チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

Virginia/ヴァージニア

フランシス・フォード・コッポラ監督作「Virginia/ヴァージニア」("Twixt" : 2011)[BD]

オカルト作家が、旅の途中で立ち寄った町で起きた、連続殺人事件を小説の題材にすべく調査を進める内に、自らを苛む過去と直面していく様を描くスリラー作品。

 

酒に溺れた三流オカルト作家のホールは、自著を売り回る旅の道すがら、都会から程々に離れた小さな町スワン・バレーにやってくる。その町には7つの面を持つ時計台が立っており、町のどこからでも見えるそれぞれの面が示す時刻は全て異なっている事から、悪霊が棲みついているとされる。町に面する湖の対岸には、フラミンゴをリーダーとする若者達が群がり、悪魔礼賛の様な集会に耽っている。

ホールは金物屋でサイン本の即売会を始める。訪れる客が誰も興味を示さない中、職歴40年の保安官ボビーがやってくる。ボビーは自らもホラー小説を書いている事を明かすと、数年前に起きた大量殺人事件が原因で町が呪われていると説き、死体置き場にある遺体を小説のネタにする様にホールに勧める。

ホールはボビーと共に保安官事務所を訪ね、死体置き場に安置された、胸元に杭を打ち込まれた身元不明の少女の遺体を目にするが、顔の覆いを取るのを拒む。ボビーはその少女が連続殺人の被害者であり、杭は犯人の名刺代わりだと説くと、事件をネタにして、一緒に小説を書く事を提案する。その後、ホールはコーヒーショップを訪ね、その昔、チカリング・ホテルに敬愛するエドガー・アラン・ポーが滞在した事を知る。ホールはその足で廃墟と化したチカリング・ホテルを訪ね、ポーを弔う。

ホールはモーテルに部屋を取り、かつてボート事故で亡くした最愛の娘ヴィッキーに思いを馳せる。ホールは自宅で待つ妻デニースに連絡すると、現在の惨めな境遇を改めるべく、オカルト本の執筆を止め、真に自分が書きたい本を書く意向を示す。デニースはそれが身勝手だと説くと、ホールが積み重ねた借金に苦慮している事を論い、オカルト本の執筆と引き換えに、出版社のサムに金を前借りして、返済に当てる様に求める。

その夜、時計台から0時を告げる鐘が鳴り響く。ホールはモーテルを出て、森を散策している内に、奇怪な格好をした12歳の少女ヴァージニアと出会う。ヴァージニアはブレースの付いた歯並びを見せると、自らのあだ名がヴァンパイラである事から、Vと呼ぶ様に促し、ホールの著書のファンだと明かす。程なく、ホールはVと共に営業中のチカリング・ホテルに辿り着く。ホールはVに一緒に入る様に促すが、Vはそれを拒む。中に入ったホールは、女主人のもてなしを受け、時計台の管理人メルヴィンを紹介される。メルヴィンは床下に封印された墓に、殺された12人の子供達が埋められており、1人は逃げて地獄に落ちた事を明かす。女主人は窓から覗き込んでいたVに気付くと、捕まえようとするが、Vは女主人の腕に噛み付いて逃れる。ホールがVを追うと、その矢先に墓が開き、中から子供達が嬉々として飛び出す。Vはそれが死んだ子供達だと説く。子供達と共に現れた男は、ホールにVから何を聞いたのか問い質し、Vは男に消える様に詰る。男は子供達を墓の中に連れ戻す。ホールは今の自分にとって必要なのが、この話だと悟ると、Vの後を追って川に差し掛かる。Vはホールに助けを請い、水の中に姿を消す。そこにポーが現れる。ホールは道を示して欲しいと望み、ポーに誘われる。

翌朝、モーテルで酔いつぶれていたホールは、デニースからの連絡で夢想の世界から目を覚ます。デニースはホールが金庫に所有するウォルト・ホイットマンの貴重なコピーを持ち出し、それを売り飛ばすか、サムに前借りの交渉をするかの選択を迫る。ホールは再びチカリング・ホテルを訪ね、荒れ果てた屋内の床に、夢で見た通りの封鎖された墓を確認する。ホールはその足で図書館を訪ね、その昔、悪魔から魂を救済する為に無垢の子供達が殺害された事件について知る。ホールはボビーの家を訪ね、一緒に本を書く提案に応じる意向を示す。ボビーは共著のタイトルを「吸血鬼の処刑台」と称し、杭で殺された吸血鬼の家出娘を主人公とする物語の構想を明かす。

ホールはモーテルに戻るとサムに連絡し、新作の構想を伝えて前借りを請う。サムは構想を評価し、あらすじが面白ければ前借りに応じる意向を示し、翌朝までに送る様に要求する。ホールは執筆に取り掛かるが、出だしから躓き、酒に酔い痴れる。ホールはボビーからありったけの睡眠薬を受け取ると、ベッドで眠りに就く。

再び夢想の世界を訪ねたホールは、ポーと再会する。ホールは小説の概要を伝えて、ポーに助言を求める。ポーは美しい娘の死こそ、ホールの志向する悲劇を最も詩的に表現でき、それを物語るに相応しいのはその娘を愛した男だと説くと、舞台をチカリング・ホテルに設定し、牧師フロイドと町に捨てられた不遇の孤児達について語り始める。

