チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ボクの妻と結婚してください。

三宅喜重監督作「ボクの妻と結婚してください。」(2016)[DVD]

末期がんで余命宣告を受けた放送作家の男が、自分の亡き後も最愛の妻と息子が幸せに暮らせる様に、人生最後の仕事として妻の再婚相手を探すべく奮闘する様を描くコメディ・ドラマ作品。

 

バラエティ番組の放送作家を20年務め、各局から引っ張りだこの三村修治は、苦楽を共にしてきたしっかり者の妻・彩子、10歳の息子・陽一郎と共に、都内のマンションで幸せに暮らしていた。ある日、修治は医師から末期のすい臓がんの診断を受け、余命半年、持って一年と宣告され、抗がん剤放射線による治療で進行を遅らせる事で、QOLの向上を図る様に勧められる。常日頃から、世の中の出来事を「楽しい」に変換する事をモットーに生きてきた修治は、自分亡き後の彩子と陽一郎を幸せにする為に、がんを彩子に打ち明けはせず、人生最後の企画としてできる事は無いかと思案に暮れる。間もなく、修治は結婚相談所のCMを見て、彩子の再婚相手を探そうと決意する。

修治は関東中央テレビで婚活の新番組が始まる事を知ると、企画担当のディレクター片岡喜子と会い、お見合いパーティの取材に同行する。修治はそこで、パーティを主催する結婚相談所を営む、元テレビ業界の敏腕リサーチャーで旧知の知多かおりと久しぶりの再会を果たす。かおりは業界から身を引いた後、相談所を始めて成功を収めた事を明かす。修治は事情を全て打ち明け、妻の結婚相手探しを依頼する。かおりは修治に、治療で延命を図り、残りの人生を家族と一緒に過ごす様に勧めるが、修治の熱意を汲んで、依頼を承諾する。

修治は彩子に理想のタイプについてそれとなく尋ねる。彩子はこれと言ったこだわりは無く、健康が一番だと答える。そもそも修治は、12年前に番組で使う写真を入手する為にレンタル写真屋を訪ね、そこで働く彩子と意気投合し、後に結婚したのだった。修治は付き合いの長い恩人の関東中央テレビ編成部長・荒城を訪ね、廃業の意向を伝える。荒城は何かを悟った様に、修治に労いの意を示す。

程なく、かおりは相談所の会員の中から修治の希望に叶う男「伊東正蔵、39歳、結婚歴なし、インテリア会社代表取締役、文句なしの人柄」を見つけると、早速それを修治に報せる。修治はかおりの部下を装って、伊東とレストランで面談する。伊東は修治達に会うなり、見合いを断る意向を示し、相談所へは自分の意志では無く、妹が親を焚き付けて勝手に申し込んだ事を明かす。しかし、修治は伊東の明朗で誠実な人柄に触れ、紛れもなく自らの願いに叶う男だと確信する。

後日、修治は改めて伊東にメールを送り、彩子を推薦する。更に修治は伊東と再会し、結婚がいかに素晴らしいものか、自らの経験を交えて熱烈に語る事で、伊東が持つ結婚に対するネガティブなイメージの払拭を図る。伊東は彩子に対して好印象を持っている事を明かし、会う意向を示す。かおりはその報せを受けると、修治に覚悟を問う。修治はかおりに離婚届の保証人を依頼する。

修治は仕事で付き合いのある売れっ子アイドルに演技を依頼し、カフェで密会している姿を偶然を装って彩子に見せる。衝撃を受けた彩子は、その夜、修治に密会について問い質す。修治は心にもない事を幾つも理由に挙げた上で、別れを希望し、離婚届を提示する。彩子は茫然自失し、自らの至らなさを詫びる。修治は断腸の思いで家を出て行く。彩子はしばし悲嘆した後、怒りに任せて投げつけた修治のバッグから飛び出した、愛用のノートに記されたメモを見て、修治の真意を知る。

修治は夜の街を彷徨った後、明け方に荷造りの為に帰宅する。修治はノートに彩子が書き足したメッセージを見つけると、彩子に真実を打ち明ける。彩子は涙ながらに、黙っていた事を責める。修治は自分亡き後に彩子と陽一郎を支えてくれる人を見つけた事を明かし、一緒に見合いする事を提案する。彩子はそれを拒み、最後まで一緒に生きて欲しいのだと訴える。その直後、修治は倒れる。修治は病院へ搬送された後、入院する。

程なく、修治は退院すると、かおりの元へ訪れる。かおりは修治とアイドルの密会が週刊誌にスクープされ、それを知った伊東から関係を絶つ連絡があった事を明かす。修治は伊東の会社を訪ねると、真実を打ち明け、伊東なら自分の代わりに彩子を幸せにできるのだと訴える。伊東は、仕事一筋の自分に結婚を前向きに考えさせてくれた修治だからこそ、治療に専念し、家族と過ごす様に促す。修治は、彩子と陽一郎が伊東と幸せに暮らす情景が見え、安心するに至ったのだと説き、見合いを哀願するが、伊東は固辞する。

修治は失意の内に帰宅する。彩子から事情を聞いた陽一郎は、修治にやるせなさをぶつけて泣く。修治は伊東の固辞によって望みが潰えた事を悲嘆する。その後、修治は荒城の元に訪れ、アイドルの騒動の件について詫びる。荒城は兄が末期がんだった事もあって、修治にがんの兆候を見出していた事を明かすと、修治の考え方に理解を示し、最後まで修治らしさを貫く様に励ます。

その直後、修治はかおりから連絡を受け、伊東が見合いに応じる意向を伝えてきた事を知る。修治は彩子と伊東の見合いに立ち会い、互いについて紹介する。彩子と伊東は意気投合し、見合いは恙無く終わる。修治は伊東に見合いを受ける事にした理由を尋ねる。伊東は修治が見たという情景を自分も見たくなったのだと答える。その後、彩子と伊東は友達として交際を始め、修治は二人の求めに応じてその都度同伴する。ある日、修治は陽一郎に、大人になったら読む様に、と告げて、手紙を渡すと、彩子の事を頼む。陽一郎は修治に黙って手紙を開封して読むと、修治の為に笑うと彩子に誓う。

数ヶ月後、修治は自宅で療養しながら彩子、陽一郎と穏やかに暮らす。衰弱し、死期を悟った修治は、彩子に最後の願いを託す。それを受けて、程なく、彩子と伊東はチャペルで結婚式の予行演習に臨み、陽一郎とかおりが同席する。修治は付添人として、ドレスに身を包んだ彩子を伊東の元へ導く。修治は、彩子がいかに素晴らしい妻で母親かを熱弁し、最高の伴侶だと称えると、伊東も幸せになると保証し、彩子との結婚を正式に伊東に申し入れる。伊東は快諾する。

それから間もない春。修治は自宅で静かに息を引き取る。彩子は伊東に会ってそれを報せると、未来を作る方を選んだ修治の最後の望みを叶える為に、見合いから交際に至るまでの演技をして欲しいという自分の依頼に、応じてくれた事を深く感謝する。伊東は修治と出会えた事を喜ぶと、自らも良き伴侶を見つけ、修治の様に幸せになりたいと願う。

陽一郎は修治の手紙を部屋に掲示する。そこには陽一郎に贈る、修治ならではの人生訓の数々と共に、彩子へのメッセージとして、まためぐり逢えたら結婚してくださいと綴られていた。彩子と陽一郎は修治亡き後も彼の意を汲んで、朗らかに暮らし続ける。

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