チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ワイルド わたしの中の獣

ニコレッテ・クレビッツ監督作「ワイルド わたしの中の獣」("Wild" : 2016)[DVD]

淡々とした日常を過ごす女が、近所で狼と遭遇したのをきっかけに、狼に魅せられ、内に秘めた本能に衝き動かされていく様を描くドラマ作品。

 

ドイツの地方都市。集合住宅に住むアニアは、粗暴で意地の悪いボリスが営む小さな会社でIT担当、実質的にはボリスの雑用係として日々淡々と働いている。非社交的なアリアは交友関係に乏しく、帰りに射撃場に寄ったり、病院で寝たきりの祖父を見舞ったりする以外は、会社と自宅を往復するのみで一日を終える。また、アリアの妹ジェニーもまた同住宅内に暮らしており、二人はしばしば連絡を取り合っている。

ある朝、アニアは出勤途中に通る、自宅から程近い林の前で一頭の狼と遭遇する。狼はアニアを凝視した後、林の中に姿を消す。アニアはその狼に怖れを抱きながらも、強く魅了させられる。終業後、アニアは同じ場所に立ち寄るも狼とは遭遇できず、帰途に就く。翌朝、アニアは試みに林の中の枝に生肉を吊り下げておき、翌日改めて確認に行くが、肉はそのままになっており落胆する。しかし、アニアの心はますます狼に支配されていく。

従順なアニアに好意を抱くボリスは、アニアに運転を依頼し、関係先の工場に連れて行く。アニアはボリスの好意に素っ気なく対応する。アニアは工場内で不正を働くアジア系労働者達を目の当たりにする。帰路でボリスはアニアに車を預けて一人で帰る。アニアはその足で兎を二羽購入した後、それを林に放す。

ジェニーが交際相手と集合住宅を離れる事になり、アニアはかつて祖父が過ごしていたその部屋を引き取る。アニアはそこで狼を捕獲する方法を記した一冊の本を見つける。それに拠ると、野生動物の警戒心の強さを逆手に取って、ロープに細い布切れを何枚も取り付けた物で囲いを作って、獲物を追い込むのだという。アニアはそれに倣って林の狼を捕らえる準備を始める。

翌日、アニアはボリスに車にオイル交換が必要になったと欺き、まだ返却できないと弁解する。その後、アニアは林で一羽の兎の死骸を見つけ、手応えを感じる。アニアは工場で見かけたアジア系労働者三人を雇い、ロープに布切れを付ける作業を依頼する。また、アニアはジェニーが退去した後の部屋を、狼を収容できる様に設え、壁に覗き穴を空ける。その夜、アニアは病院から報せを受け、祖父の容態が悪化し、心臓の緊急手術が必要になった事を知る。

翌日、アニアはボリスに休暇を促される。その夜、アニアは労働者達の協力を得て、林の周囲をロープで囲った後、松明を灯して中に入る。アニアは狼を見つけると、予め用意した麻酔矢で狙い撃ちし、首尾よく眠らせる。アニアは狼を車で集合住宅前まで搬送した後、シートで引きずって運ぶ事で、誰にも気付かれる事無く、空き部屋に狼を収容すると、疲れ果てて眠り込む。

翌朝、アニアは覗き穴越しに狼の無事を確認すると、即製の防具を纏って狼に生肉を差し入れる。手持ちの現金に事欠いたアニアは、夜中に酔いつぶれたボリスと会って金を無心する。アニアは念願の狼との暮らしを実現して満足すると同時に、倒錯していく。

傷だらけで出勤したアニアは、病臥の祖父への心労によって弱っているのだと心配される。アニアは帰りに林で生き延びた兎一羽を発見し、連れ帰る。集合住宅の管理人は、アニアの部屋から発せられる騒音と悪臭を咎める。アニアは内装工事と兎の糞詰まりだと欺き、やり過ごす。狼は壁に体当たりを繰り返す事で亀裂を生じさせ、遂には破壊する。アニアは迫りくる狼から逃れるべく、ダストシューターに身を投じる。再び部屋に戻ったアニアは、夕暮れの空を恋しそうに眺める狼の後ろ姿を目の当たりにする。狼はアニアに気付きながらも襲いかかろうとせず、両者は寄り添って一夜を共にする。狼が懐く事で昂ぶったアニアは自慰に耽る。

翌日、アニアは狼と一緒に兎を残して出かける。アニアは傷だらけの体にボロボロの衣服を装った異様な格好で出社する。アニアはボリスに辞意を示す。ボリスは慰留するが、アニアは運命の相手ができ、傍にいるだけで喜んでくれるのだと説く。ボリスはアニアが祖父の件で耗弱状態に陥っているのだと誤解する。間もなく、アニアは病院から連絡を受け、祖父の延命措置の中止を打診される。

アニアは休業中のオフィスを訪ね、退職届を用意する。そこにボリスが現れ、アニアに対する好意を露わにする。アニアはボリスを誘惑し、激しく体を求め、デスクの上でセックスする。ボリスが先にオフィスを出ると、アニアはデスクの上に脱糞した後、オフィスに火を放つ。帰宅したアニアは兎の死骸を見つける。間もなく、痺れを切らした管理人がやってきて、通報すると警告する。アニアは寝具を携え、着の身着のまま狼を連れて屋上へ逃れる。駆け付けた警官が帰った後、ボリスがアニアを訪ねてやってくる。ボリスは悪臭と血痕に塗れ、荒れ果てたアニアの部屋を目の当たりにしてたじろぐ。ボリスはアニアが屋上にいる事に気付き、駆け付けると、自らの改心を伝え、狼を連れて自宅へ来る様に勧める。ボリスを敵視する狼は、リードを振り払ってボリスに襲いかかり、咬み殺す。アニアは警察に通報した後、狼と共に集合住宅から逃げ出す。

アニアは狼と共に夜通し歩き続け、街から離れた荒野に辿り着く。アニアは狼と同じ様に泥水を啜り、狼が捕らえたネズミを食べる。一昼夜の移動の後、目覚めたアニアは解放感に歓喜する。

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