フロイドは13人の孤児達を教会に引き取ると、愛を以って親身に世話をし、教義と共に神の愛と善の大切さを説いていた。ある晩、1人の子供がいなくなり、フロイドは湖の向こう岸に屯する忌み嫌う不良達の元へその子が行ったのだと疑う。フロイドは不良達が穢れた悪霊であり、ヴァンパイアだと説くと、誘われてもついて行かない様に子供達に諭すと共に、各々に魔除けを施す。

翌日、目覚めたホールは保安官事務所を訪ねる。ボビーは小説の糧にすべく、ホールにウィジャボードに参加する様に促す。ホールはボビー、保安官補アーバス、町の子供PJと共に、連続殺人事件の犯人を暴くべく、降霊を試みる。プランシェットは自らを「彼女」と指し示し、その途端、死体置き場の少女を乗せた台車が動く。ホール達が犯人について尋ねると、プランシェットはBを指し示す。ホールはボビーに疑いをかけるが、ボビーは湖の向こう岸の悪魔達の仕業だと主張する。

その夜、ホールはアーバスを連れて若者達の集会を訪ねると、リーダーのフラミンゴと会う。ホールは失踪した少女の行方について尋ねる。フラミンゴはその少女が面倒を見ていた子であり、心配している事を明かす。そこにボビーが押しかけ、無断で行動を起こしたホールを咎めると、フラミンゴを殺人容疑で逮捕する。

その後、ホールは時計台の機械室に立ち入り、鳴り響く鐘の音で前後不覚に陥って転落する。ホールは夢想の世界でポーと再会すると、誰が少女を殺したのか尋ねる。ポーは真実を知りたければ結果も覚悟すべきだと説き、思い出すだけで恥と思う昔の出来事について語り始める。

子供達がヴァンパイアにされるのを恐れたフロイドは、子供達を薬で眠らせた後、その喉を裂いて皆殺しにした。唯一、ヴァージニアのみがその企てを察知し、未然に阻止しようしたが敵わず、フロイドから逃れ、教会を脱出した。そこにフラミンゴがバイクで駆け付け、ヴァージニアを連れ去り、ヴァンパイアへと変えた。しかし、程なくフロイドはヴァージニアを見つけ出し、寝込みを襲って連れ出すと、森の中の地下牢に鎖で繋いだ。フロイドはブロック塀で地下牢を塞ぐと、首を吊って自殺を図った。

ホールはポーと共に、地下牢からヴァージニアが昇天していく様子を見届けると、ボビーの呼ぶ声で夢想の世界から目を覚ます。ボビーはホールに出版社から1万ドルの手付金が払われた事を聞きつけ、話が違うと詰り、5千ドルの取り分を要求する。ホールは金の話は小説を書き終わってからだと諭す。ボビーはあらすじについて、主人公が保安官ボビーであり、連続殺人鬼が湖畔で女達を殺しまくる話だと説くと、語気を荒げて、その女達が悪魔に身を売ったアバズレ共で殺人鬼の心を刺激するのだと悪罵する。ホールがボビーに怪訝な顔を向けると、ボビーは置き時計でホールの頭部を殴りつける。

夢想の世界に移ったホールの前に、ボビーと同じ主張をするフロイドが現れ、魂を救った事、神を忘れて快楽を求めた事を告白し、赦しを請う。苦悶するフロイドの様子は、ヴァージニアによるヘビを痛めつける姿に変わる。ホールはポーに導かれ、峡谷に差し掛かると、物語の結末を教える様に請う。ポーは真実と向き合う以外に結末は無いと説き、ホールはヴィッキーの事故死を述懐する。

その日、ホールはヴィッキーに一緒に海でボートに乗る様に誘われたが、前の晩に酒を飲みすぎて起きられず、ヴィッキーを一人で行かせ、事故が起きてしまった。ホールは自らの怠慢がヴィッキーの死を招いた事の責任に苛まれ、心を塞いで真実から目を背けてきたのだった。ポーはこの作品を愛する彼女に用意した墓にする様にホールに促す。

昏睡から目覚めたホールは保安官事務所を訪ね、そこで殺されたアーバスと、首吊りを図り、胸元に有罪と記された紙切れが貼り付けられたボビーを発見する。ホールは死体置き場の少女の覆いを取り、それがヴァージニアだと知る。ヴァージニアは助けを求め、ホールは杭を抜き取る。ヴァージニアは目覚めるや否や、ブレースを解き放って牙を生やし、ホールの首元に噛み付く。

ホールはサムの元へ訪れ、一連の夢想に拠って書き上げた「吸血鬼の処刑台」の原稿を持ち込む。サムは文句なしの傑作だと高く評価する。その後、作品がほどほどに売れた事で、ホールはデニースと和解し、ホイットマンのレアコピーを売らずに済む。ボビーは3件の杭殺人とアーバス殺しに関わった後、自殺を図ったと判断される。フラミンゴは行方をくらます。

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