チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ガール・オン・ザ・トレイン

テイト・テイラー監督作「ガール・オン・ザ・トレイン」("The Girl on the Train" : 2016)[BD]

傷心から酒に溺れ、毎日同じ列車に乗って往復を繰り返す女が、車窓から見える元夫の家の隣に住む若い女に興味を引かれ、やがて殺人事件に関与していく様を描くミステリー・スリラー作品。

 

ニューヨーク郊外の小さな町アーズリー=オン=ハドソン。レイチェルはかつてこの町の住宅地、線路沿いに位置するベケット通りで夫トムと暮らしていた。子供を切望するレイチェルは、妊娠の為にできる限りの手を尽くすも、それが実る事は無く、酒に溺れる様になった。程なく、トムはアル中を患うレイチェルに愛想を尽かして愛人のアナと結婚し、住処を失ったレイチェルは友人キャシーの家に居候する様になった。アル中が災いしてニューヨークの勤め先を解雇されたレイチェルは、酒を飲みながらキャシーの家とニューヨークの間を列車で往復し、その度に車窓から見えるベケット通りに住む人々の暮らしに思いを馳せる様になった。一方、アナはトムとの間に儲けた赤子イーヴィを育てながら、幸せに暮らしていた。ある頃から、レイチェルはトムの家の二軒隣の家のポーチに現れる若い女とその夫が愛し合う姿に、心を奪われる様になった。レイチェルは名も知らぬその女に、幸せだった頃の自分を投影し、二人の暮らしに想像を膨らませては羨望する一方で、トムへの未練が断ち切れず、日々更新されるトムのSNSを監視し、電話やメールを繰り返すのだった。

その若い女メガンは、レイチェルの想像とは裏腹に、小さな町に退屈する一方、子供を熱望するスコットから体を求められる事に辟易し、人生をやり直したいと考えていた。メガンは町の精神分析医アブディクにカウンセリングを受けており、自らの過去と共に、赤子を望んでいない事を明かしていた。かつて画廊に勤めていたメガンは、トムの家でイーヴィの子守りに雇われていたが、新たに画廊からスカウトを受けたのに伴い、アナに辞意を申し出る。アナは突然の話に戸惑い、慰留するが、メガンは働いていないアナを詰って出ていく。アナは相次ぐ無言電話について、トムにレイチェルと話をする様に促すと共に、メガンが辞めた事を報せる。

ある金曜日の朝、レイチェルはメガンがポーチで夫とは別の男と抱き合い、キスしているのを目撃する。レイチェルは憧れていたメガンの不貞を、トムの裏切りと重ね合わせて激情し、メガンに対する強い殺意を覚える。バーで泥酔したレイチェルは、酩酊状態でベケット通り傍の駅で降りると、ベケット通りへの途中にあるトンネルでメガンを見つけ、アバズレと叫ぶが、その矢先に意識を失う。

翌朝、レイチェルは頭部から出血し、体中が痣だらけの状態で、自室のベッドで目を覚ます。レイチェルはトムが携帯に残した、アナを怖がらせたと非難する旨のメッセージを聞くものの、何一つ思い出せずに当惑する。レイチェルは堕落した生活を改め、記憶の空白を取り戻すべく、酒を断つ意思を固めると、アル中患者が集まる断酒会に参加する。レイチェルはその場で、かつて泥酔してトムの上司の妻に悪態をついた為に、トムが解雇された事を告白する。

帰宅したレイチェルを刑事ライリーとガスキルが待ち受けており、金曜日の夜にメガンが失踪した事を明かすと、メガンとの面識とその夜の行動について尋ねる。レイチェルはニューヨークから帰りの列車に乗り、トムに会いに行ったものの、気が変わって止めたと答える。ライリー達はレイチェルが既に解雇されている事を指摘し、引き上げる。解雇について聞いていなかったキャシーは、レイチェルが無意味にニューヨークとの間を往復し、トムからの扶養料を費消している事が異常だと詰り、数週間以内に出ていく様に命じる。レイチェルはライリーを呼び止め、メガンが愛人といるのを見たと伝える。ライリーは偶然にしては都合が良すぎると指摘すると共に、近所で酔った女が目撃されている事を明かすと、アナから聴取した、かつてレイチェルがトムの家に忍び込んで赤子を連れ去ろうとしたという話を挙げ、トムとアナに近寄らない様に命じる。

