チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

特捜部Q キジ殺し

ミケル・ノガール監督作「特捜部Q キジ殺し」("Fasandræberne" : 2014)[DVD]

未解決事件の再捜査を任務とする特捜部Qが、20年前に発生したある殺人事件を皮切りに、経済界の大物が関与する犯罪を究明すべく奔走する様を描くミステリー・スリラー作品。

 

殺人捜査課から新設された特捜部Qで、正式に任務を開始したカールとアサドだったが、それ以後、目立った実績を上げられず、未解決事件は積み増す一方で、二人は俄に署内で笑い者になる。そんな折、新しい秘書としてローセが就任する。その夜、一人の男がカールの元にやってきて、明日は日曜だ、などと不可解な言葉を並べ立て、再捜査を哀願する。カールは男を無視して帰路に着く。間もなく、カールは市警の元警部ヤーアンスンが自宅の浴槽で手首を切って自殺したとの報せを受け、現場に駆け付けると、それが自分を訪ねて来た男だと気付く。ヤーアンスンはカール宛に箱詰めにした捜査資料を残しており、カールはそれを飼い猫と共にオフィスに持ち帰る。ヤーアンスンは20年前に双子のトーマスとマリーを殺された後、退職した事、ビャーネという男が自首して事件は解決した事、ヤーアンスンは精神障害者と言われていた事が判明する。カールはヤーアンスンを無視した事への責任を感じ、アサドを説得して捜査に乗り出す。ビャーネは五年の懲役刑が精神障害との理由で三年で出所していた事、金持ちの顧客ばかりを扱う事で有名なクルムが弁護人だった事が判明する。

【20年前、町外れの寄宿学校に入学したキミーは、生徒達の憧れの的だった金持ちの上級生ディトリウに気に入られ、交際を始める。キミーはディトリウとその親友ウルリク、ディトリウが「下界」の人間と称する学外のビャーネの四人でつるんで遊ぶ様になる。】

カール達はビャーネの元を訪ね、不相応な家と高級車に目を見張ると、20年前のレイプ殺人について尋ねる。ビャーネは刑期を既に終えており、また犯人は自分では無いと主張し、嫌悪感を示す。カールはビャーネの両親が貧しかった事を挙げ、どうやって弁護費用を賄ったのか尋ねる。ビャーネは家を担保に工面し、出所後には株で一儲けしたのだと答える。その後、その供述に矛盾が無い事が判明するが、カールは腑に落ちず、捜査を継続する。一方、ホテル王と称されるまでに大成した実業家ディトリウは、ビャーネから警察が来たとの報せを受ける。

ローセはヤーアンスンの遺品を整理した上で、ビャーネの判決に不審感を抱いたヤーアンスンが他の犯罪を調べていた事、やがてヤーアンスンは解雇されて精神科に入れられた後、日曜日や満月に執着し始めた事、双子が殺された一時間後に所在不明の少女キアステンから、二人が殺されたとの緊急通報があった事を調べ上げる。カールは署の保管庫から当時の通報記録を収めたテープを持ち出す。その夜、ディトリウは同じく大成したウルレクと会い、ヤーアンスンが自殺し、警察が嗅ぎ回っている事を伝える。ディトリウは、警備会社を営むオールベクの調査により明らかとなった妻テルマの浮気相手フランクを、ウルレクと共にリンチし、半殺しにする。一方、カールは居候の義理の息子イェスパと明晩一緒に食事する約束を交わす。

テープに収められた通報記録から、キアステンと思しき少女が、泣きながら二人の死を伝えると共に、助けを求めていた事が判明する。キアステンはディトリウの幻覚に怯えながら、廃車となった貨物車を住処にして身を潜めながら暮らす。カールはキアステンの手掛かりを求めて、継母の元を訪ねる。継母は夫の連れ子のキアステンとは20年間会っていない事、素行不良で手に負えない為に、夫の死後、寄宿学校に入れた事、更にキアステンがその学校で当時の物理の教師クラウスにレイプされた事を明かす。カール達はその足で、クラウスが勤務する学校を訪ねる。クラウスはレイプ事件の真相について明かす。

