チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

われらが背きし者

スザンナ・ホワイト監督作「われらが背きし者」("Our Kind of Traitor" : 2016)[BD]

大学教授の夫と弁護士の妻が、旅行先で出会ったマフィア幹部にMI6とのパイプ役を請われ、亡命への協力と国際犯罪の捜査に巻き込まれていく様を描くスパイ・スリラー作品。

 

モスクワ。ロシアン・マフィア「ヴォーリー」のボス「プリンス」ことペトロフは、資金洗浄役ミーシャに、管理する組織の口座全てを、自らの銀行に譲渡させる署名を強要する。その直後、ミーシャは妻と娘諸共、プリンスの手下に殺害される。

ロンドン大学で教鞭を執るペリーは、教え子と浮気した事が災いし、妻で弁護士のゲイルとの関係に亀裂を生じさせる。ペリーは夫婦関係の修復を図るべく、休暇を使ってゲイルと共にモロッコのマラケシュへ旅行に訪れる。しかし、ゲイルはペリーの不貞を許せず、ペリーの思惑は外れる。帰国を二日後に控えた夜、二人は高級レストランで会食する。ゲイルが仕事の電話で離席すると、隣のテーブルで騒いでいるロシア人グループのリーダー格ディマが、ペリーを席に招き、高級ワインを振る舞う。ディマはペリーをロシア式のパーティに半ば強引に誘う。ペリーはそれに抗しきれず、ディマに同行し、客達が酒、ドラッグ、ダンスに興じる乱痴気騒ぎのパーティ会場を訪ねる。ペリーは会場内を彷徨く内に、若い女が男にレイプされているのを目の当たりにし、咄嗟に止めに入るが、殴り飛ばされる。そこへディマが現れ、ペリーを助け出す。

明け方、ペリーはディマの一行と車に乗って会場を出る。ディマはペリーが相手にした男がマフィアの大物だった事を明かすと、ペリーを信義を重んじる紳士と称して評価する。次にディマは愛好するテニスにペリーを誘う。ペリーはその場にゲイルを呼び出す。ディマはペリーとテニスに興じた後、ペリーとゲイルを娘ナターシャの18歳の誕生日パーティに招待する。休暇最後の夜である事から、ペリー達は難色を示すが、ディマの要請を無碍に断れず、すぐに帰るつもりで招待に応じる。

その夜、ペリーとゲイルは大勢の招待客が集うディマの邸宅を訪ねる。ディマはペリーを屋上へ誘い出すと、自らが所属するヴォーリーについて明かす。先代のプリンスの時代、資金洗浄役として組織の口座を統括するディマは、弟分のミーシャと共に、欧州に出向いては金を洗浄し、皆を裕福にしてきた。ところが、信義を重んじる先代に対して、その息子の新プリンスは裏切り者で、ヴォーリーを国に売り渡し、政府と結託する事で合法的に仲間内で大儲けする様になった。ミーシャは口座の譲渡直後に、妻と長女と一緒に殺され、幼い双子の姉妹が遺されたのだという。ディマは、ミーシャと同じく組織の金の流れを把握している事から、新プリンスと政府にとって脅威である為、家族諸共殺されるのを危惧しており、ペリーに助けを求める。ペリーは困惑する。ディマはプリンスの手下の監視下にある事を明かすと、裏社会と無縁のペリーを適任だと見込んで、ロンドンに戻り次第、MI6宛のメモリースティックを空港で渡す様に請う。ペリーは已むを得ずそれに応じると、ゲイルにも明かす事無く、帰国の途につく。

ペリーはディマの指示通りに空港でメモリースティックを渡す。直ちにMI6職員のヘクターとルークが駆け付ける。二人はペリーに対する尋問を始め、ゲイルも事情を知る事になる。ペリーはディマから依頼された経緯について明かす。ヘクターは中身を確認し次第、二人に聴取を行う意向を示す。ペリーは断れなかったのだとゲイルに弁解するが、ゲイルは厄介事に関わったペリーを咎める。

ディマのメモリースティックから、表向きは成功した実業家を装うプリンスが、相談役のエミリオと共に、莫大なマフィアの資金を洗浄する為に、キプロスのアリーナ銀行をロンドンで開設申請している事、プリンスはヘクターの元ボスで下院議員に転身し、貿易金融委員会のトップの座に就いたロングリッグに大金を賄賂として贈る事で、著名な政治家、法律家、銀行家を申請の保証人として集めている事が判明する。ヘクターはロンドンのスタジアムでプリンスの動向を監視し、ロングリッグと対面する現場を確認する。ヘクターは上司のマトロックを呼び出すと、資金洗浄屋から得た情報と称して事情を報せ、捜査の許可を求める。マトロックはヘクターの動機が復讐だと見抜き、捜査を認めない意向を示す。ヘクターはロングリッグが裏切り者だと説き、MI6がマフィアの手先に堕ちる事への危惧を示すと、家族と一緒に英国へ亡命するというディマの要求に応じれば確たる証拠が手に入り、裏切り者を一掃するまたとないチャンスが得られるのだと訴える。マトロックは首肯せず、捜査の要請を却下する。ヘクターは独断で捜査に臨む事を決意し、ルークにマトロックの許可を得たと偽る。

ヘクターとルークは、ペリーとゲイルを連れ出すと、ディマがMI6を信用しておらず、パリでの交渉にペリーの出席を希望している事を明かし、同席を求める。ペリーは交渉に関わる事に難色を示す。ヘクターは、ペリーがデータを預かった時点で、ディマ達の命が委ねられているのだと諭す。ゲイルはそれがディマ自身の責任だと反論する。ヘクターはミーシャ達が殺害された現場の写真を提示すると、ディマ達もまたベルンでの口座譲渡後に皆殺しにされる見込みを示し、ペリーの同席以外に手段は無いのだと説く。ペリーとゲイルは考え抜いた末に、ディマ達を見捨てる事ができないという結論に達し、ヘクターの依頼を引き受ける。