メガンの失踪から一週間が経つ頃、レイチェルは報道でメガンの素性を知り、画廊を訪ねる。その帰り際、レイチェルはトムの家の前を通って、スコットに会いに行く。レイチェルは情報を求めているというスコットに、メガンと面識があると欺き、ポーチで見た男について伝える。スコットはレイチェルの描写した特徴から、それがアブディクだと悟ると、レイチェルに画像を見せる。レイチェルは同一人物だと認める。

スコットの証言により、アブディクは事情聴取を受ける。レイチェルはメガンが無事に戻る事を願い、事件の解決に生きる目的を見出す。程なく、レイチェルはスコットに呼び出される。スコットはアブディクが証拠不十分で釈放された事と共に、アブディクが診療時にメガンから聞いたスコットに関するネガティブな話を警察に証言した為に、自らの立場が危うくなっている事を明かす。メガンはスコットについて、独占欲が強くて嫉妬深く、支配したがる性格であり、子作りにしか興味が無いとアブディクに伝えると共に、次第にアブディクに好意を露わにする様になり、アブディクは同情しながらもそれを拒んでいたのだった。スコットの家からの帰り際、レイチェルは偶然トムとアナに出会す。レイチェルは家の前にいる理由を問われ、メガン捜しに協力しているのだと答える。トムはレイチェルは誰の力にもなれないと諭す。

レイチェルは患者を装ってアブディクの診療を受け、記憶の空白を取り戻したいのだと訴えると、度重なる妊娠の失敗から深く傷つき、酒に溺れ、離婚に至った事、失意の日々の中、真実の愛と呼ぶべき完璧な夫婦を見つけたものの、女の方が裏切った為に感情が乱された事を打ち明ける。一方、アナはレイチェルのトムに対するつきまとい行為について、ライリーに直訴する。ライリーは侵入などの確証が無ければ警察は動けないのだと諭す。

程なく、レイチェルの部屋に、スコットが記者達が家に集まって行く所が無いという理由で訪ねてくる。スコットはライリーがアブディクを通じて聞いたメガンの妊娠を知った事を明かし、メガンと口論ばかりしていた事を悔いる。レイチェルはメガンがスコットを愛していたと偽る。その夜、レイチェルはスコットを部屋に泊める。

失踪の一ヶ月前、メガンは夜中に家を抜け出し、アブディクの元を訪ねていた。メガンは17歳の時に、亡き兄の親友マックとの間に儲けた最愛の赤子リビーを一人で育てていた事、ある時、リビーと一緒に風呂に入った際に抱いたまま眠ってしまい、目覚めるとリビーが手を離れて溺死していた事、リビーを密やかに埋葬した後、マックは出ていって二度と戻らなかった事を、アブディクに涙ながらに打ち明けたのだった。

レイチェルは再びアブディクの診療を受ける。レイチェルはある日、酔った勢いでトムの家に上がり込み、イーヴィを抱き上げて、そのまま外に出たところ、気付いたアナに呼び止められ、その場にイーヴィを置いて逃げた事を打ち明け、ただ抱きたかっただけだと弁解する。

間もなく、ベケット通りから程近い森の中で、メガンの腐乱死体が発見され、鈍器によって殴り殺された事が判明する。アナはそれを知るとトムに対し、レイチェルがメガンを殺したのだと主張する。トムはそれを否定し、レイチェルは哀れな女に過ぎず、無害だと説く。スコットはレイチェルの家に押しかけ、メガンが宿していた子の父親が自分でもアブディクでも無かったとライリーから聞いた事を明かすと、レイチェルがメガンとは面識が無く、嘘を付いているのだと看破し、その目的を問い質す。レイチェルはメガンの浮気を伝え、協力したかったのだと弁解する。スコットはアル中で精神的に不安定なレイチェルとの関係をライリーに疑われている事に嫌悪感を示すと、嘘つき女と面罵して出ていく。

レイチェルは警察署にライリーを訪ねると、スコットに脅された事を明かし、疑われている様な関係では無いと弁解する。ライリーはレイチェルが事件当夜に現場付近で目撃されている事から、スコットに罪を着せる為に接触を図っているのでは無いかと問い質す。レイチェルはスコットが殺したのだと主張するが、ライリーはスコットのアリバイを盾にそれを否定すると、レイチェルに真実を話す様に促す。