【大雨の夜にキアステンが突然、びしょ濡れでクラウスの家にやってきた。クラウスはキアステンの誘惑に抗えずセックスに応じた。キアステンはその直後に悲鳴を上げ、レイプされたと主張した為、クラウスは強姦罪で告訴されると共に、フェンスマーク森の別件のレイプでも告訴された。しかし、良家の子弟が通う名門故にスキャンダルを嫌った学校は、手を回してクラウスを不起訴にした。キアステンは訴えを取り下げ、クラウスは解雇を受け入れたのだった。】

クラウスはキアステンがそんな芝居をした理由について見当もつかないと説く。一方、ディトリウとウルレクは仕事のみならず、狩猟仲間としても親交のあるクルムから、警察が極秘にキアステンの捜索を始めた事を聞きつけ、危惧を抱く。その直後、キアステンは不審な男が街中で自分を捜索している事を知る。

カール達は調書を携え、フェンスマーク森を訪ねると、森から程近い場所に寄宿学校がある事に気付く。学校の授業が無いのは日曜日だけであり、双子の殺害も森でのレイプ事件も日曜日に起きていた事、他にも周辺で日曜日に覆面姿のグループによる犯行が頻発していた事が判明する。一方、ディトリウは傘下の病院に入院したフランクを訪ねると、自らの関与に気付いたフランクを脅迫し、大金と引き換えに黙秘を強要する。

カール達はディトリウの邸宅を訪ね、キアステンことキミーについて尋ねる。ディトリウはキミーと数ヶ月交際しただけであり、飲酒癖や嫉妬、暴力などの異常な言動を理由に別れ、その後は会っていない事を明かす。また、ディトリウはビャーネとの関与を否定し、レイプ事件について嫌悪感を示す。カール達は邸内に掛かった狩猟仲間同士で撮った写真の中に、ウルレクとクルムの姿を確認する。アサドはテルマがディトリウに怯えている様子を察知する。その直後、数週間前にキミーを中央駅で見たという証言が得られる。カールは捜査に腐心する余り、イェスパとの食事を失念してしまい、イェスパに拒絶される。

翌日、フランクは移民に襲われたと証言する。カール達は駅でキミーを捜索する中で、不審な男がキミーを探し回っている事を知り、捜査情報が筒抜けになっている可能性を疑う。程なく、オールベクはキミーの友人でヤク中の娼婦ティーネから、ドラッグと引き換えにキミーの居場所を聞き出すと、住処に押し入り、殺そうとする。キミーは辛うじてその場を脱すると、ティーネの部屋に身を寄せる。キミーはティーネに背後にいるのが誰か問い質す。ティーネはキミーの友人だと明かした矢先に、ドラッグの急性中毒を起こして死ぬ。カール達はティーネの部屋を見つけ出し、押し入る。キミーは咄嗟に窓から逃走を図る。カールはキミーを路地裏に追い詰めると、警戒を解く為に銃を捨てる。キミーはカールが殺し屋だと誤解し、カールを鉄パイプで殴り飛ばす。カールは双子殺害の通報の件について触れる。キミーは構うなと言い放って逃走する。

カールは現場に駆け付けた課長に、事件の唯一の目撃者のキミーが殺される危惧を説く。課長は手掛かりがキミーだけという理由で捜査に消極的な姿勢を示す。その直後、カール達はキミーの住処に残されたバッグの中から、ミイラ化した胎児を発見する。カールはその直後に頭部への負傷が災いして気絶する。ディトリウはキミーを取り逃がしたオールベクに協力関係の解消を通告する。

カールは入院して治療を受ける。ローセはカールが破壊的過ぎて着いていけないとこぼす。アサドはローセを慰留すると、カールには自分達が必要だと諭す。ローセは20年前の病院の記録に基づき、双子殺害から四日後にキミーがレイプされて血だらけで来院し、妊娠四ヶ月の胎児が死亡した事、中絶準備中にキミーが姿を消した事を報せる。

【当時、ディトリウはキミーを自らの所有物の様に支配していた。ディトリウは物理の単位取得が危ない事をキミーに明かすと、レイプ事件をでっち上げる事でクラウスを排除する様にキミーを唆した。ディトリウはウルレク、ビャーネにキミーを加えた四人で、気に入らない連中を日曜の夜にリンチで半殺しにしていたのだった。】

カール達は課長に捜索の応援要請を直訴するが、交通安全キャンペーンに伴う取り締まりの強化との理由で却下される。カール達は市警本部長がディトリウと同じ学校を卒業しており、また同じ経営者団体の会員でもある事を伝えると、裏で手を回していると主張する。また、本部長がカール達の捜査を監視していた可能性が浮上する。課長はキャンペーンを中止し、応援を手配する。

