の外れに位置する川田炭坑に調査に赴き、そこで宇宙細胞が這い回った痕跡と共に、廃坑全体に広がる地蜂の巣を発見する。報告を受けた宗方は、蜜蜂ではなく地蜂の大群が巣を破壊された事でドゴラを襲い、その際に蜂毒によって細胞に化学変化を起こしたとの見立てを示す。それを受け、自衛隊は直ちに蜂毒の効果を検証する。その後、薬物実験所は宗方の指導により、北九州市に落下した結晶体の分析に成功し、それが蜂毒の宇宙細胞に対する化学作用の結果である事が判明する。その成果は世界中に共有され、各国の薬物工場が蜂毒製造に全力を挙げる。自衛隊は大量の蜂毒を配備し、宇宙細胞を迎え撃つ準備を進める。

九州から引き上げる準備を始めたジョンソンの元へ、駒井が動向を探りに訪れる。そこに強盗団が押しかけ、ジョンソンが隠し持っていた銀行の貸金庫の鍵を見つける。ボスは鍵を奪うと、夏井とサブに銀行へダイヤの原石を取りに行かせる。その矢先に、上空にドゴラの細胞群が出現し、石炭を吸い上げ始める。ボスは駒井とジョンソンを拘束すると、ダイナマイトを仕掛けて夏井達の帰りを待つ。間もなく、サブが戻り、夏井がダイヤを持ち逃げした事を報せる。強盗団はダイナマイトの導火線に火を付けると、組織の迎えが来る海岸へと向かう。

駒井とジャクソンは拘束を断ち、既のところで爆発を免れると、強盗団の後を追う。強盗団は海岸に夏井を追い詰める。ボスは夏井を処刑しようとした矢先に、駒井達が警察を率いて駆け付ける。激しい銃撃戦の最中、夏井は隙を見計らってダイヤを奪って逃走を図るが、その場でボスに射殺される。一方、自衛隊は陸と空からドゴラの細胞群に毒ガスを噴霧する作戦を展開する。間もなく、細胞群は結晶化し、地上へ落下する。強盗団は駒井達から逃れようとした矢先に、巨大な結晶体の下敷きになって全滅する。

ドゴラ撃滅作戦が成功裏に終結し、ダイヤ強盗事件が解決を見た事で、ジャクソンは本物のダイヤは最初から存在せず、囮作戦だった事を駒井に明かす。宗方が宇宙細胞の平和利用に関する国連の会合に招聘され、ジャクソンは宗方と共にニューヨークへ向かう。駒井と昌代は空港で二人の出発を見送る。

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