レイチェルは立ち寄ったバーで、予てから列車に乗り合わせる不審な男を見つけ、自分をつけ回す理由を問い質す。困惑した男は、事件当日に、毎日通っているトンネルで地面に倒れているレイチェルを見かけ、助けようとしたら消えろと言われた事を明かす。それを受け、レイチェルは自分がメガンを殺したのでは無いかという疑念を募らせる。キャシーの家を離れたレイチェルは、列車に乗り、車内で偶然マーサと遭遇する。レイチェルはかつてトムの会社のバーベキューパーティの場で泥酔して騒ぎを起こし、それが原因でトムが解雇された件について謝罪する。マーサは騒ぎの事実は無く、レイチェルが酔って倒れただけであり、解雇の件はトムの女癖が悪すぎる事が原因だと明かし、レイチェルに同情を寄せる。一方、トムとレイチェルの関係について俄に疑いを募らせるアナは、トムのバッグの中から見知らぬ携帯を見つけ、その中にメガンとのやり取りやメッセージを確認し、トムとメガンの浅からぬ関係を知る。

その夜、レイチェルは再びトンネルを訪れ、記憶の断片を繋ぎ合わせる。事件当夜、泥酔したレイチェルはメガンがトンネルの向こうのトムの車に近づいていくのを見た。それに気付いたトムはレイチェルを茂みに連れ込み、頭を殴り飛ばすと、メガンを車に乗せて走り去った。路上に倒れたレイチェルの前に二人の不良少年が近づくと、バーの男が二人を追い払い、レイチェルを助けようとしたが、レイチェルはそれを拒んだのだった。

翌朝、レイチェルはトムの家を訪ねると、庭に居合わせたアナにトムは嘘をついており、メガンを殺したのだと訴え、直ちに逃げる様に促す。アナは意に介さず、別れるつもりは無いと突っぱねる。レイチェルに気付いたトムが庭に出てくると、レイチェルはトムがメガンと車に乗るのを見られた為に自分を殴り、メガンを殺したのだと詰る。トムはレイチェルを家の中に連れ込む。それを受け、アナはメガンの携帯を見つけた事を明かし、メガンとの関係をトムに問い質す。トムはアナがイーヴィにかまけてばかりいるからだと強弁する。レイチェルは緊急通報しようとするが、トムはそれに気付いて阻止すると、レイチェルを強引に椅子に座らせ、グラスに注いだ酒を飲む様に強要する。レイチェルはトムから聞かされてきた、飲酒時の自分の失態は全て嘘であり、自分を苦しませて価値が無いと思い込ませるのが目的だったのだと喝破する。トムはグラスでレイチェルの頭を殴り飛ばす。

事件当日、妊娠に気付いたメガンは、自宅にアブディクを呼んだ。アブディクはポーチでメガンを抱き締め、励ますと、頬と額にキスをした。レイチェルはその様子を車内から目撃したのだった。トンネルでの一件の後、メガンはトムに森に行く様に求めた。トムはメガンがいつもの様にセックスを望んでいるのだと考え、快諾した。森に入ると、メガンはトムの求めを拒み、妊娠を打ち明けた。トムは自分の子なら堕ろす様に命じた。メガンが産んで育てる意向を示すと、トムはたちまち不機嫌になり、メガンとの間に子供は不要だと冷徹に言い放った。憤慨したメガンはトムを惨めな不能だと悪罵し、背中を押した。トムがそれに激昂し、メガンを押し飛ばすと、メガンは倒れた拍子に後頭部を岩に強打した。トムはメガンを石で撲殺し、茂みに隠して立ち去ったのだった。

程なく目覚めたレイチェルに対し、トムは自業自得だと説き、メガンの死はレイチェルのせいだと強弁する。レイチェルは逃走を図る。トムはレイチェルを捕らえると、結婚生活を壊した怒りを曝け出し、首を絞めて殺そうとする。レイチェルはトムを押し退けて家の外に逃れると、持ち出した栓抜きで追ってきたトムの首を刺す。アナは倒れたトムに徐に近寄ると、栓抜きを更に捩じ込んでトムの息の根を止める。間もなく、二人は駆け付けた警察に逮捕される。ライリーの聴取に対し、二人は互いの立場を支持し、正当防衛を主張する。

後日、レイチェルはメガンの墓を見舞うと、アナ、メガンとの絆が永遠である事を確認する。レイチェルはこれまでとは違う車両に乗ると、過去と決別し、未来に目を向ける。

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