ペリーとゲイルはユーロスターでパリに赴くと、プリンスに随行して美術館に訪れたディマと、休暇で絵画を観に来た体裁で偶然を装って再会する。ディマはペリーと翌日のテニスの約束を交わす。翌日、ペリーとゲイルは指定されたスポーツクラブを訪ねる。ディマはペリーと共に、組織の監視を避けてマッサージ室に入り、待機していたヘクター、ルークと密会する。ディマはヘクターの要求に応じて新たなメモリースティックを手渡す。ディマとペリーがテニスに興じている間、ヘクターとルークはデータを確認する。それには政治家や銀行家の名前と住所のリストが記録されているものの、肝心の口座番号は無い為、ヘクターは戻ってきたディマに証拠として決め手を欠いていると指摘する。ディマは家族の英国への亡命と引き換えに、全てを明らかにする意向を示すと、ロングリッグに対して総額2000万ポンドの賄賂が渡る事を明かす。ヘクターは関与する全員の口座番号が必要だと訴える。ディマはベルンの提携銀行でプリンスが指定する秘密口座に、自分が署名した後で振り込む手筈になっている事を明かす。ヘクターは家族の保護はその後だと説く。一方、エミリオはペリーとディマの偶然の再会に疑義を呈し、息がかかったニキを使ってペリーとゲイルを探らせる。

ルークはヘクターが嘘を付いていた事を知って詰る。ヘクターは口座番号が手に入れば、本部も話に応じるはずだと理解を求める。ヘクターは捜査が本部に認可されていない事をペリーとゲイルに明かすと、資金と人手が無い中で、ディマを英国に連れ出し、家族の保護を申請する作戦を遂行する必要性を説く。ペリー達はユーロスターでベルンへ向かう。ヘクターは自らにも息子がおり、麻薬を売っていた廉で刑務所にいる事、上司だったロングリッグが自分と揉めた腹いせに警察に息子を密告した事を明かすと、復讐を否定し、子を持つ親としてディマの家族の為に最善を尽くす意向を示す。

口座譲渡の当日。ディマは銀行で署名に臨む一方、家族は博物館に訪れる。ディマは口座一覧に目を通した後、署名を済ませる。プリンスはミーシャの時と同様、ディマに父の形見の拳銃を贈る。ディマはそれを受け取ると、プリンスを軽侮する。プリンスとロングリッグの一行は会場からホテルへ移動し、祝杯を上げる。ゲイルとヘクターの部下オリーは、見張りの不意を突いて、密かにディマの家族を博物館から連れ出し、トラックへ乗せる。ディマはホテルから脱出を試み、追ってきたニキを殺害すると、ペリーとルークの手引でホテルから逃走する。ディマはチャーター機の待つ空港で家族と合流する。ヘクターは、ディマの逃走を知ったロングリッグが内務省に手を回し、ディマの入国を拒否させたとの報せを受ける。ヘクターは本部を説得する為にロンドンに戻る。ルークとオリーは、ディマと家族をフレンチアルプスの隠れ家へ移送し、ペリーとゲイルも同行する。

隠れ家にて、ディマと家族は一時の休息を得る。ナターシャは好意を寄せる組織のアンドレイに電話をかけ、それを元に隠れ家の場所が組織に割れる。一方、ヘクターはMI6本部で長官と幹部らに捜査の必要性を直訴し、貪欲な黒い経済がもたらした汚い金、市民の悲嘆と苦痛から生まれた血の金がロンドンで洗浄されるのだと主張し、理解を求める。その結果、ディマが明朝ロンドンに赴き、家族はその数日後に入国する事が決まる。ディマはペリーとゲイルを信じて家族を託す。ペリーとゲイルは関係を修復する。

その夜、ナターシャはディマにアンドレイの子を妊娠している事を明かし、アンドレイと一緒にいる事を希望する。ディマは激昂し、ナターシャを殴る。ナターシャはディマが家族すら守れないと詰る。間もなく隠れ家をプリンスの刺客が襲撃する。ディマはペリーに拳銃を与えると、ルーク、オリーらと刺客を迎え撃つ。銃撃戦の後、ルークは負傷し、ディマは刺客を追って森へ向かう。ペリーはディマを探して森へ向かうと、今まさにディマを射殺せんとする刺客を銃撃し、ディマの窮地を救う。

ディマは家族と一緒にいる事を希望するが、ペリーが同行する意向を示した為、ロンドン行きに応じる。夜明け直前、ディマ、ルーク、ペリーの乗った車はヘリの待機場所へ向かい、オリー、ゲイル、家族の乗った車は陸路で安全な場所へ移動する。ディマはヘリに乗る直前、ペリーが家族と一緒に留まる事を希望し、ロンドンでの再会を約束すると、ルークと共にヘリに乗り込む。飛び立って間もなく、ヘリは上空で爆発する。

程なく、アリーナ銀行の開行式が催され、ロンドンでの業務が開始される。ディマの家族はロンドンに移住する。後日、ペリーはヘクターの家を訪ねると、ディマを通じて妻タマラから預かった先代プリンスの拳銃を手渡す。ヘクターはその真意を計り兼ねる。ペリーは家族の無事がディマの望みだったと説き、その場を後にする。その直後、ヘクターは銃身の中に隠されたメモを見つける。それはディマがその卓越した記憶力で暗記した全ての口座番号のリストで、黒い金をロンドンにばらまく手先となった、議員達を始めとする連中を白日の下に曝け出す確固たる証拠となる。

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