程なく、キミーがプールで目撃されたとの報せが入る。カール達はプールを訪ね、キミーが脱ぎ捨てた衣類を発見する。その頃、キミーは娼婦に変装し、バーでオールベクと接触すると、アパートへ付いていく。変装に気付いていたオールベクは、キミーを殴り飛ばし、拳銃を突きつける。キミーは不意を突いて拳銃を奪い、黒幕がディトリウだと聞き出すと、オールベクをベランダから転落死させる。

アパートに駆け付けたカール達は、オールベクのPCからフランクとテルマが密会していた記録を見つける。カール達はキミーが持ち出したオールベクの携帯の電波を探知し、キミーの向かった先がディトリウの邸宅の方角だと確信する。キミーは邸宅の傍の茂みに身を隠し、テラスに現れたディトリウを拳銃で狙うが、20年前から続くディトリウの心の支配に屈し、機を逸する。間もなく、警察が駆け付け、逃走を図ったキミーを確保する。

その後、キミーが20年間、ディトリウに猟奇的な脅迫文を送りつけていた事、またオールベクのアパートでキミーの遺留物が採取された事が判明する。課長はディトリウとウルレクの起訴が難しく、キミーは病院送りとなる線が濃厚だと説く。カールは拘置所を訪ね、キミーと面会する。カールはキミーの心情に理解を示し、更生を望んでいる事を明かすと、ディトリウ達の犯罪の立証への協力を求める。キミーはウルレクに犠牲者の遺留物を収集する癖がある事を明かす。カールは明朝の裁判へ自らが送り届ける事を約束する。

カールはウルレクの邸宅への侵入に難色を示すアサドを説得する。アサドはテルマと会って、ディトリウに関する犯罪の数々を伝えると、協力を請う。テルマはウルレクの弱点が自分だと説くと、ウルレクに連絡を入れて助けを請い、密会の約束を取り付ける。カール達はウルレクの外出を確認すると、邸宅に忍び込む。間もなく、ウルレクは警備会社から防犯センサー作動の報せを受けると、密会を中止し、直ちに自宅へ急行する。カール達は使用人から秘密部屋の存在を聞き出し、SMプレイルームを見つける。カール達は室内に隠された箱の中に、犠牲者の遺留物の数々を発見する。その時、ウルレクが戻ってくる。カール達は直ちに逃走を図るが、ウルレクに麻酔銃で狙撃される。

【当時、妊娠に気付いたキミーはそれをディトリウに打ち明けるが、ディトリウは忌避感を露わにした。その夜、キミーはディトリウ達に同行し、双子のリンチに立ち会った。その際、トーマスがウルレクのマスクを剥いだ為、ディトリウ達は双子をナイフで惨殺した。キミーはその場から逃げ出すと、公衆電話から通報を図った。そこへディトリウがやってくると、キミーは決別を告げて立ち去った。その直後、ディトリウとウルレクはキミーの家に忍び込み、キミーを陵辱した。キミーは命からがら逃走し、血だらけで病院に駆け込んだのだった。】

未明、拘置所に警護官がキミーを移送する為にやってくる。キミーはカールが来ていない事を知ると、警護官の不意を突いて脱走する。一方、カールとアサドはウルレク邸内の動物飼育棟に監禁される。ディトリウの手下ミロは、命令に基づき、カールとアサドに酒を飲ませて溺死させる準備に取り掛かる。そこにキミーが駆け付け、ライフルを持ち出すと、ミロを射殺し、遅れて到着したディトリウを付け狙う。カール達は拘束を解くと、キミーの後を追うが、そこにライフルを構えたウルレクが立ちはだかる。カールは胸部を撃ち抜かれながらも、キミーを追う。アサドは拳銃でウルレクを射殺する。キミーはディトリウを捕らえると、ガソリンを浴びせる。ディトリウは命乞いする。そこにカールが駆けつけ、もう終わったのだとキミーの説得を試みる。キミーはそれに応じず、ガソリンに火を放ち、ディトリウは火達磨と化す。キミーは自らの身を炎に投じて自殺する。

経済界の大物二名の死と殺人事件への関与は、衝撃をもって報じられる。警察は大掛かりな捜査に着手する。帰宅したカールは酒を携え、イェスパの部屋をノックする。

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